スーツ生地のトレンドはなぜ変化した?

松はじめです。
エアコンが発達し、夏のオフィスは涼しく、冬の室内は暖かい。
オールシーズンのスーツが欲しいな・・・
そう思ったことがある方もいらっしゃるのではないだろうか?
さて、生地の厚さトレンドもある理由で変化した!ということを書いて見たいと思います。
スーツの生地は、驚くほど細い糸(細番手)がリリースされている。
実はこれ、仕立て服の感覚をアルマーニが刷新したことがきっかけだ。
スーツのトレンドに合わせて、生地も時代とともに変化している。
英国のスーツはドレープで生まれる
ドレープという言葉を聞いたことはないだろうか?
イギリスの服というのは、人間の体をより強調する。
人間が、美しく作られた服に入る。
本当のイギリスのスーツは、堅苦しいんのだ。
作った服に、人間が入るということは、格好良くなる代わりに、自分自身もきちんとしていないといけない。
それは姿勢もそうだ。
軍隊であるかのように、姿勢良く、ピンと歩く。
英国のスーツはドレープで生まれる
英国の服を作るには、英国の素材が最適だった。
どうしてかというと、簡単にいうと英国素材は分厚かった。
それで、アイロン操作で、立体的にする。
イギリスの服は、アイロンで殺すと表現する。
ウールの熱可塑性(ねつかそせい)というのを生かす。
だから服を作るにはアイロンが必要で、ほとんどテーラーの腕はアイロンがうまいかどうかにかかっていた。
それに向いている生地は、繊度が太い、ハリコシがある英国の生地。
アルマーニが変えたイタリアのスーツ
1970年代に、ジョルジュアルマーニがでてきた。
すごい服がでてきた!と騒がれたという。
今までのように、アイロンで形作った服に人が入るという考えじゃない。
人間の身体はそもそも美。だから、スーツは羽織る、そんな感じ。
アンコン(アンコンストラクション)という仕様もこの頃から。
芯を入れないで、羽織るような服が出てきた。
こうして、アイロンは操作あまりいらなくなった。
そのために、今私たちが着ているスーツの原料のほとんどである、オーストラリアメリノが開発された。
糸を細く!
どんどん細く、柔らかく、
そういう糸が作れるように羊も改良して育てていった。
例えばスーパー80くらいの繊維長だったのが、今ではスーパー200もある。
(スーパーというのは原料の太さ。数値が大きくなると細くなる)
エアコンの発達と服の厚さ
エアコンの発達も服の厚さと関係している。
一年中、暑い時期も寒い時期も、あんまり厚いスーツではなくて良くなった。
暑くても、寒くても、綾織のスーツ。
昔は、夏には麻のスリーピースを着たものだ。
一般に街を歩いている人も、麻のスリーピースなんて3着は持っていたという。
そもそも黒いスーツなどは吸収色だから、着てられなかったのだ。
夏は麻、冬はフランネル。
エアコンがなければ暑さ、寒さを服で調節する。
素材の風合いとは?

生地ってのも目的に応じて変化してきたわけだが、風合いという用語を耳にすることがある。
風合いってなんだろう?
柔らかいジャケットは風合いが良いのだろうか?
風合いとは文字どおり、風の向き。
そう、右から風が吹けば ダブルブレストジャケットで右を覆い、左から風が吹けば左を覆う。
ダブルブレストのブレザーは、まさに船乗りが風を凌ぐ目的だから、
柔らかい素材ではいけない、
つまりダブルブレストのブレザーなのは固いこと=風合いが良いのだ。
同じように、ノーフォークジャケットを作るのに、スーパー150の柔らかいので作っても合わない。
ノーフォークを作る上ではスーパー150の生地は風合いがいいとはいわない。
固い方が風合いがいいっていえるわけだ。
作る目的物にあってるかどうか?が風合いで、
柔らかいとかソフトって勘違いしてる人がいるのである。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2018年12月4日
明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | オーダースーツの生地
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