フレスコ スーツ!フレスコ生地とは?実は夏のおすすめ素材

そろそろ、夏のワードロープについて本格的に考え始める季節になりましたね。
年々、夏がなんだか長くなっているような気がしますが、春夏の服は実際のところ10月くらいまで着れますので、これから準備をしても決して遅くはありません。
コロナも落ち着き、出社する人も増えてきた中、夏スーツにおすすめの生地を紹介させていただきます。
この記事の目次
ボットーネの夏の定番は”フレスコ”

「夏の素材」というと、思い浮かべるのはリネンやコットンが定番で、詳しい方ならモヘアなどを思い浮かべるのではないでしょうか?
しかし、リネンやコットンのスーツとなるとどうしてもカジュアル色が強くなってしまい、ビジネスマンにとってはなかなか取り入れにくい素材でもありますよね。
そこでおすすめなのが、今回ご紹介する「フレスコ」の生地です。

フレスコは正確には素材の種類ではなく、織り方の名称として認識されています。
素材は普通のスーツ生地と同じで、ウールが使われているのです。
フレスコという呼び名は、雑誌などでもよく見かけるワードなのでもしかしたらご存知の方もいるかもしれませんが、実はフレスコというのは英国Martin&Son(マーチンソン)が出した生地の商標名なんです。
日本では、昔からポーラと言われていたりもします。
フレスコやポーラとは、2本の強撚糸を撚り合わせて1本の糸にした「2PLY(プライ)」という糸や、2PLYからさらに1本加えた「3PLY」という糸で織られた生地のことを指します。

上の写真は、生地から糸を一本取り出して解いてみたものですが、2本の糸が撚り合わさっていることが分かりますね。
このように太い糸で生地を構成することで、多くのメリットをもたらせてくれます。
・
・
・
・
・
フレスコのメリット

フレスコという名称は、フレスコ画や「新鮮」という意味のイタリア語が語源ののように感じられるが、歴史的にはイギリス(ロンドン)のガニア商会が、アフリカのコートジボワールにあるギニア湾に面した”Fresco”という都市名を冠して、夏服地を売り出した時につけられた名称である。
生地の内容は、撚りを強くかけた単糸を2本ないし3本に撚り合わせた糸で、平織にすることによって気孔を多く持った織物となる。トロピカルに比べてより通気性が高いといえる。
日本ではポーラーという呼称の方が一般的であるが、同じものである。ポーラーもロンドンのエリソン商会が同様の生地を販売するときにつけた名称で、こちらはポーラス(多孔性の)という言葉にちなんでいる。以前は3本撚りして平織りにする、いわゆる三つ杢ポーラーが普通だったが、現在は2本撚りの強撚の平織もポーラーあるいはフレスコと呼んでいる。
メンズウエア素材の基礎知識(毛織物編) 大西基之著
フレスコとは、『単体の強撚糸を束にしてまとめた糸』をつかって織られた生地のことを指します。
簡単にメリットをまとめますと、
・ざっくりとした独特の風合い
・通気性、耐久性に優れ、シワにも強い
・圧倒的なハリコシがある
このようになります。
とにかく、抜群の通気性とハリコシ感が魅力の生地であり、実際に生地に触れてみると良く分かるのですが、ザクザクとした触り心地で、シワに強いということもすぐに理解できます。

フレスコは、「平織り」という、経糸と緯糸を交互に浮き沈みさせ、バスケット状に織り上げる方法が使われています。
そもそも平織は綾織りなどと比べ通気性・耐久性は高いのですが、2PLYなどの太い糸を使用しているので、より糸と糸の隙間がうまれます。
これが、通常のトロピカルなどより通気性・耐久性に優れている理由です。
フレスコの生地を広げてみると、網戸のように背景が透けて見えています。

・
・
・
・
・
スラックス単品でもおすすめできる
仕立て屋としては上下で誂えたいところですが、暑い夏を戦う日本の紳士には少し暑すぎるかもしれません。
ですがこのフレスコ、スラックス単体でも本当におすすめ。
すでに何名かのお客様にご提案させていただきましたが、これだけの通気性・耐久性を兼ね備えた、夏に最適な生地はなかなかありません。
これからクールビズ期間となる企業も多いかと思いますが、トラウザーズ単体で見ても「その人の為に誂えられた服」というのは、周囲に与える印象も全く違うものです。
薄手の生地というのはピシッとしたラインを出しにくく、特に夏は湿気ですぐにヨレヨレになってしまいます。
フレスコはそれら薄手の生地に比べると圧倒的にタフなので、ビジネスに向いている生地と言えるでしょう。
スラックス単体でもオーダーを承っておりますので、気になることがありましたらコンシェルジュまでお気軽にご相談ください。


定番のグレースラックスはもちろんのこと、爽やかなベージュをチノパンの代わりに、グレンチェックや千鳥格子柄のスラックスは一気に洒落た雰囲気を醸しますね。
ちなみに、下記のブログで脚長効果について解説しているのですが、写真のスラックスはまさにフレスコ系統の生地で仕立てたものでした。
・
・
・
・
・
フレスコのまとめ
ということで、夏スーツにおすすめの生地『フレスコ』について解説させていただきました。
毎年多くの方にお仕立てさせていただいており、今現在のご納品待ちのフレスコスーツや、これから6月の着用を見越してスラックスを数本オーダーいただいたお客様もおります。
特徴的な生地だけに、仕上がりがイメージできますようサンプル品もご用意しております。
今年の夏スーツに、フレスコの生地がいかがでしょうか?
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2023年6月4日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
おすすめ記事
松はじめ 私のプロフィール松はじめ 1978年3月生まれ 富山県出身 写真家の祖父を持ち、母は元ブティックの販…
トレンチコートの由来は?塹壕?軍用に開発されたコートの歴史トレンチコートの歴史には防水布開発メーカーが関わっていた まず、トレンチコートには防…
真のファッションスクール開校 スーツ、カジュアル、メンズファッションの着こなしを学ぶ講義大人の授業 静まり帰った教室に、伝説の教師が入ってくる・・・ こつこつこつ、先生の歩…
【葛利毛織のションヘル織機をこの目で】スーツ生地 dominx(ドミンクス)を織る日本の織元名古屋駅から真っ赤な名鉄電車に乗る。 私が6歳の時に大好きで持っていたプラレールに、…
スーツを着こなすために、仕事でオトコを磨くことも大事松はじめです。 「素敵なスーツですね。」 もしあなたがそんな風に服のことを褒められた…
なぜ最初に揃えるスーツがネイビーなのか?オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。 今日はネイビ…
タキシードの豆知識 拝絹、側章って何のため?オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信、松はじめです。…
オーダースーツ生地 アリストンがナポリから到着!地中海からちょっとリッチな生地見本オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 ナポリから、アリストンのバ…
できる男の靴下!ビジネスマンが持つべき3タイプの靴下 ファッションで実は大事なソックスソックスで重要なのは色 ソックスを侮ると、ソックスに泣く。 そんな言葉はないが、あな…
キングスマン2 ゴールデンサークルのスーツ スタイルに学ぶ英国紳士とは表の顔は、ロンドンの高級テーラー。しかしその実態は、どの国にも属さない世界最強のスパ…



































スーツ 夏用 冬用の見分け方!種類と選び方、着こなしの違いは?
スニーカーはイギリスでは通じない?ファッション用語の面白さ
フォックスブラザーズのフランネル スーツ!生地の歴史をダグラス・コルドー氏トークショーでお伺いした
コードレーンのジャケットを着こなしたジャパニーズダンディ 大西基之先生から学ぶコーディネート術
ホンブルグを調べてみた結果!ドイツ名の中折れハット、チャーチルとイーデンも愛した帽子






