あなたのスーツ姿はいつ、誰に見られるかわからない
今日は1ヶ月に一度のクルーとの1対1のミーティングの日ということで、堅苦しくなりすぎないようにネイビーのジャケットにデニムシャツ。移動時はポロコートを合わせて。
定休日の木曜に、だいたい1週間のコーディネートを組む。
この日はこういうスケジュールだから、このスーツにこのタイにしようか、と。
だが組み立てた構想は金曜の朝に心変わりしてしまうことが多くて、金曜の朝はなかなか気が抜けない。
午前から動き回って、外でミーティングをしてサロンに戻ったのが夕刻だった。
今日のクルーたちとのミーティングでは、もっとこういう風にしたらどうか?とか、今取り組んでいることで不安なことは・・将来像は?プライベートは?チームワークは?など、いろいろな話ができた。
こうしてクルーたちと話をして、みなで気持ちよく働いていけたならば、その空気が伝わってもっと良い服ができるのだ。
私自身、飲食店に行っても、時計や鞄を買うにしても、何にしても大切なのはそこに働いている人だと思う方だ。働いている人=お店であり、=商品だと思う。どんなに良い物でも、提案をくださる方の情熱がないとげんなりしてしまう。
《僕も長いことやってますが、この枝はなかなかですよ。》
今も忘れられないが、植物を買いに行ったときに、水はこう!肥料はこう!そうでないと可哀想ですよ!と熱心に提案してくださった方がいて、今度からこの方に全て任せよう。と思った。心から植物が好きで愛している、そんな空気が伝わってくるものだと思う。私たちもいつだってその状態でいたいし、気は抜けないのだ。
気が抜けない、といえば、本当に気は抜けないものだ。
《こんばんは。》
突然声をかけられて、驚く。
《お久しぶりです。》と、言われた。
経営者ならばそんなことは日常茶飯事ではないだろうか。
かくなる私もそんなことは少なくない。
どうもそのたびにご挨拶代わりに、《ご活躍はブログで見ております》と言われる。
この日もそうだった。
一度だけお会いしていて、数年ぶりにお会いする方などからもそのように言われることがあるので、どうやら本当に”見られている”(気にかけてくださっている)のだ。
見られている、という意識はとても大事だ。見られている、という意識があるからこそきちんとした服装でいなくては、と思うものだ。もしジャージでいた姿を見られていたら・・・?と考えるとゾッとしてしまう。
いつ、誰に見られるかわからないのが、経営者に限らず人に会う仕事をしているあなたではないだろうか?
しかし、私のいけないところは、お会いした方のスーツの生地がわかることがあることだ。いけない、目付け、ブランド、いつのシーズンか・・・だからどうってわけではないが、職業病である。
私はお会いした方に、・・・のジャケットが意外でしたね。とか、・・・のシャツ、素敵でした。というようなメールをすることがあるのだけど、男女問わずとにかく服が好きなので服を見てしまう。
昔付き合った彼女からは、大概こう言われる。
・・・あぁ、あなたといると服に困る・・・と。
何をどう合わせたのか、あれ?バッグが変わった。そのスカートは2つ前のデートで着ていたのだね、と、完全に職業病ですね、決して口にはしないのだけれど&あなたに関心があるから見ているのだけれどね。
今日のワントゥワンミーティングは、ザ ストリングス 表参道にて。
写真はチャコールグレーのショールカラーのウエストコート、シャツにカラーバーをつけたクルー中之丸氏。
明日は出石尚三先生の講義、火曜は大西基行先生の講義と学びの多い楽しみな日々が続く。
懇意にしているN氏は今期はピッティウオモ(イタリアの展示会)に行くというし、こちらも楽しみだ。
ということで、いつ、誰に会っても良いように、自分らしくきちんとした装いでいようか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年12月1日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識
タグ:スーツ, 仕事, ボットーネ, 着こなし
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