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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

手触りのある服

松はじめです。

ボットーネ 表参道サロンで撮影がありました。

どんな撮影か?というと、プロモーションムービーです。

プロモーションムービーというのがどんなものかというと、簡単にいえばテレビコマーシャルのようなものです。

今回作っていただくムービーは2本、1本はオーダーサロン ボットーネのPVで、もう1本は別で動いているプロジェクトのPVです。

撮影がはじまったのが14時半、照明をセットして、ロケーションを組んで、撮影ははじまりました。

当初は18時くらいには終わるだろうと思っていたのですが、思いの外時間はかかるもので、20時を過ぎても終わりません。

たった、20秒くらいの動画に、です。

いやー、クリエイティブな映像って時間がかかるんですね。

でも、こういった手触り感のある仕事は良いな、と思いました。

今日は、この、手触り感ということについて洋服も絡めて書いてみたいと思います。

この記事の目次

洋服と手触り

簡単にいうと、洋服は触ると素材感が伝わってきます。

当たり前ですよね。

ウールにはウールの質感がありますし、コットンはコットンの質感があります。

最適は化学繊維もかなり進んできましたが、ポリエステルとか、レーヨンとか、そこにはその素材ごとの手触りがあるわけです。

そんな当たり前のことなんですが、普段この手触りって意識していないと当たり前すぎて感じないんですよね。

改めて感じてみると、あ、このウールは質が良いな、手触りが良い、とか好きだな、なんか嫌いだな、というようなことが出てくると思います。

特に最近、自宅にいるという時間が多かった方は多いと思うのですが、1日着ている服の、ちょっとした手触り感って大事ですよね?

首元がチクチクする服を、長時間着ていると気になって仕方がないのです。

逆に、着心地が良いな、手触りが好きだな、という服を着て過ごす時間は心地よいもの。

洋服に、この手触りというのは切っても切れない関係ということです。

買う時の手触り

もう1つ、買う時の手触りもあります。

極端な話ですが、ものすごく美味しい料理でも、ものすごく接客が悪いとなんだか残念な気持ちになりますよね。

なので、やっぱり買う時に、どんな気持ちで買ったのか?という点は今後着る上でも大切な手触りになるわけです。

好きだな、良いな、と思って、吟味して、納得して買う。

それをサポートしてくれる人はとても大事だと思います。

最近はインターネットで購入することもできますが、すごく便利です。

便利なんですが、実際に合うかどうか?サイズも、色も、届いてみると微妙に違うな・・というようなことがあるんですよね。

そんな時にサポートしてくれる人がいると、安心なんですが。

インターネットショッピング(EC)も徐々に一般的になってきましたが、この手触りが伝わってこないという点で、実際に店舗にいって試着したり、現物を見て、購入時にネットで買う、という方が増えているのは、まさに手触りが伝わらないからに他なりません。

作り手の手触り

野菜を買う時に、生産者の顔が書いてあると、とてもあたたかい気持ちになります。

これは、作っている人の顔が見えるという手触りです。

実際に既製品でも、誰かが手で作っている工程があります。

ミシンで縫っているから機械じゃないか!といっても、その機械を動かしている人間がいますし、原料となっているウールは、羊の毛。

羊を育てている方がいて、その毛を刈って、それを紡いで糸にして生地になるわけです。

こうやってたくさんの人が関わって、製品ができてくる。

私も大好きなダレスバッグというカバンがあります。

このバッグは、いろいろなブランドから出ていますが、結構難易度が高いカバンなのだそうです。

ですから、工房の中でも一番職人という、熟練の職人さんしか作れないといいます。

私も大好きで1つ持っている、大峽製鞄(おおばせいほう)というカバンのブランドがあります。

そのダレスバッグは、購入時かなり探しました。

難易度が高いカバンなので、なかなかお店に並ばないのです。

並んでも、すぐ売れてしまうため、半年、1年と待つことになるわけです。

それも、その時に欲しい色や、革の材質のカバンが出てくるかわかりません。

買ってみると堅牢で、まさに一生物とはこういうことか!と唸りました。

英国のバッグ職人の話を聞いたことがありますが、彼らは時に血を流しながら作業するそうです。

そうやって、作り手の情熱がこもって、作品になる。

デニムでも、ニットでも、スーツもジャケットも、作り手のことがイメージできると袖を通す時の気持ちも変わってくるんですよね。

妥協を許さない作品づくり

今回は、たった30秒程度のプロモーション・ムービーの撮影に、1本あたり4時間近くかかりました。

1つのカットを撮るだけで、なんどもやり直し。

カメラトランジションといって、カメラを上からすっと対象の物にもっていき、撮った後にまたフッと下に動く、この動きのタイミングをしっかり合わせなければなりません。

前のカットと、次のカットがスムーズに繋がるような構成でなければならず、事前に用意されていた絵コンテを見ながら、撮影が進んでいきます。

現場での思いがけないトラブルも、あの手この手でかわし、都度カメラをチェックしながらの撮影。

ようやく撮影終了した時は周囲は真っ暗でした。

たった30秒の映像を作るのに、こんなにも時間がかかるのなら、映画やドラマはどれほどの時間と苦労が詰まっているのだろうか・・と考えさせられました。

こうやって生まれてくる、手触りある映像。

何事も手軽に、インスタントになってきましたが、やっぱり手作りの、こだわった料理は美味しいわけです。

まとめ

洋服の手触りというと、素材にフォーカスしがちです。

ウールとか、コットンとか、シルクとかカシミアとか。

もちろん洋服を構成する要素として、素材はとても大きいです。

スーツを仕立てるにしても、まずコンセプトに合う素材から選んで、打ち合わせを進めていきます。

ですが、それ以外にも様々な手触りがあります。

一生で着られる服は限られていますから、手触りのある服を身に付けたいですね。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2020年6月14日
ライフスタイル | コラム

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