コートの生地にはどんな種類がある?|カシミア・ウール・キャメルそれぞれの特徴を解説
皆さんこんにちは、松はじめです。
冬になると、コートを1枚羽織れる楽しみが増えますよね。メンズファッションにおいて、テーラードジャケットは形が決まっていますが、コートに関しては実に様々な形があり、男性ファッションの重要なポイントアイテムと言えます。
私は東京の表参道で看板のないオーダーサロンを10年以上経営しており、これまで数多くのコートを仕立ててきました。今日は、そんな経験を活かして、コートの素材について徹底的に解説していきたいと思います。
ウール – 定番中の定番素材

コート素材の王道といえば、やはりウールです。ウールと一口に言っても、ツルンとしたスーツ地のようなものから、毛羽立ったフランネルまで、様々な種類があります。
クラシックなコートになると、防寒性を重視して1メートルあたり600g程度のウールが詰まった、非常に分厚いものもあります。スーツが200〜300gですから、その倍近い重さということになりますね。ただ、近年は暖房設備も発達し、都心部では暖冬傾向もあるため、軽やかな薄手のウールコートも増えてきました。
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ウールコートの特徴
コートに使用されるウールは、縮絨(しゅくじゅう)されたものが適しています。これは圧縮してギュッと目を詰めた、絨毯のような質感の生地です。チェスターフィールドコートやアルスターコート、Pコートなどに最適で、ずっしりとした重厚感が魅力です。
ただし、注意点もあります。ウールは意外と重いんです。600gのウールを使ったコートは、想像以上に重量を感じます。また、羊毛という性質上、黒やネイビー、グレーといった暗めの色は染まりやすいのですが、ライトブラウンやキャメルなどの明るい色は、少し渋みのある色合いになりがちです。
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カシミヤ – 至高のラグジュアリー素材
カシミヤは、まさにコートの代名詞とも言える高級素材です。カシミール地方の山羊の毛で作られ、非常に希少性が高いため、着ているだけで上質さと高級感が漂います。
カシミヤの魅力
カシミヤ最大の特徴は、その軽さと保温性です。私も膝下丈のカシミヤチェスターフィールドコートを所有していますが、1メートルあたり500g程度の分厚さがありながら、着ていることを忘れるほど軽いんです。これは本当にオーバーではなく、実際の体感としてそう感じるほどです。
また、山羊毛という性質から染色性に優れ、ホワイトカシミヤや綺麗なベージュ系、ブラウン系など、発色が鮮やかなのも特徴です。ウールとカシミヤを混紡した素材も人気で、両者の良いところを取ることができます。
さらに、シワになりにくい性質もあります。車に乗る際に脱いで置いておいても、すぐに復元するんですね。
カシミヤのデメリット
もちろん、デメリットもあります。価格が高価になること、そしてウール以上にデリケートな素材であることです。雨に濡れることには特に注意が必要で、オフシーズンには風に当ててあげるなど、こまめなケアが求められます。
チェスターフィールドコートやアルスターコートなど、生地の分量が多いクラシカルなコートに最適で、エレガントに着こなせる素材です。
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キャメルヘア – ポロコートの正統素材
キャメルヘアは、フタコブラクダの毛を使用した素材です。私が今着ているこのコートも、実はキャメル100%なんです。
よくレディースで見かけるキャメル色のウールコートとは異なり、これは本物のラクダの毛。染色していない自然のままの色が最大の特徴です。防寒性はカシミヤと同等かそれに近く、ウールとカシミヤの中間のような存在と考えていいでしょう。
ポロコートの正統
キャメルヘアといえば、ポロコートです。ウールやカシミヤ混紡でポロコートを作ることもありますが、本来の正統なポロコートは、このキャメルヘアで作られるものなんです。
近年は販売されているものも少なくなりましたが、コート素材の奥深さを知る上で、ぜひ覚えておいていただきたい素材です。
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コットン – 春秋の軽やかな選択肢
コットンというと軽やかなイメージがありますが、肉厚なものもあり、用途は幅広いです。
スプリングコートとして
春先や秋口に1枚プラスで羽織る防寒着として、またはおしゃれ着として、ステンカラーコートやバルマカーンコートなどのスプリングコートに最適です。カラフルな色展開やトレンドカラーが楽しめるのも、コットンならではの魅力ですね。
トレンチコートの本命素材
コットンといえば、やはりトレンチコートです。トレンチコートは元々、第一次世界大戦時の塹壕戦(トレンチ)で、雨や泥から兵士を守るために開発された防水コートです。
トレンチコートによく使われるのが、コットンギャバジンです。ギャバジンとは、綾織りの角度を急にし、65度の角度で生地を織ったもの。この織り方により、水を効率的に流す効果があると言われています。
コットンの大きな魅力は、経年変化が楽しめること。長く着れば着るほど体に馴染み、変化していく過程を楽しめるのは、天然素材ならではですね。
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ポリエステル・レーヨンなどの化学繊維
最後に、化学繊維についても触れておきましょう。
化学繊維は価格を抑える目的で使われることが多いですが、近年はウールに近い質感を実現する技術も発達しています。強度が増すというメリットもありますが、経年変化を楽しむという点では、天然素材に劣る面があります。
また、シワになりにくい加工がされているものもありますが、逆に一度シワになると復元しにくいという特性を持つものもあります。ストレッチ性を持たせるために混紡されることもありますが、ウールと化学繊維の伸縮率の違いで生地が傷む可能性もあり、一長一短といえます。
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おわりに – 天然繊維の魅力

コート選びにおいて、天然繊維であればあるほど、着込むほどに風合いが増していきます。何よりも、着ている方の体に馴染んでいくという点が素晴らしい。そして防寒性という機能面でも優れているのが、天然繊維の大きな魅力です。
この冬は、ぜひお気に入りのコートを見つけて、素材の違いを楽しみながら過ごしてみてください。皆さんはどんな素材のコートをお持ちですか?またどんな素材のコートが欲しいですか?
それでは、また次回お会いしましょう。
補足:ウールの種類について
最後に少し補足です。ウールと一口に言っても、実は様々な種類があります。
現在スーツで使われているウールのほとんどは、メリノ種という羊から取れるメリノウールです。スペインが原産ですが、現在は温暖なオーストラリアで品種改良され、スーパー200などの非常に細く繊細な繊維が開発されています。
対照的なのが英国羊毛です。寒冷なイギリスの気候に適応した羊は、ゴツゴツとした剛毛が特徴。ハリスツイードなどのツイード生地は、まさに英国羊毛の代表格です。メリノ種と英国羊毛では、全く雰囲気の異なる生地になるんですね。
どんな羊毛を使っているかという視点も、コート選びの面白さの一つです。ぜひ、店頭で確認してみてください。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年11月16日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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