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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

ジャケットに合わせる靴とカバン選びの基本ルール

 

皆さんこんにちは、松はじめです。表参道で10年以上オーダーメイドサロンを運営してきた経験から、今日はスーツやジャケットに合わせる革小物(靴・カバン)のコーディネートについてお話ししたいと思います。

以前、「カバンの金具の色(金色や銀色)にルールはあるのか」という質問をいただきました。実はこれ、意外と悩ましいポイントなんですよね。革小物の色や形、そして金具の色まで考えるとコーディネートの可能性は無限大。でも、いくつかの基本ルールを押さえておけば、一目置かれるファッションが完成します。

この記事を読めば、「おしゃれな人だな」「細部まで気を使っている人だな」と周囲から評価されること間違いなし。上司としての威厳ある装い、新入社員としての間違いないファッション、婚活中の方の次のデートにつながる着こなしまで、様々なシーンで役立つ内容をお届けします。

この記事の目次

 

色の基本ルール:黒と茶色の使い分け

革小物の色には、大きく分けて「黒」と「茶色」の二種類があります。この二色をどう使い分けるかが重要なポイントです。

フォーマルシーンなら「黒」一択

フォーマルなシーンでは、迷わず「黒」を選びましょう。もともとメンズファッションはイギリス発祥の文化で、「タウン(街)」と「カントリー(田舎)」という区分があります。タウンでの正式な場では黒の靴、カントリーでは茶色の靴という文化的背景があるのです。

冠婚葬祭、創立記念式典、正式なパーティーや食事会などでは、黒の靴・黒のバッグ一択です。これは絶対的なルールと覚えておきましょう。

カジュアルに寄せるなら「茶色」

逆に、くつろいだ雰囲気を出したいときは「茶色」を選びます。日本ではイギリスほど厳格ではないので、通常のビジネスシーンでは茶色の革小物も問題ありません。

特に近年流行の「ビジネスカジュアル」では、茶色の革小物が活躍します。土曜出社やコワーキングスペース、リモート会議など、正式すぎない場面では、黒だと硬すぎる印象になることもあります。茶色の靴とカバンで、優しくくつろいだ雰囲気を演出できるのです。

黒と茶色の万能選手「ネイビー」

私が密かにおすすめしているのが「ネイビー」です。私が現在つけている時計のベルトもネイビーですが、この色は茶色のバッグにも黒いバッグにも合わせられる万能色なんです。

私はネイビーの靴や小物も多数持っていますし、黒い靴にネイビーのクリームを塗ってツヤを出すこともあります。ネイビーは困ったときの必殺技と言えるでしょう。

統一感が大事:色のコーディネート

革小物の色に関して最も重要なのは「統一感」です。黒のカバンなら、黒の靴、黒のベルト、黒の時計のベルトというように、革小物の色をなるべく統一すると洗練された印象になります。同様に、茶色のカバンなら茶色のベルトと茶色の靴というように。

また、黒は「無彩色」と言って色の中にカウントされません。男性のファッションは色を使いすぎないほうがおしゃれに見えます。私の今日のコーディネートも、ネクタイと帽子とシャツの色が同系色で、あとは白という無彩色です。全体で3色までに収めると美しくまとまります。

黒い革小物は他の色と喧嘩しないので、どんなものにも合わせやすいという利点もあります。ただし硬い印象になるので、カジュアルさを出したいときは茶色を、どちらとも合わせたいときはネイビーを選ぶと良いでしょう。

形で変わる印象:カバンの種類と選び方

カバンには様々な形がありますが、大きく分けると「手持ち」「ショルダー」「リュック」の3種類があります。

手持ちカバン:最もビジネスライク

手持ちのカバンは最もビジネスライク・フォーマルな印象を与えます。スーツといえば手持ちカバンという伝統的な組み合わせです。

リュック:カジュアルだが市民権を得た

最近はスマートフォンの普及もあり、スーツにリュックという組み合わせも市民権を得ています。クラシカルなフォーマルスタイルには不向きですが、通勤の利便性を考えればありでしょう。

トートバッグ:万能の中間選手

私がおすすめしたいのは「トートバッグ」です。かちっとしすぎず、かといってリラックスしすぎでもない、ちょうど中間の位置にあります。大きく開口部が開いて使いやすく、レザー素材で黒、茶、ネイビー、バーガンディなど様々な色があります。ジャケットスタイルには抜群に合うカバンだと思います。

クラッチ:スマートに持ち運ぶ

もっとスマートに持ち運びたい場合は「クラッチバッグ」もおすすめです。小脇に抱えるタイプや、書類だけが入る薄いタイプがあります。

靴の選び方:紐の有無で決まるフォーマル度

靴の形も重要なポイントです。簡単な見分け方として、まず「紐があるか、ないか」で分けられます。

紐靴:フォーマル度が高い

紐がある靴は基本的にフォーマル度が高いです。さらに紐靴の中でも「内羽根式」(羽根が閉じているタイプ)は最もフォーマル度が高く、元々は貴族のスリッパから発展したものです。対して「外羽根式」はスポーティーな要素を持ち、よりカジュアルです。

ローファー:カジュアルな印象

紐のない「ローファー」(怠け者という意味)はカジュアル度が高いです。フォーマルな場には不向きですが、ジャケパンスタイルには合わせやすいです。

スーツ・ジャケット別の合わせ方

ネイビー・グレースーツには黒も茶も

ビジネスの定番色であるネイビースーツやグレースーツには、黒の革小物も茶色の革小物も合います。ビジネスのトーンによって選び分けましょう。ただし、フォーマルな場では黒一択です。

ジャケパンスタイルには茶系が好相性

ジャケットとパンツが別々のスタイルの場合、黒でも良いのですが、茶系統の革小物の方がよくまとまります。特に私が今日着ているようなコーデュロイ素材のジャケパンや、ボタンダウンシャツを合わせたアメリカントラッド風のスタイルには、使い込んだ茶色のカバンや茶色のスエードブーツ、ローファーなどがおすすめです。

金具の色選び:細部へのこだわり

革小物の色と形について解説してきましたが、もう一つ大切なポイントが「金具の色」です。ベルトのバックル、時計のベルト部分、カバンの留め具など、意外と多くの場所に金具が使われています。

金具の色選びには、まず「お肌の色」が関係します。暖色系の肌色の方は金(ゴールド)、クールな印象の肌色の方には銀(シルバー)が似合う傾向があります。ネイビーのスーツがパリッと決まる方は、シルバー系の金具が印象的です。

とはいえ、金具の色に絶対的なルールはありません。お好みで選んで構いませんが、できれば「金なら金、銀なら銀」と統一させると美しいです。全てを完璧に揃える必要はありませんが、こういった細部にどれだけ気を配れるかで、「ファッショナブルな人」「仕事も細かいところまで気が利く人」という印象を与えられます。

「細部に宿る」という言葉がありますが、まさに金具の色にまで意識を向けることで、ワンランク上のコーディネートが完成するのです。

季節感と素材感:より洗練された選択へ

革小物の色や形に加えて、季節感や素材感も重要なポイントです。

夏のビジネススタイル

夏は軽やかさが大切です。黒の革靴でもより軽量なものや、通気性の良いメッシュ素材を部分的に使ったものを選ぶと良いでしょう。カバンも重厚なレザーよりも、キャンバス地と革のコンビネーションなど、季節に合った素材選びが洗練された印象を与えます。

冬のビジネススタイル

冬はより重厚感のある革小物が映えます。スエード素材の靴やブーツ、しっかりとした厚みのある革のカバンは冬のスーツスタイルに深みを与えます。特に茶系の革小物は冬のスーツスタイルと相性が良く、温かみのある印象を演出できます。

おわりに:自分だけのスタイルを見つけよう

今回は革小物の色と形のルール、スーツやジャケットとの合わせ方について基本から応用までお話ししました。基本的な枠組みをお伝えしましたが、この応用は無限大です。これらのルールを押さえた上で、自分なりのアレンジを加えていくことが「センスの良い人」への第一歩だと思います。

ファッションに絶対的な正解はありません。TPOを押さえつつ、自分らしさを表現することが大切です。革小物は長く使えるものですから、ぜひ良いものを選んで、大切に使い込んでいってください。使い込むことで味が出て、より魅力的になっていきます。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2025年5月17日
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