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スーツを仕立てたお客様

何を着るかは自分で選択する時代

あなたが憧れる理想の上司は、普段どんなスタイル・着こなしでしょうか?

今やビジネスカジュアルが、いわゆる”お堅い”企業にまで浸透し、当たり前のようにスーツを着ていた時代から、ビジネスでの服装は「自分で選ぶ」という新たな価値観に変化しました。

機能性を重視し、楽な服装で仕事をしても誰にも文句は言われない、そんな時代です。

でもそんな時代だからこそ、改めていま『ちゃんとしたスーツ・スタイル』が注目され、ただ適当な服で仕事をしている人との違いが明確となり、クライアントや同僚からの信頼度が増すこともあると思います。

ボットーネにいらっしゃるお客様の多くが、「もう会社ではスーツ必須ではなくなりました」とおっしゃいます。

ではなぜまだスーツをつくりにきてくださるのか?

「僕はほら、お客様のところに行ったりする時はスーツ着るべきだと思っているから。若い人はそんな気にしていないけど、僕はね。」

と、自分の軸で判断し『あえてスーツを着る』という選択をされています。

その他にも、

「zoomとの時と、実際に会った時でギャップがありすぎると良く言われます」
「会社ではちょっと浮いているかもしれませんね笑」
「でも結局上の立場の人はスーツ着ている人が多いですよ」
「たまに着ると、気が引き締まるんだよね」

色々なお客様からこういったお話をお聞きします。

ほとんどの人は『ちゃんとしていない』

スーツはそもそもがちゃんとして見える魔法の服です。

ネイビーのスリーピースをビシッと着ていて「この人はだらしないなあ」と思うことはまずありませんよね?(逆に怪しいというのはあるかもしれませんが笑)

なのに、今はほとんどの人は「楽」であることを重視します。

だから逆に、ちゃんとスーツを着こなしている人が輝いて見えるのです。

スーツを着た時にどんな人に合うのか。

そして自分はその時にどんな印象を与えたいのか。

そういったことを少しでも考えるだけ、きっとあなたの服装は見違えるほど良くなると思います。

こだわりのネイビースーツ

イタリア・ゼニアの定番生地である『トラベラー』の生地でお仕立てさせていただいたネイビースーツ。

オーダーいただいたT様は30代前半の方ですが、お付き合いはもう5年以上にもなります。

過去何着も大切なスーツをお任せいただいており、ご結婚された際には光栄にも新郎タキシードの製作も承りました。

その都度明確なテーマを持ち、ご自身でしっかりイメージを固めてからご来店されるT様ですが、いつも生地選びやデザインの話し合いは2時間では足らず、2回、3回と何度もすり合わせてスーツをオーダーいただきます。

今回はネイビーの深み、光沢感には特に拘り、ボタンやラペルの位置を少し高めに設計しております。

先日ご納品させていただきましたのでご紹介させてください。

ビジネスマンにとって心強い生地

生地はゼニアのTRABELLER(トラベラー)。

いわゆるダークネイビー、黒に近いような濃いネイビーを探して見つけた生地でした。

写真では光が当たっていますので少し明るく見えていますが、肉眼ではもう一段階暗く見えます。

そのコレクション名の通りビジネスパーソンにとっての旅行、つまり出張旅行で着用することを想定して開発され、分厚すぎず、使いやすい厚み、ゼニアらしく美しい光沢感に加え、耐久性とシワへの強さを兼ね備えた名品です。

ジャケットの隠れたこだわり

ボタン位置が少し高めに設計されていることがお分かりいただけますでしょうか?

通常であれば、およそ着丈の半分くらいの位置にくることが多いですが、このジャケットの場合はそれよりも数センチ上に。

これはもともとT様がイメージしていたお写真があり、それをT様のお身体のバランスに合わせてお仕立てさせていただいたのですが、、、T様も気に入ってくださり何よりでした。

ボットーネとしてもちょっとチャレンジしたデザインでしたが、実際に着用された姿をみると、T様の雰囲気にすごく合っているなと素直に感じます。

シンプルなネイビー無地だからこそ、こういった細部にまで目を向けることで満足感も高まりますね。

パンツの細部まで気を遣う

スラックスは数年間に比べるとかなり太くなりました。

幅で1.5cm違いますから、そうとうな変化です。

なぜ太くしたのか?というと、クッションの具合が関係しています。

写真では補正が綺麗に効いていてわかりにくいのですが、O脚のT様は普通のスラックスだと裾がもたついてしまいキレイなシルエットにならないことが悩みでした。

私もO脚(しかもかなりの)ですからお気持ちはよく分かります。

特に裾幅が細い、いわゆるテーパードシルエットだときれいにならないんですよね、、、。

ですのでテーパードからストレートシルエットに設計しなおすことで、足をまっすぐに見せるようにしました。

写真ではベルトをしていませんので少しだけ落ちていますが、ギリギリ靴に触れるか、、、という絶妙なバランスで仕上げています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

シンプルなネイビースーツですが、精鍛な顔つきでビジネスシーンでは多くのメリットをもたらすことでしょう。

ビジネスマンにとってネイビースーツは欠かすことのできない定番アイテムで、誰しもが1着は持っているかと思います。

働き方や服装の規定も変化し続ける時代だからこそ、「楽」であることよりも、このネイビースーツをちゃんと着こなすことには大きな意味があります。

これから秋になり、スーツを着る機会も増えてきますので今一度ご自身の服装と向き合うきっかけになりましたら幸いです。

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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2023年9月16日
クライアント | スーツを仕立てたお客様

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