フレスコの季節がやってきた

最近久しぶりに着用した、フォックスブラザーズの”FOX AIR”という生地で仕立てたスーツ。
柄物のスーツはほとんど持っていないのですが、このスーツはチェック柄も非常に細かく、遠目には無地のように馴染むので
ほとんど無地スーツと変わらない感覚で着ています。
最初はちょっとガチガチすぎるかな?と不安になってしまうくらい丈夫な生地なのですが、数年着用している中ですっかりそのタフさの虜に。
今では春~秋口までの比較的長い期間、エース級の活躍をしてくれています。

ゼニアの生地で見たことある!と言われたことがるので、きっとゼニアの何かしらシリーズにも似た雰囲気の生地があるのだと思います。
ゼニアの取り扱いは少な目なので、どんな生地か詳細は不明。
所轄フレスコ系統の生地な訳ですが、近年各生地メーカーで似たテイストの生地が本当にたくさん出てきています。
思い返せばもう4年も前から、いいよ!いいよ!と言い続けているようです笑
改めて、フレスコとは何ぞや!という方の為に、辞書を引いてみました。

フレスコという名称は、フレスコ画や「新鮮」という意味のイタリア語が語源ののように感じられるが、歴史的にはイギリス(ロンドン)のガニア商会が、アフリカのコートジボワールにあるギニア湾に面した”Fresco”という都市名を冠して、夏服地を売り出した時につけられた名称である。
生地の内容は、撚りを強くかけた単糸を2本ないし3本に撚り合わせた糸で、平織にすることによって気孔を多く持った織物となる。トロピカルに比べてより通気性が高いといえる。
日本ではポーラーという呼称の方が一般的であるが、同じものである。ポーラーもロンドンのエリソン商会が同様の生地を販売するときにつけた名称で、こちらはポーラス(多孔性の)という言葉にちなんでいる。以前は3本撚りして平織りにする、いわゆる三つ杢ポーラーが普通だったが、現在は2本撚りの強撚の平織もポーラーあるいはフレスコと呼んでいる。
メンズウエア素材の基礎知識(毛織物編) 大西基之著
この2本撚り、3本撚りという言葉は、2PLY・3PLYとして記載されています。

フレスコは比較的ヘビーウエイトでがっちり硬めの質感の為、柔らかさやトロミが特徴のイタリア系のそれとは真逆なはずですが、いつの間にか流行に敏感なCANONICO(カノニコ)を筆頭に、かのLoro Piana(ロロピアーナ)ですらZ-TWISTという生地を出すまでに。
今やイタリア・イギリスの系統は以前ほど大きな差ではなくなっています。
(というかイタリアメーカーがイギリスのテイストを取り入れている)

でもそこはさすがロロピアーナ。
イタリアらしさは失っていません。
まずはその薄さ。
すごい薄いような書き方をしてしまいましたが、そうではありません。
程よい薄さで丁度いいんです。
“強い糸”でフレスコのように織られているのですが、1本1本の糸が太過ぎない為、日本の春夏気候に合った快適な着心地になりそうです。

例えばボットーネでも人気のハダースフィールド社のフレスコ生地は、春夏生地でありながら350gを超える目付ですし、フレスコ・ライトという軽量化されたフレスコでも280g。
対して、ロロピアーナのZ-TWISTは270g。
って、そんなに差がありませんね。
びっくりしました笑
疑うべきはフレスコ・ライトのような気がしますね。
触った感覚で言えば、普通に300gを超えてそう…
重さというよりは、糸の太さが圧倒的に違うためこんなにも感触が違うのですね。
表記されるのは重さだけ(あとはスーパー=原毛の細さ)ですので、糸の太さ=番手は触ってみないとなかなか分かりません。

まあ、そういう表記されるスペック的な差はあまりないようですが、とにかく触れば分かります。
ボットーネにお越しいただく多くのお客様のように、30代・40代のビジネスマンの皆さんにぴったりです。
結構人気が出そうなので、早いうちに何着分か確保しておこうと思います。
そうしないと生地屋さんの方で在庫切れになってしまいますので。
ということこで、これからはフレスコ(系の生地)が大活躍の季節。
いくつか生地もご紹介させていただきます。








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季節物っていい
「次の冬は、フランネルに挑戦しようかなあ。優しいやつで笑」
常連のお客様とお話する中で出てきたお言葉。(しかもお二人!!)
お二人とも、これまでベーシックなスーツを3~5着お仕立てさせていただきました。
ベーシックというのは、落ち着いた色味でオールシーズン使えたり、色々着回しの効くスーツであったり。
これらのスーツは、自分の好みよりも、どちらかと言えば「必要だから」という理由で揃えてきたのだと思います。
次のステップは「季節物」ではないでしょうか?
プライベートの服は当たり前のようにその季節に合ったものを着るはずなのに、スーツはそうではない。
そしてそのほとんどの人は、私服よりもスーツを着る回数が多い。
今はリモートワークかもしれませんが、それまでは週に2回しか着ない服が季節物で、週5で着るものはスリーシーズン同じもの。
となれば、スーツは消耗品と思われても仕方ないのかもしれません。

ですが、このブログを見ていただいていたり、ボットーネでスーツをオーダーいただいたお客様は「スーツは消耗品」とは思っていないはずです。
リモートワークもあり、出社回数が減ったという方にこそ、その季節に合った服を、少なくとも春夏・秋冬では分けてスーツの素材を選んでみると、装うことがもっともっと楽しくなると思います。
冬はフランネル、夏はリネンやモヘアと言いたいところですが、もっと現実的に言えばフレスコだって十分季節感のあるスーツです。
いきなり極端に振り切ってしまうとあれですので、微起毛のフランネルや、ライトなフレスコ生地というのは季節物の入門編としてベストな選択。
気になる人は是非チャレンジしてみてください。
フレスコも息は長いので、4月5月のオーダーでも十分長い期間お召しいただけますよ。

そういえば、先日生地にしたこちらのスーツも、フレスコ系の特徴を持った万能なスーツです。
ということで、フレスコ生地をご紹介しました。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2022年4月1日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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