スーツ・ジャケット・カジュアルファッション! 着こなしのカラーコーディネート上達方法
こんにちは、松はじめです。
今回は、千秋秀典先生との対談を通じて学んだ、メンズファッションにおけるカラーコーディネーションの奥深さについてお話ししたいと思います。ビジネスシーンでの装いから、色彩感覚を磨く方法まで、実践的な内容をお届けします。
紺のスーツに紺のネクタイだけでいいのか

ビジネスマンの定番といえば、紺のスーツに紺のネクタイという組み合わせ。もちろん、これを否定するつもりはありません。しかし、ネイビーに何色を合わせるか——黄色がいいのか、赤がいいのか、ピンクはどうなのか。こうした選択を考えることこそが、実は重要な「修行」なのです。
千秋先生は「手本」と「見本」の違いについて興味深い指摘をされました。手本とは「こうあるべき良いもの」を示すもの。一方、見本は良いものも悪いものも含めて比較するために存在する。先生ご自身の色鮮やかな装いは、「こうすべき」という押し付けではなく、「こういう選択肢もある」という可能性を示す見本なのです。
・
男性こそ色を楽しむべき歴史的背景
実は歴史を振り返ると、男性の方が華美な装いをしてきたことがわかります。貴族社会でも、衣装の七、八割は男性のものでした。ところが20世紀に入り、ビジネス社会の発展とともに「男性は控えめに」という風潮が広がりました。
ジェントルマンという概念も、実はおしゃれのためではなく「仕える人」として控えめであることが求められたのです。自分を目立たせず、黒子的存在として振る舞う——これがジェントルマンの本質でした。
しかし、だからといって現代の私たちが常に控えめである必要はありません。色には気持ちを抑える効果もあれば、主張する効果もあります。場面に応じて使い分けることが大切なのです。
・
カラーコーディネーションが右脳を刺激する

なぜカラーコーディネーションが重要なのか。それは右脳を刺激するからです。
どの色とどの色を組み合わせたら美しく見えるか、今日の季節にはどんな色が映えるか——こうしたことを考える行為そのものが、人間の脳を活性化させます。毎日ネクタイを選ぶときに「どちらが美しいか、綺麗に見えるか」と考えることは、単なるファッションの問題ではなく、脳の健康にもつながるのです。
・
自然から学ぶ色彩感覚
では、色彩感覚を養うにはどうすればいいのでしょうか。千秋先生の答えは明快でした——自然を観察すること。
春になれば青い板に黄色い花が咲き、夏には青空に白い雲が浮かぶ。スイカの皮の緑と赤の対比、秋には山が赤く燃えるような紅葉、冬には雪の白と静寂。日本には四季があり、それぞれの季節で自然の色が移り変わっていきます。
こうした色の変化を肌で感じ、美しさを実感することが何より大切です。色相図鑑を見て知識として勉強するのではなく、まず自分が色の変化の美しさを体験すること。これが色彩感覚を磨く第一歩なのです。
・
ネクタイから始める配色の勉強

身近なアイテムでカラーコーディネーションを学ぶなら、ネクタイが最適です。無地だけでなく、プリント、ストライプ、チェックなど、様々な柄のネクタイを見てみましょう。
特に柄物のネクタイには、専門のデザイナーが考え抜いた配色が施されています。ネイビーに黄色を合わせるのか、赤なのか、ピンクなのか——そういった組み合わせを、美しく見えるように計算して作られているのです。
ショップで「このチェックが美しいな」と感じたネクタイがあったら、必ずしも買う必要はありません。ただ、なぜ美しいと感じたのか、どんな色の組み合わせなのかを観察してください。そこにネイビーと何色があったのか、そうした組み合わせを自分の中に落とし込んでいく。これが実践的な学びになります。
・
女性の視点を取り入れる
興味深いことに、千秋先生は女性の色彩感覚の重要性も指摘されました。チェックやストライプは男性の発想でもできますが、プリントや配色センスでは圧倒的に女性の方が優れているとのこと。世界的に見ても、色彩の分野では女性デザイナーの感性が際立っているそうです。
ですから、自分のパートナーや周りの女性に「この組み合わせどう思う?」と聞いてみることも大切です。素直にアドバイスを聞き入れることで、新しい発見があるはずです。
・
シンプルから次のステップへ

最近のトレンドは、シンプルでモノトーンに近いスタイルです。もちろんそれも素敵ですが、そこから次のステップに進むためには、色を少しずつ足していく感覚が必要になります。
実は、シンプルな色の組み合わせの方が高度なセンスを要求される場合もあります。例えば、ブルーのグラデーションや濃淡の組み合わせなど、微妙な違いを見極めるのは難しいものです。
だからこそ、まずは色数を増やして、バランスを取る感覚を磨いていく。そうした経験を積んでいくことで、次のステージへと進めるのです。
・
四季という恩恵を活かす
日本に住む私たちには、四季という素晴らしい恩恵があります。雪が降ったり、太陽がサンサンと降り注いだりと、自然界の色が劇的に変化する環境に身を置いています。
年中同じ気候の国に住んでいる人たちとは違い、私たちは季節の移り変わりとともに色彩の変化を体験できます。この恵まれた環境を活かさない手はありません。自然の色の変化を感じ取り、それを日々の生活やファッションに取り入れていく——これこそが、日本に住む私たちならではの色彩感覚の磨き方なのです。
・
まとめ:カラーコーディネーションは修行

千秋先生の言葉で印象的だったのは「これは修行です」という表現でした。カラーコーディネーションは、一朝一夕で身につくものではありません。何かを見てすぐに変わるものでもありません。
日々、自然を観察し、美しいと感じる配色を探し、実際に試してみる。そうした積み重ねが、やがて確かな色彩感覚として花開きます。
紺のスーツに紺のネクタイという安全な選択もいいでしょう。でも、そこにちょっとした色を加えてみる。ネイビーに黄色を、あるいは赤を。そうした小さなチャレンジの積み重ねが、あなたの右脳を刺激し、日々をより豊かなものにしてくれるはずです。
私も皆さんと一緒に、この色彩という奥深い世界を修行していきたいと思います。
ボットーネの公式メルマガをスタートします
ボットーネでは日常生活に役立つスーツの情報を皆さまにお届けするため、新しく公式メールマガジンをスタートすることになりました。
・よくあるスーツの疑問やお悩み
・ふと役に立つスーツの知識
・ボットーネ代表である松のつぶやき
たとえば、季節の変わり目の衣類のカビ対策、初めてのオーダースーツでお店を選ぶポイントなど、サロンにお越しいただく前の、ちょっとしたヒントにもなりましたら幸いです。
スーツのことを、気軽に、肩の力を抜いて知っていただける場所にしたいと思っています。
ご興味のある方は、下のボタンからご登録ください。
配信停止は、いつでもメール内のリンクから行えます。
NEWSLETTER
BOTTONE 表参道
スーツ通信
よくあるスーツのお悩みや、
忙しい日々の中でふと役に立つスーツの知識、
代表のつぶやきをお届けします。
どうぞ気軽にお付き合いください。
配信停止はいつでもメール内のリンクから行えます。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年11月8日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
おすすめ記事
3分でわかる初めてのオーダースーツの打ち合わせの流れ!既製服との違いの講義をしましたオーダースーツ作りはコンセプトを話し合うことが出発点 オーダースーツを仕立てよう、と…
徹底比較!イタリア生地とイギリス生地の違い英国生地とイタリア生地は何が違うか? スーツやジャケットの素材は、色々な国で織られ…
《保存版》タキシードはどうして生まれたの?誕生秘話に迫るいざ結婚式を控え、衣装選びがはじまると、もちろんドレスも大切ですが、その横に並ぶ人間…
ドーメル スーツ生地 DORMEUIL 15 POINT 7オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 生地サンプルブックは、バン…
タキシードと燕尾服のパンツのライン(側章)違いの意味は?何事も、目的地よりも1本で行けるのか、乗り換えて2本なのか?で心理的な距離は変わって…
なぜジェームスボンドは007 カジノロワイヤルでタキシードを着るのか? 私の先生 服飾評論家 出石尚三先生は以前、モナコのカジノを見学したことがあるそう…
パナマハットはボルサリーノも良いがオメロオルテガがオススメ!実際に試着してわかったことパナマハット オメロオルテガはエクアドルの帽子 パナマハットはトキヤ草を使った帽子で…
プレゼン スーツにコート 外資系企業の方からのご依頼とブレグジットとオーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。 米国に拠点を置く世界最大規…
人はなぜスーツを着るの?答えは落花生にあった!出石尚三先生に聞く、スーツ本日は銀座ファッションアカデミアという洋服屋の勉強会だが、専門的なお話しではなくて、…
晴れの日 結婚式の新郎タキシードを仕立てるということ普段からなかなかスーツは着ない、という方でもいくつか着なければならないシーンというも…






















オーダーサロン ボットーネ TV出演 NHK BSの美の壺という番組(華やぎボタン)
スーツ好きが集う!台湾スーツウォークはアジア最大級のファッションイベントだった
部下の結婚式に列席の服装(男性)スーツはどの組み合わせが正解?
ラルフローレンのパジャマを着て、部屋着について思うこと
グレーのオーダースーツ 8年お仕立てさせていただいているI様













