ドーメル スーツ生地 DORMEUIL 15 POINT 7

オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。
生地サンプルブックは、バンチブックといって、主にコレクションやテーマ毎に1冊になっている。
その1冊のなかに、何色、何柄もの生地が詰まっていて、見ているだけで1日は過ごせるくらい。
本日はフランスのドーメルの15 POINT 7というスーツ生地がどんなものなのか?ご説明してみたいと思う。
ドーメルはフランスの生地商社
ドーメルとはフランスの高級服地マーチャント(商社)。
1842年にジュールドーメルがイギリスから毛織物を輸入し、フランス国内で販売したのがはじまりである。
1842年というと、ちょうどチェスターフィールドコートが登場した頃だ。
ドーメルは高品質な原毛や、珍しい原毛も入り、生地にすることができる珍しい商社のひとつ。
歴史があるからこそ、希少な原毛を手に入れることができるのだそうだ。
素材の世界というのは、単純に金額を積めば手に入るというような世界ではない。
ワインなどもそうかもしれないけれど、原料は大切だ。
日本の商社はビキューナなどの特殊な生地を持っていないのだけれど、それは原毛が手に入らないからということもある。
ドーメルに高品質なものや珍しいものが多いのは、代々に渡って産業を支えてきた経緯があるからなのだ。
ドーメルの15 POINT 7(フィフティーン ポイント セブン)というコレクション

15 POINT 7(フィフティーン ポイント セブン)
そんななかでも私も良くご提案させていただいたシリーズ。
こちらは15.7ミクロンウールだけを使用したスーパー160’sのスーツ生地。
絶景が広がるニュージーランドのディングルバーン牧場に、なんとドーメル社CEOのドミニク・ドーメル自らが出向いて、このコレクションの為に原料を厳選したのだそうだ。
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このきめ細やかな原毛を、120番手という非常に細い糸に仕上げている。
経糸も、緯糸も、2本の糸を1本に撚り合わせた双糸だから、これだけ細いのに安定性が高いというわけだ。
一言でいえば、贅沢な生地。
ドーメルの古いスーツ生地サンプルを見せてもらった

ドーメルといえば、以前ドーメルの古い見本を見せてもらったことがある。
見本(バンチブック)は、フランスからイギリスへ倉庫を移したとき、これまでのアーカイブバンチがごっそりあったのだそうだ。
その時に、日本・イギリス・イタリア・ロシア・中国などに、「古いバンチがあるけどいらないか?いらないなら処分する」と通達がきた。
・・・欲しい。
私なら保管できるだけ全てコレクションにしたい。
もちろん展示用に、ドーメル・ジャポンとしては欲しい、とドミニク氏に伝え、送られてきたのが上記のような番地ブックだそう。
ドーメル・ジャポンのH氏は、
《私がドーメル。それが証であって、昔のアーカイブがもてはやされるというのは疑問だが。》というのがドミニク氏の想いなのではないかと話されていたが、このことからもCEOの自信が伝わってくる。

ドーメル スーツを支えるテキスタイル・デザイナー アイリーン氏

以前の展示会にて、ドーメルのテキスタイルデザイナーのアイリーンさんと。
EXEL、ROYAL Ⅱ、D PHILOSOPHY、CASHASILKなどのコレクションも入荷。
今期はドーメルの生地でオーダーしてみようか。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
2017年8月19日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
タグ:スーツ, ドーメル, 生地
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