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人材不足の解決策は?深刻な中小企業の新しい試み

オーダーコート ステンカラー
ステンカラーのオーダーコートは、毎年たくさんではないが、
数着のご依頼がある。
チェスターフィールドコートも良いが、ステンカラーも良い。
ただし、ダーツを入れないから、あまり細身ではない、
それがまた良いのだが。

昨日、今日は定休日である。
昨日は家族でアンパンマンミュージアムに行ったら、家族っていいな、と思った。
家族連れだらけだからだ。

今日は新しい課題にチャレンジする日だ。
今朝読んだ本に、こんなことが書いてあった。

2000年代の初頭、ストックホルムの交通渋滞は手に負えなくて、
不満が高まっていた。
それで、橋を増やそうか、という議論になったそうだ。
ストックホルムはすでに何十もの橋があり、北のベニスと言われているのだ。

都市計画担当は、いろいろと思案したのだが、
外部からコンサルタントを招き入れた。
なんと、IBMから。

未経験ながらIBMのチームは測定を繰り返し、
議論し、ついにある解決策を提案し、驚きの結果となった。

それは何だろう?
もちろん、橋を作るのではない。

それは、
渋滞発生時間に、通行車両に課金する、というシステムだ。
2006年にこのテストをした結果、25%近く渋滞が改善し、
2007年に住民投票を行い、正式導入が決定したそうだ。

何を感じたのかというと、
この本にもたびたび出てくるのだが、
制約があるシチュエーションでこそ、
どうそれを解決するか?を考えるから面白いし、
奇想天外なアイデアが湧いてくる。

今、取り組まなければならないのは、
これまでフィッター2名、2席で対応していたサロンを、
どのように1名のフィッター、2人のアシスタントでまわすか?
という課題で、
この60日くらい、小寺と延々と立ち会議が続いている。

待合室を作る、という案や、
打ち合わせ開始から平均30分後に、フィッターの手が10分空く、という統計がとれたので、
このタイミングでアシスタントが補助に入った場合に、どのような問題が起こるか?
を思案したりした。

でも、うまくいかない。
フィッターは非常に密に打ち合わせをしているから、
フィッターしかわからないことが少なくないのだ。

そもそもなぜこのような課題に挑戦しているか?といえば、
小寺が卒業(おめでたい方向だ)を控えているからである。

面接に来た人が口々に驚いているのだが、
8月末の時点で、我々ボットーネ社は、2名、
私と小寺しかいない、
このウェブサイトの更新から、フィッティング、生産管理も全てこの2名で行っているのだ。

自慢ではないが、
でも週休2日だし、
平日は12時出社、遅くまで会社にいても、終電ということはない。

創業3年目くらいは、徹夜はないが、
泊まり込むということはしばしばあった。
急にオーダー依頼が増えて、どうやって全ての納期を守るのか、試行錯誤したし、
イタリアから素材が届かなくて、
当時のフィッターと一緒にクライアント宅に事情説明と謝罪に行くこともあったし、
家に帰ってから、食事をしながら携帯片手だった。

とにかく色々な改善をして、今では素材すら自動的に発注される。
昔はエクセルでやっていたことを、全部PCとモバイルで、シームレスな環境が実現したし、
現実的に事務職とういポジションが不在でも、問題があればアラートが出て、PCが教えてくれる。
(それを考えある程度構築したのは、以前在籍していたスーパー事務、畑中である)

昔起きてお叱りを受けたことは、
1つ残らず徹底的に改善しよう、という風潮の会社になった。
本当に、気になって眠れないのだ。

こうして、本当に大切な、
クライアントとのコミュニケーションやデザイン・設計、トレンドなど、
人でしかできない部分に良い服作りに全力投球している。

それでも、小寺が抜けた場合にはフィッターという要が1人減るわけで、
9月から新人が入るのだが、
1人前になるには当然ながら時間がかかる。

ありがたいことに、サロンの予約は溢れんばかりだから、
早期にアイデアが必要なのだ。
今日は1日、このアイデアを突き詰めるのだ、
きっと奇想天外な、これまでどこのオーダースーツ屋もやったことがない、
とてつもない解決策が湧いてくるに違いない。

ちなみに、小寺は今、
設計のチェックの傍、もっぱら動画撮影をしている。
なんと、
《アルバイトさんもパートさんも、これを見ればどこに待ち針があるか、専門用語も素材のことも、全部まるわかり動画》で、教える手がないので、動画見てきてください、という形になるのだ。

これは大手企業がやりそうだが、
実は少人数の洋服店に必要だ、
予習も復習もできる。

こういうことを、閉店後に黙々とやっていると、
ある日、劇的に仕事がしやすくなっている。
日々の積み重ねなのだが、明日どんなことになっているのか、出社するたびにワクワクする。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2016年9月1日
ライフスタイル | 編集長の日々

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