【シャツ編】クールビズの服装で気を付けたいポイント

日本の文化としてすっかり定着してきたクールビズですが、皆さんは実際にどのような服装をしていますでしょうか?
クールビズはシャツが大事

近年は”スーパークールビズ”なるものも出てきており、ポロシャツやアロハシャツなどを着用する企業も少しずつ増えてきています。そもそもクールビズに限らず社会全体としてカジュアル化が進んでおり、あと数年でクールビズという概念そのものがなくなってしまうかもしれません。
すさまじい暑さの日本において、世の中の流れに文句を言っても仕方がありません。その時代時代に見合った、最適な服装を提案していくことも私たちの役割だと考えています。
クールビズというと、ポロシャツなどが許されている企業もあると思いますが、一般的には「ノージャケット&ノーネクタイ」が基本ではないでしょうか。つまり「シャツ」が主役になるということです。普段はスーツのインナーとしての役割を担っているシャツですが、この時期は服装そのものとなります。
当サロンでも毎年クールビズ用のシャツをたくさんオーダーいただきますが、クールビズ専用のシャツとなると普通のドレスシャツとは違ったポイントがあり、ご提案の内容も変わってきます。そこで今回は「クールビズの服装において気を付けたいポイント」、そして「クールビズ専用のシャツをオーダーする際のポイント」の2つについて解説していきたいと思います。
クールビズの服装において気を付けたいポイント
①いつものシャツをそのまま着る

クールビズの服装で一番手っ取り早いのが、いつものスーツスタイルからジャケットとネクタイをとっぱらった服装です。日々電車などで見ていると、このような服装の方が最も多いのではないかと思います。
…正直に申し上げまして、これは一番避けたほうがよい服装です。
普通のドレスシャツにネクタイをしない状態だと襟がよれてしまいますし、相当気を使っていなければ一目でだらしない印象を与えてしまいます。また日頃から着ている白シャツは襟やカフスの先が擦り切れてしまっていたり、少し黄ばみが見えてしまっていたりと、自分自身では意外と気が付かず、スーツやジャケットを着ている際は隠れてしまうポイントが露わになってしまいます。ビジネスシーンでの第一印象は非常に重要ですので、こういった細部への配慮が必要です。
②半袖・七分袖のシャツ

クールビズ専用のシャツとして半袖や七分袖タイプのものが多く出回っていますが、個人的には長袖の方が良いと思います。
快適であることは間違いありませんが、半袖はサイズ感が難しく、腕の太さや長さによっては不格好に見えてしまうことがあります。また七分袖はカジュアルな印象が強く、ビジネスシーンでは逆に難しいように思えてなりません。特に重要な商談や取引先との会食など、フォーマル度が求められる場面では長袖の方が無難です。
半袖はカジュアル服(プライベート)だけにした方が無難でしょう。
③カラーボタンのボタンダウンシャツ

クールビズ期間からよく見かけるようになるのが、カラーボタンがついているボタンダウンシャツです。
かっこいいかどうかは人それぞれあると思いますが、当店でオーダーいただくシャツは原則白いボタン(貝ボタンやポリボタンなど)です。一時期爆発的に売れていたようですが、近年は以前ほど多くは見かけなくなりました。
シャツスタイルになり、なんだか物足りない気持ちになるのは理解できますが、このようなカラーのおしゃれ?なボタンも、わざわざ選ばなくてもいいでしょう。派手なディテールは一時的なトレンドで終わることが多く、長く使えるアイテムとしては定番のシンプルなデザインが最適です。
クールビズシャツ おすすめの仕様
逆にクールビズ専用のシャツを作る場合、どのような仕様がオススメなのでしょうか。
もし私が一般企業に勤めていて、クールビズ期間にシャツ一枚で過ごすとしたら、どのような素材・仕様でオーダーするのか考えてみました。
①襟型にこだわる
ネクタイをする時は、私の場合レギュラーカラーのシャツを好んで着ていますが、ネクタイを外した時に美しいかと言うと…もちろんそんなことはありません。
よくボタンダウンのシャツを着ている人がいますが、おそらく一番の理由は「襟がきれいに見えるから」ではないでしょうか?襟がきれいに見えることを重要視するのであれば、実はボタンダウン以外にも解決策があります。
当店のオーダーシャツには、ノーネクタイの時でも首元が折れてしまって見苦しくならないように、裏側を補強して安定させるオプションがあります。「2way仕様」と呼んでいますが、まさにネクタイをした時とノーネクタイの時、2つのパターンで着用できるということです。
レギュラー、もしくはセミワイド程度のベーシックな襟型であれば、ノーネクタイの時でもある程度きれいに状態を保つことができます。襟の角度や開き具合も大切な要素ですので、自分の顔型や体型に合わせた襟型を選ぶことをお勧めします。
②ボタン位置を考える

いつものシャツをただノーネクタイにしただけでは、首元が折れてしまって美しくないことはご説明しましたが、先ほどの2way仕様に加えて、もうひとつバランスよく見せる為の方法があります。
それは「ボタンの位置を調整する」ことです。
台襟から数えて2つ目のボタンの位置を、1センチ~3センチ程度下にずらすことによって、首元のVの開きが自然なバランスになってくれます。時に2つ目のボタンまで外している人を見かけますが、さすがにお仕事上ではお勧めできません。
ボタンを下に下げる仕様と先ほどの2way仕様を合わせれば、ノーネクタイでも綺麗に見せることができます。これはオーダーシャツならではの調整で、既製品では難しい部分です。自分の首の長さや胸の厚みに合わせた位置調整ができるのは、オーダーメイドの大きな魅力です。
③適度なスリムフィット

私たちのような職業の人は、基本的にジャケットは一年中着用しています。
ジャケットを脱ぐことはあまり想定していないですから、シャツのシルエットは着心地を重視してお腹周りにゆとりをもたせています。ほとんどのシャツがお腹周りにゆとりがありますので、シャツ一枚の姿になった時に美しいかと言うと少し疑問が残ります。
なのでオーダーの醍醐味でもある「シルエット」にも気を配りたいと思います。あまりピチピチのタイトフィットはどうかと思いますので、そこまではいかず、ただ適度にすっきりさせたスリムなシルエットにしましょう。
ヌードの寸法から10センチ前後のゆとりを目安に、最も美しく見えるシルエットを探ってみるといいと思います。特に背中や脇の部分のダーツ処理によって、シルエットは大きく変わります。体のラインに沿った自然な曲線を作ることで、スマートな印象を与えることができます。
④素材にこだわる

普通のドレス用のシャツの素材であれば、汗をかいてしまった時に素肌にぴったりついてしまったり、汗が乾きにくかったりと、着ている自分自身も気持ち悪いですし、外から見ていても良い印象でありません。
やっぱり夏の大敵は汗・暑さですから、この辺りに強みを持つ素材をセレクトしたいと思います。

まず一つはコットンのメッシュ素材です。ポリエステルを含んだ素材のシャツもたくさんありますが、ここはコットン100%にこだわりたいところです。中でもメッシュ素材であれば、通気性が確保されているため涼しく、汗をかいた場合でも乾きやすいという利点があります。見た目にも軽やかで涼しげです。清潔感があるため、サックスブルーやホワイトなどのベーシックな色が相性が良いと思います。

こちらは少しカジュアルになってしまいますが、リネンのシャツも良いと思います。ただし、リネン100%だとカジュアル色が強くなりすぎてしまう為、コットンとリネンがブレンドされた素材をお勧めします。コットンが60%~70%、リネンが30%~40%程度の配合ですと、リネン特有のスラブ糸の表情も十分ありますし、コットンのおかげである程度シワも軽減されますのでビジネスシーンでも許容される見た目になると思います。
やはりリネンは、コットンに比べても速乾性・吸収性・抗菌性などあらゆる面で優れており、7月8月のいわゆる真夏の期間には最適だと思います。特に湿気の多い日本の夏には、肌触りがさらっとしているリネン混素材はストレスを軽減してくれるでしょう。

天然素材がおすすめとは言いつつも、近年は科学の力も大いに進歩しており、その実用性は非常に高くなっています。化学繊維とまではいかなくとも、コットン100%の形状安定素材もクールビズ専用のシャツとして扱いやすいでしょう。形状安定ですから、ノーアイロンでもある程度綺麗な状態で着ることができますし、加えて着用していてもシワになりにくいという利点もあります。1・2枚、手元にあると安心できるシャツです。
最後に
ということでクールビズ期間に「シャツ一枚で過ごすこと」を想定したお勧めの仕様についてご説明しました。
何度も申し上げている通り、いつものスーツ姿からジャケットとネクタイをとっぱらっただけの服装にはならないように、このブログを見ていただいた方は注意してみてください。適切な素材選び、襟型の工夫、シルエットへのこだわりによって、クールビズでもビジネスマンとしての品格を保つことができます。
今回のシャツ編に続いて、次回はスラックス編をお届けしたいと思います。クールビズシーズンにふさわしい素材や色、シルエットなど、スラックス選びのポイントについても詳しくご紹介する予定です。こちらもぜひご覧ください。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
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