“ちょうどいい”カノニコのフランネル
2022年11月14日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
カノニコの生地
欧州の有名紳士ブランドがこぞって使用するカノニコ社は、
イタリア北西部、上質な生地で有名なビエラ地方に拠点を構える生地メーカーです。
生地の豊富さ、クオリティにおける抜群の安定感、そしてコストパフォーマンスの良さから、
テーラーであればほぼ必ず取り扱っているであろう定番の生地です。
流行にも敏感でいち早くトレンドを取り込み、常に現代にマッチした最新の生地があることに加え、
ずっと何年も織られ続けている生地まで、幅広くカバーできる点も頼もしいのがカノニコ。
生地のクオリティ、バラエティ性、コストパフォーマンス、
初めてスーツをオーダーする方にも、一通りオーダーをしてきた服好きの方にも、
総合的なバランスでみても”ちょうどいい”、それがカノニコだと思います。
通常のスーツに使うウール地はもちろんのこと、これからの季節に大活躍のフランネルも、
カノニコには良いものがたくさんあります。
フランネルについて
ウールには大きく分けて梳毛と紡毛の2種類があるのですが、梳毛はウーステッド、紡毛はウーレンとも呼ばれます。
少しややこしいですが、フランネルにも種類があり、梳毛フランネルと紡毛フランネルの2つ。
梳毛とは文字通り梳った毛のことを指すのですが、簡単にいうとクシで綺麗に一方向に揃えられた糸でになります。
通常のスーツにはこの梳毛糸を使って織られた生地を使うのですが、梳毛フランネルはこの生地を少しだけ起毛加工させた生地なのです。
分りやすく言い換えれば一般的なスーツをほっこりさせた雰囲気になります。
紡毛フランネルは綺麗に揃えられた梳毛とは違い、良い意味で毛並みを揃えていないナチュラルさと温かみのある起毛感が特徴的な生地です。
①暖かい、温かみがある
フランネルの特徴は、ズバリ、見た目にも実際に着ていても暖かい(温かい)ことがまず挙げられます。
生地の重さや、起毛の具合によっても変わる部分ですが、通常のウールでお仕立てをしたスーツと比べて圧倒的に暖かく、温かみのある印象になります。
少しくらいの寒さでしたらコートはいらないくらいですので、是非体感いただきたい素材のひとつです。
②絶妙な霜降りの表情
生地にも”霜降り”があることをご存知でしょうか?
このように霜が降ったような味のある表情は、フランネルの大きな魅力です。
特にグレーのフランネルであれば最も分かりやすいでしょう。
ここまでの表情はフランネルにしか出せません。
③紳士服の万能素材
梳毛フランネルと紡毛フランネルについて解説させていただきましたが、
仕立てる洋服によってそれぞれ使い分けることが可能です。
梳毛フランネルのスーツは、暖房が整った現代には特にぴったりの素材と言え、
紡毛フランネルのスーツはコートなしでも冬を越せるくらい暖かい、まさに冬のお洒落スーツの帝王です。
カノニコ社のフランネルには梳毛・紡毛どちらもコレクションされていますが、
どれもふわふわにソフトなわけでもなく、
ゴリゴリのハードでもない、
日本の気候に合っていてちょうどいいんです。
▼フランネルに付いてはこちらで詳しく解説しています。
ブラウンのジャケット
今回オーダーいただいたのは、ブラウンのウーレンフランネル。
ウーレンとはいっても、ゴワゴワしている訳ではなく、しなやかさが感じられます。
太陽光のもとでは、少しグレーっぽくも見えます。
フランネルらしい霜降り具合も感じることができ、ご職業柄おしゃれが難しい方でも挑戦いただけるような絶妙なカラーです。
お仕立てさせていただいたのは、シングルジャケット。
スーツ生地に比べ重みがあるため、出来るだけ軽く感じられるようお仕立てさせていただきました。
カノニコのフランネルは本当に万能であり、
このようにシングルジャケットはもちろんのこと、
スーツのインナーとしてネイビーやグレーのベスト単品、
ミディアムグレーやチャコールグレーのスラックス、
そして上下のセットアップスーツとしても、
用途に合わせて様々な表情を見せてくれます。
もう何年もご贔屓いただいているK様。
小柄なK様は、オーダーでなければサイズがしっくり来ないことでしょう。
今回も、良いフィット感のようにお見受けします。
ハイゲージのタートルネックニットとの相性はとてもいいですね。
ほんの少しサイズ感を調整を行いましたので、ニットの上からでも問題なさそうです。
フランネルは育てがいのある素材でもあります。
ソフトなフランネルとなれば別ですが、例えば300g以上の目付があるような生地であれば、
通常のスーツ生地に比べ圧倒的にタフであり、
使い込むこにより表面の起毛の具合も変化が見られ、味が出てきます。
身体になじんできたフランネルは、それはもう着心地も最高であり、
秋冬には欠かすことのできない相棒となるはずです。
ジャケットのディテールを見ていきましょう。
シンプルなノッチドラペルに、
段返り3つボタン、
チェスナットブラウンのナットボタン、
サイドベンツ、
シンプル・イズ・ベストです。
【スーツ・コート】冬めく表参道でご納品
2022年10月30日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
最近ご納品させていただいたお客様を
オーダーアイテムと合わせてご紹介したいと思います。
時間や予約状況の関係もあり、
全員のお客様を撮影できてはいないのですが、
最近はできるだけ記録として残すようにしています。
皆様、快く撮影にも応じていただき
感謝しかありません。
FOX BROTHERSのネイビージャケット
数年前から定期的にオーダーいただいている
Y様のネイビージャケット。
「かっちりした雰囲気がいいよね!」
とのことで、
フランネルの中でもカチッとした印象の強い
フォックスブラザーズをご提案。
細身のお身体に合わせて、
ウエストにかけての絞りを強調した
シルエットを構築しています。
肩幅はしっかりとり、
薄目のパットを入れて、やや構築的に。
ビジネスでも、プライベートでも、
がんがんご着用くださいね。
ネイビーのポロコート
ネイビーのスーツは、英国ハリソンズ社の
“REGENCY(リージェンシー)”の生地を使用。
私たちがビジネス向けのスーツ生地として
最も信頼しています。
適度な厚み、控えめな光沢感
季節も春・秋・冬とスリーシーズン対応です。
なにより、丈夫でシワにも強い為、
日々のビジネススーツとして重要な
清潔感があります。
今回はリピートオーダーをいただきまして、
初めてグレーのスーツに挑戦いただきます。
仕上がりがとても楽しみです。
靴は9年も履いていらっしゃるというブラウンのUチップ。
手入れがきちんとされた靴は美しいですね。
こんな味が出るのが革靴の良さだと思います。
実はこの日のメインは
ネイビーポロコートのご納品でした。
先日のブログでもご紹介しておりますが、
丁度引き取りに来ていただきましたので
いつもの場所で写真撮影。
「結構しっかりしていて、いいですね」
これからお召しただくのが楽しみなご様子でした。
しっかりしたウールメルトンは、
日常使いに最適なコート生地です。
ウールの品の良い光沢があり、
実用性だけじゃないのも大きな魅力です。
初めてのコートにいかがでしょうか?
パーティ向けのブラックタイ
ボットーネが得意としている
オーダーアイテムのひとつが”ブラックタイ”です。
ブラックタイ=タキシード
この日は11月のパーティに向けたタキシードのご納品。
「あまり固すぎるのは僕らしくないから・・・」
と、あえてカマーバンドはせずに、
リラックスしたスタイルにしています。
シャツも比翼仕立て、
蝶ネクタイも小ぶりなホック式で。
生地はタキシード専用のモヘアバラシャで、
ゆとりを持たせたカッティングをしています。
足元はオペラパンプスで。
当日はパーティ楽しんでくたさいね!
爽やかなブルーのスーツ
いつもサッカーの話で盛り上がるT様。
ブルーの爽やかなスーツは、
Wine shiellのオーロラコレクションの生地です。
オーロラの名の通り、美しい光沢がありながらも、
耐久性も申し分ない良い生地です。
光沢のある生地は、だいたい耐久性が劣りますからね。
シワにもなりにくく、ヒザも抜けにくい(伸びにくい)。
カラーバリエーションも豊富なので、
どなたでも気に入っていただける生地だと思います。
シャツもボットーネ定番の形状記憶素材です。
コットン100%ですが、ちゃんと形状記憶。
化学繊維のものとは違いますから、着心地もいいですよ!
リピーターの皆様から絶大な支持をえております。
今月のピックアップ
イタリア:アリストンの最新生地や、
ロロピアーナのコート生地なども入荷してきました。
7月から受注を開始している
ボットーネの人気商品【オーバーコート】。
10月からは本格的にコートのオーダーも多くなってきますが、
人気の生地はすぐになくなってしまいます。
コートご検討中の方はお早目にお問合せくださいね。
ということで、今回も人気のコートをご紹介させていただきます。
1位 ポロコート
毎年人気のポロコートですが、
今季は特に多くのオーダーをいただいております。
素材は使い勝手のよいウールメルトンに始まり、
本格的なキャメルヘア(ラクダ毛)、
更には個性的なシングルタイプのポロコートもご注文いただいており、
こちらはゼニアのカシミア生地を使わせていただきます。
正面はアルスターカラーのダブルブレスト、
そして袖のターンアップカフス、
ポケットのフレームドパッチなどの
特徴的なディテールに加え、
背面はプリーツが入り、
ベルトで美しいドレープを生み出す。
これらすべてが揃っての『ポロコート』は
唯一無二の存在感があります。
皆さんはどんな生地で
ポロコートを料理しましょうか?
2位 ダブル・チェスターフィールドコート
意外にもシングル・チェスターフィールドコート
よりもダブルの方が人気です。
やはり大胆で大き目のラペルは
ポロコートとはまた違った表情があり、
ブラックやネイビーのシックな色味との相性が抜群です。
とろけるようなカシミア生地も、
丈夫なウールメルトンも、
どちらもそれぞれのオーラがあり、
フォーマルにも対応できるほど
チェスターコートだからこその雰囲気があります。
最近いくつかいただいたお問い合わせも、
ダブルチェスターコートのお仕立てについてでした。
いくつかお持ちのコートの中に
「おそらくないであろう」デザインが最近多いですね。
シングルに見慣れた方にとって新鮮に映るダブル、
みなさんはどんなシーンで着用しますか?
【40代のビジネスマンに!】チャコールグレーのスーツを
2022年9月9日 クライアント | スーツを仕立てたお客様
固すぎないビジネス・コーディネート
ブラウンとグリーンとネイビーと
2022年7月13日 クライアント | スーツを仕立てたお客様
フォックスブラザーズ社の春夏向けシリーズにあたるFOX AIR(フォックス・エアー)は、
通気性に優れ、汗ばむ季節でもガンガン着用可能なタフな生地。
英国風な、カントリーテイストのブラウンカラーのため、
なんとなくブラウンに抱く「秋冬っぽい」イメージを払拭してくれます。
やや明るめなブラウンをベースに、赤や緑などの色をちりばめたような深みのあるカラーなので、
重厚感があると思われがちなブランでも、重苦しくならないのがいいところです。
エイジング加工を施したナットボタン。
堅実な水牛ボタンではなく、このかすれた表情がカントリー風の生地にも絶妙にマッチしているように思います。
とてもいい雰囲気ですね。
ちなみに、ダークブラウンの生地でしたてたこちらのスーツには、ブラウンの水牛ボタンを採用しています。
もともとの生地の雰囲気も当然異なりますが、ボタンひとつでも随分と印象が変わると思いませんか?
フロントの表情はこんな感じ。
このボタン、本当に大正解ですね!
ポケットにはよりスポーティなパッチポケット(アウトポケット)を選択されました。
このザクザクとした生地、ボタンを含めたややカジュアル(スポーティ)な全体の雰囲気を加味して、
いつもと違う仕様にされましたが、、、これも大正解でしたね。
肩回りは程よく柔らかく、でも生地にハリがある分適度に形を保ってくれています。
たとえ今までと同じように仕立てたとしても、生地の特性によっては全然違う表情になることもあります。
もちろん事前にしっかりお伝えしますが、このあたりも仕立て服の「味」としてとらえていただけると嬉しいです。
生地の雰囲気がマッチした、風合いの良いスーツとなりました。
「風合いがいい」とはよく「=柔らかい」と思われがちですが、私たちはこれは違うと考えてます。
“風合いがいい”とは素材の良さが活かされていること。
とろけるような柔らかい生地の軽いジャケットは当然風合いがいいですし、
ゴリゴリのツイードで仕立てたハンティングジャケットも風合いがいい、
キャメル・ヘアーでしたてたポロコートだってもちろん風合いがいい。
単に柔らかいだけでなく、素材の良さを、デザインや仕立てでしっかり活かした状態の服こと、
本当の風合いの良さがあると思います。
・
・
・
・
シンプルながらも存在感のあるグリーンのジャケットは、
イタリアはナポリ、アリストン社の4者混ジャケット生地でお仕立てさせていただきました。
「襟は少し細めにしたい」と、初のダブルブレストとなるK様からのリクエスト。
ダブルブレストにしては少しすっきりとした細さに設計し、
全体のバランスを整える為にゴージラインなどにも手を加えました。
ホワイトの貝ボタン。
春夏に着るジャケットには爽やかさが欠かせません。
となると、貝ボタンはベストな選択だと思います。
袖ボタンの端っこに色味を加えるのはK様のアイコンともいえる仕様です。
裏地は若草色のキュプラ素材を。
もっとも軽量であり、滑りも良く、発色も豊かですので当店では一番おすすめしている裏地です。
偶然にもアリストンのタグもグリーンでした!笑
一見コーディネートが難しいように思えるグリーンですが、
こうしてみるとどうでしょうか?
華やかではありつつも、決して主張が強すぎるわけでもなく、
デニムやチノパン、ホワイトパンツの上にさらっと羽織るだけでコーディネートが完成します。
このジャケットを主役として、それ以外のアイテムは深く考えずにシンプルに徹すると良さそう。
以前はチェック柄のグリーン・ジャケットもお仕立てさせていただきました。
休日のゴルフに、レストランでのディナーに、ちょっとした変化球もありですね。
・
・
・
・
・
K様からはプライベートジャケットだけでなく、ネイビーストライプのスーツもオーダーいただいておりました。
先程のジャケットとは打って変わって、精鍛な表情をした「勝負・スーツ」です。
ネイビー、そしてストライプとスーツ生地としては定番の組み合わせですが、
ここをダブルでお仕立てするのが遊び心のあるK様らしいところ。
パープルのフラワーホールが嫌味なく色っぽい雰囲気を醸します。
シャープなピークドラペルが精悍な印象で自信を感じさせ、
人前に立たれることの多いK様のビジネススタイルにおいて、強い味方となってくれることでしょう。
合わせるアイテムを使い分けてノータイルスタイルでもサマになるため季節問わず着用いただけます。
誠実で知的な印象を与え、ノーブルな雰囲気も醸し出すネイビースーツは、
あらゆるシーンで背中を押してくれる『男の勝負服』と言っても過言ではありません。
スーツ本来のエレガンスを演出するためにはネイビーのスーツを欠かすことはできません。
こんあスーツをさらっと着こなす人になりたいものです。
涼し気なスーツたち
2022年5月3日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
ベーシックなネイビースーツ。
控えめな光沢、自然なフィッティングは着用している人自身を輝かせてくれます。
主役は服ではありません。
ホーランド&シェリーのストレッチシリーズの生地です。
20代のT様、スマートな細身のスラックスに、ストレッチ要素をプラスして「美しさ」と「快適さ」を両立させる設計にしています。
前回のスーツは春夏向けのフレスコ生地でしたから、今回は春、秋、冬とスリーシーズンご着用いただけますようお見立てしました。
安心感を与えてくれる一歩下がったスーツが、人前に出ることも多いT様のお人柄を表してくれることでしょう。
・
・
・
・
・
盛夏用のスーツが明確に「必要」である人はずいぶんと少なくなりました。
しかし、一部のご職業の方、作業服としてではなく「投資価値のあるビジネス服」としてスーツをとらえている方にとっては数年前から変わらず「必要」なアイテムであり続けています。
薄手の平織り生地で、サラサラと気持ちのいい触り心地ながらも、強撚糸でテンションをかけて織られているからシワにもならないという、まさに清潔感の塊のようなスーツが完成。
名作、ハリソンズ・オブ・エジンバラのミスティークコレクションです。
エイジング加工されているグレーのナットボタンが良い味を出してくれています。
光沢のあるツイル生地ではアンマッチですが、平織りのマットな質感にはもってこいのボタンだと思います。
N様にご着用いただきました。
初めてのスリーピースでのオーダーでしたが、クラシックな装いを好まれるN様は「衿付き」のベストでご注文。
薄い生地を使っていますが、アイロンワークを駆使した贅沢な仕立てにより、ふんわり空気を纏っているかのような立体感があります。
ラペルのロールも美しい。
一般的には少し明るめの色かと思いますが、夏ですからね、夏。
これだけ爽やかで清涼感のあるスーツを、当たり前のように着こなす。
この日はたまたま着ていたサックスブルーのシャツ、ネイビーのネクタイと全身ブルーで統一されていますが、それぞれのトーンが違いますし、ネクタイで引き締めている為くどい感じが全くしませんね。
スーツをちゃんと着るって、こういうことだと思います。
インスタグラムのストーリーように動画撮影にも快く応じてくださいました。
いつも心躍るような素敵なスーツをオーダーいただき、本当にありがとうございます。
・
・
・
・
・
お次はこちらのカーキのスーツをご紹介させていただきます。
フォックス・シティという、先程のハリソンズ;ミスティークに比べると、同じ平織りですがずいぶんと厚みがあるタフで育てがいのある生地です。
写真で見るよりも、肉眼の方がもう少しグリーンっぽい感じです。
ザラザラとした独特な触り心地ですが、着こんでいくごとに柔らかくなっていきますので長い年月をかけて楽しんでいただきたい一着です。
ハリのある生地と、柔らかい仕立て。
芯地は使わず、でもふんわり立体的に。
アウトポケットをつけてカジュアルな雰囲気にしており、仕立てや生地感ともマッチしています。
こちらのスーツもエイジングナットボタンを使いました。
枯れた木の葉のような色味が、カーキの生地にとてもあっています。
フォックスブラザーズの生地には草木染めの雰囲気があり、カントリーテイストのアイテムと相性がいいことも重要なポイントです。
名作、パラブーツの『ウィリアム』、最高の相棒ですね!
厚みがありややポテッとしたフォルムのパラブーツは、きれいなスーツとは相性が良くありませんので、今回のスーツのようなややカジュアルなテイストを含んだ、セットアップやジャケパンに合わせるのがベスト。
オーダーいただいたH様、初めてのご注文でしたが、やや攻めたスーツとなりました。
シャツはこの日着ていらしたオックスフォードのボタンダウンシャツ、いい感じですね!
この生地は素材感もありますので、ジャケット・スラックスをそれぞれ単品で使うこともできますので汎用性抜群です。
デニムパンツと合わせてチェックもしましたが、バッチリの組み合わせでした。
ビジネスに、プライベートに、色々なコーディネートを愉しんでくださいね。
素敵なご注文、誠にありがとうございました。
・
・
・
・
・
H様の履いていらしたパラブーツのウィリアム。
革の質にもよりますが私のイメージとしては『雨でもへっちゃら!』な靴の代表格です。
これから梅雨のシーズンも近づいてきますから、服の方も色々と準備やケアをしておきたいところ。
私は今季カノニコ者の撥水加工がされたスラックスを一本オーダーします。
こういうのが一本あるととても便利。
まだ、ギリギリ間に合いますから「梅雨のシーズンに何を着ようか?」とお考えの方は是非。
ケアもしっかりしておかないと、後で痛い目に・・・。
夏ジャケットを愉しむ
2022年4月29日 明日は何着よう?松はじめのスーツの着こなし術 | ライフスタイル
夏は少しくらい非日常な服でもいいと思っています。
Tシャツで過ごすのが一般的な夏にあえてジャケットを着るのですから、自分の好みを全面に押し出して「ちょっとやりすぎたかな?」と思うくらいで丁度いいんです。
気温が落ち着く日には「おっ!今日はジャケットが着れそうだ!」とワクワクするはず。
春・夏用の生地はイタリア産ブランドを中心に、うっとりするほどに鮮やかな色味、目に焼き付くインパクト大の柄など、「ちょっとやり過ぎじゃないか?笑」と思ってしまう生地が多数ラインナップされています。
でも気温が上がってくると、意外と簡単に受け入れたれるから不思議。
ホーランド&シャリーと言えば、英国を代表する高級生地ブランド。
ハリソンズ・オブ・エジンバラなどの他の英国生地ブランドは「質実剛健」な生地が目立つのですが、ホーランド&シャリー社はまるでイタリア生地のように、様々な明るい雰囲気の生地がラインナップされています。
こちらは、薄手の平織りでウール100%の生地。
サラサラした触り心地ですから、軽いカーディガンを羽織るような感覚で春から夏の終わりにかけて活躍すること間違いなし。
海辺でショーツの上から羽織る、なんて粋な着方も楽しめることでしょう。
芯無しで柔らかな仕立てのジャケット。
クラシックを大切に、着丈はやや長めに設計するのがS様のいつもの仕様です。
カジュアルジャケットだからといって、安易にお尻丸出し着丈短めではファストファッションと同レベルです。
合わせる他のアイテム、生地の雰囲気などはもちろん加味しながらも、クラシックの基本は外さないことがビスポーク・ジャケットの持ち味でもあります。
「おぉ~、結構派手だねえ!!笑」
と少しだけ驚かれていたS様ですが、この日はゴルフ帰りにお立ち寄りいただきました。
やや日焼けした肌に、白と黒のコントラストが効いたジャケット。
全く派手には思えませんでしたよ、S様!
まさにゴルフ時にもぴったりではありませんか!
ジャケットが主役級のインパクトがあることは間違いありませんから、その他のアイテムはモノトーンや淡いブルーなどの控えめなものと合わせて引き立たせてあげて下さい。
時々お客様からオーダーいただいたスーツやジャケットに刺激を受け、似た雰囲気のものが欲しくなってしまう症状が出てしまうのですが…このジャケットも、今ソワソワしています。
今年は夏にも出かけたいですからね!
こんな一着があれば休日も楽しく過ごせそうです。
・
・
・
・
・
一方で、「スーツは堅実なスタイルに限る」と思っています。
今回も常連のO様よりダークネイビーのスリーピース・スーツをオーダーいただきました。
普通のデザインに、細身のお身体に程よくフィットしたウエストの絞り、そんな飾り気のないスーツこそ着用者自身を輝かせることのできる本物のスーツになります。
いつもグレンロイヤルのトートバッグをお持ちのO様、このネイビースーツにも是非合わせていただき、O様らしく着こなしてください。
生地はゼニアのトラベラー。
定番であり、シワにも強く実用性も申し分ない使い勝手の良い生地です。
光沢も美しく、ゼニアのその他の繊細に生地と比べてデイリーユースにももってこいです。
プライベート・ジャケットとはまた違った、やや構築的な肩回りがこのようなスーツには合います。
生地や目指すスタイル、お客様の雰囲気(お好み)によって色々と調整をしているのですが、このスーツも気に入っていただき嬉しいです。
ベストもダブル・ブレストなどにもチャレンジしていただいたO様ですが、今回はフォーマルシーンでも着用できるようなネイビーのスーツですので遊びの要素は控えめに。
シングルのベストは用途によって使い分けてくださいね。
でもやっぱり、「あると便利」なのがベストです。
いざという時に「あの時作っておいてよかったな…」と思える日が来るかもしれません。
特にフォーマルシーンでも着用する可能性のあるスーツであればなおさらスリーピースでお仕立てすることをおすすめします。
・
・
・
・
・
フォックスブラザーズのフレスコ系生地であるフォックス・エアーのブラウンでスーツをオーダーいただきました。
程よく赤みがあり、カントリーの風合いのあるブラウンです。
フレスコ系はかなり素材感が在りますので、スーツとしてお仕立ていただいても、ジャケット、スラックスそれぞれで単品使いも違和感なく対応できます。
(原則スーツ生地で仕立てたスーツの単品使いは一発退場レベルです。)
そう考えると、季節感のある生地は単品使いにも対応できるのがいいところですね。
夏はフレスコもそうですし、リネンがブレンドされた生地も単品使いできると思います。
(サラサラした平織、モヘアのスーツ生地はちょっと厳しいですね…。)
冬はフランネル、カジュアルでいえばツイードなども当てはまりますが、こうした季節感のある服は様々なパターンで組み合わせられるのもメリットです。
着数が少ない人こそ、こうした季節感のあるスーツをジャケパンにも転用する、みたいな着方をすれば同じ服でも違った印象になるのではないでしょうか。
仕上がりは約2か月後、またブログでも紹介させていただきます。
ジャケパンとオーダーシューズと
2022年4月16日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日はFOX AIR(フォックス・エアー)のスーツをタイドアップで。
仕立てて数年経つのですが、太めに設計したラペル、フロントカットの雰囲気など結構気に入っています。
雨と共に気温もまた下がった金曜、いつもの玄関先で。
晴天の時よりも雨や曇りの時の方が自然な色味が出て写真が撮りやすいんですよね・・・
いつも「曇り!夕方!今がチャンスだ!!」とバタバタ写真を撮っています笑。
ちなみに気温15度くらいだと、このフォックス・エアーをはじめフレスコ系統のスーツではちょっと肌寒いくらいです。
30度を超えるともはや何を着ても一緒だと思っているので、フレスコ系のスーツは20度~の気温の時が一番気持ちよく着れるのかなあと思いました。
生地のスペックだけ見ていても分からないこともありますから、自分は実験台として色々試してみて、実体験も含めてお客様にご提案できるのがベスト。
時折「やっぱり、夏はリネンやコットンが涼しいんですよね?」とお客様から聞かれますが、コットンは普通に涼しくはないですし、リネンもトレンドのヘビーウエイトの生地であれば夏は地獄のような暑さを味わうことになりかねません。
もちろん一概ではありません、シャツのリネンは言うまでもなく最高ですし、ただ、「リネンだからなんでも涼しいか?」というと、そうでもありませんよってことですね。
細めのロンドンストライプに、ネイビーの花柄のタイ。
何の変哲もないトーン・オン・トーンですが、あまりごちゃごちゃしたコーディネートは好みではないのでこのくらいが自分で一番テンションが上がります。
このような素材はクリースもピシッと入ります。
生地にハリがあることが伝わりますでしょうか?
1プリーツのアウト、これもいつも同じです。笑
エイジング”加工”のされたナットボタンが密かに気に入っているポイント。
なんで3つにしたのかは覚えていません(当時のブログに書いていたかな?)。
そういえば、マイクロチェックといいましょうか、このくらいの格子柄の生地が「少しだけカジュアルな雰囲気にしたい」というご要望のお客様に良く気に入っていただけてました。
「そのくらいの雰囲気がいいね!」と、全く同じ生地でお仕立てさせていただいたこともありました。
遠目には、ほぼ無地みたいなもの。
大西先生クラスになると、「グレンチェックなんて無事だよね、僕らの感覚じゃ。」とおっしゃっていたので、その感覚になるにはまだまだ修行が足りません笑。
・
・
・
先日ジャケットとスラックスをご納品させていただいたN様。
初めてオーダーをいただきましたが、本当にファッションがお好きであり、ご職業柄もあってのことでしょうか、いつもハッとする素敵な装いでお越しくださいます。
ホーランド&シェリーの『モールスキン』でお仕立てさせていただきました。
モグラのモール(Mole) + 肌のスキン(Skin) = モールスキン(MokeSkin)
正直モグラの肌なんて想像つきませんし、見たこともないですし、ピンときませんでした最初は笑。
要するに、少し厚みのあるコットンを起毛させたような感じです。
短い毛並みが肌触りよく、エイジングも味のある雰囲気になります、ツウ好みの生地です。
お色味を重視した側面もございますが、N様さすがのご選択です。
秋・冬・春が主戦場となります。
このジャケットに合わせた訳ではありませんが、シャンブレーのシャツなどブルー系は間違いのない組み合わせ。
爽やかなブルー系、暖かみのあるボルドー・ブラウン系という具合に、季節によって違った表情を見せてくれると思います。
コットンスラックスは真っ白ではなくアイボリーに。
ヒップはしっかり包み込み、無理のない細さで仕上げています。
お仕事でもプライベートでも、ニットの相棒にもTシャツの相棒にも、万能なコットンスラックスを可愛がってあげてくださいね。
・
・
・
N様からはシューズもオーダーいただいていました。
外羽根のVチップ、〇ール〇ンのような雰囲気です。
皆さんは、靴のサイズ感・フィット感にお悩みはございませんでしょうか?
私は足の甲が高すぎて、シャープな作りのイタリア靴はもちろんのこと、英国靴ですらローファーを履くことができません・・・。
そして年々インポート靴の値段がおそろしく高騰してきています。
同時に中古市場がにぎわっていますが、靴だけはネットで買うのは怖すぎますよね。
私のように「履きたくても履けない」という方だったり、「もう少し手軽で履き心地の良いものを」という方のニーズを満たすのがオーダーシューズ。
基本は4万円前後ですから、どのインポートシューズよりも価格は抑えられますし、C~Fまでかなりのウィズを揃えていますから、きっとあなたの足に合うサイズが見つかりますよ!(さらにそこからポイントで広げることもできます)
久しぶりにお作りしたモデルでしたが、いやーかっこいい!!
グッドイヤー・ウェルテッド製法ですので、履きこむ中で底のコルクが少し沈み、どんどん自分仕様に染まっていきます。
ソールがすり減ったら交換もできますし、コスパも抜群ですよ。
・
・
・
シューズを取りにきていただいたのは別の日でしたが、ご納品済みのキャメル・ジャケットをお召しいただいておりました!
ジャケットをご納品させていただいた日は気温20度超えでしたから、「出番は秋からかなあ…」なんてお話ししていましたが、なんとまた気温下がりましたね。
「おっ!今日着れる!」と早速デビュー!
この日のギンガムチェックシャツもまたいいですね!
あと1・2週間は出番がありそうですから、是非この春も着こなしを楽しんでください!
素敵なオーダーを本当にありがとうございました。
始まりの季節に 新しいスーツを
2022年4月12日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
さて、今回はお客様のスーツをご紹介させていただきます。
・
・
・
「いつかグレーのスーツが似合う大人になりたい!」
ネイビーに並び基本色として認識されているグレーは、まさにスーツの原点ともいえます。
『無彩色』という最大の特徴を活かせばあらゆるコーディネートに馴染ませることができ、ライトグレー・ミディアムグレー・チャコールグレーと大きく3つに分け季節感を楽しむこともできる。
冬になればフランネルがグレーの霜降り具合の良さを最大限に引き上げますし、『色』がない分素材の良さを最大限に発揮させてくれる、ある意味ごまかしの効かないカラーではないかと思います。
その為か、「ちょっと物足りない」「老けて見える」などマイナスなイメージがどうしても思い浮かんでしまい、基本色とは言いつつもネイビーに比べると後回しになってしまう傾向にある、ちょっとかわいそうなポジションでもあります。
以前ブログでもご紹介させていただいた、ラッシャーミルズのチャコールグレーの生地です。
糸には、「杢糸(もくいと)」といって、2種類(2色)の糸によって撚られたものが使われています。
少し踏み込んでいきますと、生地の染色にはいくつかのパターンがあり、それによって同じような色味の生地でも、染め方の違いによって全くオーラ・雰囲気の違う仕上がりになります。
一番最後にジャボンと染色液に付け込めば一色淡ので奥行きのない雰囲気になりますし、杢糸のように『糸の段階』ですでに染色されている糸で織られた生地は、いい意味でのムラがあり味のある雰囲気に仕上がるのです。
白かったり、黒かったり、複雑な感じがいいんですよね。
ぺタッとした色味だとどうしても重たい印象になってしまいますから、グレーは生地がどういう糸で、どんな風に織られているかという点にも着目してみると面白い。
このチャコールグレーがラストで残っており、今回スリーピース・スーツとしてお仕立てさせていただきました。
まだお若いF様、今回が初めてのオーダーとなり、併せてセミワイド・カラーのホワイトシャツもオーダーいただきました。
ネクタイは当店取り扱いの、シルバーベースにパープルの差し色が効いたレジメンタル・タイ。
このラッシャーミルズの生地は、非常に弾力があり、アイロンが効いて仕立て映えすることが大きなメリットです。
F様の体型は痩せ型の為、そう見せないようにフィッティングも工夫しております。
適切な方のフィット具合に、ナチュラルショルダー。
スラックスは細すぎず、太過ぎず、、、本格派のF様はサスペンダーを着用することを前提に全体的には少しゆとりを持たせて設計致しました。
裾はダブルで仕上げ、1クッションで誠実な印象に。
唯一のアクセントはスラント&チェンジ・ポケットですが、基本から外れたデザインではありませんので、まったく主張はありません。
実は股下の具合は完成後に微調整済み。
「買って終わり」ではなく、時にはお直しを入れたりして長い年月ご着用いただくのが仕立て服の醍醐味ですから、必要に応じて適時調整・フィッティングをさせていただきます。
ブログやYoutubeをみていただきお問い合わせをいただいたF様、きっと、ほんの少しの勇気をだしてお越しくださったことと思います。
最初は緊張されていたようでしたが、何度かご来店いただくうちにリラックスした表情で色々お話ししていただくようになりました。
洋服のことで着になることがありました、是非お気軽にメッセージくださいね!
この度は素敵なオーダーを本当にありがとうございました。
・
・
・
お次も、今回で初めてのオーダーとなりましたA様。
「着ていて奮い立つような一着を」というA様のご要望を踏まえ、鎧のようにタフであり、深いネイビー、いわゆる『鉄紺』の生地をご提案させていただきました。
鉄紺はもちろん色のことですが、生地の”固さ”もまさに鉄のようです。
目付は400g、当店にあるスーツ用の生地の中でも最高クラスにしっかりしたコレクションでございます。
A様のお好みもありゆとり多めに設計しているのですが、生地があまりにタフなので笑、まったくゆとりがあるようには見えませんね。
肩幅も少しだけ大きめ、少しだけです。
胸はしっかりとボリュームを持たせ、ウエストは程よくシェイプをさせました。
まあ、いつもの通りなんですが笑
細かな点はもちろん皆さんお一人おひとりで違いますから、お身体の個性(体系や骨格)にあわせてチューニングをしていますから、奇をてらわず、誠実なお人柄のA様にぴったりのスーツになったのではないかと思います。
このスーツであれば、10年は着ていただけることでしょう。
そして、育てがいのあるスーツですから良い意味で日常着のように自然に扱っていただき、時にはケアをしながら大切に育ててあげてください。
あ!! 裏地は私の提案で少し明るいブルーを選択したのでした!
控えめに、ハンガーにかけた時にちらりと見える程度。
ふとした時に、思い出していただけますと幸いです。
“別格のエレガンス” ドーメル・アマデウスの魅力
2022年3月15日 オーダースーツ | オーダースーツの柄
表向きは高級テーラー、しかし裏の顔は世界最強のスパイ機関。
映画「キングスマン」はスーツスタイルでも注目される有名映画ですが、そのキングスマンのスーツではドーメルの生地が使われていたことがあります。
ドーメルの数あるコレクションの中でも絶大な人気を誇るのが『アマデウス』というコレクション。
アマデウスはドーメルの象徴ともいえる生地であり、原点となる『(オリジナル)アマデウス』の他、春夏向けのさらりとした『トロピカル・アマデウス』、オールシーズン着用できるようクオリティはそのままに軽量化された『アマデウス365』など、着用する人のライフスタイルに合わせてチューニングされています。
ドーメルの服地づくりの本部は英国北部のウエストヨークシャー。
良い毛織物を生産するために欠かせない水源に恵まれた、繊維産業に向いている地域です。
そもそもドーメルはフランスのマーチャントであり、織元ではないため傘下に多くの織元を抱えていることになります。
その中心が英国であり、生産地の特徴そのままに丈夫でしっかり織り込まれています。
しかし、その表情は他の英国産の生地とはまったくの別物。
鮮やかなカラー、絶妙な光沢感があり、無骨な英国生地のそれとは一線を画す『エレガント』な魅力に引き込まれてしまいます。
世界中から選別した原毛の特性を見極め、英国に伝わる技術とフランス的な感性で、仕立て映えする服地づくりに向き合うこと。それが、ドーメルのマニフェストだ。
「ドーメルらしさとは、イギリスらしく、イギリスらしからず」
“イギリスらしく、イギリスらしからず”
モノづくりの基本は伝統的な英国、しかしそこにフランスのエッセンスを取り入れた唯一無二の生地ブランド、それがドーメルなのです。
アマデウスの生地でオーダーいただいたお客様のスーツが仕上がりました。
やや明るめのネイビー無地。
アマデウスだからこそ実現できる大人のエレガンスが詰まっています。
これからの季節に「ブルー」は欠かせません。
デザインはいたって標準的ですが、ベストはダブルブレストのショールカラーで遊び心を表現。
2ピース、3ピースそれぞれのスタイルで着こなしを楽しんでいただけることでしょう。
構築的な肩周りの表情は、ドーメルアマデウスの魅力をさらに確実なものにしてくれますね。
分かる人には分かる、ナチュラルショルダーとはまた違った表情です。
上品ながら決して奇をてらわない、そんなスーツがこれからの時代に必要になってくるでしょう。
「義務」で着ていたスーツが義務ではなくなる。
選択することができるようになった時に、人の気分は変わるものですよね。
スーツには人の心を鼓舞するパワーがあります。
何でも服装を選べる時代になったからこそ、本来スーツが持っている醍醐味を見つめ直したいですね。
ナポリから生地の到着と、最近の納品を振り返る
2022年3月2日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
シャツは『襟だけ』交換ができる
シャツにおいて大切なことは?
縫製や生地のことなど深堀すれば色々ありますが、まず真っ先にお伝えしたいのが「清潔感」があること。
どんなに高級なシャツを着ていてもシワだらけでヨレヨレな状態であれば台無し。
安くてもしっかりアイロン掛けされたシャツの方が遥かに背受け継感があって好印象です。
アイロンだけでなく「汚れていないこと」も、当たり前ですが気にしていない人は全然気にしていません。
シャツで汚れが目立つのはどこだと思いますか?
そうです、衿の内側と袖の内側の2カ所ですね。
他のところはきれいなのに、ここだけどうしても皮脂汚れが取れなくってとても着れない…
そんな状態になってしまったシャツが今までありませんでしたか?
だから、シャツは消耗品と考え、できるだけコスパよく…となるのも当然の流れです。
オーダーシャツなら、ここにメスを入れられます。
処置は簡単です。
『汚れるところだけ、襟と袖口を交換してしまおう』
これなら低価格でまるで新品同様に生まれ変わらせることができます。
さらに、例えばストライプ柄のシャツであれば、白い衿に交換することでクレリック仕様のシャツにモデルチェンジだって可能。
同じシャツなのに、なんだか新しいシャツを着ているような不思議な気分になります。
こちらが襟交換をさせていただいたシャツ。
おしゃれなT様はピンホールカラーというクラシックな衿型を選択されましたが、もちろんビジネス向けのセミワイドカラー・ボタンダウンカラーなどたくさんの種類の中からお選びいただけます。
襟が生まれ変わると、見違えますね。
もともと綺麗にご着用いただいていただけに、どう見ても新品のシャツです…。
・
・
・
堅実なネイビースーツのご納品
いつの時代も変わらずに定番であり続けるのが堅実なネイビースーツ。
時代と共にファッション業界は特に「トレンド」が付きまといますが、ネイビースーツだけは例外です。
シンプルで、品の良い生地を使って、身体にちょうどよくフィットしたネイビースーツが、「あれ、これ古いかなあ…」なんてなるはずがない。
オーダーいただいたS様。
英国産の程よく丈夫な生地でスーツをお仕立てさせていただきました。
アクセントはチェンジポケットだけ。
完成後すぐのタイミングでフィッティングをさせていただいた際、鏡で見た正面の具合は非常に良かったのですが、背中側に改善の余地がありました。
お客様は正面しか見えませんから、背中のシワなどはおそらくこちらからお伝えしなければ気付くことはありません。
ですがここは絶対に妥協できないところ。
お客様が「OKです!いい感じです!」といっていただいても、こちらが納得できない、もっときれいにできる!と思ったときは正直にお伝えして微調整をさせていただいています。
少しお時間をいただきますが、絶対に必要なことです。
・
・
・
礼服もオーダーで
数年前からオーダーいただいているY様からは、礼服のご注文。
程よいフィット感ながらも、10年・20年先にも着続けられるように、いつもより若干のゆとりを持たせて設計しました。
礼服であれば、正座で長時間過ごすこともあるでしょうし、おもてなしをする側に立つことも想定されます。
奇をてらわず、ただしっかりと装っていることは周囲と比べれば明らに分かるはず。
ビジネススーツを何着かオーダーいただいた方は、礼服にも目を向けると、いざという時に役立ちますよ。
・
・
・
結婚式タキシード → スーツのオーダー
K様はご結婚式用のタキシードオーダーいただいてからのお付き合いとなり、今回初めてスーツのオーダーをいただきました。
今回はベーシックな2着。ネイビーとグレーです。
海外勤務もされていたK様、ワークアウトが日課なのでしょうか?
そこはお聞きしていませんが笑、鍛えられらたお身体には既製品スーツではデメリットが目立ってしまうことでしょう。
バストにはしっかりボリュームを持たせ、ウエストは絞り込む。
こうしたメリハリをオーダーであれば活かすことができ、実際にご着用されたK様は服だけではないオーラがあります。
タキシードを1着オーダーいただいていますから、サイズ感の心配ご無用。
2着目からは生地を選ぶだけでいいので、皆さん楽しんでオーダーいただいています。
もちろん1着目をもとに、アップデートすることも自由自在ですのでご安心ください。
本当に楽しいのは、もしかしたら2着目以降なのかもしれません。
・
・
・
大人は1着タキシードを持っておこう!
T様のブラック・タキシードをついにご納品させていただきました。
シンプルですが、洗練されたタキシードならでは美しさがあります。
構築的な肩回り、細すぎない美シルエットを作りこみ、まるで普段からご着用されているような…
「初めて着るタキシード」とは思えないほどT様のお身体に、雰囲気に馴染んでおります。
そういえば最近ピークドラペルのタキシードが増えてきた気がするのですが、何かの影響なのだろうか…。
・
・
・
ナポリから新しい生地が…
夏が待ち遠しくなるような真っ青な表紙が目に飛び込んできました。
毎年楽しみなイタリアはナポリ:アリストンの生地。
見ているだけでワクワクします。
堅実なスーツではなく、プライベートで着るようなスーツ、ファッショナブルなジャケット、バリエーション豊富なコットンやリネンなどに特徴があり、スーツ・ジャケットを楽しんで着たい方にぴったり。
圧巻のコレクションを、実際に手で触れてご覧ください。
その服を着てどんな場所に出かけようか、イメージが湧いてくると思いますよ!
スマートな2人と新しいシャツと
2022年2月6日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様
「ネイビーに始まり、ネイビーに終わる。」
それがスーツというものです。
清潔感がありますし、ネイビーには誠実・忠誠・誠意などの意味もあります。
海軍の制服の色でもあるし、ビジネスにもフォーマルにも対応できる。
メリットはいくらでも思い浮かぶのですが、今日はこのあたりのお話はしません。
これまでたくさん記事にしてきましたので…笑
今日はシンプルに『モノの良さ』『服としてのカッコよさ』をお伝えできればと思います!
だって、かっこいいじゃないですか、ネイビー。
早速ご覧ください。
難しい色味でもないですし、複雑なコーディネートも必要ありません。
これなら、自分が着ている姿を想像しやすいのではないでしょうか?
こちらはイタリア産の生地でシンプルにお仕立てしたスーツ。
ネクタイもシンプルにダークネイビーの無地を合わせましたが、
こちらはオーダーいただいたお客様をイメージして「きっとこういう着こなしをされるだろうな…」
と想定したコーディネートです。
シンプルなスーツには、色々な柄のネクタイが合います。
同系色でトーンを変えるのが一番取り入れやすいでしょうか。
どのネクタイでも、決して邪魔はしません。
ストイックにブラックの革靴を合わせて。
スポーティなフル・ブローグはJOCEPH CHEANEY。
このくらいのネイビーのトーンなら茶靴でも違和感はありません、
アズーロ・エ・マローネはやはり鉄板の組み合わせ。
フォーマルシーンではベストを着て。
衿付きのベストは雰囲気がありますし、やっぱりあると便利。
ベストがあるかないかで、別のスーツのような変化を加えることもできてしまいます。
オーダーいただいたお客様は、ご友人とお二人で今回のオーダーを楽しまれました。
来月このスーツを着てイベントに…ということで、
ネイビースーツと、ご友人のK様はブラックスーツを。
ブラックスーツの方は『モード』をテーマに、ナローラペル、
低めのボタン位置などのディテールにこだわり、光沢感のあるブラックスーツでお仕立てさせていただきました。
ブルックスブラザーズなどのスーツを着ていたK様ですが、
いつもと180度違うスーツの表情を楽しんでいただけたようです。
同じスーツでも実は様々な顔を持っており、それはオーダーの楽しさを味わえるポイントだと思っています。
お二人でお写真を撮らせていただきました。
スラっとした体型で、スーツ姿も実にスマートなお二人。
こうして並んでみると、スーツとしての表情の違いが分かりやすいですね。
実はブラックスーツに合わせてオーダーいただいたシャツも、
スーツの雰囲気になじむように剣先が小さな衿型にさせていただきました。
お二人とも20代、何か無理をしている訳でもなくただ自然にスーツを着ているだけです。
足し算したくなるところをこらえて、極力シンプルに。
素材を生かし、シルエットも細身ながら出すところは出すメリハリが大事です。
それでこれだけの雰囲気があります!
今月のイベントもお二人で楽しんでくださいね!
・
・
・
・
久しぶりに個人オーダーした新しいシャツが届きました。
ブラックのロンドン・ストライプ。
スーツが無地が多いので、シャツはこのくらいのストライプが好みです。
今回は襟越(衿の高さ)にこだわりました。
実はちょっとだけ低めに設計しているんです。
私は個人的に首が長く見るのが好みで、襟越が高いのが苦手・・・
(ということが最近になって分かりました。)
猫背なので「首を長く見せたい欲」があるのかもしれません。
実際に着てみました。
低めとはいっても、どうでしょうか?
当然スーツの衿よりは高く位置しておりますし、個人的には理想的なバランスです。
まだ新品でノリなどの硬さがみられますが、襟やカフの芯地もソフトなものを使用しているため、
何度か洗ってからの方が着心地がアップします。
ブラウンのスーツに、ブラウンのネクタイ。
ストライプのシャツが良いアクセントになりましたでしょうか?
シャツひとつ変わるだけで、気分は新品のスーツを手に入れたかのような高揚感があります。
スーツは今シーズンはいいかな・・・とお考えの方は、シャツに目を向けてみるといいですよ!
3月頃からシャツ生地はたくさん入ってきますので、またブログでもご紹介させていただきます。
グレースーツのコーディネート
さて、今回はスーツのコーディネートを組んでみました。
スーツ程便利なアイテムはありません。
シャツを着てネクタイをしめれば、誰しもが信頼を置かれる格好になり、
同じスーツであってもTシャツやニットをインナーに変えれば、一気にカジュアルダウンさせることもできます。
カーディガンではカジュアルにしか対応できず、『襟が付いていない』というのはビジネス面ではマイナスな印象を与えることもあるかもしれない。
カジュアル化が進むなか、スーツの価値は下がるわけではなく、むしろ『ちゃんとスーツを着ている人』が装いだけで他と差を付けれられると思います。
大人のカジュアルは、あまり崩しすぎてはいけません。
おすすめは、スーツやセットアップをカジュアルダウンさせてきること。
シャツはTシャツやニットに、
レースアップの革靴は、ローファーやスニーカーに、
ポケットチーフや靴下で控えめに色を添えてみれば、
ビジネスの時と同じスーツであっても、これだけ変化が付けられるんです。
こちらはS様の通算2着目となるスーツ。
ロロピアーナのチャコールグレーの生地をお選びいただき、素材や仕立ての良さを引き出す為にデザインはいたってシンプルにしております。
同時にオーダーいただいたシャツはホワイトとサックスブルーの2色です。
この2色が揃うだけで様々なネクタイとのコーディネートに対応することができますよ。
ボットーネのシャツ生地の中には、名の知れたトーマスメイソンやALMO、アンダーソンなどもありますが、こちらの生地は実用性を重視した形態安定素材です。
形態安定素材ながら織はキメが細かく、上品な光沢感もあり、なにより形態安定素材の一番の魅力である「シワの付きにくさ」は最高クラス。
それでいてコットン100%ですから、実用性も必要となる普段着=ビジネスシャツとしては本当におすすめです。
サックスブルーの色合いも丁度よく、多くのお客様に2枚セットでオーダーいただいております。
今回はホワイトでコーディネートしてみました。
ネイビーのレジメンタルですが、ネイビーにスーツにこれを合わせてしまいますとちょっと平面的になってしまいます。
グレーならどうでしょう?
とても誠実な印象を与えられると思います。
もう一つはピンクのシャツをセレクト。
男性は遠慮がちなピンクですが、全体のトーンが暗い場合にはちょうど良いアクセントになります。
ネクタイが浮いてしまわないよう、トーンを合わせてみると、いかがでしょう?
これならビジネスでも違和感なくお召しいただけるのではないでしょうか?
シャツとネクタイが変われば全く違う印象になりますよね。
最後は、同色のニットを合わせたリラックスコーディネート。
暗くなりすぎてしまいますので、首元にネッカチーフを巻き、ソックスも同色のブルーを合わせました。
全体はシックなカラーですが、ちらりと見えるところにアクセントのカラーを。
足元はリラックスした雰囲気を出すためにスエードのローファーを持ってきましたが、ホワイトスニーカーなんかも今風でおしゃれだと思います。
今回は同色のニットですが、ニットそのものに色が入っていても素敵です。
暗い色になりがちな季節なので、イエローやブルーなど明るい色を取り入れるのもいいですね。