セビロの哲学!これが本当のスーツの着こなし講座

本日は業界で素材の神と称される大西基之氏が講師を務める、メンズウエア素材の基礎知識&背広の哲学 という講座をボットーネ表参道にて開催した。
毎月テーラーやスタイリスト、洋服の販売や企画に携わる方が参加されるこの講義、第一部は紳士服の素材について、第二部は洋服の着こなしについての、背広の哲学という内容だ。
今日も非常に白熱して、第三部の質疑応答コーナーが訪れる前に時間終了となるほどの濃い3時間。
カルロ・バルベラとはイタリアの生地の織元だ。
この講義でも何度も登場している生地で、今日も単糸フラノという非常に珍しいサンプルが登場したのだが、それはまた別の記事で。
バルベラ氏と仲の良い大西先生が、ミラノから来日したバルベラ氏を連れてパスタを食べに行ったときのこと。
「あ、あれは何だ!?」
隣席でパスタを食していたOLたちの様子に、驚愕したバルベラ氏。
「パスタをスプーンを使って食べている!」
日本は島国である。
日本の常識が世界の非常識なんてことは結構ある。
洋服だってそうだ。そんなところからスタートした背広の哲学。

洋服、読んで字の如く洋の服。
パスタを食べるのにも本場のルールがあるように、洋服を着るのにもルールがある。
だけど、どうしてルールを知らないのだろう?
考えてみれば、私の父は仕事でスーツを着る日があったし、帰宅しても家着に着替えるけど洋服に着替えていた。
だけど父の父、そのまた父といえば、仕事から帰宅したならば和服に着替えるのだ。
西洋では父の父、そのまた父だってずっと洋服を着ている。
だから、例えばテーブルマナーを教えるにしてもただルールを教えるのではなくて、きちんと思想、考え方を伝えるように、洋服についてもどのように着るのか?この服はいつ着るのか?どうやって装うのか?ケアは、保管は?など
はもちろん、
「お前、今日のパーティーに参加するのにその服装は何だ!」と叱ることもできる。
日本ではもともとの文化として洋服を知らないのだから、教え、伝えることができないまま洋服が広まってしまった。
だから着こなせる人が少ない、と大西先生は警鐘 を鳴らす。

「スーツの持っている、ある境遇を保証する魔法性の衣服を、便利に活用する方法を自ら身につけ、学びそして洋服を着ていることでの雰囲気を持った人間が増えることを願うのである。」セビロの哲学より
19世紀にはモーニングコートやフロックコートなど、長い丈の服を着ていた。
それが、1920年代あたりにショートレングスの、現代のスーツのような形になった。
それからおよそ100年、スーツの原型は変わっていない。
「上衿があって、ボタンがあって、袖が付いていて。
例えばフィットした紺無地のスーツを着ていれば、極端にいえばお金がなくてもちゃんとして見える。
それだけすごいものが背広なんだから、皆もっとちゃんと着れば良いのにね。」
と大西基之氏。
そして、特に海外でビジネスをするのならば、それを着こなすことが信頼に直結する。

また、ファッショナブルであることと着こなすということ、これもまた違う。
「服そのものもそうですが、動作、立ち居振る舞いを学ぶことですね。
着こなしについて、これからの若い人に知って欲しいことがたくさんあります。」

講義の後編はなかなか耳の痛いことが続くのだけど、私たち日本人とスーツ・洋服・着こなし、知っておいてそんはないことばかり。
何事も自己流で突き進むより、うまい人を真似、教わることで上達するもの。
洋服について真に学ぶ場はなかなかない。
私自身の毎月の楽しみ、それが今日であった。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年6月6日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | 背広紳士の知識
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