本当の自分サイズの洋服を知ることは装いの出発点

現代は、色々なサイズの服がある。
それに、トレンドも様々だ。
タイトな服が流行ったり、ルーズな服が流行ったり。
男性の服はここのところ随分とタイトだったけれど、
女性の服はルーズになっていて、一部男性もルーズな服が店頭に並ぶようになった。
タイトフィットという言葉があるけれど、実はルーズもただ大きいだけではない。
ルーズフィットという言葉があるように、あくまでもフィットしているのが前提なのだ。
それで、フィットってどういうことなのか?なのだが、
身体に合っている、というそれだけではフィットではないと私は思っている。

私が勝手に素材の師匠と崇める、大西基之先生という方がいる。
その大西基之先生のさらに師匠は、こういったそうだ。
良い服とは何か?
それは、着てきやすいこと、そして、見て美しいこと。
つまり、例えば私はオーダースーツのフィッターをやっているわけだが、
バストとウエストを測りました、
だいたいゆとり寸法はこのくらいですね、と数値だけでやってしまったら、それは一応体には合っているかもしれないけど、
見て美しいかどうかはわからない。

それから、着てきやすいこと。
今、タイトなスーツがトレンドのようなところがあって、そういうご要望もある。
本来は威厳を出し、きちんとしたビジネスマンという印象を作り上げるのならば、極端にタイトなスーツというのは相応しくない。
ぴたぴたではいけないけれど、ところどころスッキリしているのが望ましい。
そうしてフィッターやスタイリストがシルエットを提案して、
オーダーの場合などは1か月以上後にその服が完成してくる。
注文した服に初めて袖を通す、感動の瞬間だ。

いかがですか?素敵でしょう?
そのようにフィッターやスタイリスト、それに友達も言うかもしれない。
でも、これはあくまでも外部からの客観的な意見で、その服の中に入っているのは本人なのだ。
確かに格好良いのだけど、少しきつめかな・・・
注文服が難しいのはここだ。
外から見たら美しいけど、さらに着心地も良くありたい。
その両立が大事だけど、羽織って決める既製服とは別軸の難しさだ。
だから作り手とのコミュニケーションが大事だといえる。

既製服を選ぶ場合、最近ではウェブで購入することもあると思う。
アマゾンドットコムの影響か、ECサイトで服を買うことに抵抗がなくなってきている傾向はあると思う。
ここでも気をつけたいのは、サイズだ。
例えば42、44といったヨーロッパ表記がある。
私は44だから、と44を買えばよいというものでもない。
ブランドやメーカーによって同じ44でもサイズは違うという事情がある。
特に海外のメゾンブランドなどは1サイズ、2サイズ大き目と考えて良い場合すらある。
それから、素材は伸縮する。
表記上の寸法よりもタイトだった、ルーズだったという時に、素材が動いているということまでは思わないと思う。

日本人のなかに、書いてある寸法は絶対だ!というような信仰があるように思う。
でも、本当にぴったり数字を合わせていこうとすれば、天然繊維ではなく、ポリエステルなどの素材で、
工業製品として大量に作って、数字が合わないものをはじいていくようなシステムが必要になる。
高級な服ほど素材も動くし、手縫いの服などは同じ服があるわけがないのだから、それは味でもあるのだ。
ということで、注文服でも既製服でもサイズはとても重要で、
サイズが合っていることがとっても重要だ。
だけど、それは寸法上合っているということではなくて、見た目にどうなのか?なのだ。
そして着ていて着心地が良いな、と感じられるかどうかもポイントだ。

そういう意味では、まず既製服なら試着を重ねること。
オーダーならしっかりとフィッターと意向を打ち合わせすること。
これが非常に重要だ。

そして最後に最も重要なことは、
1年2年で着られなくなる服(そういう服も楽しいところもあるのだが)よりも、
しっかりと自分にフィットした服を知る、ということは、装いの出発点だと私は思う。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年6月20日
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