結婚式にスニーカー?20代友人同士の服装ならOK?リゾートウエディングは?
こんにちは、松はじめです。先日、血脇先生とファッションについて対談する機会がありました。その中で特に印象的だったのが「結婚式にスニーカーを履いていってもいいですか?」という若者からの相談についてです。今日はこのテーマについて、深く掘り下げてお話ししたいと思います。
変わりゆくドレスコードの概念
血脇先生は、10年間ファッションディレクターとして、シップスやBEAMS、エージーグループなどで活躍され、現在はファッション専門学校で教鞭をとられています。そんな先生のもとに、20代のビジネスマンから相談がありました。「同級生の結婚式があるのですが、フォーマルな黒いストレートチップの靴を持っていません。スニーカーを履いていきたいのですが、どうでしょうか?」
この質問に対して、先生は単純に「ダメです」とは言いませんでした。むしろ、時代の変化に合わせた柔軟な考え方を提案されたのです。
確かに、従来のマナー本には昼の礼装、夜の礼装といった明確な区別が記されています。しかし、現代社会において、そうした教科書通りの考え方が完全に当てはまるかというと、そうではなくなってきているのです。
・
オンとオフの境目がなくなった時代

先生が強調されていたのは、現代においてオンとオフの境目がなくなってきているという点です。ビジネスシーンとカジュアルシーンの明確な線引きが曖昧になり、それは結婚式のような場面にも影響を及ぼしています。
レディースファッションの世界では、すでに「オケージョン対応」という考え方があり、様々なシチュエーションに対応した服装の提案がなされています。しかし、メンズファッションにおいては、そうした提案がまだまだ不足しているのが現状です。多くの男性が、ビジネスで着ているスーツをそのまま着て、ネクタイだけを変える程度の対応しかしていません。
・
ドレスコードとプロトコールの違い
ここで重要なのが、ドレスコードとプロトコールの違いを理解することです。先生が指摘されていたのは、ファッション業界の人でさえ、この二つを混同している人が多いということでした。
例えば、内閣の組閣写真撮影では、昼間であってもモーニングコートを着用します。これはプロトコール、つまり式典用の服装だからです。時間帯に関係なく、式典という場面において着用すべき服装が決まっているのです。
一方、結婚式に出席するゲストの服装は、新郎新婦が指定するドレスコードに従うものです。新郎新婦の装いはプロトコールに近いものですが、ゲストに求められるのは「平服でお越しください」といった指定がない限り、その場を盛り上げるための装いを考えることなのです。
・
「盛り上げる」という新しい視点
血脇先生が提案された、最も革新的な考え方が「盛り上げる装い」という概念です。
教科書通りの正礼装を着ることよりも、その式や参列者全体で場を盛り上げることの方が、現代の文化として重要なのではないか。そう先生は語られました。
実際、先生は相談してきた若者に対して、こうアドバイスされたそうです。「白いスニーカーを新しく買って、黒のスーツに合わせてみたら?親しい同級生の結婚式なら、慣れないネクタイよりもTシャツでもいいかもしれない」
これは決して無責任な提案ではありません。先生は続けてこう言われました。「ただし、一人で判断せず、一緒に参列する同級生や仲間たちと相談して、みんなでどんな格好をしていこうか、どうやって盛り上げようかを考えることが大事」
・
個人の責任と自由

ここで重要になってくるのが、個人の責任という概念です。
従来の教科書通りの服装をしていれば、誰からも文句を言われることはありません。しかし、教科書から逸脱した服装をする場合、それは個人の判断と責任において行うことになります。「なぜそんな格好をしているのか」と問われたとき、自分なりの考えを持っていなければなりません。
ビジネスカジュアルという概念も同じです。カジュアルと言われても、ビジネスシーンである以上、何を着ればいいのか自分で考えなければなりません。この「考える」ということが、現代において非常に重要なのです。
先生は「Tシャツにスーツで白いスニーカーで結婚式に行く」という選択をした場合、人によっては批判される可能性もあると認めています。だからこそ、事前にどういう式で、どういう人たちが出席するのかを確認し、場合によっては新郎新婦や他の参列者とも相談することが大切なのです。
・
リゾート婚に見る新しい流れ
実際、リゾート婚などでは、すでに新しい流れが生まれています。血脇先生ご自身も、娘さんの結婚式がリゾート婚だったそうで、新婦の父親という立場でありながら、黒のフォーマルではなく、南国に合うジャケットを選ばれたそうです。リネンのエクリュ色のジャケットにストライプのパンツを合わせ、ネクタイはしたものの、かなりカジュアルな装いだったとのこと。
他の参列者もアロハシャツの方がいたり、黒のダブルのスーツを着ている人は誰もいなかったそうです。それでも式は大いに盛り上がり、素晴らしいものになったと語られていました。
・
メンズファッションの課題
先生が指摘されていたのは、メンズファッションにおける提案の少なさです。レディースではオケージョン対応の提案が豊富にあるのに対し、メンズでは教科書通りのことしか提案されていないケースが多いのです。
これからの時代、手法が変わり、価値観が変わるタイミングにおいて、パーティーや式典の装いについても、もっと柔軟に考える必要があるのではないでしょうか。
・
まとめ:ルールを知った上で、場を盛り上げる
結論として、伝統的な装いのルールを知ることは大切です。しかし、それと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「この場をどうやって盛り上げるか」を考えることなのです。
結婚式にスニーカーを履いていくかどうか。それは一概に正解・不正解を言えるものではありません。大切なのは、自分なりに考え、周りの人たちとコミュニケーションを取り、その場にふさわしい装いを選ぶこと。そして、その選択に対して責任を持つことです。
服装は単なる見た目ではなく、コミュニケーションツールです。「よかったね」「それはやりすぎじゃない?」といった会話を通じて、私たちは互いに学び、成長していくのです。
教科書から逸脱することで、新しい文化が生まれる。そんな時代の転換期に、私たちは立っているのかもしれません。
血脇先生との対談を通じて、ファッションについて改めて深く考える良いきっかけとなりました。皆さんも、次に結婚式に参列する機会があれば、ぜひ「盛り上げる装い」という視点で、服装を考えてみてはいかがでしょうか。
ボットーネの公式メルマガをスタートします
ボットーネでは日常生活に役立つスーツの情報を皆さまにお届けするため、新しく公式メールマガジンをスタートすることになりました。
・よくあるスーツの疑問やお悩み
・ふと役に立つスーツの知識
・ボットーネ代表である松のつぶやき
たとえば、季節の変わり目の衣類のカビ対策、初めてのオーダースーツでお店を選ぶポイントなど、サロンにお越しいただく前の、ちょっとしたヒントにもなりましたら幸いです。
スーツのことを、気軽に、肩の力を抜いて知っていただける場所にしたいと思っています。
ご興味のある方は、下のボタンからご登録ください。
配信停止は、いつでもメール内のリンクから行えます。
NEWSLETTER
BOTTONE 表参道
スーツ通信
よくあるスーツのお悩みや、
忙しい日々の中でふと役に立つスーツの知識、
代表のつぶやきをお届けします。
どうぞ気軽にお付き合いください。
配信停止はいつでもメール内のリンクから行えます。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年12月10日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
おすすめ記事
3分でわかる!《男性編》恥を欠かないパーティースーツ、小物、服装で押さえておきたいポイント友人から、質問があった。 カジュアル・ファッションは好きだけれど、フォーマルの場の服…
初公開!ハードボイルドの本当の語源オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 8月に入った。 小雨も手伝…
タキシードのスタッドボタン(黒いボタン)は一体何のために付ける?タキシードを着る際に、当然ですがシャツを着ます。 あれ? シャツのボタンが黒い? 海…
なぜジェームスボンドは007 カジノロワイヤルでタキシードを着るのか? 私の先生 服飾評論家 出石尚三先生は以前、モナコのカジノを見学したことがあるそう…
英国から来た流儀 服飾評論家 出石尚三氏の服飾史の講義に参加してきました英国から来た流儀は、服飾評論家の出石尚三先生が講師を務めていらっしゃる、服飾史を勉強…
コードレーンのジャケットを着こなしたジャパニーズダンディ 大西基之先生から学ぶコーディネート術コードレーン ジャケットで初夏の装い 大西基之先生の装い ・夏の装いコードレーンのジ…
チェスターコートとはどんなコート?チェスターフィールドコートとの違いは?特徴は?チェスターフィールドコートの特徴 冬に向けてオーダーいただいたチェスターフィールドコ…
質問!ピークドラペルのスーツってどう思う?コンクールで着ても良いスーツオーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。 本日はこんな…
スーツのお台場仕立てとは?東京のあの場所と関係があった一体どうしてまた、お台場という名前なのでしょう? あの東京のお台場と何か関係が? あ…
スーツ生地のトレンドはなぜ変化した?松はじめです。 エアコンが発達し、夏のオフィスは涼しく、冬の室内は暖かい。 オールシ…



















【衝撃】なぜ結婚式の服装で黒スーツを着てはいけないのか
サルトリアイタリアーナ出版!長谷川喜美さんのトークイベントでイタリアサルトのスーツ事情や裏話を聞いてきた
スーツは着ない!という人も1着だけは良いスーツを揃えておいた方が良い理由
サラリーマンのスーツがダサい?理由は安いから
男性は30歳を超えたら髪型を変えよう












