スーツを着る効果やメリット!実はメンズスーツには隠れた秘密が
皆さんこんにちは、松はじめです。
今日は多くの方から質問をいただく「スーツってなぜ着るの?」という疑問について、私なりの考えをお伝えしたいと思います。
最近はカジュアル化が進み、「スーツ離れ」という言葉をよく耳にします。確かにIT企業などではTシャツにデニムというスタイルも当たり前になってきました。でも、そんな時代だからこそ、スーツの価値が輝くと私は考えています。
今回は「スーツを着るメリット」について、具体的にご説明していきましょう。
楽にかっこよくなれる魔法の服
カジュアルの難しさ
スーツが楽?
そんなバカな!!
いえ、少し考えてみてください、
カジュアルウェアでおしゃれに見せるのは、実は高度なテクニックが必要です。
例えば、デニムにTシャツというシンプルな組み合わせ一つとっても考慮すべき要素が多岐にわたります。
- デニムの色落ち具合やTシャツの色のバランス
- ジーンズの太さと丈感
- Tシャツの首回りの開き具合
- 素材の組み合わせ(コットン同士か、異素材か)
- シルエットのバランス
- カジュアル靴とTPOや相性
さらに難しいのが、上下セットアップのカジュアルスタイル。
デニムジャケットの下にデニムパンツを合わせる「デニムオンデニム」や、ミリタリージャケットとカーゴパンツの組み合わせなど、同系統の服を合わせるのは上級者向けのテクニックです。
また夏のカジュアルスタイルでは、ポロシャツやTシャツ、ショートパンツなど、どこまでがビジネスとして許容されるのか、判断に迷うことも多いでしょう。
いわゆる、オシャレに見せるという努力が必要になるわけです。
スーツの合理性
それに比べてスーツはどうでしょう?
上下お揃いの服を着るだけで、、なんと、一定以上の見栄えが保証されるんです。
なぜなら:
- 上下の色柄が調和している
- シルエットが整っている
- 素材感が統一されている
- ビジネスシーンでの適切さが保証されている
特に既製服のスーツであっても、サイズが合っていれば一定以上の見栄えは確保できます。
オーダースーツならなおさらです。
体型に合わせた微調整により、より美しいシルエットを作り出すことができます。
また、スーツは「システム」として完成されています。シャツはスーツの下に着るもの、ネクタイはシャツの上に締めるもの、というように、レイヤリングの順序が明確です。カジュアルウェアのように「これをこう着こなしたらおしゃれかな?」と悩む必要がないのです。
そして何より、スーツには「間違いの少なさ」という大きな利点があります。カジュアルウェアは、おしゃれを狙いすぎて「イタい」結果になることもありますが、スーツならそのような失敗は最小限に抑えられます。
ビジネスの現場では、この「間違いの少なさ」は非常に重要です。商談や会議、プレゼンテーションなど、重要な場面で服装の失敗は避けたいものです。スーツであれば、そうした心配から解放されるのです。
女性のワンピースに通じる合理性
女性の方から聞いた興味深い話があります。「実はワンピースって、すごく楽なんです」と。なぜなら、一着で完成するから。スーツも同じなんです。一着を選べば、あとは小物を合わせるだけ。
気持ちが引き締まる鎧
DNAに刻まれた記憶
スーツには100年以上の歴史があります。かつては戦闘服であり、社交の場の正装でもありました。私たちのDNAには、「スーツ=気持ちを引き締めるもの」という記憶が刻まれているのかもしれません。
イタリアの研究事例
実際、イタリアの企業での調査によると、スーツを着用している日の方が、カジュアルな服装の日よりも仕事上のミスが少なかったそうです。
ちゃんとした印象を与える世界共通の装い
世界の共通言語としてのスーツ
サミットや国際会議、重要な式典で、世界の指導者たちは何を着ていますか?答えは明白です。スーツです。なぜならスーツは「きちんとしている」という印象を、言語や文化を超えて伝えることができるからです。
ビジネスにおける影響力
特に部下がいる立場の方には、スーツの持つ印象力は大きな武器になります。私も経営者として実感していますが、同じ言葉でも、スーツ姿で話すのと、カジュアルな服装で話すのとでは、相手の受け取り方が全く違います。
姿勢が良くなるあなたのサポーター
スマートフォン時代の課題
現代人の多くが抱える問題の一つが、姿勢の悪さです。スマートフォンやノートパソコンの普及により、つい前かがみになりがちです。これは見た目の問題だけでなく、肩こりなどの健康問題にも直結します。
スーツの矯正効果
私は意識的に、背幅をやや細めにスーツを仕立てることがあります。なぜか?それは、自然と背筋を伸ばさざるを得なくなるからです。姿勢が良くなれば、声の通りも良くなり、印象も大きく変わります。
カジュアル時代の差別化戦略
逆転の発想
カジュアル化が進んでいるからこそ、スーツを着ることが差別化になります。ファッションの本質は「差別化」なのです。みんながカジュアルを着ているときに、きちんとしたスーツ姿で現れる。それだけで、あなたは「100分の1の存在」になれるのです。
ブランディング効果
毎日少しずつでも着こなしを工夫することで、「あの人=スーツがきちんとした人」というブランディングができます。これは、ビジネスにおいて大きなアドバンテージとなります。
女性からの高評価
結婚相談所での事例
結婚相談所を経営されている方から興味深い話を聞きました。最初の顔合わせでスーツやジャケットをきちんと着こなしている男性は、女性からの評価が非常に高いそうです。
清潔感という武器
特に年齢を重ねるにつれて、若い頃のような肌の輝きや髪のツヤは失われていきます。そんなとき、スーツという「清潔感100%」の味方がいれば、印象は大きく変わります。
将来への投資としての価値
ビジネスへの投資
スーツは「仕事への投資」と考えることができます。ピシッとしたスーツ姿で大きな商談に臨むのと、くたびれた服装で臨むのとでは、結果が変わってくる可能性が高いのです。
具体的なリターン
不動産投資などと違い、スーツへの投資は比較的短期間でリターンを実感できます。1-2ヶ月で第一段階のリターン(見た目の変化)が得られ、そこから派生して様々なビジネス上のリターンが期待できます。
10年着られる味方
私の経験から
私が経営する表参道のオーダーサロンで仕立てたスーツを、10年以上着続けているものがあります。カジュアル服は流行の変化が激しく、3-5年で着なくなることも多いですが、きちんとしたスーツは長く着続けることができます。
メンテナンスの楽しみ
ウール素材で適切な縫い代があれば、体型の変化にも対応できます。スチームアイロンやブラッシングなどのケアを楽しみながら、愛着を持って長く付き合える。それがスーツの魅力の一つです。
スーツ選びのポイント
生地選びの重要性
スーツの価値を最大限に引き出すためには、生地選びが重要です。私のサロンでは、イタリアを中心とした上質な生地を取り扱っていますが、特に春夏物スーツなら1mあたり230g、秋物なら260g、冬物は300gを超えるものまで、様々な重さの生地があります。
この「目付け」と呼ばれる生地の重さは、着心地に大きく影響します。例えば私の場合、身長176cmでやや細身の体型ですが、一着のスーツに約3mの生地を使用します。大柄な方なら3.5mほど必要になることも。
スーツのメンテナンス術
日々のケア
良いスーツを長く着るためには、適切なケアが欠かせません。特に気を付けたいのが以下の3点です:
- ブラッシングによる埃除去
- スチームアイロンによるシワ伸ばし
- 適切なハンガーでの保管
特にハンガーについては、肩幅がスーツに合ったものを選ぶことが重要です。実は、「良い服はハンガーにかけた時に格好悪い」という言葉があります。なぜなら、人が着た時に最も美しく見えるように作られているからです。
クリーニングの頻度
スーツは頻繁なクリーニングはかえって生地を傷めます。基本的には、汚れが目立つとき、匂いが気になるとき以外は、ブラッシングとスチームアイロンでのケアで十分です。
スーツとビジネスの深い関係
経営者としての経験から
私は表参道でオーダーサロンを経営していますが、お客様の中には多くの経営者の方がいらっしゃいます。彼らが異口同音に語るのは、「スーツを着ることで、経営者としての自覚が高まる」ということです。
特に若手経営者の方々は、スーツを着ることで周囲からの信頼を得やすくなります。年齢による不利を、装いでカバーできるのです。
商談での効果
商談の場面では、スーツの持つ力が如実に表れます。同じプレゼンテーションでも、スーツ姿で行うのと、カジュアルな服装で行うのとでは、相手の受け取り方が全く異なります。
特に初対面の取引先との商談では、第一印象が重要です。スーツは「この人は信頼できる」という印象を、瞬時に相手に与えることができるのです。
スーツと体型カバー
体型の悩みへの対応
実は、スーツには体型カバーの効果もあります。例えば:
- 肩幅を強調することで、スタイルアップ効果
- ウエストのシェイプで、スマートな印象に
- 適度なゆとりで、体型の気になる部分をカバー
特にオーダースーツでは、一人一人の体型に合わせた調整が可能です。私のサロンでも、お客様の体型や立ち姿を細かく観察し、最適な仕立てを提案しています。
「着やせ」効果の秘密
スーツの「着やせ」効果には、実は科学的な根拠があります。濃い色のスーツは体を引き締まって見せる効果があり、縦のラインを強調することで、より細長く見せることができます。
まとめ
スーツは単なる「服」ではありません。着る人の印象を大きく変え、ビジネスの成功を後押しし、時には人生を変えるきっかけにもなる。そんな特別な存在なのです。
特に日本では、男性のファッションに対する意識はまだまだ発展途上。だからこそ、スーツという「王道」を極めることで、大きな差別化が可能になります。
皆さんも、明日からのビジネスシーンで、スーツの持つ力を意識してみてはいかがでしょうか?
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2024年12月16日
スーツの着こなし術 | ジェントルマンの知識
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