【製作事例】ダブルチェスターとステンカラー
今日は、冬の定番として毎年ご相談をいただく「ダブルチェスターフィールドコート」と「ステンカラーコート」、この二つについて、少し掘り下げてお話ししてみようと思います。
この記事の目次
ダブルチェスターフィールド——大人の重厚なコート

当店で圧倒的に人気があるのが、このダブルチェスターフィールドコートです。
理由は、やはりあの存在感でしょうか。
大きめのラペルが作る重厚な表情は、シングルにはない独特の風格があります。
前身頃が重なるダブルブレストの構造も、胸元を逞しく見せてくれるので、40代以降、少し貫禄が出てきた方にこそよく似合うデザインだと感じています。
実際、店頭で試着されたお客様が、鏡の前で「思ったとおり、良いですね」と表情を変えられる瞬間を、私は何度も見てきました。
フォーマルな場にも十分対応できるので、大事な商談から式典まで、この一着があれば安心という方も多いです。
色はやはりブラックかネイビーが王道ですが、最近はキャメルカラーも都会的な印象で人気があります。
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キャメルヘアのダブル・チェスターコート

今回お仕立てさせていただいたのは、キャメルヘアーを用いたダブルチェスターコート。
キャメルとは色のことではありません、素材そのもののキャメル=ラクダを意味します。
カシミアに比べると少し肉厚で暖かみがあり、ポロコートが最も定番のデザインとされるものの、チェスターフィールドコートとしてもこれまで何度も製作してきました。


ワイドなラペル。そしてゆったりとしたクラシックなシルエット。
これぞ40代以降の紳士が纏う、余裕のあるコートの表情そのものだと思います。
オーダーいただいたお客様は、初めてのご来店でこのキャメルヘアー:ダブルチェスターフィールドコートをオーダーいただきました。
オーダースーツ店としてはめずらしいのではないか?と自分では思っているのですが、「初来店でコートをオーダー」するお客様がボットーネでは毎年たくさんいらっしゃいます。


一般的にはスーツやジャケット→コートの順番が多いところですが、うちの場合は逆も多数です。笑
冬の終わりにオーダーいただきましたので、この真夏の仕上がりでしたが、これからオンシーズンまでは保管させていただき、秋口にご納品させていただく予定です。
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ステンカラーコート——カジュアルにもビジネスにも

もう一つ、時代を問わず選ばれ続けているのがステンカラーコートです。
正式にはバルマカーンコートというのですが、こちらの魅力は、なんといってもその「引き算の美学」にあると思っています。
飾りを削ぎ落としたシンプルなデザインだからこそ、ビジネスの場では誠実な印象を与え、休日のカジュアルな装いにもすっと馴染む。この汎用性の高さは、実は玄人ほど評価するポイントだったりします。
当店では、ここにベルテッド仕様を加えるご提案もよくしています。
ベルトを締めるだけでシルエットに動きが出て、クラシックな雰囲気の中にも今っぽさが加わるんですね。
素材にカシミアを選べば、シンプルな中に上質な光沢が宿りますし、ウールメルトンなら毎日の通勤にも安心して着ていただける頼もしさが出ます。
コットンであればバーバリーのコートを思い浮かべますでしょうか?
控えめだけど、細部の仕立ての良さが伝わる、そんな一着です。
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コットンのステンカラーコート

こちらは、やや起毛した肉厚なコットン生地でお仕立てさせていただいたステンカラーコート。
ご覧の通り、ストンと落ちるシルエットこそがステンカラーの持ち味ですね。
ダーツと呼ばれる胸の絞りが構造上存在しないため、筒がそのまま裾まで広がっています。
最近はAラインをイメージし、着丈も膝下あたりを目安にお仕立てすることが多いです。


今でこそ既製品でもロング丈の商品が出回ってきましたが、数年前までは膝上が基本で、大人の男性が着るにはどうも若く見えてしまう欠点がありました。
いまの既製品も、ステンカラーに限ってはカジュアル用途のものが多く、極端なオーバーサイズが中心。
ビジネスシーンでは不相応な印象は否めません。


それらの懸念点を解消できるのがオーダーコートのメリットであり、今回お仕立てさせていただいたコートも、素材からシルエットまで入念に確認し、お客様のご意向を第一に完成させました。
こだわりの詰まったコート、これからご納品が楽しみです。
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コートの素材の話

デザインと同じくらい、いや、それ以上に大事なのが素材選びだと私は思っています。
カシミアについては以前もお話ししましたが、やはり別格です。
魚の鱗のような波打つ光沢、とろけるような触り心地、そして羽毛のような軽さと抜群の保温性。
一度袖を通すと、他の素材に戻れなくなる方が本当に多いです。

フォーマルな場面や、長く着る一着を仕立てるなら、間違いのない選択だと思います。
一方で、実用性を重視するならウールメルトンも良い選択です。
生地をしっかり縮絨させているので、非常に頑丈で型崩れしにくい。
ずっしりとした重みはありますが、それがかえってコートらしい安心感につながります。
毎日の通勤で酷使したい、という方にはこちらをおすすめすることが多いです。

そして今回の製作事例でご紹介させていただいたキャメルヘアーやコットンも、当然選択肢に含まれてきます。
どれかが優れているという話ではなく、要はどんなシーンでどう着たいか、なんですよね。
ですので当店では、まずお客様のライフスタイルや着用シーンについて丁寧にお伺いしてから、素材のご提案をするようにしています。
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最後に

丁寧に手入れをしながら着続ければ、コートは本当に一生物になります。
貫禄と格調を纏いたいならダブルチェスターフィールド、洗練されたシンプルさを愉しみたいならステンカラーコート。
基本となるシングルのチェスターフィールド、そしてスポーティなポロコート。
どちらの道を選ばれても、良い素材と確かな仕立てがあれば、そのコートはきっとあなたと一緒に歳を重ねていく相棒になってくれるはずです。
「僕は、ちゃんとしたいので」——そうおっしゃるお客様の冬が、一着のコートによって少しでも豊かになるお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。
表参道の静かな店内で、実際に生地に触れていただき、鏡の前のご自身の変化をぜひ体験しにいらしてください。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2026年8月9日
ファッションアイテム | オーダーコート
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