転んだ回数が人を成長させる 5年前の自分と対話して気づいたこと

とある日のこと、
それは私も前線で常にフィッティングに携わっていたある日です。
納期があるご依頼の服で、緊急の調整がありました。
そこで、私は都内、目黒の職人の方の元へ泣きつきました。
以前、目黒に住んでたことがあります。
確か、前回お会いしたのはその頃。
その日その方に会うのは、実に5年ぶりです。
目黒の街も、変わっていない店もあって暖かい気持ちになりましたが、懇意にしていた様々な裏技を持った職人さんがお店をたたんでいることに気づきました。
その場所は、今や美容室になっていたのです。
ふと我にかえって、色々な物事が変化したのだと気づきます。
私は目黒の職人さんの元にたどり着きました。
こちらの方はまだ現役でやっていらしたので、ホッとしたのを今でも忘れません。
お会いするのも久々ということで、業界の話や、娘さんの話なんかもフンフンと聞いていたわけです。
それでふと、
その職人さんが私に言った。
【丸くなったね】
そういえば・・・
実はその頃、私は見栄を張って目黒で70平米くらいの新築で、
窓一面から森を見渡せるというなんとも贅沢なマンションに1人で住んで、
時々ホームパーティをやって。
言い訳いたしますと、スタジオ兼打ち合わせ兼自宅オフィスとしていたわけではありますが。
でも、贅沢な話であります。

スタッフも増えてきた時です。
今考えていたら、随分調子に乗ってたものです。
その頃のスタッフは誰一人いませんし、
ビジネスパートナーすら喧嘩別れしたようなものですが。
ところが、そんなことがあって、いろいろと山あり谷あり乗り越えて、その目黒の家からも引っ越して。
大地に足をつけて、一歩、また一歩。まだまだこの会社を良くできる!
今の自分に何ができるんだろう?と試行錯誤していたのです。
大変なこともあります。
ですが、
洋服が良かったよ!とおっしゃっていただけると、苦労が吹き飛ぶのは事実です。
そういう風な変化を、
丸くなった、とその職人さんは見抜いたんでしょう。
みなさんは、5年前、その時の自分思い出せますか?
どんな悩みがありましたか?
今、よくよく考えたら、大したことで悩んでないんですよね。
そして一歩一歩進んでいると、時には転ぶこともある。
けれど、振り返ったときに転んだところは覚えてる。
転ばずに何事もなく通り過ぎた道路は記憶にすらありません。
転んだ回数が、人を成長させるのだなとも、この時、5年前の自分と対話して気づきました。
そしてこの職人さんたちからすれば、私なんてまだまだ未熟どころか、産まれたてです。
まだまだ成長できる、
しっかり今を生きよう、集中しよう!と思いました。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
おすすめ記事
なぜ最初に揃えるスーツがネイビーなのか?オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。 今日はネイビ…
アルスターコートとは実は大人気のコートだった ざっくりいうと、アルスターコートはこんなコート ■特徴 ・長い丈、ダブル ・アル…
ネイビーのポロコート|ビジネスにも使えるモダンなコートネイビーのポロコートのコーディネート ポロコートといえば、キャメルです。 キャメルは…
なぜパナマハットと呼ばれるのか? ボルサリーノで有名な紳士帽の誕生秘話結論 パナマハットの呼び名 結論を言うと、パナマ運河を経由して入ってきた異国の帽子!…
服は着るだけでは半分でしかない星野先生は、ジェントルマンってものを教えたかったんだろうな、 「センターをつまんで、…
ポロコートの着こなしやアルスターコートとの違い!ポロコートとは ポロコートは、19世紀の後半、イギリスのポロの選手が、競技の間の…
スーツをクリーニングに出す時の注意!ドライクリーニングが臭う?結論 ドライクリーニングでは汗が落ちにくい ドライクリーニングとは、石油系溶剤を使用…
【残念!】TOKIO 謝罪会見の服装はなぜ黒 喪服スーツなのか?城島茂氏、国分太一氏、松岡昌宏氏、長瀬智也氏、全員黒!さて、細かな経緯や今後どうなる?という点はいろいろな意見があるところだと思うのだが、…
男性のフォーマル ウェアの服装は細身でなくてはならない理由前回、乗馬と服、 切っても切れない関係について書いた。 スポーツカーに乗るように、馬…
プレゼン スーツにコート 外資系企業の方からのご依頼とブレグジットとオーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 米国に拠点を置く世界最大規…
関連カテゴリーの人気記事 週間ランキング
-
1
なぜヨーロッパに行く時にボタンダウンシャツを着てはいけないのか?結婚式は?ビジネスは?徹底解説
-
2
おしゃれな服屋に入りづらい!服屋が語る店員の気持ちと飛び込むメリット
-
3
岸田総理のスーツスタイル
-
4
スティーブ・ジョブズはスーツを着ていた!黒のタートルネックだけではなかった理由
-
5
イタリア人は知っていた スーツにはハイソックス(ロングホーズ)を!あなたのスネは不快感を与えている?
-
6
事実 男は少しのお洒落があればいい!素足ソックスは女性にうけない?
-
7
シルクのジャケットとシルクロードと
-
8
セールで買ってはいけない服&買っていい服(男性編)アパレル業界の裏側とメンズファッションで大切なこと
-
9
ラルフローレンのパジャマを着て、部屋着について思うこと