春の兆しとベージュのスーツと
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
ボットーネのある東京表参道は、ファッション感度の高い街だとつくづく感じます。
2月も後半に入り、気持ちのいい晴天が続いている中、昼間は程よい暖かさを感じるようにもなりました。
そうなると、感度の良い人はモコモコのアウターやダウンはもう着ていません。
ストールなどで微調整しつつも、冬の服装からの明らかな変化を感じます。
特に女性は春服への切り替えが早いですよね。
男性も見習わなければなりません。
さて、もうそろそろ3月ですから、冬が名残惜しくとも春を意識せざるを得ません。
春の服と言えばどんな色が思い浮かびますでしょうか?
私はトレンチコートに連想される『ベージュ』が真っ先に思い浮かびます。
ビジネスで着用することを考慮した結果、手持ちのスーツやジャケットはネイビーやグレー、ブラウンの地味目な色ばかりになっていませんでしょうか?
きっとスーツの重要性を理解し、堅実なあなたは「間違いのない1着」をそろえているのだと思います。
ボットーネとしても「おしゃれスーツを着こなしましょう」よりも、「落ち着いた品の良いスーツを」が基本スタンスですので、初めてご来店いただいたお客様のほとんどに上記に上げたようなベーシックカラーのスーツをご提案しております。
ですがワードローブがある程度揃ってきたら、少しだけ雰囲気を変えてみることで緩急がうまれる。
変化がある方がそれぞれのスーツが引き立ち、周囲の人はそういう変化に『おっ、今日はいつもと違うな』と男性的な色気や魅力を感じるのだと思います。
「でも急に明るい色味にチャレンジするのは難しい…」
だからこそベージュがおすすめなんです。
ベージュは、いわゆる“人肌”の色ですから、自然なあたたかみを感じさせ、優しい気持ちにしてくれる色です。
特に春のベージュは、気持ちのいい陽光を連想させ、冬から春への季節の移り変わりにふさわしい爽やかさを演出します。
昨今はビジネススーツもカジュアル化が文化として根付いてきており、せっかく装いの自由度が上がっているのですから、もう少し色で遊んでみてもいいと思います。
リネンやコットンなどのクラシックな夏服地に多い色、アースカラーというナチュラルな印象も含め決して派手過ぎにならないのが、大人の男性にはちょうど良い。
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春のおすすめベージュ素材①”フレスコ”
ビジネスシーンでも活用することを考慮するなら、ウール素材がシワにならなくていい。
なかでもフレスコのように、春・夏の気候に適した通気性の良い生地で、見た目だけでなく実際の着心地も心地よいものをおすすめします。
先日のブログでおすすめしたフォックス・エアーもフレスコ系の生地。
丈夫で、通気性があって、落ち着いたマットな質感の仕上げがどんな服装にもマッチすることでしょう。
こちらの写真はあくまでご納品時の服装(スーツに合わせた訳ではない)なのですが、ブラウンのシューズは相性がいいですね。
ベージュはブラウンの仲間、家族ですから、肌寒い時にはこのようなスエードがバランスをとってくれます。
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春のおすすめベージュ素材②”コットン”
汎用性抜群のベージュ素材と言えば、コットンで決まり。
上下セットアップでも使えるし、別々にも。
写真は、コットンスーツのジャケットと、ホワイトデニムを合わせていますが、このようにカーディガンとも相性も良く、コーディネートの幅が広いのも大きな特徴です。
合わせるアイテムはニットタイ、ローファー、クラッチバッグやトートバッグ、などのの比較的カジュアルなものが浮かんできます。
もちろん白いTシャツやスニーカーもアクティブに合わせてもいい。
ここでストレートチップのようなキチっとしたシューズやソリッドのシルクタイを持ってくるとしょっとアンバランスになってしまいますね。
ダブルブレストのジャケットも雰囲気があっていいですよ。
ブルーとの相性も良く、こうやって見ればビジネスでも良さそうだと思いませんか?
シャツを着て、ネクタイをして、いまの時代かっちりしすぎている?のかもしれませんが、不思議とそういう重たい雰囲気は一切ありません。
これもコットン素材故の程よい抜け感がもたらすのだと思います。
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春のおすすめベージュ素材③”リネン”
「リネンはシワになるからちょっと・・・」と言う人がいる一方で、
「リネンのこのシワがいいんだよ!」と誇らしげに語る人がいます。
どちらが正解か?というと、どちらも正解で、何かが間違っている訳ではないから難しい。
私は後者でありたいと思います。
誇らしげに語るわけではありませんが(笑)、自然由来の素材、何も加工されていないナチュラルなリネンだからこそ生まれる特有のシワにロマンを感じるのです。
「風合いが良い」というと、「やわらかい」に書き換えられてしまいそうですが、素材らしさが表現されていることを風合いが良いというのだと思います。
ツイードならツイードらしいのが風合いが良いですし、何もすべてが柔らかい素材に当てはまるわけではないはず。
リネンはある程度のシワがあってこそ。
それがリネンらしい風合いです。
リネンのベージュなら、芯を抜いて軽く羽織れるジャケットに仕立てたいところ。
コットンのように上下別々でも、ベストは様々なジャケットと相性バッチリですよ。
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ということで、今回はベージュをテーマに書いてみました。
トレンチコートなら簡単にベージュを取り入れられるので、それ以外のアイテムになると抵抗がある人も多いように感じます。
これからの季節は、見た目から与える印象、春なら春らしい暖かさ、夏ならより涼し気に見せることが重要なポイントであると思います。
ビジネスカジュアルに戸惑っている方も、ベージュのセットアップを仕立てて、時には上下別々にコーディネートすれば簡単かもしれません。
上品で大人の男性にぴったりのベージュ、取り入れてみてはいかがでしょうか。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年2月26日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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