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オーダーコート

チャコールグレーのチェスターフィールドコート

今回初めてご縁をいただきましたY様より、非常にエレガントなチェスターフィールドコートをオーダーいただきました。
 
 
 
もともとチャコールグレーのお色味でお考えということでしたので、ウールメルトンやカシミア、混紡素材など様々な種類の生地をご提案させていただき、最終的にはヘリンボーン柄がクラシックな印象をもたらすウール×ポリの生地をお選びいただきました。
 
 
 
ビジネス、プライベート、フォーマルシーンにおいて幅広くご着用いただけますよう、丈夫さにも焦点をおいて選考されました。
 
良い素材はたくさんありますが、最適な素材は人によって変わってきます。
 
例えばカシミアは言うまでもなく極上の質感であり、極上の着心地でもありますが、
 
高級素材であるが故の欠点もあり、日常的に着用するものとしては耐久度的に不安が残るのです。
 
万人に最適な素材などあるはずがなく、ひとつの特徴がある人にとっては利点となり、ある人にとっては欠点にもなりえます。
 
自分に当てはめた時に良いのか悪いのか、ネットから得る情報だけではこうした判別は難しく、
 
やはり対話の中で専門知識を持った人がアドバイスすることが理想です。
 
 
ヘリンボーン柄はコートらしくやや広くとってあり、良い味を出しております。
 
 
一辺倒の色味ではなく、霜降り感のある生地とも相性は抜群です。
 
本当に良い表情ですね。ラペルのロールも美しい。
 
530gの目付、コートとしてはこれくらいほしいところですが、触ってみた感覚としては数値以上に薄手に感じます。
 
ですが決して柔らかい感じではなく、見た目もカッチリとしていますよ。
 
コート生地が揃い始めた9月にサロンにお越しいただき、一度の仮縫いを経てこの度ご納品させていただきました。
 
 
 
 
ウエストのシェイプを強調させ、バストやヒップ回りは適正なゆとりを取ったフィット感はオーダーでしか体感できないでしょう。
 
このドレープ感がコートの美しさを決めるといっても過言ではありません。
 
一目で仕立て服だと分かるのではないでしょうか?
 
トレンドに流されない適正なフィット感、まさに一生付き合っていけるコートです。
 
一生物といえるオーバーコートは、このように普遍的なものに限ると私は思います。
 
 
チェスターフィールドコートはピークドラペルにすることもありますが、ベーシックにノッチドラペルです。
 
幅は少し広めにとっております。
 
3×2のフロントですので、Vゾーンはやや狭く、クラシックな雰囲気が漂います。
 
 
 
 
上衿はブラックのベルベット、もちろんフロントは比翼仕立て、袖には4つのボタンをリクエストいただきました。
 
比翼仕立てでない場合は、Vゾーンを広くとる段返り仕様がおすすめです。
 
最近は上衿をベルベットにした本格的なチェスターフィールドコートをよくオーダーいただきます。
 
上衿が変わるだけで、暖かくなることもなければ、着心地が良くなるわけでもありません。
 
ですが、そこにはちゃんとした理由があります。
 
 
チェンジポイントをさりげないアクセントに、王道のチェスターフィールドコートは様々なシーンでご活躍いただけることでしょう。
 
張りのある生地ながら、仕立ては柔らかく、ニットの上にも気軽に羽織ることができるようお仕立てさせていただきました。
 
チェンジポケットによる視覚的な効果もあり、ウエストのシェイプがより強調されて見えます。
 
 
 
実際に、Y様にお召いただきました。
(お写真にもご協力いただきありがとうございます。)
 
ご覧の通り、ジャストフィットです!!
 
きつくも、ゆるくもない、優しく包み込むようなフィッティング。
 
この日はカジュアルな装いでお越しいただきましたが、スーツ以外でも良い感じですね。
 
 
正面だけでなく、横、後ろから見ても非常に綺麗です。
 
仮縫い時点では全体的に少しゆとりがありましたので、ウエストのシェイプをさらに強め、裾にかけてのドレープの具合を見直しております。
 
早めにオーダーいただいたことで仮縫いを挟むことができ、、あせらずじっくりとコートに向き合うことができました。
 
Y様におかれましては、今回のコートが当店での初めてのオーダーとなりましたので、ベースとなるジャケットの型紙はございません。
 
そういった理由もあり仮縫いをご提案させていただきましたが、Y様ご自身でも途中段階で一度全体像を把握できたことはプラスの面が大きかったそうです。
 
ご納品の際には、Y様にも大変ご満足いただけました。
 
 
Y様のご年齢、職場でのお立ち場など踏まえ、「ベーシックなチェスターフィールドコートがほしい。」ということで、光栄にも当サロンを見つけていただきました。
 
オシャレなコートではなく、「ちゃんとしたコート」という観点から、素材選び、フィッティングをさせていただきました。
 
普段は既成のコートをお召しということでしたが、肩のおさまり、ウエストのシェイプ、袖丈、着丈などなど、ポイントを挙げればきりがありませんが、どこか妥協したまま選ばれていたそうです。
 
初めてのコートのオーダーということでございましたが、Y様のご要望も踏まえまして、妥協なき最高のチェスターフィールドコートが完成しましたことを私も大変嬉しく思います。
 
急激に冷え込んできたこの季節の新しい相棒として、ご愛用いただけますと幸いです。
 
 
 
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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2020年9月19日
オーダーコート | コートの素材

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