春の準備、今から始めませんか? ~おしゃれ上級者の季節感の出し方~
こんにちは、松はじめです。
春のアイテム揃ってますか?今日は「春に向けて準備しておきたいもの・こと」についてお届けします。
季節感を服や見た目で表現すること。これがファッション感度の高い人、いわゆる「おしゃれだな」と感じる方がやっていることなんです。季節感が出ると、一気におしゃれ度が上がると言っても過言ではありません。
様々な服装や小物で季節感を演出すること。これがファッションのおしゃれ度を上げる最適解なのですが、その春に向けて、少し早めに準備をしていくことが大切だと思うのです。
今日は、どんなものを準備したり、どんなことに気をつけて準備をしていけばいいのかについて解説していきます。
1. ややライトな色のスーツを持つ
スーツというと、一般的にネイビーやグレーといった色が基本になりますよね。なかなかこういったダークな色以外の服を持っていないという方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、ネイビーといっても、私が今着ているような少し艶やかで青みが強いネイビーもありますし、もっとライトなネイビーというものもあります。
グレーも同様に、ダークグレー(いわゆるチャコールグレー)といって黒に見えるような濃いグレーから、ライトグレーまで、その間にはミディアムグレーなど、様々なグレーが存在します。
ぜひ、この春らしさという観点では、スーツの色も軽やかな色にトライしてみてはいかがでしょうか。さらに言うなれば、ベージュ系の色味もおすすめです。ベージュのウール素材のスーツなどは、春らしい軽やかな色味を持っていると言えるでしょう。
冬の寒い時期にこういった軽やかな色を着る方は少ないのではないでしょうか。もちろん、冬にこういう軽やかな色を着るというおしゃれもありますが、春らしいベージュ系のスーツやジャケットを用意しておくと、季節感を表現できます。
実際、春から夏の暑い時期になると「ジャケットは着られない」という方もいらっしゃるでしょう。本来ジャケットは着るべきかもしれませんが、暑さのためにジャケットを脱いで手に持つこともあるでしょう。
そう考えると、春ジャケットや春スーツを着られるのは、まさに春の3月、4月、5月といった時期だけの特権のような色だとも言えます。普段のダークな色も良いかもしれませんが、春らしさを周りにも感じてもらうためには、少し明るめの色を取り入れてみてはいかがでしょう。
・
2. スプリングコートを持つ
スプリングコート、そんな春だけのコートを持っているの?と思われる方もいるかもしれませんし、すでに何着も持っている方もいるかもしれません。
春特有の、外に出るには肌寒いけれど、真冬のコートほどの重たいコートを着るほどでもない、この微妙な季節だからこそ、実用的にも重宝するのがスプリングコートなのです。
スプリングコートは、秋口のようなはっきりしない時期にも着ることができる重ね着アイテムです。そのため、着ている人も少なく、ファッション感度が高い方が着るものの代名詞と言えるでしょう。
そんなスプリングコートは、先ほど紹介したようなベージュ系や軽やかな色を、普段のダークスーツの上に羽織るのがおすすめです。例えば、薄手のコットン素材のトレンチコートを羽織って、腰のベルトをキュッと巻いて、巻き方で防寒の調整をするというのも楽しいものです。
春は1枚でも十分かもしれませんが、この1枚を羽織ることで重ね着効果、いわゆるラッピング効果が生まれ、脱いだときの驚きも演出できます。「レイヤード」と言って、様々なものを重ねるほど服が立体的になっていきますので、スプリングコートは大人のおしゃれアイテムとして一つ持っておくべきでしょう。
近年はオーバーサイズのトレンドが来ているので、タイト気味なものよりも、肩の線が落ちていて少し丈も長いものを羽織るというのも一つの選択肢です。もちろん、ジャストサイズのトレンチを毎年紐を結んで着て、経年変化(エイジング)させていくというのも素敵な楽しみ方です。
春にしか着られないこのアイテムを1着持っておくことは、非常におしゃれと言えるのではないでしょうか。
・
3. 良いクリーニング店を探しておく
毎年春や秋になると、今度は冬物を出すというサイクルになりますよね。クローゼットを開けてみたら「これ、ちょっと着られないな、ケアしなきゃ」と思うこともあるのが春だと思います。
そんなときに、タイミングよく信頼して出せるクリーニング店を一つ二つ抱えておくことは、洋服を最適な状態に復元して、また季節を迎えることができますから、季節の変わり目にはしっかりケアをしていくことが大切です。
本当に信頼できる工房を調べておくとか、いつも出しているクリーニング店にどんなケア方法をしているのか聞いてみるなど、クリーニング店を少しリサーチして見つめ直しておくことも重要です。
・
4. ローファーを新調する
これからの春の時期は、ローファーが非常に活躍する季節です。
冬の重厚なコートや重たい色味の足元に、この軽やかなローファーを合わせることは私はあまりしませんが、皆さんはいかがでしょうか?
どちらかというと逆で、春・夏という季節は、ジャケットやパンツの足元といえば、バランスが軽やかなペニーローファーや、私が大好きな明るめの色、スエードやヌバック素材のタッセル(房が付いた)ローファーがおすすめです。これらは足元を非常に軽やかに仕上げてくれます。
ソックスを見えないように履くか、ちゃんと履くかという議論はよくありますが、それは置いておいて、足元を軽やかにする春の靴と言えば、私は迷わずペニーローファーとタッセルローファーの2種類を提案します。
これらがあれば、フォーマルな場面やビジネスの場面を除けば、ほぼあらゆる服装に対応できるのがローファーの魅力です。ですから、ぜひこの春は新調してみてはいかがでしょうか。
色としては、黒い鞄や黒いベルトに合わせるなら黒のローファー、茶色の鞄や茶色のベルトに合わせるなら茶色のローファー、特に茶色のスエードローファーがあるとジャケットスタイルを引き締めてくれる逸品になります。スエード素材は冬の素材ではないかと思われるかもしれませんが、春夏に入っても全く問題ありません。むしろ、茶色のスエードは春にこそ軽やかに取り入れていただきたいものです。
また、少し変化球として、私が手に持っていたようなベージュのタッセルローファーや、私も今季導入を検討しているネイビーのローファーもおすすめです。ネイビーは茶色の小物にも黒い革小物にも対応できる非常に万能な色ですね。私も時計のベルトの色をネイビーにしていますが、黒い革小物でも茶色の革小物でも合わせられると思っています。このネイビー色のローファーもかなりおしゃれだと思います。
春に向けて準備したいものとして、ペニーローファーやタッセルローファーをまだお持ちでない方は、まずは茶色のスエードローファーを検討してみてはいかがでしょうか。
・
5. クローゼットを見直す
これはモノではないのですが、季節の変わり目にぜひやっていただきたいのがクローゼットの総点検です。
まず、ご自宅のワードローブをチェックしてみてください。「これ、去年買ったけど丸々1年着なかったな」「最初は着てたけど、ちょっと派手すぎて実際合わせられないんだよな」と眠っている服はありませんか?こういう服がクローゼットを占領していないでしょうか?
ファッション、特にテーラードのファッションには普遍的でクラシックな、変わらない良さもありますが、こういう普遍的なアイテムでも毎年細部は変わっています。別にそこに敏感に合わせなくてもいいのですが、クラシックアイテムも若干アップデートしながら今日に至るのです。
ですから、全く同じように見えて、似て非なる進化を遂げているジャケットというのは様々なブランドにもあります。トレンド感やサイズ感、様々な要素が若干変わってきますので、「ジャストサイズ」という中にもフィット感の変化があるのです。
そういうフィット感の部分も含めて、一度クローゼットを見直して、「本当にもう一度それを今年着るかな」とチェックしてみてください。春という絶好の機会ですから、クローゼットを見直し、「本当に今着ているのはどれだろう」「この春プラスすべきアイテムは何だろう」と考えるだけで、無駄な買い物が圧倒的に減ります。衝動買いも減ります。これは私も実感したことなので、ぜひワードローブチェックをしてみてください。
・
6. 時計のバンドの色を変える
最後に春に向けて準備したいことは、時計のバンドの色を変えることです。これで気分がかなり変わります。
バンドを定期的に変えている方もいれば、そうでない方もいらっしゃるでしょう。せっかく素敵なドレスウォッチをお持ちなら、このバンドを黒から茶色に変えてみるというのも、1万円ちょっとでできる贅沢です。
色を変えてみると、オーバーホールしたくらいにリフレッシュした状態になります。春というのは、こういった細部を変えていくことがポイントなのです。
・
いかがでしたか?春に向けて準備しておきたいものやことをご紹介しました。
季節感を大切にして、ファッションを楽しみましょう。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年4月5日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
おすすめ記事
ダレスバッグのおすすめブランド イギリス製と日本製 名前の由来はジョンフォスターダレス氏ジョンフォスターダレスが来日 1950年6月22日、ロンドンでチャーチルをはじめ重要…
できる男の靴下!ビジネスマンが持つべき3タイプの靴下 ファッションで実は大事なソックスソックスで重要なのは色 ソックスを侮ると、ソックスに泣く。 そんな言葉はないが、あな…
チノパンとは?コットン軍用パンツとマンチェスターと紅茶の不思議な関係結論 中国経由で入った素材だから 安価で、しかも耐久度が高い素材。 そんなメリットに…
タキシードのカマーバンドとは?知るだけで着こなしが変わるフォーマル知識「せっかくというわけではないのですが、メスジャケットを着てまいりました。 本日はまず…
スーツ生地のトレンドはなぜ変化した?松はじめです。 エアコンが発達し、夏のオフィスは涼しく、冬の室内は暖かい。 オールシ…
スーツをクリーニングに出す時の注意!ドライクリーニングが臭う?結論 ドライクリーニングでは汗が落ちにくい ドライクリーニングとは、石油系溶剤を使用…
初公開!ハードボイルドの本当の語源オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 8月に入った。 小雨も手伝…
【葛利毛織のションヘル織機をこの目で】スーツ生地 dominx(ドミンクス)を織る日本の織元名古屋駅から真っ赤な名鉄電車に乗る。 私が6歳の時に大好きで持っていたプラレールに、…
スーツは着ない!という人も1着だけは良いスーツを揃えておいた方が良い理由スーツを着ないといけない場面がある スーツを持っておく理由、それは現時点ではスーツを…
結婚式の服装(男性編)友人の挙式に呼ばれた時の服装は?男性はスーツに何をコーディネートするのがルール?結婚式の男性の服装はスーツ まず、結婚式に呼ばれて参加する場合、一部の例外を除いて上…
関連カテゴリーの人気記事 週間ランキング
-
1
ボタンダウンにネクタイはおかしい?ノーネクタイ?実はカジュアルなシャツではなかった
-
2
スーツに肩パットは古い?
-
3
【必見】スーツのパンツの裾 ダブルで結婚式に行っちゃだめ!シングルが正解なのはなぜ?
-
4
スーツのSUPER 〇〇’S(スーパー)表記とは?番手とは?オーダーするならスーパーいくつ?
-
5
よみうりランドに2歳と5歳の子連れでアトラクションに乗ってきた
-
6
ギンガムチェックのシャツ コーディネートは?
-
7
ビジネススーツ 裾がダブルってどうなの?
-
8
葬式の服装 男性のスーツは黒ではなかった?喪服のマナーと心(男性編)
-
9
ダレスバッグのおすすめブランド イギリス製と日本製 名前の由来はジョンフォスターダレス氏