ダブルのチェスターフィールドコート
9月にもなれば日中に比べ朝夕は随分と気温も下がり、10月11月の秋本番に向けて「そろそろ衣替えをしていこうか?」という時期。
オーダースーツは素材・生地がある種商品のような位置付けになりますが、これら生地の秋冬用が入荷してくるのが大体8月中旬で、一足早く秋冬へとシフトしております。
この時期、少しはやく感じるかもしれませんが、考えておきたいのがコートです。
こちらのブログでもご提案しているますが、コートのオーダーは8月・9月がおすすめです。
オーダーしてから完成するまでにどうしても2か月前後の時間がかかってしまう仕立て服においては、
「寒いな、コート新しいのほしいな」と思ってからでは実は遅いんです。
もちろん次のシーズン、さらにコートは一生ものともいえますので、何年もお召しいただけるのですが、
やっぱりオーダーした最初のシーズンに着用期間が短くなってしまうのはちょっと寂しく感じてしまいます。
今年も早速コートのご注文を頂いており、これから冬本番に向けて着々と仕立てを進めて参ります。
オーダーいただきましたお客様におかれましては是非楽しみにしていてください。
ちなみに現在オーダー頂いておりますコートの一例ですが、、、
このようなブラウンのチェック柄生地を使った、カジュアルなポロコート。
すでにチェスターフィールドコートをお持ちのお客様で、プライベートメインの軽やかなポロコートをお仕立てしています。
端切れではイメージが難しいかもしれませんが、仕上がりのイメージはこのような感じです。
コート用の生地ではなく、ジャケット用途の生地ですので、文字通りジャケット感覚で羽織れるようなコートを目指します。
初めてお越しいただきましたお客様より、ヘリンボーンのイタリア生地コートのオーダーもいただいておます。
独特の風合いで、どんなスーツの上からも着用できる万能さがあります。
過去お仕立てさせていただいたのは、このような仕上がりになる予定です。
さて、コートいえば、スーツと違ってデザインそのものの種類がたくさんあるのが悩みの種。
チェスターフィールドコート、ポロコート、ステンカラーにトレンチ、最近はベルベット仕様のコートもトレンドとして注目されています。
パッと思い浮かぶだけでこれだけたくさんありますし、どれも甲乙つけがたいそれぞれの良さを持っています。
こちらのブログでは、それぞれのコートのデザインについて詳しく解説しております。
今回のブログでご紹介するのが、チェスターフィールドコートです。
もはやドレススタイルだけでなく、カジュアルにスニーカーを合わせたようなスタイルも浸透していますよね。
20代から50代60代まで誰もが愛用してる、守備範囲の広いある意味不思議なコートだと思います。
チェスターフィールドコートの由来は、人の名前からきていることをご存知でしょうか?
1840年頃、チェスターフィールド伯爵着ていたコートなのです、そのまんまですよね。
このあたりの歴史や由来については、こちらのブログをご覧ください。
紳士服には、その成り立ちに必ず歴史があり、それを知っていくことで、服を着ることの楽しみを別の角度からも感じていただければと思います。
チェスターフィールドコートというと、シングル仕様を思い浮かべると思いますが、
チェスターにはダブルブレステッドも存在します。
こちらが、シングル。
こちらが、ダブル。
ネイビーのコートは贅沢なカシミア、キャメルカラーの方は本物のピュアキャメルの素材で仕立てたコート。
いかがでしょうか?
ダブルブレステッドのチェスターフィールドコート。
表情ともいえる太めのピークドラペルが勇ましい雰囲気をつくり、適度な着丈の長さ、
なんといっても圧倒的なオーラがありますよね。
マネキンでもこの美しさです。
キャメルヘアは、この写真の方が実際の色味に近くなります。
情勢的なエレガンスも感じます。
ダブルブレステッド・チェスターフィールドコートのメリットは、
・重なり合うので単純に温かい
・周りと差別化できる
・威厳がありかっこいい
王道でありながらも、誰しもが選ぶコートではない。
そんなところもシングルにはないダブルのメリットと思います。
カシミア、キャメルのような高級素材はもちろん、コスパの良いウールメルトンでもお仕立て可能です。
実用性は格段にアップし、ビジネスシーンからプライベートまで幅広く活用できることでしょう。
素材については、今後のブログでもおすすめをご紹介したいと思います。
素材選びだけでなく、着丈の長さや全体のシルエット、デザインの細部に至るまで自分好みにアレンジできるのがオーダーの醍醐味。
なんでもありではありませんが、そこはコンシェルジュとしっかり対話しながら、納得のいくコートをご提案させていただきます。
チェスターフィールドコートは冬のマストアイテム。
少しひねったダブルブレステッドのデザインは、唯一無二の魅力が詰まったまさに男のコートだと思います。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
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