仕事を通して
水に濡れた私の時計が戻ってきました。右のオメガで、1940年代のアンティーク、珍しいスクエアの顔をしています。
戻ってきた、というからオーバーホールしたのかといえばそうではなく、なんと、奇跡的に無傷だったそうで。
どんな水濡れだったかといえば、なんと私の不注意で、あろうことかポケットに入れており、そのまま洗濯機に入ってしまったのです。ですから、無傷には驚きでした。
今日はあるコンシェルジュからショートメッセージが。
一人、横浜サロンへ出社し、まもなく到着というところでした。
【代表、ご相談があります、少しお時間頂戴できませんでしょうか】
私も未熟ながら、数々のクルーが入社しては辞めていったため、この手のメッセージがくるということは、だいたい察しがつきますって。
辞めたい、続けられない、そういったメッセージでしょう。
案の定でした、続けていけない、と。
とはいえ、仕事の基準値を下げるわけにはいかないため、譲れないところは譲れません。
スピードが速くて、ついていけません。
業務を覚えるだけでも精一杯、その上、突然マニュアルを渡され、これを今日覚えて、と言われても・・・
業務として、どこかのクオリティで折り合いをつけないといけないのは自覚しています。
代表は即戦力の人材を求めていると思います、
お客様に喜んでいただきたい、それなのにこんな完璧でない状態でお客様の前に出るのは、失礼なのではないでしょうか?
私が感じたのは、
かいつまんでいえば上記のようなことだったと思います。
泣きながらずっと話していましたから、支離滅裂な部分もあったかもしれない。
(それにしても、泣く子が多い)
きたきたきた、言い訳~
例えばマニュアルを渡し、よし、覚えてこの後の接客で実践しよう、というものは、
そのクルーは完璧に覚えようとしていた。
私は言葉足らずですから、うまく伝わっていませんでした。
だから伝えました、
あのな、完璧に覚える、入社して間もないのに完璧な仕事などできるはずもないし、望んでいない。
前職がどうであろうと、そんなことは関係ない。
俺が言いたかったのは、
まず、やってみろ!
やってみたなら、疑問も湧く。
間違ったっていい、失敗して失敗して、早く失敗して、
失敗を改善したらいい、うちはそういう文化の会社。
で、
俺たちは、本当に誰と一緒に働くか?を大切にしたいの。
それと、
やりたいかどうか?
それだけだ。
そうしたら、
この仕事、したいです!
という言葉が出てきました。
シンプルなことです。
この人と、この仕事、やりたいかどうか。
創業して、クルーが入ったころなんかは、
とても人が足りなくて、厳しく言って、辞められたらどうしよう、
なんて考えて、本当に思ってることも言えず、遠回しに注意していました。
遠慮して、それで良いところを褒めて。
人のいないところで注意して。
考えてみると甘ちゃんでした、
なんてお客さんに、仕事に、失礼なことをしてたんだろう。
それに、そうして辞めていった子たちは、きっと同じ厳しい壁にぶつかっていますから、
俺が厳しく叱ってあげれば良かった、と思います。
本日のクルーが続くかどうか、そんなことはわかりません。
わかっているのは、仕事があって、求めてくださるお客様がいるということだけ。
仕事を通して、自分をどれだけ高められるか?
変なプライド早く捨てて、邁進すべし。
私も、日々反省、日々成長です。
ところで先日は、ナチュラルクリーンの社長から、
松君のブログ見て、どんどんお客さんがくる、と言われました。
その後に、
と伊勢丹がいっとったよ(笑)
と言われ爆笑。
でも、貢献できて良かったです。
いいものは、いいから。
本日は定例ミーティング。
あるクルーのスケジュール管理をシェア。
タスクを優先順位付けし、
他人に依頼するタスクは色で管理、
サロンスケジュールはWeb上のスケジューラーとアナログ手帳を併用。
休日の1日はスケジュール見直しや段取り、
それに、スーツ、マネジメントの勉強をしている、と。
別のクルーはエバーノートをフル活用し、全員採寸データは全てスキャンし、クラウドで管理。
さすが、
俺についてきて残った人たちだと思った、まだまだだけど。
顔晴ろう。
今日も真北へ!
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2015年11月21日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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