スマートなダブル・ブレスト

最近はダブル・ブレストのスーツに挑戦される方が多く、これまでに無い程数々のオーダーを頂戴しました。
過去ブログでご紹介させていただいた、H様のブラウンのダブル・ブレスト。
そして、この冬は発色の良いネイビーフランネルのダブル・ブレスト。
ご紹介しきれなかったブラックのフランネルやご結婚式用にタキシードやウエディングスーツなど、
皆様の個性が詰まった、それぞれの形のダブル・ブレストをご納品させていただきました。
この記事の目次
最初は少しだけ勇気が必要

普段のお仕事で着慣れたシングルのジャケットとは違い、ダブル・ブレストとなるとご納品の際の緊張感も違います。
着慣れていない、少しだけ”背伸び”をしたスーツとでも表現しましょうか、
オーダーいただいた時点で「すでにダブル・ブレストを何着か持っているよ!」という方は少なく、
ほとんどのお客様がこれが初めての挑戦となります。
初めのうちは「自分に似合っているかな?」「大胆すぎやしないかな?」とご不安に思われることもあるしょう。
ですが、スーツはそのくらいで丁度良いと思うのです。
シングルのスーツがいくつかある中にダブル・ブレストが一着あると、おそらくそのスーツを着る日の朝は、
いつもと少し違った気持ちになるのではないでしょうか。
「このスーツを着ていると、通勤時の気分が違います!」
時折、お客様よりご連絡いただくことがありますが、この感覚はファストファッションや楽な格好ばかりしていては一生味わえません。
(ファストファッションを否定しているわけではありません、私も色々とお世話になっています)

そうして少しずつ着用回数を増やしていくことで、いずれもっと自然なにダブル・ブレストを着ることができます。
自然に、ちょっとだけ堂々と着ることができれば、そのスーツは本当の意味であなたのものになっているはずです。
仕事の成果、回りに与える印象、美的感覚、姿勢、所作、もしかしたら他の部分にも良い影響を与えることになるかもしれません。
緊張感を持って、少しだけ背伸びした服を着るというこは、自信を新しいステージに連れていってくれるものだと思います。
スマートなダブル・ブレスト
それでも、興味はあるけど中々最後の勇気が出ないというそこのあなた!
ご安心ください。
今回は初めての方でも着やすいような、敷居の低いダブルジャケットをお仕立てさせていただきました。
といいますのも、オーダーいただいたM様との打ち合わせで、こんなご要望が、、、
「ダブルだけど、シングルのように気軽に着れるようにしたい!」
なるほど、、、
初めはダブルのスーツにお客様自身が慣れていただくしかないと思っていたのですが、
自分が「これを着たい!」という意思だけでは選ぶことが出来ないのが仕事服です。
心のどこかで引っかかりがあるような服では、徐々に着る回数が減っていき、クローゼットに眠ることになってしまうかもしれません。
背伸びをした服も良いですが、もう少し現実的に、お客様心から気持ちよくお召しいただけるような、
そんなダブル・ブレストがあっても良いのかな、と思うようになりました。
とはいえ、大胆に独創的なデザインにするということではありません。
あくまでもベーシックの範疇で、それでいて細かな数値やバランスでデザインを調整しました。
イメージ通りの”少し気楽な”ダブル・ブレストに仕上がっています。
細めの襟幅

襟幅は、ダブル・ブレストにしてはやや細目の幅で仕上げることで、すっきりとした印象となるようにしました。
浅めの打合い
ボタン間の距離(横)もコンパクトに。
打合い(ジャケットの重なる部分)を浅くすることで、ダブル・ブレストの重厚感が少し軽減できます。
襟幅、打合い(ボタン間)のバランスによって、よりスマートな表情になっております。
例えば、打合いが標準的なバランスのダブル・ブレストは、このような印象に。


そしてこちらが、今回お仕立てさせていただいたダブル・ブレスト

比較してみれば、その差は歴然。
形は基本的に同じでありますが、ほんの数センチ細部を整えることでこんなにも違った印象になるんです。
これなら、少し気楽に着れそうではありませんか?



お客様へご納品
オーダーいただきましたM様の実際に着用されたお姿がこちら。

「イメージ通りです!これなら着やすい!」と大変喜んでいただけました。
生地にしっかりとハリ・コシが備わっておりますので、スラックスのシルエットも非常に綺麗です。
もともと背も高くスタイルの良いM様ですので、よりその魅力が引き立つ形となりました。

靴も手入れのされたダブル・モンク、相性抜群ですね。
ノークッションですっきりと、M様もご要望に沿ってお仕立てさせていただきました。

”良い靴は、良い場所へ連れていってくれる”イタリアにはこんな素敵なことわざ?があるそうです。
そのまま解釈すると迷信のようにも思えますが、そうではなく、良い靴を履くことで自分の価値観が変わるということだと思います。
価値観が変われば、行く場所も当然変わりますよね?
靴だけに限らず、服でも同じ。
例えば、ダブル・ブレストのスーツにしっかり手入れのされた靴とバッグを持って出かけたとしましょう。
どんなお店に入りますか? 食事はどうでしょう?
ガヤガヤした居酒屋は遠慮しとこうかな…と、こう考えるかもしれません。
逆にいつか行ってみたいと思っていて、結局中々入れなかったお店に行きたくなることも。
そうして新しい場所に足を踏み入れることができれば、これまでのあなたとは別人です。
少しオーバーかもしれませんが、こういう風に、服によって行く場所を変えたくなる。
良い服を着ているだけで、それに合う場所に行こうかなと行動まで変わるのです、不思議なもので。
そうして行く場所が変われば、出会いも変わります。
そこには同じ思考・価値観の方がいる可能性が高く、「素敵なスーツですね?」なんて会話が始まることも。
”良い靴は、良い場所へ連れていってくれる”という言葉はこういうことだと思うんですよね。
ですから、少し背伸びした服があっても良い。
ダブル・ブレストのスーツに興味をお持ちの方は、臆することなく是非挑戦してほしいと思います。

ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2020年12月27日
クライアント | スーツを仕立てたお客様
おすすめ記事
スニーカーはイギリスでは通じない?ファッション用語の面白さスニーカーにスーツを合わせる。 スポーツミックススタイルはここ数年のトレンドだ。 と…
【保存版】初めてのオーダースーツ オーダーメイドの魅力とは?またデメリットとは?様々な素材からテーマや自分好みを選ぶ、オーダースーツ。 選択肢や組み合わせは無限大と…
なぜパナマハットと呼ばれるのか? ボルサリーノで有名な紳士帽の誕生秘話結論 パナマハットの呼び名 結論を言うと、パナマ運河を経由して入ってきた異国の帽子!…
【必見】スーツのパンツの裾 ダブルで結婚式に行っちゃだめ!シングルが正解なのはなぜ?結論!スーツの裾 ダブルはカジュアル 結論からいえば、スーツの裾のダブルはカジュアル…
NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草 著者の安積陽子氏&大西基之先生の話今日の大西先生! 今日の大西基之先生は、一枚仕立てのトレンチコートで現れた。 ブラウ…
スーツ生地のトレンドはなぜ変化した?松はじめです。 エアコンが発達し、夏のオフィスは涼しく、冬の室内は暖かい。 オールシ…
服は着るだけでは半分でしかない星野先生は、ジェントルマンってものを教えたかったんだろうな、 「センターをつまんで、…
BOTTONEのフォーマルタキシードが雑誌 ホテルウエディングの特集で掲載されましたフォーマルのタキシードというと、なかなかお召しになられる機会はないかもしれません。 …
ダレスバッグのおすすめブランド イギリス製と日本製 名前の由来はジョンフォスターダレス氏ジョンフォスターダレスが来日 1950年6月22日、ロンドンでチャーチルをはじめ重要…
マリネッラ(Marinella)のネクタイ セッテピエゲをオーダー!六本木にナポリからアレッサンドロ氏来日世界を代表するナポリ生まれのネクタイ マリネッラは今や世界を代表するナポリ生まれのネ…
























もう惑わされない!同じSUPER120’sなのに、金額が違うのはなぜ?
タキシードのシャツのプリーツ(ピンタック)の意味には男性の恥じらいが関係している
スーツ好きが集う!台湾スーツウォークはアジア最大級のファッションイベントだった
冬に着るとおかしなスーツ?スーツ選びは織りに注意
スーツ 夏用 冬用の見分け方!種類と選び方、着こなしの違いは?











