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ヒゲは生やすべき?ファッションと仕事と髭

 

こんにちは、松はじめです。

今回は、視聴者の方から多くいただいている質問にお答えしたいと思います。「血脇先生の髭の由来を教えてほしい」という声を、たくさんいただいておりました。先生のおしゃれな装いと共に、あの立派な髭がいつも気になるという方が多いようですね。

 

この記事の目次

髭との出会いは新婚旅行から

血脇先生の髭の歴史は、実は意図的なものではなかったそうです。40年以上前、結婚して新婚旅行でシンガポールに行かれた際、「もうカミソリを使わなくていいや」と無精髭を生やしたのがきっかけだったとのこと。

1週間ほど剃らずにいたところ、「あれ、ちょっと形になってるかな」と思われたそうです。そこから「剃らずにいてみようかな」と考えたのが、髭人生のスタートだったそうです。当時は10代後半、それから一度も剃っていないというから驚きです。

当時のこの業界で髭を生やしていたのは、重松さんと吉田カバンの吉田さん、そして血脇先生の3人くらいだったそうです。無精髭から始まった髭でしたが、そこから先生は髭について深く研究されることになります。

500年続いた哲学論争

先生が髭について調べていくと、興味深い歴史的事実に出会ったそうです。

古代ギリシャ時代、哲学者たちが集まって「髭は生やすべきか」という論争を始めたのだとか。この論争、なんと500年も続いたというのです。500年かけてようやく出た結論は「生やすべきだ」というものでした。

ただし、この結論には重要な意味が込められていました。それは単に「全員髭を生やせ」ということではなく、「なぜ剃ることに疑問を持つのか」という視点からの結論だったのです。

グルーミングという哲学

先生が辿り着いた答えは、「整える」ことの重要性でした。

自然界や人間の生い立ちを見ると、髪の毛、眉毛、まつ毛、鼻毛など、自然に生えてくるものがあります。これらは人体にとって必要だから生えてくるもの。赤ちゃんの頃から自然に生えてくるものは、まず「整える」ことが大事なのだと先生は言います。

この「整える」という概念が非常に重要です。床屋さんや美容院が存在するのも、この「整える」=グルーミングという考え方があるからです。

結論として、髭は剃ってもいいし、生やしてもいい。ただし一番大事なことは、無精な状態で見せないこと。髪が伸ばしっぱなしではなく、綺麗に整える、カットするということ。これこそが人類の生活において重要なことなのです。

生えてくる自然の原理に対して反発するのではなく、それをいかに整えるかが人間の文化だと、先生は考えられたのです。

ビジネススクールでの議論

面白いエピソードがあります。

早稲田大学のビジネススクールに通っていた30代の頃、自己紹介の際に高橋教授から「どうして髭を生やしたんですか?」と質問されたそうです。そこで先生は「先生はなぜ剃るんですか?」と逆質問されました。

すると教授は「これはみんなで討論しよう」と言い、その日の授業は全て髭についての議論になったというのです。剃るか生やすか、それぞれの理由や意味について、クラス全員で考える自由で正規な授業となりました。

たった一言の質問から、こうした深い議論が生まれる。これこそが学びの本質なのかもしれません。

師匠からの教え

先生の師匠である星野大悟先生は、スキンヘッドにされていたそうです。大悟先生は「どんな服装にも一番合うヘアスタイルは丸刈りだ」と言われ、晩年まで貫かれました。

この教えから、先生は「どんな服装にも合う髭」を考えるようになったそうです。これはおしゃれというよりも、人間が生まれて育って、髪の毛が変化したり抜けたりする中で、そういうものを利用して何か表現できることがあるのではないかという探求だったのです。

現代社会と髭

今でも日本の社会では、髭を禁止している企業や百貨店が存在します。何十年も続く規則として、髭は駄目だとしている組織もあります。

明治時代には多くの偉人たちが立派な髭を生やしていましたが、それが現代まで続かなかったのは、どこかでシャットアウトされてしまったからかもしれません。

先生は「髭を生やしなさいとは言えないが、綺麗に整えなさいということは言いたい」とおっしゃいます。整えて髭を保っている男性は、本当にかっこいいものです。

剃ることも大事、整えることも大事。それがグルーミングという考え方なのです。

自然を身につける美学

ちなみに、先生がラペルに挿している花についても教えていただきました。

歴史的な意味もありますが、先生自身は「自然の何かを自分の中に生かしたい」という思いで、花を挿しているそうです。師匠の大悟先生から教わった付け方があり、ラペルにピタッとくっつくように挿すのが美しく見えるのだとか。

フラワーポットという小さな水入れもありますが、それがない時は、香水の試供品の小さなガラス瓶を針金で留めてフラワーポットの代わりにする方法もあるそうです。これは先生が一時期一緒に仕事をされた植松先生のアイデアだそうで、本当におしゃれだと感じられたそうです。

歴史云々ではなく、自然の花をちょっと生かして使うというのは、とても素敵なことだと先生は考えています。

最後に

髭について、そしてグルーミングについて、こうして深く考えてみると、それは単なるファッションではなく、人間がどう自然と向き合い、どう自分を表現するかという哲学なのだと気づかされます。

大切なのは、生やすか剃るかではなく、「整える」こと。自分をどう見せるかではなく、自分をどう扱うかという意識。これこそが、本当の意味でのグルーミングなのでしょう。

視聴者の皆さんも、ぜひご自身のグルーミングについて、少し立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2025年10月25日
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