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【スラックス編】クールビズの服装で気を付けたいポイント

前回の【シャツ編】に続いて、今回はスラックス編をお届けしたいと思います。

たかがスラックスと侮ってはいけません。

クールビズスタイルにおいても、シャツと同様に主役となるアイテムですので、このブログを見て是非参考にしてくださいね。

こんなスラックスはNG

まずは、スラックスのNGポイントについて解説したいと思います。

すでにお持ちのスラックスも、今からご紹介する3点を気をつければ随分と見栄えが変わってきますので、確認してみてください。

①しわしわのスラックス

夏は下半身にもたくさんの汗をかきますので、当然スラックスもその汗を大量に吸うことになります。

そうなると、膝裏であったり立ち座りのある太ももの付け根であったり、動きのある部分がシワとして固まってしまうような現象も起こります。

見栄えという点に関しては、これが一番だらしない印象を与えてしまい、ちょっと気を付けるだけで改善することもできるポイントです。

まずはしっかりとプレスを行うこと、特に膝の表と裏、クリースライン、この2点は非常に重要です。

クリースラインが綺麗に入っているパンツとそうでないパンツとでは、全くと言っていいほど印象が異なります。

毎日プレスをかけるのが大変だという方は、今は様々な加工が可能でクリースラインが落ちにくいようにすることができます。

一番は毎日アイロンをかけることが望ましいですが、なかなか現実的には難しいかもしれません。

数着ローテーションさせたり、保管方法やハンガーの種類などを見直して、このクリースラインをできるだけきれいな状態に保つようにしてください。

そして電車などで座っていたり、日頃デスクワークで座っていると膝の部分がぽこっと出てしまうことがよくあります。

これは相当なゆとりがあるシルエットでない限り防ぐことは難しいですが、アイロンがけによって軽減することは可能です。

同じように、膝裏もしわしわになってしまうのでしっかりとプレスをかけるようにしましょう。

膝裏は特に、ご自身ではなかなか見えない部分ですが、周りの人からは一目瞭然です。

②長すぎ or 短すぎの丈(股下)

近年はテーパードシルエットの細身のパンツが多く、九部丈のような短い股下のスラックスがたくさん出回っております。

ですが、ビジネスシーンにおけるスラックスとしては、ノークッションからハーフクッション、ワンクッション程度が一番おすすめです。

これは一概に丈の長さだけでなく、スソ幅の広さ、足の形状(O脚など)にも起因してくる部分ですので一概には言えませんが、明らかに短い、もしくは明らかにダボダボのスラックスが非常に多いように感じます。

股下に関しては比較的簡単にお直しができる部分でもありますので、一度チェックしてみてください。

③お尻がテカテカ

ジャケットも含めたスーツとして購入したものの、夏はスラックスだけ履く。

このような方に多いのが、スラックスだけがダメージを受けすぎてしまっているということです。

分かりやすく言うと、お尻や太ももなどの椅子に座って当たってしまう部分がテカテカになってしまっているということ。

やはりスーツ上下で購入したものを、夏はスラックスだけ履くという使い方をしていると、上下のバランスが非常に悪くなってしまいます。

夏、クールビズ期間の服装は全くの別物と捉えた方が良いでしょう。

夏は夏にふさわしい素材というのはたくさんあります。

そうしたパンツを一つ二つ持っているだけで、スーツが消耗する事がなくなり、こうしたテカリなどは少しでも抑えることができると思います。

一度テカリが出てしまったものは修復することは難しいです。

ですので、あらかじめツーパンツ仕様で購入したり、クールビズはクールビズ専用のスラックスを用意することをお勧めします。

オーダースラックスなら安心

クールビズ用のスラックスについてお悩みの方は、オーダースラックスも是非候補に入れてみてください。

ボットーネにおいても、3万円程度からスラックスをオーダーすることが可能です。

素材、シルエット、様々な観点からご提案もさせていただきます。

ここからは、クールビズ用のスラックスに付いて、おすすめの素材や仕様を詳しく解説していきます。

生地にこだわる

クールビズ用のスラックスにおいて、生地というのは快適さに直結する非常に重要な要素です。

私がご提案する際に大事にしている項目が4つあります。

①通気性が良いこと

この時期のスラックスにおいて、通気性は言うまでもなく最も重要なポイントです。

通気性が良いということは、生地の織り方であったり、糸の太さであったり、あらゆる部分が関わってくるのですが、基本的には「平織りの生地」が通気性が良くなります。

その中でも、「太い糸を使った平織り」の場合は、その分空間も広くなりますので非常に通気性がよく、風が吹いた時には足に直接風を感じるほどで、普通の梳毛ウールのスラックスとは全く違った感覚です。

②丈夫であること

汗をたくさんかく季節ですから、丈夫さも兼ね備えていなければなりません。

例えば先程ご説明したような太い糸を使った生地。

これは当然細い糸を使った生地よりも、はるかに丈夫です。

専門用語になりますが、フレスコ・ポーラー・2プライ・3プライといった生地は、複数の糸を1本にまとめて織っており、丈夫で耐久性が優れているといった特徴を持っています。

私も、FOX Brothers社のFOX Airという、所轄フレスコのスーツを持っていますが、全くへこたれる気配がありません。

暑い=薄い物が快適と思われがちですが、少し厚い生地でも通気性が良ければ皆さんが思っている以上に快適な着心地になります。

ただ単に分厚い丈夫な生地ではなく、「通気性を兼ね備えた丈夫な生地」がこの時期にはもってこいなんです。

③ビジネス or カジュアル

どの程度の服装が許されているかによっておすすめの素材も変わってきます。

例えばポロシャツがOKな職場であれば、無理にウールのスラックスではなく、少しカジュアルなコットン素材なんかも良いと思います。

オン・オフ兼用で使うことができますし、いわゆるスーパークールビズ系の服装にもマッチしていると思います。

しっかりとシャツを着て、時にはジャケットも着ることがあるという方は間違いなくウールの素材がおすすめです。

④ストレッチ素材

タイトシルエットのスラックスがお好みの方は、先にご紹介したフレスコであったりコットン素材の場合、伸縮性があまりないため少し動きづらく感じてしまうことでしょう。

やはり素材によってシルエットも見直すことが必要で、タイトなシルエットが優先事項にあるとすれば、それに適した素材をセレクトする方が良いでしょう。

近年はウール、コットンともにストレッチ素材がたくさん出てきております。

ものによっては静電気がが発生しやすかったり、ストレッチが効きすぎていることによりダラッっとした印象になってしまうものもありますので、その辺りは注意が必要です。

間違ってもジャージ素材のような極端なものは避けた方が良いと思います。

やはりストレッチが効いていると、立ち座りの動作などはすごく楽になりますし、外回りの多い営業マンなどの職種の方にも適していますよ。

仕様にこだわる

生地にが決まったら、その次はシルエットや仕様を決めていきます。

私が考える、クールビズ用のおすすめの仕様は、「1プリーツややテーパードのシルエット」です。

これまで主流のノータックのスラックスに対して、近年は1プリーツや2プリーツのスラックスが流行っています。

①1プリーツ仕様

流行っているからという訳ではありませんが、私のお勧めは1プリーツです。

文字通り、ひとつのプリーツが入っていて、内側を向いたインプリーツと、外側を向いたアウトプリーツがあります。

スラックス単体であれば、アウトプリーツが良いでしょう。

プリーツ入りのパンツはその分可動域も広くなりますので、動きやすさが向上する点に加え、クリースラインが綺麗に入ることが何よりメリットだと思います。

最初にご説明したように、スラックスにおけるクリースラインは「美しさの生命線」といっても過言ではありません。

1プリーツ入ることにより、スラックスの頂点から股下まで途切れることなく一直線にクリースラインが入ります。
(ノープリーツの場合、太ももあたりでクリースは消えてしまいます。)

②ややテーパードのシルエット

プリーツが入りますで、太ももやお尻周りまでタイトなシルエットだと、ちぐはぐになってしまいます。

「ゆったりしたシルエットになるんじゃないの?」と心配の方もいるかと思います。
(プリーツ=ダボダボのイメージは私も昔は持っていました・・・。)

ですが、太ももやお尻周りは適度なゆとりを持たせ、膝から裾にかけてはすっきりとさせたテーパードシルエットであれば、むしろタイトなノープリーツのスラックスよりも、よりすっきりとキレイに見せることができるでしょう。

この辺りは当然細かくフィッティングをしながら、対話を重ねチェックしていくポイントですので、皆さんそれぞれが理想とするシルエットをコンシェルジュまでぶつけていただければと思います。

ローテーションを組む

ここまでは、オーダーするまでに注意したいポイントですが、完成した後も大切なポイントがあります。

それは、しっかりとローテーションを組むということです。

どんなに良いスラックスがあっても、それを毎日続けていたら一か月もあればへこたれてしまいます。

靴、スーツ、何でもそうですが、やはりローテーションを組むというのは非常に大切なことです。

最初から複数本オーダーしましょうということではありません。

すでにお持ちのスラックスなども含めて、常時3本から5本程度スラックスをローテーションさせると、3年5年と長持ちさせることができると思います。

当サロンのお客様においても、同じ生地の色違いで3本スラックスをオーダーされた方もいますし、ウール・ストレッチ・コットンなど素材を変えて、その日の予定に合わせてスラックスを使い分けているというお客様もいらっしゃいます。

このように複数のスラックスをしっかりとローテーションさせる方が、消耗品だからと毎年買い換えるよりも、長い目で見ればコストパフォーマンスは良いでしょう。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2020年7月17日
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