【決定版】オーダースーツで失敗しないための予備知識!テーラー目線でオーダーの種類も徹底解説
皆さんこんにちは、メンズファッションTVの松はじめです。今日は私がこれまで10年以上やってきた集大成として、絶対に失敗しないオーダースーツの全種類と方法について、業界の闇も含めて全てお話しします。
私の20代の失敗体験から学んだ3つの教訓

まずは私自身の失敗談からお話ししましょう。20代の頃、38歳の事業家の方にお食事に誘われ、その方の着ているスーツがあまりにもかっこよかったので「どこで買ったんですか?」と聞いたところ、「作ってもらったんや」と言われ、紹介していただいたのがきっかけでした。
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失敗その1:ノープランで行ってしまった
私は何のイメージも持たずにオーダーに行ってしまいました。「どんなのが欲しいのか」「どうなりたいのか」を全く考えていなかったのです。例えば「20代だけど少し年上に見えるようなスーツが欲しい」「人前で話すのでフレッシュな感じを出したい」など、最低限のイメージは持っておくべきでした。
失敗その2:選べなかった
生地選びの際も、言われるがままで何も選べませんでした。裏地すら選ばせてもらえず、まな板の鯉状態。オーダーなのに選択肢がないという不思議な体験をしました。
失敗その3:好みが反映されなかった
仕上がってきたスーツは「もうちょっと細いのがよかったな」と思うものでした。でも、好みを何も伝えていないので当然の結果。しかし、周りからは「いいね」と言われることもあり、実は似合っていたんです。プロの目から見て、私に似合うデザインを提案してくれていたのかもしれません。
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オーダースーツは「魔法の服」

私はオーダースーツを「魔法の服」だと思っています。実際にアメリカで行われた実験があります。ホームレスが路上で倒れても誰も助けに行かないのに、同じ人がスーツを着て倒れると「大丈夫ですか?」とみんなが声をかけるのです。
スーツには計算し尽くされたデザインがあります。三角形の連続、等間隔で並んだパーツ、黄金比を用いた設計。これらすべてが男性を3割増しでかっこよく見せてくれるのです。
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生地選びで失敗しないポイント

小さなサンプルの落とし穴
多くのお店では小さなサンプルカードで生地を選ばせられます。しかし、これではイメージがつきにくい。必ず「この生地で作ったときの写真はありますか?」と聞いてください。サンプルがあれば理想的ですが、なければせめて写真を見せてもらいましょう。
光の下で確認する
可能であれば生地を外に持っていって、太陽光の下で確認してください。蛍光灯の下で見るのと自然光で見るのでは、色の見え方が全く違います。
英国生地 vs イタリア生地
英国生地の特徴:
- 堅牢でタフ
- 無難な色が多い
- ビジネス向け
- 長持ちする
イタリア生地の特徴:
- 華やかで光沢がある
- 発色が良い
- ファッション性が高い
- 軽やか
どちらを選ぶかは、あなたがどんなシーンで着るか、どんな印象を与えたいかによります。
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サイズ合わせの真実:採寸では足りない

多くの人が誤解していることがあります。「採寸してもらったのにサイズが合わない」という声をよく聞きますが、実は採寸だけでは十分ではありません。
採寸はあくまでもデータに過ぎません。大事なのは、そのデータを基にどんなシルエットを作るかです。バスト90cmに対して、上がり寸法をいくつにするのか。適度な空間をどう作って、どういうドレープを生むのか。
フィッティングが絶対に必要
だからこそフィッティングが重要なのです。仮縫いを着せてもらい、鏡の前で確認し、シャツも着た上でスーツを合わせる。この工程を省くと、理想のシルエットは作れません。
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オーダーの種類:業界の闇を暴露

ここからは業界の方には怒られるかもしれませんが、真実をお話しします。
「フルオーダー」という幻想
「うちはフルオーダーです」と言っているお店の多くは、実際にはフルオーダーではありません。彼らが言っている「フルオーダー」は、おそらく「ビスポーク」のことを指しているのだと思います。
真のビスポークとは
本来のビスポークとは:
- テイラーがあなた専用のパターンを一から作る
- 完成まで1〜2年かかる
- 最低でも80万円以上
- 世界でも限られた職人だけができる技術
MTM(Made to Measure)の実態
現在多くのお店が提供しているのは、実際にはMTM(Made to Measure)です。既存のパターンをベースに、体型に合わせて調整していく方法です。
MTMの品質を決める3つの要素:
- パターンのかっこよさ:そもそものベースが良いか
- フィッティング技術:どれだけ精密に調整できるか
- 縫製のポテンシャル:どれだけ手間をかけられるか
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価格の違いは何に表れるのか
3万円のスーツと30万円のスーツ、何が違うのでしょうか?原価を考えれば、3万円のスーツは3万円以下で作らなければなりません。当然、工程を省略せざるを得ません。
高級なオーダーでは:
- 生地の縮絨処理
- 手作業での袖付け
- 丁寧なアイロンワーク
- ハンドメイドの要素
これらすべてが着心地と見た目の美しさに影響します。
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スーツは相手へのプレゼント

私はファッションやスーツを着ることは、相手へのプレゼントだと思っています。きちんとした服装をすることで、相手に良い印象を与える。それは立派なプレゼンテーションなのです。
夏の暑い時期に着物を着て歩く人がいますが、暑くても「上品ですね」「きちんとしていますね」と言われます。それは人のために装っているからです。
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失敗しないオーダーのための準備
オーダーに行く際は:
- 普段着ているシャツを持参:スーツとのバランスを見るため
- 合わせる靴を持参:裾丈の調整のため
- 明確なイメージを持つ:どんなシーンで着るか、どう見られたいか
- フィッティングを重視する店を選ぶ:じっくり相談できる環境
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まとめ:一着のスーツが人生を変える
私は20代でオーダースーツを手に入れて、背筋が伸びました。自信を持ってプレゼンできるようになり、人生が変わったと言っても過言ではありません。
スーツは100年変わらない服です。襟があって、ラペルがあって、ネクタイがある。男性をかっこよく見せるために計算し尽くされたこの形は、今の緩い時代だからこそ、より一層際立ちます。
経営者なら絶対に良いスーツを一着は持っておくべきです。ミッドナイトブルーのスーツは、どんなシーンでも通用する万能選手です。
今のポジションに今のスーツは合っているでしょうか?20代の頃は細身が似合っていても、マネージャーになったら、それに相応しいシルエットがあります。
オーダースーツは投資です。安いものから始めても構いませんが、ポジションが上がったり、見せ方を変える必要が出てきたら、ぜひ10万円から30万円のレンジで、じっくり相談できるテイラーを見つけてください。
一着の良いスーツが、あなたの人生を変えるかもしれません。それが「魔法の服」たるオーダースーツの力なのです。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年8月10日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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