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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

着丈は変わるよ どこまでも

ピーコート 男性
オーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。

どうやら今日から寒気が流れ込んで冷え込むようで、コートの用意はそろそろという感じだ。といっても、しばらく11月にしては暖かな気候だっただけで、本来の気温に戻るという表現の方が適切かもしれない。ここ数日ちょうど良かったのは、私が着ている薄手ウールのピーコートのような羽織りだったのだが。

ピーコート メンズ 着こなし

ある意味では、短いコートは動きやすい。

甲板で敵がいつくるか?と深夜でも見張りをしなければならない兵士にとって、北の冬の海の寒さは身にしみる。かといって昼間は帆を張り、走り回らねばならない。もともとは漁師が着ていたそのコートは、おそらくは長いコートをカットして機能性を求めた。それはピーコート(ピージャケット)だ。

それから、同じく船の上であるジャケットが誕生する。
いつだって燕尾服を着てきっちりかっちり食事をしていたのが軍隊だ。服装の乱れなど許されない。

ところがさすがに冷房のない軍艦、暑い。

暑いからという意味で、長い裾をカットすることで冷却効果があるのだった。よろしい、軍艦の上での食事に関してのみ、特例で短い燕尾服で食事することを認めよう。こうして、燕尾服の裾をカットした短い燕尾服、メスジャケットは生まれた。

フロックコートとスペンサー

また、かつてスペンサーという服があった。

これはダイアナ妃のずっとご先祖の名家のスペンサー。

ある日スペンサーは暖炉のそばで読書をしていた。当然のようにフロックコートを着ていたのだが、なんだか焦げ臭い!見てみると、なんとフロックコートの裾に火がついている!すぐに火は消したものの、焦げてしまったフロックコート。だが英国人は物を大切にするようで、何かこれを活かせないか?と生まれたのがスペンサーといって、フロックコートのショートバージョンだった。

こうして色々と長い丈の服を、なんらかの事情で短くアレンジすることが多々ある。

プールポワン

そしてジャケットの丈の変化にともなって、パンツも変化をする場合がある。
例えば短いキルティングのような服が流行った時代がある。

パンツは広がった、ワイドパンツのようだった。
ところがパンツがタイトになった。
すると、ヒップの形があらわになって、これは紳士としては美しくないのではないか?という羞恥心が働いた。そこでジャケットの丈を長くした。

これがフロックコートのような長いコートが誕生するストーリーでもあるのだが、長くなったり、短くなったり、機能もあるし、その時々の事情で服は変化しているということなのだった。

ということで、今期はロングコートでも着てゆっくり街を歩いてみようか。

さて、明日は何着よう?

あわせて読みたい

どうして丈が長くなったり短くなったりしたのか?

メスジャケットってなんだ?

ピーコートの正体

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2017年11月13日
オーダースーツ | オーダースーツの歴史
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