冬支度|この生地で仕立てていきます
この記事の目次
英国カントリー調のステンカラーコート

まず最初にご紹介させていただくのは、すでに仕立てあがったステンカラーコート。
先日のブログで「今期はステンカラーコートが人気!」とお伝えしましたが、まだその勢いは衰えることはなさそうです。オーダーの数を見ていても、コート全体の中でステンカラーが占める割合は年々増えている印象があります。

落ち着いたブラウンカラーに、アイボリーのウィンドウペーンが走った英国の匂いがプンプンしている生地。乗馬用のジャケットやハンティングコートを思わせるような、狩猟文化に根差した柄ゆきで、眺めているだけで英国の湿った牧草地や、煙突から立ち上る薪の匂いまで想像してしまいます。
コート専用というわけではありませんが、タウンユースには応用が効く、やや薄手の生地です。ジャケットに仕立てても十分に見応えのある表情ですが、今回はあえてコートに。羽織った時の落ち感や、襟を立てた時のシルエットも含めて、この生地の魅力を最大限に引き出せたのではないかと思っています。

表面は少しザラザラとした、ツイード特有の節のある風合い。手で触れると想像以上に目が詰まっていて、見た目のカジュアルさに反して、しっかりとした着用感と温かみを感じさせてくれます。
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LUIGI COLOMBO(ルイジコロンボ)のチャコールグレー

前置きなく写真を見れば、「カシミアかな?」と思ってしまうほど毛並みの美しい生地。素材はウール、生産は名門ルイジコロンボ。ボットーネのブログでも、コート生地をご紹介する時は必ずといっていいほど取り上げています。
極上のカシミアを何よりの強みとしている生地メーカーですが、こちらのウールのコート生地も相当クオリティが高いです。表面の起毛が実に均一で、光の当たり方によって表情がわずかに変化するあたりは、さすが名門と唸らされます。

ネイビーから連想される誠実なイメージとは少し毛色が違う、より重厚で、フォーマルな雰囲気さえ漂うチャコールグレー。単なる「濃いグレー」ではなく、奥に紫がかったようなニュアンスを含んでいて、フォーマルシーンでも十分に通用する品格を備えています。

こちらはシングルのチェスターフィールドコートをお仕立てさせていただく予定ですが、あえてカジュアルダウンさせるポロコート、もしくはステンカラーコートでも特別な雰囲気を醸すことでしょう。かしこまりすぎない中にも、生地そのものが持つ気品が滲み出るような、そんな一着になるはずです。完成したらまたご紹介させていただきます。
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ポーター&ハーディングのグリーン

はじめにご紹介したステンカラーコートと色違いのこちらの生地。数年前からグリーンは一定の支持を得てきましたが、ボットーネでは特にコートにおいて人気があります。ポロコートなどのスポーティなコートとの相性の良さも、この人気を後押ししているのかもしれません。

ブラウンと同様に、やや掠れた雰囲気で、グレーも混ざったような深みのある色合いが魅力です。いわゆる「ザ・グリーン」というよりは、表現し難い、自然の中に溶け込むような落ち着いた色調。派手さはないものの、着る人の顔映りをさりげなく引き立ててくれます。

同じくステンカラーコートをお仕立てさせていただきますが、思っている以上に落ち着いた仕上がりになるのでは?と思っています。ツイードらしい粗野な雰囲気を感じつつも、街中でも浮かない洒落た風合いを楽しんでいただけると思います。スーツの上にはもちろん、デニムやチノパンといったカジュアルな装いに羽織っても、こなれた印象を演出してくれる懐の深さもあることと思います。
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王道のフォックスブラザーズ

フランネルを語るならフォックスブラザーズは外せません。これまでも多くの方に読んでいただいたフォックスブラザーズを詳しく解説したブログがありますが、そこでも第一に紹介しているのがこのクラシックフランネルのコレクションです。200年以上の歴史を持つこの老舗が織り上げるフランネルは、今なお多くのテーラーやブランドから支持され続けています。

色はこちらもチャコールグレー。フォックスのフランネルは、独特の黄味がかったグレーの色味が特徴的だと言われていますが、ビジネスシーンで着用するのであればやや難易度が高いかもしれません。
ボットーネでは、グレーの中ではチャコールグレーを一番おすすめしていますが、それはお客様の実際のご着用シーンを想像してのこと。ビジネスの場でも浮きにくく、それでいて量産品にはない深みを楽しんでいただけるという、いわば「安全圏の中での贅沢」をご提案できればと思っています。

洋服屋としてはミディアムグレーがフォックスらしさ満点でイチオシなのですが、あくまでも目線はお客様に合わせなければ、洋服屋の都合を押し付けるようなスタイルになってしまいます。私はそこまでのストロングスタイルを貫くつもりはありません笑 とはいえ、もしプライベートユース中心でご検討中の方がいらっしゃれば、こっそりミディアムグレーもおすすめしたいと思っています。
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おわりに

涼しい日も増えてきましたが、お客様から多くの冬物オーダーをいただきました。この時期は生地の在庫も最も豊富であり、着用したいシーズンから逆算しても、まさに今がコートをお仕立ていただく絶好のタイミングです。
一枚のコートは、その年の装いの印象を大きく左右する存在です。今回ご紹介した生地たちは、それぞれに異なる個性を持ちながらも、どれも長く付き合っていただけるクラシックな魅力を備えています。ぜひ店頭で実際の風合いを手に取ってご覧いただき、ご自身の一着を見つけていただければ嬉しく思います。
引き続き、仕立て上がりの様子もこのブログでご紹介してまいりますので、どうぞお楽しみに。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
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