結局、この仲間が好きなんだなぁ
終礼です!
19:45分を過ぎ、声をかける。
土曜、今日もありがとうございます。と私たちの終礼ははじまる。
ピリッとしていて、キレがある一面を持ちつつ、リラックスした中之丸にいつも助けられ、今日はアルバイトクルーHと迎えたサロン。
礼に始まり、礼に終わる、というと大げさだが、チームである以上、どんな細かなこともシェアしてすすめる。
テーラーやデザイナーは、地味なような速やかなような、色々なイメージがあるのだが、基本的には整理整頓はプライオリティが高い。すっきりとした状態でクライアントに挑まねば。
ところで、いい仕事をするために、決してだらだらと漫然と過ごすのはよくないと思う。
クライアントとの関係でどうしても打ち合わせが伸びる、それはあることだし、苦にならない。
ただ漫然と、それでもなんとなく遅くまでいた方が体裁が良い。そんな文化は、日本の古き良き企業文化かもしれない。
でも、日本企業の生産性は実は低い。ドイツはどうだろうか。
いきなりは無理かもしれないが、やはりテーラーであっても気持ちよくありたい。
この時間には終える。そうやってゴールを設定して追い込むことで、仕事は終わるものだ。
あるいは、もっとこうしたらよくなる!ということがあれば、朝早く来てやったら良いがグローバルスタンダードだ。
終礼後、ついつい、どんな衿が美しいか。と、アルバイトクルーHに語ってしまう。
プレス、クリーニング、シューキーパーに、色々と質問されて。
結局徹底的に全部回答しなければ気が済まない性格らしく。
なんというんだろう、
毎日、働いた!という感覚を飛び越えて、生きてるなぁ。と思うことがある。
なぁAIよ、あなたは優秀だろう。
でもこの、やったぞ。というフツフツと湧き上がるような気持ちはあるか?
そのフツフツと湧き上がる達成感だって、理論用は理解できるかもしれないけど。
この生地は、良いですよ、ヌメリがあるでしょう。これは?いや、来年にしましょうよ。
なんとなく、アイビーのテイストじゃあないですか?ネームは、あまり提案しないけれど、ここにいれてみないか?やってみましょうか。
細かいことだが、手を加える。
そうすると、味が出る。
ストーリーが生まれる。
狙って生まれたものではないかもしれない、けれど、ふと振り返ったときに、あぁ、そういえばあの服はこうやって生まれたんだよなあ。そんな軌跡になっているのだ。
アナログ、イレギュラー、スロー、まぁなんだかそれも良いじゃあないか。
その中で気づき、学び、生まれるものもある。
雨が続き、新調したばかりのスーツの上にバブアーを羽織る。
オイルの香りが心地よい。
生きてるんだなあ。
綺麗事ではなくて、大変なこともあれど、結局この仕事、この仲間が好きなんだなぁ。とふと再認識した数日なのであった。デザインが得意なクルーもいて、全体把握し設計するのが得意なクルーもいて、亀のようだが着実に努力して這い上がるクルーもいる。
ということで、服を大切に、一緒に働く人との時間も大切に、一歩一歩進もうか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年10月15日
オーダースーツ ボットーネのブログ | オーダースーツBOTTONE クルーの本日の気づき
タグ:仕事, ボットーネのクルー, ボットーネ
おすすめ記事
【ブーツNG】男性のフレンチのマナーとエスコート マナー講師 高田さんに学ぶ日本人はなぜフレンチが苦手なのか? 「そもそも、テーブルマナーといっても、あの人はひ…
マリネッラのネクタイが到着!90日待って完成した品質と物語に大満足それはとある平日だった。 自宅に、1つの宅配便が。マリネッラのロゴの入った紙袋で、ネ…
なぜパナマハットと呼ばれるのか? ボルサリーノで有名な紳士帽の誕生秘話結論 パナマハットの呼び名 結論を言うと、パナマ運河を経由して入ってきた異国の帽子!…
イギリス生地の聖地 ハダースフィールドとは?2月1~3日までは、世界最大級の生地の祭典、ミラノウニカだ。 このミラノウニカ、世界…
今さら聞けない!ボーラー ハット(山高帽)の由来と語源ボーラーって国によって呼ばれ方が違う ボーラーって、どんな帽子だろう。 まず、丸い。…
サルトリアイタリアーナ出版!長谷川喜美さんのトークイベントでイタリアサルトのスーツ事情や裏話を聞いてきた銀座シックスの蔦屋書店へ まずは表参道から銀座へ移動。 普段世田谷区でのんびり過ごし…
ダレスバッグのおすすめブランド イギリス製と日本製 名前の由来はジョンフォスターダレス氏ジョンフォスターダレスが来日 1950年6月22日、ロンドンでチャーチルをはじめ重要…
ダッシングツイード 日本上陸 来日したガイ・ヒルズ氏にファッションや英国ドレスコード事情を聞いてみましたダッシングツイード ガイヒルズ氏のファッション ガイ・ヒルズ氏の姿は遠目でも彼だ!と…
【衝撃】なぜ結婚式の服装で黒スーツを着てはいけないのかこの記事の目次 実は黒いスーツは・・・ガラパゴス・スーツ ドレスコードとタキシード …
スーツのベストがあるメリット!着こなしや種類を解説ベストと聞くと、どんなイメージだろう? なんとなくしっかりしたイメージ? ベストの魅…