チェルッティのジャケットと日日是好日と

ここのところは、チェルッティのジャケットと、フックベントのコーデュロイばかり。
コーデュロイはもちろん三つ揃え、ダーツなし、ミシンステッチの3釦である。
Suit:CERRUTI
Tie:Franco Minucci
Gillet:CARNET
Pocket chief:Calabrese
オーダーの仕事は非常に細かく、繊細だ。
特に週末は予約で埋まってしまうことが多いのだが、
それらのオーダーの素材の手配、設計の見直し、工房との納期の段取りなど、
平日は平日でとても重要だ。
そこにきて平日も予約が多くなってきているので、気が抜けない毎日。
しかし入社したクルーもすくすく育っている。
幸か不幸か、2日前から喉を傷めた私は、メジャーは持てるものの、自由に声が出せない。
ここで・・・あの言葉を・・・と、コミュニケーションを取り合いながら服を作る、
まさにビスポークというくらいだから、会話・対話しながらでないと良い服は作れない。
と、そんな時に、いつも私と入っていたクルーがアシストする。
「ここからは実際に羽織りながらピンを打ちます。今回やや細さを強調した・・・」
と。
細かな言葉のニュアンスや対話については、研修プランはない。
間や立ち位置、空気感とか呼吸、それに感性。
そんな時代じゃない!とお叱りを受けそうだが、
会議室で行う講義でそんなものが伝わるわけはない、全ては現場で、
自ら学ぶしかない。
以前、ナチュラルクリーンの中田代表からも、
社会人になったならば、学習せよ。
教育は、嫌でも教えられる、が、学ぶということは、主体的に、
自ら学ぶもの。
と、そう教わったことがあるが、積極的に学ぼうとする姿勢がある人が強いし、
成長する。
まさか喉を傷めたことからこのような展開が待っているとは、
まさに日日是好日である。

七五三も終えた息子も、学ぶ意欲満々。
最近では「ねぇ、どうして・・・?」を連発する。
先日は、
「ねぇ、どうして雪が残っているところと、残っていないところがあるの?」という質問を受けた。
これはどうも、コンクリートが地面に接し、熱をためやすい性質があるからなのだが、
なかなか回答に困った。
他にも、
「ねぇ、どうして電球に電気がつくの?」というのがあったが、
これも、電子とか何とか用語を出すと、電子って?と直列質問がくる。
しかし、テーラーだからなのだろうか、
間違えた説明や適当なことを言いたくない性分で、
妥協なく説明したいので、はっきり、こう言う。
「よし、スマホで調べて回答する!」

いつだっただろうか、究極の質問を受けたことがある。
「ねぇ、どうしてパパはお仕事に行くの?」というものだった。
私はとっさに、
「使命だからだよ」と答えた、本当にとっさに。
どうして仕事をするのだろうか?
とうことについては、色々な考えがあると思う。
だが、そもそも仕事とは、事(こと)に仕(つか)えることなのだ。
自己満足でもないし、お金を稼ぐためではない。
また、働くという言葉の語源は、
傍を楽にする、つまり周囲を楽にすること、というらしい。
つまり、周囲の人々に喜んでもらうこと、
これが仕事の原点なのだ。
その結果、売上がついてくる。
この仕事に出会い、
様々な方に助けていただき、ようやくここまで来れたわけである。
北陸では梅澤師匠に助けられ、
田舎から出てきて、かじりついてメジャーリングを学び、
パタンナーでもない私にパターンを教えてくださった川崎先生、
素材の知識、ジェントルとは?を伝えてくださる大西先生、
仕事に対する姿勢を指導してくださる中田代表と法子さん、
そして来て下さる紳士の方々に支えられている。
だから、私を含めクルー一同、仕事をしてやってるんだ、ではなく、
事に仕えさせていただいている、というわけなのだ。
時々簡略化して、好きな仕事に出会えたので・・・というのだが、
まぁそれもこれもきっと、そういう使命だったからなのだと思っている。
そんな息子は、さらに突き詰めて質問してきた。
「ねぇねぇ、使命ってなあに?」
さぁて、、なんと説明すれば良いのだろうか・・・。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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