グレーのスーツについて考えてみる
GWに入りました。
今年は旅行に出かける方も多いでしょうか?
表参道は多くの人で賑わっていますが、ボットーネのサロンのように一歩裏手に入ると人通りも少なく、いつもと同じような時が流れています。
さて本日は、グレーのスーツについて、その魅力をお伝えしたいと思っています。
『グレー』は言わずもがな、ネイビーに次ぐスーツの定番色です。
雑誌にもそう書いてありますし、ネットで調べてみても「ネイビーとグレーをまずは揃えよう!」と書かれています。
でも、皆さんの周りの方はグレーのスーツを着ていますでしょうか?
おそらく、、、おそらくですが、ほとんどの人がネイビーかブラックなのではないかと思います。
ネイビーはみんな好きな色ですし、ブラックのスーツにはどうも賛同できませんが、ここまで定着してしまったら仕方がありません。
定番色と言われながらも、実際に着ている人はそこまで多くないのは、グレーに対するマイナスなイメージがあるからではないかと思います。
・やぼったく見える
・単純にあんまり好きな色じゃない
・おじさんっぽく見える
などのイメージは、ボットーネのお客様と色々お話をしていても良くお聞きするのです。
でもそれは表面しか見れていない、というかそこまで深く考えてはいないのだと思いますが、グレーは魅力的な色ですし、どんな人にも似合うグレーは必ず存在します。
・
・
・
この記事の目次
3つのグレーを知る
明るい『ライトグレー』、『ミディアムグレー』、そして黒に近い『チャコールグレー』と大きく3つに分けて表現されるグレーですが、当然それぞれの色で印象が違いますし、季節感を強く感じる色もあります。
ボットーネでは基本的にはチャコールグレーのスーツをおすすめしており、特に初めてグレーに挑戦される方には支持を得ています。
※もちろん一概ではありません、ケースバイケースです。
皆さんにはどのようなグレーが合いそうでしょうか?
こちらはライトグレーのスーツです、夜の撮影の為暗めに写ってしまっていますね。
実際にはもっと白に近いような雰囲気なのですが、涼し気な印象を与えてくれますので、これからの季節にはぴったりの色です。
デメリットを挙げるとすれば、「膨張色であること」が挙げられます。
こちらのライトグレーのスーツのように、しっかり身体のラインに合わせてすっきりとしたシルエットで仕立ててれば全く問題ないことなのですが、ネイビーに比べると膨張色であるグレーはややゆったりとして見えてしまいます。
大柄な体系の方は、避けた方が良いかもしれませんね。
お次はミディアムグレーのスーツです、これもちょっと暗めに写ってしまっていますね・・・。
ミディアムグレーの色味は、日本人の肌色にも馴染みやすく、靴やベルトは黒でも茶でも両方合う、特段の季節感もなくオールシーズン着用するには最も向いている色味ではないかと思います。
無彩色であるグレーですが、こうした生地には「濃いグレー」と「薄いグレー」の糸がミックスされて織られているものがほとんどで、それが複雑な表情を生み出しています。
ミディアムグレーは、そのような本来のグレーの良さが伝わりやすい色ですので、原点にして玄人好みであるのです。
グレーの中で最も黒に近い濃い色がチャコールグレーです。
ライトグレー・ミディアムグレーは、若い人にはしっくりこないかもしれませんが、チャコールグレーであればどんな方でも着こなせるのが嬉しいポイントです。
・
・
・
柄はどうする?
『ライトグレー』『ミディアムグレー』『チャコールグレー』の3つの基本色をお伝えしましたが、オーダースーツの醍醐味は生地選びにあり、色だけでなく柄についても頭を悩ませる人がほとんどです。
しかし、あくまで「基本的には」ですが、『無地に勝る柄は無し』と考えており、実際にお客様からオーダーいただくスーツのほとんどが無地なのです。
ストライプやチェックは、一通りのワードローブが揃ってから手を出しても決して遅くはありません。
特にグレーの場合は、無地であっても表情がありますから、そこを楽しむのもいいですね。
・
・
・
素材にはこだわろう
グレーのスーツは素材の良さもダイレクトに感じます。
これからの季節は先日ご紹介した『フレスコ』の生地が心地よいですし、冬になればフランネルが最高の生地になります。
オールシーズン着用するなら、ハリソンズのリージェンシーはコスパ抜群ですし、チャコールグレーのスーツなら光沢の美しい生地を選んでもいいでしょう。
選ぶ楽しさがありますし、こだわって選んだ生地は、素材の良さをそのままスーツに反映してくれます。
・
・
・
まとめ
ということで、今回はグレーのスーツについて書いてみました。
それぞれのグレーに良さがあり、さりげなく季節感を演出することもできます。
ネイビーのスーツのようにコーディネートもしやすく、様々な色柄のシャツやネクタイを合わせることができるのもグレーの魅力です。
グレーこそオーダーしがいのある色でもありますので、皆様もグレーのスーツを仕立ててみてはいかがでしょうか。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
おすすめ記事
- タキシードはなぜディナージャケットと呼ばれるのか?燕尾服から変わったカウズ島での食事の話エドワード7世が仕立てたスモーキングジャケット 1860年、英国皇太子(エドワード7…
- スーツスタイルにもギフトにも クロスのボールペン クラシックセンチュリーが手放せない松はじめです。 クラシックで洗練されたものは、それが何であっても普遍的。 スーツに合…
- ボタンダウンにネクタイはおかしい?ノーネクタイ?実はカジュアルなシャツではなかった襟の先にボタンがついたシャツ 【ボタンダウン】のシャツとは、なんだか不思議なシャツだ…
- タキシードのシャツのプリーツ(ピンタック)の意味には男性の恥じらいが関係しているオーダーサロン ボットーネがお届けするビジネススーツ&フォーマル通信。 本日はこの、…
- 【梅雨】スーツのカビの対策は?カビの原因を知って防止!クリーニングのプロから学ぶ梅雨を迎えて心配なのが、湿気。 じめじめして不快なのは仕方ないとして、衣類の保管やケ…
- NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草の著者 安積陽子さんのトークショー安積陽子さんのNYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草のスペシャ…
- 服は着るだけでは半分でしかない星野先生は、ジェントルマンってものを教えたかったんだろうな、 「センターをつまんで、…
- もう惑わされない!同じSUPER120’sなのに、金額が違うのはなぜ? この記事の目次 スーパー表記が同じ120でも同じ品質ではない バルベラやロロピア…
- マリネッラ(Marinella)のネクタイ セッテピエゲをオーダー!六本木にナポリからアレッサンドロ氏来日世界を代表するナポリ生まれのネクタイ マリネッラは今や世界を代表するナポリ生まれのネ…
- 【必見】スーツのパンツの裾 ダブルで結婚式に行っちゃだめ!シングルが正解なのはなぜ?結論!スーツの裾 ダブルはカジュアル 結論からいえば、スーツの裾のダブルはカジュアル…