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明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術

ジャケットとスーツの上着の違いは何? それぞれの違いを徹底解説!

 

皆さん、こんにちは。メンズファッションTVの松はじめです。

今日は多くの方から質問をいただく「スーツのジャケットって、普段のカジュアルな場面でジャケットとして使えるの?」という疑問にお答えしたいと思います。ネイビーのスーツを持っているけれど、上着だけを取り出してカジュアルに着回せないかと考えたことのある方は多いのではないでしょうか。

この記事の目次

 

結論:スーツのジャケットはジャケットとして使えない

まず最初に結論をお伝えします。基本的にスーツのジャケットをカジュアルジャケットとして使うことはおすすめしません。

なぜなら、スーツとジャケットは根本的に異なる目的で作られているからです。スーツのジャケットをそのままカジュアルに使うと、どうしても「スーツっぽい」印象になってしまい、よほど合わせ方を工夫しない限り違和感が生まれてしまいます。

ジャケットに適した素材とは

では、ジャケットとして使えるものはどのような素材なのでしょうか。

フランネル素材の魅力

私が今日着用しているジャケットは、ウール素材でフランネル仕上げになっています。フランネルは少し毛羽立たせた仕上げで、ほっこりとした温かみのある質感が特徴です。

実は、フランネルには面白い歴史があります。元々は婦人用として開発された素材で、女性が初めてスーツのような服装を着用するきっかけとなったのがこのフランネルでした。それまでパニエを入れたドレスが当たり前だった時代に、ココ・シャネルが女性を解放した服として提案したのがフランネルスーツだったのです。

混紡素材の優れた特性

特におすすめなのが、3者混・4者混と呼ばれる複数の素材を組み合わせた生地です。

私のお気に入りのジャケットは、ウール・シルク・カシミア・リネンの4者混でできています。

  • シルク(絹):蚕から取れる天然素材で、美しい光沢と発色の良さが特徴
  • カシミア:カシミール地方のヤギから取れる高級素材で、保温性に優れ、柔らかい肌触り
  • リネン(麻):通気性が良く、カジュアルな質感を演出

これらの素材が組み合わさることで、単一素材では出せない独特の発色と質感が生まれます。普通のスーツ地では表現できない、ジャケットならではの魅力を演出できるのです。

ホップサック織りという選択肢

もう一つおすすめなのが、ホップサック織りという織り方です。網目のような凹凸のある表面が特徴で、カジュアルで軽やかな印象を与えます。同じウール素材でも、織り方一つでこれだけ印象が変わるのがファッションの面白さですね。

スーツとジャケットの構造上の違い

背抜き仕様がポイント

ジャケットとスーツの大きな違いの一つが、背抜き仕様です。

  • スーツ:一年中、背中にも裏地が付いている(総裏仕様)
  • ジャケット:背中の裏地を省いた背抜き仕様

「夏場は背抜きにする」と言われることがありますが、これは正しくありません。本来のスーツは季節に関係なく総裏仕様が基本です。背抜きにするのは、体のシルエットをよりフィットさせ、軽やかでカジュアルな印象を演出するジャケット特有の仕様なのです。

スーツの裏地は、表地のハリを保ち、きちんとした印象を維持する重要な役割を担っています。一方、ジャケットの背抜き仕様は、柔らかさとカジュアル感を演出する意図的な設計なのです。

ジャケット選びの色と柄のポイント

基本はネイビーから

ジャケット初心者の方には、ネイビーを中心に揃えることをおすすめします。ネイビーは合わせやすく、ビジネスカジュアルからプライベートまで幅広く活用できます。

柄物の楽しみ方

カジュアル使いなら、もう少し冒険してもよいでしょう。

  • ハウンドトゥース(千鳥格子):古典的で上品な柄
  • チェック柄:カントリー調でスポーティーな印象
  • ストライプ:スクールストライプなど、上品な印象

コーディネートの基本原則

引き算の美学

コーディネートの基本は引き算です。ココ・シャネルも「引き算、引き算、引き算」と言ったように、まずは余計なものを取り除くことから始めます。

  • 無地のジャケットなら、シャツやネクタイに柄を取り入れる
  • 柄のジャケットなら、他のアイテムは無地で統一する

柄の組み合わせルール

  • 柄×柄を使う場合は、どこかに無地を取り入れる
  • 柄×柄×柄は上級テクニック。最初は避けた方が安全

今日の私のコーディネートを例にすると、無地のウールジャケットに無地のフランネルパンツ、ストライプシャツに花柄のネクタイという組み合わせです。無地ベースに柄をプラスすることで、バランスの取れたコーディネートを作っています。

まとめ

スーツとジャケットは、似ているようで実は全く異なるアイテムです。素材、構造、用途すべてが違います。スーツのジャケットをカジュアル使いするのではなく、最初からジャケット用に作られたアイテムを選ぶことで、より洗練されたスタイルを楽しめます。

ジャケット選びのポイントは、素材感を重視し、背抜き仕様のものを選び、コーディネートは引き算を基本とすることです。まずは無地のネイビージャケットから始めて、慣れてきたら柄物にもチャレンジしてみてください。

メンズファッションは奥が深く、知れば知るほど楽しくなります。皆さんもぜひ、ジャケットスタイルを楽しんでみてくださいね。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2025年8月27日
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