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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

パナマハット オプティモに隠された大人の都合

松はじめです。

涼しくて軽い、暑い季節の帽子、それはパナマハット。

トキヤ草という天然草を、1つ1つ手で編んで作るというエクアドル発祥の帽子です。

そのパナマハットの中に、オプティモというモデルがあるのをご存知ですか?

イタリアの帽子ブランド、ボルサリーノのパナマハットにもこのオプティモというモデルが存在しています。

不思議な形だと思いませんか?

私がかぶっている、中央に一本線が入ったタイプです。

トップがくぼんでいる、中折れタイプとは違った風貌です。

一体なんの意味があるのでしょう?

みなさんなんだと思いますか?読み進める前に、正解がわかった方がいましたら、、脱帽です!

この記事の目次

パナマハット オプティモ

パナマハットの筋の正体

まず、結論をお伝えしよう。

この、オプティモの筋の正体。

運ぶ時にたくさん船に詰めるように、折りたたんだ跡である。

いつしかそれが高級パナマハットの証になった。

この話は、服飾評論家の出石尚三先生が調べ上げた話で、クローズドな場で教えてくださった。

出石尚三先生は、スーツの百科事典、ボルサリーノ物語など数多くの著書を出版されており、ボルサリーノの工房にまで行ったのだそうだ。

1800年、1900年代の服飾史のことがわかる資料を大量に所持しておられ、当時の服装がわかる小説を何冊も教えていただいた。

その出石先生が調べ上げた説こし、折りたたんだ跡説だ。

パナマハット

さて、パナマハットはトレンドに左右されない夏の帽子。

上品な顔立ちで、クラシックな帽子なので、クラシックにも現代っぽく取り入れることもできる。

特に、夏のリゾートなら、大人の余裕を漂わすリラックスしたリネンのスーツに、パナマハットが良く似合う。

パナマハット オプティモの意味

パナマハットの中の種類で、オプティモという真ん中に筋が通った帽子の、オプティモとは一体どういう意味だろう?

これも出石先生から教わったのだが、

オプティモ(Oputimo)というのは、ラテン語で第1級のといういみの、オプティマス(optimus)からきている。

ちなみに、オプティモは非常にかぶり心地がいい。

中折れタイプのように真ん中が折れていないから、スポッとかぶれて、安定感があるのだろう。

パナマハット オプティモにはどうして線が入っているのか

とうことで、1級品とされ、今もその地位は揺らぎないものがある高級なオプティモというタイプ。

一体なぜ一本の筋が入るようになったのだろう?

ちなみに、どうしてパナマハットと呼ばれるようになったのか?についてはこちらの記事

エクアドルの特産品が世界に出た

エクアドルのマナビというところで作っていた、言ってみればその地域の特産品のようなパナマハット。

ベネヅェラの場所

エクアドルの近隣国、ベネヅェラという国に住んでいたあるライモンディというフランス人は、個人的にパナマハットをフランス・パリのシャン・ド・マルス公園で開かれた第一回パリ万博に出品した。

シャン・ド・マルス公園
おそらくフランスに渡った初めてのパナマハットだ。

パリ万博に主品されていたパナマハット、そこに注目したある人物がいるという。

パナマハットにナポレオン3世が注目

それをナポレオン3世が注目した。
これはなんぞや!と、ナポレオン3世がかぶった。
パリ万博に出て、注目されたパナマハット。

パリ万博は1855年。

その20年前、1833年からパナマハットは英語表記されてはいたが、万博に出てナポレオンが注目したことで一気にその名が知れ渡った。

エクアドルのパナマハットが大流行

パリ万博でお披露目となったパナマハット、こうして大流行が始まった。

エクアドルの人たちも、それまでは自分たちの帽子を自分たちで作ろう、という発想で作っていた帽子。
量産ではなく手間暇をかけ、上質なハットであれば半年近くかけて作り上げていた。

帽子 製作

放射線状にどんどん織ってゆくパナマハット。
出来上がったばかりのパナマハットは端が全部出ています。
それを洗って乾かして、洗って乾かしてとやるのです。
木の上で干し、そこから型入れをして、商品にしていく。

エクアドルのパナマハット
エクアドル製パナマハット、これは商品化できるのでは?
パナマハットをエクアドルから世界に輸出しよう!
それまで赤道直下、標高の高いエクアドルのマナビ県で作られ、輸出などという発想すらなかったパナマハットがついに海を超えたのだった。

1860年代、近隣国に輸出するようになった。
こうして1890年代にはアメリカにも輸出される。

できるだけたくさん船に乗せたい

オプティモの船積み
地元の方が手で作っていた帽子。
ナポレオンがかぶって徐々にブランディングされると、価格も跳ね上がる。

ビジネスとなればたくさんの人が関わり、商売としての色気が出ると、物事を効率化しようとするもの。
特に船便での輸出となれば、少しでも多く積んで、少しでも高値で販売したい。
こうしてパナマハットをコンパクトにしようと試みた。

パナマハットを半分に折って船に乗せる

《半分に折れば、もっと運べないか?》

誰かがそう言った声が聞こえてこないだろうか。

帽子の形を維持して運ぶと、とても大きなスペースが必要になる。

船便で運ぶコストを考えたならコンパクトにした方が良い。

半分で折って、現地に到着してから戻して販売する案はどうだろう?

この跡は?と言われた時に

当然、受け取った国の承認は、

パナマハットについているこの跡は何だ?と言う。

そんな時、こう言ったのだろう。

《この筋、この筋こそが、一級品の証なのでございます。》

おすすめのオプティモ

オプティモのパナマハットで、私がかぶっていておすすめなのは、オメロオルテガのオプティモだ。

パナマハット発祥のエクアドルのメーカーで、日本で知名度こそ高くないが、歴史があり技術力がある。

ブリム(つば)の雰囲気もよく、クセづけもしやすい。

ブリム 約6〜7cm
フロント高 約11cm
特徴 本パナマ
ホワイト
素材 天然トキヤ草
グレード 4-5
価格 ¥22,500(税別)

>>オプティモをもっと詳しく

おすすめ購入店

春、夏、秋、冬、季節に合った素材の帽子を持つとファッションがもっと楽しくなる。

パナマハットの中でもオプティモは高級品として知られ、リゾート旅行のお供にもぴったり。

今回ご紹介したオメロオルテガのオプティモは、丁寧に編まれており、それでいて価格もボルサリーノなどに比べて随分と購入しやすい。

無料で試着できるサービスがある

オプティモを購入する場合、信頼できるお店で買いたい。

おすすめ店をご紹介しておきた。

時谷堂百貨

 

時谷堂百貨はヨーロッパやエクアドルで100年以上続く日本未発売の帽子ブランドなどを開拓し、直接仕入れを行って、オンラインショップで販売している。そのため価格が店頭で有名ブランドを購入するよりも品質の割にリーズナブル。

かぶってサイズが合わなければ送料無料で何度も試せる、無料試着サービスが人気だ。

編集長の私も時谷堂の帽子はいくつも持っていて、とても気に入っている帽子店だ。

時谷堂百貨のウェブサイト

トラヤ帽子店

もう1つおすすめしたいのが、銀座トラヤ帽子店。

大正六年創業という歴史ある帽子店。

ソフトハットやパナマハットなどで数々の取り扱いのある帽子屋である。

トラヤ帽子店は銀座の他、浅草店がある。ヨーロッパ、アメリカから日本人に向けのセレクションをしていて、アパレル業界の私の先輩方も愛用しているお店だ。ぜひ足を運んでみてはいかがだろう?

トラヤ帽子店(銀座店)

住所:東京都中央区銀座2-6-5

営業時間 :10:30~19:30

定休:日曜

トラヤ帽子店のウェブサイト

まとめ

パナマハットの上位モデル、オプティモ、
オプティモとはラテン語で第1級のといういみの、オプティマス(optimus)から。

パナマハットにも色々なクラウンの形状のものがあるけれど、オプティモは真ん中に一本の筋が入っている。
この筋は輸送時の都合だったのだ。

初夏の旅行に、もちろん普段の帽子にもパナマハット・オプティモがあればファッションがさらに引き立つはず。

軽装になる夏のファッションのプラス1アイテムにも、熱中症対策にも、パナマハットを取り入れてみては?

さて、明日は何着よう?

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2019年3月19日
ファッションアイテム | ハット
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