《最新版》彼氏(旦那)に絶対贈ってはいけないプレゼント 本当のスーツの着こなしとは?
オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。
基礎より、何が流行ってるかがほとんどになってきちゃって、服のこと考える人がいなくなっちゃった。
こう話されたのは、メンズウエア素材の基礎知識の著者であり写真集 ザ・ジャパニーズ・ダンディに登場する大西基之先生である。今日は、私たちのようなテーラー、スタイリスト、また国際コミュニケーションスクールの講師の方などが集まり、2ヶ月に1度の講義をボットーネで主催させていただいた。
この講義はもともと、紳士の素材を勉強できる場がない。ということから、大西先生にお願いをして開催しているメンズ素材の講義だったのだが、第二期からはさらに着こなしについての講義も追加された。
講義の中で、大西先生はこうおっしゃった。
売れればいい、安く作って。(という考え方が日本に蔓延している、という話)
男の服って難しいんですよ。
まず、西洋の服だよね、未だに日本のものになってない。
和服が日本の文化としてあって、大正中頃のついこの前まで日常的に和服を着てる。
今は僕ら世代でも和服は着ないけれど、和服は物理的に着方があるよね。
洋服は袖通してしまえば誰でも着れちゃうわけ。
でもちゃんと着ることと違う。
(西洋では)親が教えるわけ、こういう場所ならこういう風に振る舞わないと、と。
どういう歩き方か、ということも。
講義の一コマ 講義は着こなしの話を挟みながら、升見本のはなし。例えば一つの柄、グレンチェックならばそれに対していくつかの色違いが存在する。この色違いは業界では色ナレというのだ。
さて、大西先生の師匠は、靴が片減りするのを見つけると、叱ったそうだ。
《 ちゃんと歩いてないからだ。》と。
服は、着ることできる、着るだけであれば誰でも着られる。
しかしそれを着て動く、動くのにも動き方があるというのだ。
動き方の代表格は、歩き方である。
大西先生の師匠やその当時の方々というのは、そういうことに対してもしっかりモノを言う人たちだった。
それが、現代はどうか。
ほとんど見た目、ファッションだけ、パーソナルスタイリストなるものが提案するコーディネート指南や着こなしのノウハウ本ばかりになってしまっている。
それじゃだめでしょう!
洋服は西洋の物だから、着方と、動き方、そういうことって知らなきゃだめでしょう。
ほとんどが、イタリーで何流行ってるとか。
星野先生(大西先生の師匠)がいつも言っていたのは、歩き方とかね、座り方も随分言われたよ。
地下鉄で、普通に座ったつもりだったんだけど、怒られちゃったわけ。
クリースのところを持って、スッと座りなさい。
流行りばっかりになっちゃった、コーディネートだけで飯くってる人がいる、だからいけないってんじゃない。
パーソナルスタイリストが必要なくらい、親父たちが着るものがだめだって。
こちらはどうしてウールが優れているのか?の一コマ。
一番大きいのは保温性で、人間は最初、毛皮そのものを着ていた。それから毛を刈って糸にすることを覚えたわけで、産業としてもとても古い。それで、どうしてウールが選ばれるの?というと、一番大きいのは保温性。
ウールは縮れた毛が特徴だ。
クリンプといい縮れてるから空気を貯めておくことができる。
それからタンパク質でできてる、だから燃えにくい。
表面にウロコがある、それで吸湿性が高い、つまり肌にくっつかなくてムレない。などなど。
ところで、いよいよクリスマスシーズンだが、女性の読者の方へ重大は発表を一つ!
大西先生は、女性から男性へのプレゼントに対して、ネクタイだけは贈ってはいけないという。
そのわけは・・・?
男の服の中の唯一主張できるのがネクタイだよね。
その人のワードロープ知らないわけじゃん。あの服に合わせてこれどうぞとは言えないわけです。
昔はもっとちゃんと考えてたんだよな。という言葉は節々に登場した。
講義は終盤に差し掛かったとき、参加されていたかつてマナープロトコル講師の方が、かつてニューヨークのネクタイのお店で見た、ある光景について口を開いた。
確かに、ニューヨークで、女性を連れてネクタイを選びに来る男性は皆無だった、と。
しかし、子供は連れてくる。
5歳6歳を連れてくる、ネクタイをどうやって選び抜くのか。ボウタイはどうやって巻くのが美しいのか。
子供にそれを伝える、それが教育なのだ。
公園をゆったり歩いてるとするじゃない、一人で公園を闊歩するの。
そういう時の動きですよね。
着る物は、着ると同時に、動き。
着る行為はすぐできても、それを着てどうやって動くか、それを親は教えてくれない。
カッコつけなくていいよ。って思うかもしれないけど、日本の島の中にいればいいのよ。
でも西洋に行ったら、彼らはまず外見で見るから。
日本人って着るものなんて・・・中身が大事だろう!という。
でもどこか行ったら人に見られるわけね、イタリア人なんかそうだよね。
本日講師にお越しいただいた大西基之先生と。
ビジネスの世界では国際社会という言葉がもはや日常語のようになっている。
ITはもとよりIotも益々進み、Google翻訳の精度は年々上がっているため、言葉の壁すらなくなりつつある。
情報はSNSで瞬時に共有され、どんな服が流行っているか?は簡単に追うことができる。
しかし、大切な中身がすっぽり抜け落ちている。
国際舞台での振る舞いや、スーツを着ての所作、美しい歩き方。
そうした物全てひっくるめての着こなしである。
そして、そうしたトータルの着こなしを子供たちに伝えていかなければならないのだ。
ということで、服装を整えつつ、動きも意識してみようか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年12月5日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識
タグ:講義, 大西基之先生
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