50代からの若見え術 〜高木晃一先生に学ぶ7つのポイント〜
皆さん、こんにちは。メンズファッションTV松はじめです。
人生100年時代と言われる現代、日本では人口の3人に1人が60歳以上という時代になりました。これは人類史上初めて「老人が主体になった国」と言えるかもしれません。そんな中で、いかに元気に、そして若々しく生きていくかが重要なテーマとなっています。
今回は、「一流に見える服装術」の著者である高木晃一先生(なんと71歳!)をお招きして、50代からの若見え・服装の秘訣についてお話をうかがいました。高木先生は71歳という年齢ながら、とても若々しく、62歳で初めて本を出版し、63歳から専門学校で教え始め、さらに70歳で大学院に入学するという、まさに「元気に死ぬ日まで生きましょう」を体現されている方です。
そんな高木先生から伺った、50代からの若見えのための7つのポイントをご紹介します。
1. 姿勢を正す
意外かもしれませんが、若く見えるための第一歩は「服装」ではなく「姿勢」だそうです。年齢を重ねると重力で皮膚や内臓がだんだんと下がっていき、姿勢が悪くなります。姿勢が悪くなると内臓が圧迫され、機能が低下し、さらに姿勢が悪くなるという悪循環に。
胸を張って姿勢を正すと、視線も自然と上に向き、「今日は元気、調子がいい」という前向きな気持ちになります。人生はジェットコースターのように上下がありますが、朝から意識的に姿勢を正すことで、その日の第一歩が違ってきます。マインドも変わり、同じ物事でも解釈が前向きになるのです。
ワインボトルが半分になったとき、「もう半分しかない」と思うか、「まだ半分ある」と思うか。姿勢を正すことで、心も前向きになるのです。
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2. 髪型を見直す
50歳を過ぎると、男性の場合、髪の毛が少なくなったり白くなったりする変化が出てきます。しかし、多くの方は若い頃からの同じ髪型を続けていることが多いようです。
自分の姿を鏡でよく観察してみましょう。昔の写真と比べると変化に気づくはずです。髪型は自分の印象を大きく左右しますが、年齢を重ねるにつれて意識することが少なくなっています。かつて髪型に気を使っていた方でも、40代、50代になると忘れがちです。
時代は変わっています。高木先生の言葉を借りれば、「赤い公衆電話をかけていた頃の服を着ているようなもの」。世代交代が進み、5G、6Gの時代になっているのに、昔のままの髪型では時代に合いません。
年を取ることは恥ずかしいことではなく、価値あることです。ただし、それに合わせて自分も変化していく必要があります。奥さんや娘さん、会社の女性の同僚など、正直な意見をくれる人に相談してみるのも良いでしょう。「こうなったらいいのに」というアドバイスがもらえるかもしれません。
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3. 眼鏡を更新する
髪型と同様に、眼鏡も長年変えていない方が多いそうです。年を取ると顔も変わってきますし、髭も白くなります。そんな顔の一部である眼鏡も、定期的に見直すべきでしょう。
50代を過ぎると近くの字が見にくくなりますから、レンズを変えるだけでも気持ちが良くなります。また、眼鏡を下げて上から覗き込むという動作は年配者らしい仕草です。眼鏡は視力矯正のためにかけているものですから、レンズを変えるのは数千円でできることです。
さらに、サングラスも50代以上の方にはおすすめです。特に近年は夏の期間が長くなっています。昔は春夏秋冬でしたが、最近は「春夏夏夏秋冬」と半年近くが夏のような状態です。サングラスをかけることで気分も変わり、服も着替えようという意識が芽生えてきます。
眼鏡やサングラスは、かつては高価でしたが、今は比較的手頃な価格で手に入ります。人生の楽しみの一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
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4. 靴にこだわる
50代以上になったら、靴だけは少し意識してほしいというのが高木先生のアドバイスです。必ずしも高価なものを買う必要はありませんが、安すぎるものよりも少しこだわったものを選びましょう。今はスニーカーでも1万円以下で有名ブランドのものが手に入ります。
若い時は何を着ても似合いますが、年齢を重ねると、靴、眼鏡、ヘアスタイルといった一見関係ないように見えるものが、全体のコーディネートを作り上げます。特に靴は自分では普段見ることが少ないですが、他人からはよく見られています。「足元を見る」という言葉があるように、靴は人の印象を大きく左右するのです。
スーツをバシッと決めた後に、スリッパを履いてしまったらどうでしょう?そのギャップで台無しになってしまいます。鏡を見るときは全身を見て、靴までしっかり確認しましょう。
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5. カジュアルウェアの選び方
50代以上の方が最も悩むのがカジュアルウェアの選び方です。スーツは比較的無難ですが、オフの日の服装に困る方が多いようです。「ボーダーのポロシャツにサンダル」といった組み合わせは要注意です。
高木先生が著書「一流に見える服装術」で紹介している「フォーマル度数表」は参考になります。これは服装のフォーマル度を0〜10度で表したもので、カジュアルウェアは4〜6度あたりのアイテムを選ぶとバランスが良いとのこと。
また、結婚相談所の話によると、独身の50代男性が女性とのデートで服装のせいで断られるケースも多いそうです。TPO(時間・場所・場合)に合わせた服装選びが重要です。近所のコンビニに行くときと、休日に家族と繁華街に出かけるときでは、服装に差をつけるべきでしょう。
そして何より、清潔感は基本中の基本です。年齢とともに肌の衰えや加齢臭など気になる部分も出てきますので、いかに服で綺麗に見せられるかがポイントになります。
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6. カラーコーディネート
服の色合わせは実は非常に簡単です。男性の場合、身につける服の色は大きく分けて3つのグループに分けられます:
- ブルー系(薄いブルーから濃紺のミッドナイトブルーまで)
- ブラウン系(薄いベージュからダークブラウンまで)
- モノクロ(黒、白、グレー)
この3つのグループ内であれば、どの色を組み合わせても基本的には合います。お好みで選んでいただければ良いでしょう。
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7. 体型別の服選び
高木先生は体型を4つに分類されています。それぞれの体型に合った服選びのポイントをご紹介します:
痩せ型の方
痩せ型の方は、大きく見せようとサイズの大きめの服を選びがちですが、実はぴったりしたサイズが細さをかっこよく見せてくれます。
お腹が出てきた方(ぽっちゃり型)
50代を過ぎると多くの日本人はお腹が出てきますが、諦める必要はありません。ぽっちゃり型でもかっこいい芸能人はたくさんいます。楽に着ようとオーバーサイズを選ぶと、かえっただらしなく見えてしまいます。自分のサイズに合った服を選びましょう。
がっちり型の方
体を鍛えている方は既製服が合わないことがあります。ウエストに合わせるとお尻が入らない、胸に合わせると袖が長すぎるなどの問題が出てきます。がっちり型の方は寸法直しをするか、最近は手頃な価格のオーダーメイドも増えていますので、検討してみると良いでしょう。
身長が高くない方
身長が低めの方向けのブランドも増えてきています。実はジャニーズ系のアイドルも実際の身長より高く見える服装の工夫をしています。適切な服選びで印象を変えることができるのです。
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まとめ
高木先生からお伺いした若見えのための7つのポイントをご紹介しました。服はあなたの欠点をカバーしてくれます。見た目は変えられますので、これらのポイントを参考に、自分に合った服選びをしていきましょう。
また、高木先生の著書「一流に見える服装術」など、より詳しい情報はぜひ書籍でチェックしてみてください。本は読み返しができ、自分用にマークを付けたり書き込みをしたりして使いこなすことができます。自分に合った部分を何度も読み返して実践することで、より若々しい印象を作り出せるでしょう。
脳科学的に、最も記憶に残る方法は「誰かに教えること」だそうです。今日学んだことを誰かに伝えて、自分自身の活性化にもつなげていきましょう。
皆さん、姿勢を正して、若々しく、そして元気に毎日を過ごしていきましょう!
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2025年4月23日
オーダースーツ ボットーネのブログ | 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術
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