【2021年最新】VITALE BARBERIS CANONICOの秋冬生地
様々な意見が飛び交う中開催された東京オリンピックも、本日8/8(日)をもって閉幕。
連日「〇〇選手がメダル獲得!!」の速報が流れ、日本中を勇気付けてくれました。
有観客のもと、スポーツがまた盛りがってくれると嬉しいですね。
さて、東京は蒸し暑い日が続いておりますが、秋冬生地が続々入荷してきております。
オーダースーツやオーダーコートは、ご注文いただいてから完成まで約2ヶ月かかりますから、
アンテナの高いお客様は、すでに秋冬生地についてのお問い合わせもいただいている状況です。
本日もいくつか入荷してきましたので、ご紹介させていただきます。
バンチブックをめくって最初の生地は、まさにそのコレクションの顔となるものです。
今期のトレンドが反映されているのか、自社のこだわりが詰まっているのか、一番最初に持ってくる生地はそのメーカーの思想が表れているといても過言ではありません。
初めて出会うバンチブックをめくる瞬間は、私達にとっても心躍る瞬間でもり、「あっ、この生地は〇〇様が探していた生地に近いな!」とか、「この生地はきっと〇〇様が好きな感じの色だ!」とか、色々なアイディアが沸いてきます。
そんなワクワクした気持ちを持ちながら、早速コレクションをめくっていきました。
この記事の目次
Beau soleil(ボーソレイユ)
定番のヴィターレ・バルベリス・カノニコ(CANONICO)の生地は、ビジネスマンにとって着心地の良い生地が毎年安定してラインナップされています。
ボットーネのお客様にもたくさんファンの方がいますし、クオリティは高いにも関わらず価格は比較的抑えられることからも、初めてオーダーいただくお客様でも選択しやすいというメリットもあります。
そんなCANONICOのコレクションですが、バンチブックを開いて最初の生地を見てみると「あれ、いつもとちょっと違う??」と少し違和感を覚えました。
やや太めのヘリンボーン柄、ベージュ系とレッド系の糸を交互に配列して織りこまれた生地は、独特の風合いを持っています。
Beausoleil(ボーソレイユ)とは、ヘリンボーン柄とナチュラルカラーが特徴のコレクションのようで、こちらはベージュ系×ブルー系の糸で織られており、レッド系の糸を使った上写真の生地とはまた違った表情をしています。
裏面を見てみると表面からは想像もつかないようなブルーになっており、このような生地は着用している人の動きやその日の天候、光の加減で様々な表情を生み出します。
重さは370gながら、思いのほかソフトな触り心地であり、硬すぎず柔らかすぎずの丁度良い感じ。
ただ単にソフトなのではなく、中に芯の通ったような適度な反発力もあり、仕立て映えするところはテーラーとしても嬉しいポイントです。
それにしても、なんて粋な生地なのでしょう。
近年アースカラーの生地が非常に増えて着ておりますが、これは、ビジネスシーンでスーツを着用する機会は減ってきており、日本だけでなく世界的に見ても「プライベートスーツ」としての需要が増えて着ていることの表れではないかと思います。
SUPER BIO(スペル・ビオ)
一方で、ソフトさとは縁を切り、実直にハリとコシのある生地を求めたSUPER BIOというコレクションもあります。
スーパーという、生地の原毛の細さを表す単位がありますが、このスーパーは数値が高ければ高いほど、原毛として細く柔らかくなります。
それは=高級感に繋がることからも、現在のファッション業界はスーパーを高めることに固執しているような印象があり、多くのブランドが原毛の細さに拘っている風潮があります。
ドレスクロージングに置ける英国調のトレンドが生まれるとともに、英国系生地の特徴でもあるハリ・コシのある生地が注目されるようになってきましたが、それまではスーパー〇〇一辺倒でした。
この流れに自然に乗るような形で、イタリアの織元であるCANONICOでもここ数年でSUPER BIOのような生地が出てくるようになり、あえて細さは追求せず、組織が密で伸縮性と張りを持ち、ナチュラルな環境で伸び伸びと飼育された南アメリカ産のウールを使用していることが魅了です。
グリーンにもブラウンにも見える絶妙なアースカラーも、ナチュラルなこの生地のテイストをよく表現していると思います。
スーツに仕立て上がれば、ビシッと背筋が伸びるような誠実なスーツとなることでしょう。
シワになりにくく、綺麗な状態を保ちやすいことは言うまでもありませんが、「生地は重め、でも仕立ては軽く」という新境地を一度味わってしまえば、あなたの中のスタンダードが変わってしまうかもしれません。
ボットーネの中では、リベラーレのジャケットが最も軽い仕立てでおすすめですよ。
ちなみに、私が以前自分用に仕立てたスーツがあるのですが、非常に似た雰囲気の生地を使用しています。
お仕立て上がりの参考になりましたら、、、。
JERSY WOOL(ジャージーウール)
ジャケット系の生地としては、引き続き人気のあるジャージー素材が目を惹きます。
ウールでニットのように織られた生地は充分にストレッチが効いており、ジャージーながら型崩れしにくい点も大きなメリットです。
ジャージー素材の場合しっかり芯が通ったような生地でないと、ある程度の期間が立った時にビヨンビヨンに伸びきってしまうことがあります。
他の生地にくらべ着心地がよい反面、ダメージも蓄積されていく点も加味して生地を選ばなければなりません。
この340gのJERSY WOOLは、丁度良いバランスです、さすがCANONICO!!
千鳥格子やグレンチェックは、ジャケットの単品使いとしても重宝する柄ですよね。
グレーやブラウンの色味も何にでも合わせやすく、ONスタイツはグレーのスラックスに、OFFスタイルはデニムとニットなんかの組み合わせもできそうです。
私も今期は1着仕立ててみたいなと思っています。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。5年勤務ののち、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2021年8月10日
オーダースーツ | オーダースーツの生地
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