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【フランネルの代名詞】FOX BROTHERS社 250年の歴史に迫る!!

 
皆さんこんにちは、ボットーネ表参道です。
10月に入り気温もグッと下がりましたね。
秋の長雨と共に、もすぐ冬がやってくることを実感しています。
 
冬の生地と言えば、代表格は英国の名門ミルであるFOX BROTHERS(フォックスブラザーズ)です。
ボットーネでも毎年人気なのは言うまでもなく、特に近年はオーダースーツ業界を中心に最も勢いがある生地としても知られています。
 
 
そんなフォックスブラザーズ社のCEOダグラス・コルドー氏が3年ぶりに来日。
取引先向けの講演会が開催されましたので、参加してきました。
今回はその模様をお伝えさせていただきます。

祝!250周年!

 
フォックス・ブラザーズ社は1772年の創業から250周年の節目を迎えました。
その歴史はなんと、アメリカ合衆国の独立よりも前。
とてつもない歴史ある織元だということが分かります。
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]今日は皆さんお集まりいただきありがとうございます。約3年ぶりの来日となり、楽しみにしていました。
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[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]当社は250周年という大きな節目を迎えることができました。先日、英国では女王陛下を亡くすという悲しい出来事がありましたが、フォックスは250年間で10人の君主に生地を提供してきました。
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フォックス・ブラザーズのフランネルといえば、重くてがっしりしているイメージがあると思います。
古き良き英国生地・・・というイメージですが、どうやらそれだけではないようです。
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]フォックスのスーツを身に纏うということは、何百年も続く古い家を持つようなことと似ていると思っていて、フォックスは何世代も継承していただくにふさわしい生地を作っています。フランネルというのは重いものというイメージが昔からありますが、私たちはバラエティに富んだラインナップを用意していて、今回はフランネルの中でもオールシーズン着れるフランネルもご説明させていただきます。
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以前、ボットーネで講義を開催してくださった血脇先生から、英国のスーツは『30年着ること』が前提にある、というお話を伺いました。
まさに、フォックスのフランネルも長く着用できるクオリティと丈夫さを持っている訳です。
実はこのあたりも深い話がありますので、ご興味ある方はこちらのブログもご覧くださいね。
 
ただ、これからのフォックスのフランネルは『それだけじゃない』のですね。
オールシーズンのフランネル・・・!?気になりますね。
 
その前に、まずはフォックス・フランネルのラインナップを確認していきましょう。
 
 
 

FOX BROTHERS フランネル・ラインナップ

 

[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]こちらが500gのフランネルです。1930年から標準的な目付として確立していました。近年はライトウエイトが増えていますが、1930・40年代は今よりも寒く、空調も今ほど発達していませんでしたので、実用的な服として日々着用されていました。近年はエコが重要ですが、エアコンを止めて、こんなフラノを着ることでも貢献できますね。

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500gとなると日本ではコート用として使える程ヘビー・ウエイトな生地ですね。
最近のお客様の感覚であれば、500gはコートとしても重さを感じてしまい、400g程の生地に落ち着くことがよくあります。
近年「軽さ」を最重要視され、私たちがいかにそれに慣れているのかが分かりますね。
 
 
 
 
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]続いては400gのコレクション。定番のクラシック・フランネルですが、今季リニューアルします。私が今日着ているのもこれです。着心地がよくて飽きのこないフランネルだと思います。グレイのトラウザーズ、ネイビーのブレザーも楽しめる、典型的な英国スタイルですね。
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こちらは今日本でも最もポピュラーなコレクションではないでしょうか。
クラシック・フランネル、私も以前ネイビーのチョーク・ストライプでスーツを仕立てましたが、言うまでもなく今でもお気に入りの一着です。
400gもあれば、ちょっとくらいの寒さならコート無しでもへっちゃら!くらいの暖かさがあります。
電車ではもう・・・暑くて仕方ありません笑
 
 
 
 
 
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]フォックスは新しいものをどんどん開発していきたいと思っています。そのひとつが250年を祝う新しいクオリティとして生み出した『ラグジュアリー・フラノ』です。90%のメリノウールに10%カシミアをブレンドして、アーカイブから新しいカラーをたくさん取り入れています。
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重厚な400gフラノながら、カシミアをブレンドしてより柔らかい表情に仕上げられたこちらの生地。
ダークカラーだけでなく、淡いエクリュカラーなど豊富なカラーリングで良い雰囲気ですね。
 
 
 
 
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]そして、300gの梳毛フラノ。ウールフラノの中では最もライトウエイトであり、英国では初夏まで着れるものです。組織により柄出しの応用が利きます。
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最も軽いのが300gのフランネル、このくらいの軽い目付だと英国では初夏まで着れるのですね・・・。
日本ではちょっと厳しそうですが、逆に秋は非常に心地よく着用することができそうです。
真冬でも暖房の効いた部屋では、このくらいでも十分すぎるくらい暖かいのでしょうから、日本人の感覚では最も丁度よく感じるのだと思います。
 
 
 
 

フランネルをつくる工程の話

 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]私がフォックスに入って14年くらい経ちますが、当時は正直商売になるとは思っていませんでした(笑)もともとメンズファッション業界にはいましたが、こんなにたくさんの工程があるのかと驚いたんです。
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世の中に溢れるあらゆる『モノ』たち。
私たちはよほどの機会がない限り、その工程までは知る由もありません。
生地も同じですね。
だからは私たちはこういう機会があれば積極的に参加して、生産者の生の声を聴く、良さを知る、生産者の思いを知ることを大切にしています。
 
スーパーに売っている野菜でも「生産者の声」がポップなどで紹介されていると安心しますよね。
どういった思いが込められていて、そしてどれだけ手間暇かけて作られたのか、我々消費者は知りたいのです。
安いとか、手軽とか、そういう言葉ばかりが目を引く世の中ですが、そんな時代だからこそ『真摯にモノづくりと向き合う』生産者の言葉は重みがありますね。
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]我々が誇りにしていることは「モノづくりに妥協しないこと」。それを250年続けています。決して安くはありません、その分コストも手間もかかっているんです。
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[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]フォックス定番のグレーフランネル、そのグレーには実は7つもの色が使われています。何色ものブレンドにより素晴らしグレーを生み出しているのです。信じられないかもしれませんが黄色に近い色もあり、メランジ効果を出しています。
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フォックスのグレーは、黄色味のあるグレーと言われていますが、実際にそうだったんですね。
クリアなグレーとは違って、どこか暖かみのある雰囲気が魅力的です。
 
 
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]繊細な原料を使っているので、通常よりも織機のスピードを落として織っています。現代的な工場からしたら信じられないほど遅いと思いますよ。最高峰の原料に敬意を込めて丁寧に織りあげています。
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ITの発展により毛織物業界でも技術開発は当然進んでおり、最新の機械はより効率的に生地を生産することができます。
それでも、特にフランネルの場合は生地の風合いも良くするためにゆっくり丁寧に織り上げるのだそうです。
 
これは、ションヘル織機という80年前の織機で今でもスーツ生地が織っている、日本の葛利毛織さんに伺った時も同じことをおっしゃっていました。
 
とはいえ、すべてが低速で織られているのではなく、機械によっては最新のものにアップデートもしているそう。
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]古い織機もいいけど、検知ができないからね。今の機械はそういう機能が付いてるから、後戻り工数が削減できます。古いのも、もちろんいいんだけどね。
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[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]これはフランネルが織りあがった直後の状態です。この洗いざらしの毛布のような状態から生地にもっていくのは非常に大変な作業となります。
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木製の洗濯機で8時間押し付けるようにもみ洗いをすることで、その過程でメランジの具合がきれいに整ってくるそうです。
そして風合いもよく、柔らかくなる。
もちろん、この工程は手作業で行われ、洗いすぎると後戻りできないので熟練の技が必要になります。
仕上がりを確認したときに、ツイルの綾目が出ていると足りない、やりすぎるとつぶれてしまう、これを見分ける作業がとても重要なのです。
 
 
 
上のグレーの生地のように、フランネルでも「ノの字」に斜め線が見せるものもあります。
フォックスのフランネルはこの綾目が出ていないのが大きな特徴のひとつですから、この工程はとても重要なのです。
 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]失敗すると後戻りできません、、、たまにそんな嫌な電話が掛かってきます笑
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1773年の貴重なアーカイブ本も…

 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]これは1773年のアーカイブブックです。FOX BROTHERS創業の次の年です。この時代にメンズウェアがこんなにきれいな、色々なカラーが着られていたのです。今回リニューアルのクラシックフランネルのバンチにも、ここから選んだニューカラーがあります。
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[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]この本こそがまさにFOX BROTHERSのすべてであり、歴史であり、メンズウエアの歴史でもあるのです。
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なんと貴重な資料なのでしょうか!
この時代は写真も白黒の時代!?(そもそも写真ってあったのか?)でしょうから、現物で保管されているからこそ色味が分かります。
まさにメンズウェアの歴史そのものですね。
 
ちなみに、ブックカバーをすると雑に扱う気がするから、あえてそのまま保管しているのだそう。
 
 
 
 

新発表のサマーフランネル

 
[speech_bubble type=”std” subtype=”a” icon=”fox.jpg” name=”ダグラス氏”]新発表の250gのサマーフラノです。イタリアの街並みから取り入れた自然なカラーを採用しています。1年中着れるフラノがテーマのFOX BROTHERSにおいて、ラストピースともいえる生地です。
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「サマー」と「フランネル」は相反する言葉ですが、近年のライトウエイトブームについにFOX BROTHERSのクオリティが参入してました。
これまではイタリア系の生地で多く見られましたが、フォックスノ250gは斬新です。
 
さすがに日本で夏の着用は厳しそうですが笑、秋から春先まで幅広いシーズンで重宝することは間違いありません。
英国フランネルの入門編として考えても良さそうですね。
 
2023年の春夏から展開予定となりますので、いまからとても楽しみにしています!
 
 
 
 
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nakanomaruライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。

2022年10月17日
オーダースーツ | オーダースーツの生地

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