1つのことを続けていると、嬉しいことも悲しいこともいろいろあるけど、また一から頑張ろうと思った話。

およそ12年ぶりのクライアントS氏が、ベストの修理のためにサロンに訪れた。
12年前といえばボットーネがスタートしたころで、S氏とは私が昔お世話になっていた会社の上司だ。
12年、大切に着用してくださっていたのだ。
サロンに到着し、懐かしさとともに思い出話に花が咲いた。
ベストの裏地を見て
そのあと、ベストは出てきた。
この裏地!
ベストの裏地を見た瞬間に、12年前の記憶がフラッシュバックする。
裏地とともにその他のこだわりが詰まったそのスーツがきっかけで、その日どんな打ち合わせをしたのかが脳裏に蘇った。
S氏は私より3つ歳上だが、お互い年齢を重ねていた。
S氏の元で仕事していたころ、私は20代であった。
気がつけば二人とも40代。
お互いに家庭があり、子供がいる。
原点は変わらないけど、洗練された

考えてみれば私は、12年前の今日も同じ仕事をしている。
ITが進化していろいろなことが変わったし、当時はスマートフォンもなかった。
サロンも別の場所にあったし、スタッフはいなかった。
でも、こういう洋服が欲しい!
よし、作りましょう!
この原点は変わっていない。
変わっていないのだけど、さすがに10年以上同じ仕事を続けていると、見える世界が違う。
同じことをやっていても、洗練されてくる。
同じことをやっていても、後輩を育てるという使命が生まれている。
信用は1日にしてならず
10年前、テレビに出ている方の服の依頼を受けた。
テレビに出ている方にはスタイリストさんがいて、そのスタイリストさんとお仕事させていただいたことがある。
どんなご縁なのか、最近またそのスタイリストさんからご連絡をいただいた。
そして、またテレビに出ている方のスーツを任せていただくことになった。
知らない人はいないであろうそのお方を見て、アシスタントのH君も興奮気味だ。
それも面白いが、何よりもこうして10年という月日を超えて覚えていていただいて、またこうしてご依頼いただけたということ。
40歳になってわかること

20代のころ、信用は大事だ!とか、
とにかく20代でどれだけ積み上げておくかだぞ!
と言われたものだ。
はぁ・・・。
そうですか、と受け流したものだ。
気がつけば、自分が言われたことは、ニュアンスは違っても同じようなことを伝えている気がする。
若いって、馬鹿い!とは、私が師匠から教わったことである。
馬鹿だからこそ、走れることがある。でも、粗い。
今になって、いろいろなことがようやくわかる。
40歳になってみないとわからない景色や、1つの仕事を続けてみないとわからない景色があるのだな、と身に染みて思う。
まあ何事もそんな綺麗にはいかないけどね。
さて、明日は何着よう?
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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