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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

背広の語源(由来)はサビルロウではなかった!スーツとフロックコートやモーニングを見ると・・・

松はじめです。

背広という言葉の由来はご存知でしょうか?

実は、いくつかの説があります。

良く語られるユニークな説は、ご存じの方も多いかもしれません。

英国仕立屋街のサヴィルロウが、訛って背広になった

サヴィルロウ→せびるろう・・→せびろぉ・・→背広 説。

この説は、会食の時の小ネタにはなろうかと。

ところで、仕立屋が考える真の背広の説は少し違います。

なぜ背広と呼ぶのか?

さて、その説とは…

背中が広い、説

背中が広いから、背広!

そうです、そのままですね。

一体どういうことでしょう?

この記事の目次

結論 背が広いから背広

今のスーツを着用する以前の時代は、

モーニングコートやフロックコートを着ていました。

正装、というとモーニングやフロック。

このコートの背のパーツが、狭い。

スーツの背中のパーツが、広い。

だから背広と呼ばれたという仮説です。

狭い背中とは?

IMG_9923

まずはこちらが、モーニングコートの背です。

スーツなどの背中は、真ん中で縫われているだけですよね。

この背中は、どうでしょう?

いつくものパーツで構成されています。

背がいくつものパーツで分かれ、組み合わさって立体的で構築的なシルエットになっています。

どうしてか?というと、このように細かく分けて、縫い合わせた方がよりフィットするからです。

モーニングコートや燕尾服のような構築的シルエットの洋服、それはより人間の身体に沿い、細かい絞り込みができます。

それでいて動きにも対応できるので、社交ダンスや指揮者の服としても理にかなっているわけです。

仮縫いの時に調整できる箇所(パターンを調整できる箇所)はより多くなります。

スーツは、もともとはスコットランドの労働着。

こういった窮屈な服でダンスをしたり、食事をしていた貴族。

いよいよ形式張った退屈な食事が終わり、ゆっくりできる。

男同士、ラウンジルームでくつろごうじゃないか!

この時に窮屈な上着は脱ぎ捨てて、リラックスな服で過ごしました。

リラックスした服にちょうど良かったのが、スコットランドの労働着です。

動きやすいように設計されていますから、くつろぐのにちょうど良かったわけです。

スーツの背中

IMG_9924

こちらが、スーツの背中です。

電車に乗って誰かのスーツの背中を見れば、こういう風に真ん中で縫われているはず。

こうやって背中から比べれば、確かに背広。

反対にモーニングコートを背狭と言ったかどうかはわかりませんがね・・。

通常のスーツの背は、こんな風に2枚の大きなパーツを組み合わせて完成しています。

背中を比べてみると

IMG_9925

右が通常スーツ。

並べてみると、まあ広さというのは違いますよね。

そもそもはモーニングコート、フロックコート、テールコートといったように、コートと呼ばれる服も少なくありませんでした。
コートはコート、トラウザーズ(パンツ)はトラウザーズ、ヴェストはヴェスト(ウエストコートというくらい)、全部が独立した存在でした。

どうしてか?

乗馬をするからです。

乗馬しやすいように、フィットさせる上着。カーブを描いているのも馬用です。

モーニングコートの前は、フロックコートでした。

この時は、フロントはカーブしていなかった。

そこで、馬に乗る時はぺろっとフロントをめくります。

めくった先は、後ろのボタンに引っ掛けたんです。

IMG_9923

ということで、このボタンがある。

全部意味があるのです。

また、コートの生地と、パンツ(トラウザーズ)の生地も違います。

馬に乗るのに、ピタッとフィットしたパンツでないと水ぶくれになってしまいますし、耐久性が求められました。

背広という初めての言葉

背広という言葉が初めて登場したのはいつでしょう?

服飾評論家 出石尚三先生の著書、福沢諭吉 背広のすすめによれば、

語源についての権威者、広田栄太郎著(近代訳語考)東京堂出版刊に、

明治3年刊行の古川正雄の、入絵知恵の環のなかに言葉としての背広(ひらかな)が登場するようです。

まんとる せびろ ちょっき

しやあつ つけえり ずぼん

図があるだけで、説明はないそう。

出石先生の本ではこんなこともわかります。

さらに以前、福沢諭吉のペンネーム、片山淳之介が書いた西洋衣食住に、

ビジネスコートを訳した、丸羽織という言葉が登場するそうです。

これが背広となったのでしょうね。

西洋の服の呼び方いろいろ

背広以外にも、面白い話はいろいろとあります。

現代のように文字で書いて伝達するのがコミュニケーションとは限りません。

例えば、シャツ。

ワイシャツといいますよね。

これは、ある言葉の聞き間違えから生まれていると言われています。

それはこちら

また、パンツの裾。

シングルとダブルがあります。

このダブル、私たち仕立屋のような職業の人間は、かぶらと呼ぶことがあります。

みなさんも、修理屋さんにパンツを持っていくとわかると思います、今でも職人さんはかぶらといいます。

ダブルの折り返しの幅は、かぶら幅。

これも聞き間違え。

背広 まとめ

背広という言葉は、サヴィルロウが訛って背広説は、面白いです。

が、背中が広いから背広と呼んだというのは、なかなか有力な説ではないでしょうか?

スーツの元、ラウンジコートが誕生し、日本に入ってくる。

いろいろなタイミングを考えてもうなづける話です。

そもそも背広という言葉自体使わなくなった傾向もありますが。

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2019年5月12日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識

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