ハリウッド俳優のようなタキシード・スタイル
以前に比べると、最近はダブルのタキシードをオーダーいただくことが増えてきました。
古着などで昔のソフトスーツ(アルマーニとか)を着る20代もいて、「ダブルはおじさんが着るもの!」と一般的に思われて時代から明らかに変化しています。
もちろん、ダブルはおじさんが着るものなんかじゃありません。
特にタキシードのような特別な服の場合、思い切ってダブルでオーダーすると周りとの差別化にもつながります。
クラシックでより男前な表情を見せてくれる『ダブル・タキシード』。
今回は前にオーダーいただいたお客様のお写真を使って、ダブルタキシードのポイントを解説していきたいと思います。
写真のタキシードは、襟幅は広め、ボタン位置などの重心を低めに設計しており、ボットーネの思う一番美しいバランスで仕上げさせていただきました。
重心が低めということが実は重要で、ボタン位置やゴージラインが高いとものすごく「若々しい」感じになってしまうんです。
それが悪いことではないですし、何を美しいと思うかは人それぞれだと思いますが、ボットーネの感覚には合わない。
そしてスーツではなくタキシードですから、やはりクラシックな要素を取り入れないと俳優さんが着る舞台衣装みたいな感じになっちゃうのです。
(ちなみに、ダブルブレストのタキシードも、スーツへのリメイクに対応しております。)
やっぱり襟が太いとかっこいいですよね、、、男らしい!
袖口からダブル・カフスのシャツがチラ見えしていますが、手元もフォーマル仕様で固めるとさらにエレガントです。
もちろん手結びのボウタイ(蝶ネクタイ)も欠かせません。
手結びとホック式の違いはあきらかで、ボットーネでご試着いただいた方はほとんどが手結びタイプを選択しています。
ホック式だと子供らしい感じが、180度変わるのです(大げさじゃありません)。
自分のネクタイは自分で結ぶ!キュッ、フワッ、です!
ここでホック式の蝶ネクタイは、、、ね?ちょっと違うでしょう?
タキシードには、ピンタックという専用の胸ヒダが付いたシャツがあるのですが、ダブルブレストのジャケットだとVゾーンが狭くなるため別仕様(胸元のボタンも覆い隠したシンプルなデザイン)のシャツを合わせました。
これは比翼というのですが、前立てでボタンを隠すことですっきりした印象となりますね。
ちなにもボタンをなぜ隠しているのかというと、古いヨーロッパでは「シャツ=下着」とされており、下着のボタンは見せない方が美しいという考えのもと、現代でもフォーマル服の中でマナーとして残っています。
そしてピンタックは、ボタン以外の見えるところもプリーツで装飾して下着っぽく見せないよ!!という徹底ぶり。
現代の感覚とは違いますが、せっかくならその辺りも考えてみると楽しいですよ。
全体をみて細部のデザインを選んでいくのがベスト。
もちろんお客様の知識だけではここまでたどり着けませんから、私たちコンシェルジュがしっかりとアシストさせていただきます。
↑ちなみに、この写真はピンタック仕様のシャツです。
胸元の胸ヒダが見えますでしょうか?
フォーマルとしての格が上がり、非常に美しいのですが、ダブルのタキシードにこのシャツだと胸元が賑やかすぎるかなあ・・・という判断に至った訳です。
一方で、このようなシングルのタキシードの場合、最適な選択となりますね。
間違いありません。
ほんのり青みを感じる色味ですが、生地はブラック表記のゼニアのコレクションよりお選びいただいております。
写真レベルでも艶がきれいで、高級感があることが伝わりますでしょうか?
生地選びはもちろんタキシードの印象に直結するので重要なポイント。
艶があると上品な印象になりますが、スーツにリメイクすることを考えると・・・ということで比較的落ち着いた生地を選ぶ方もいます。
タキシードの場合は襟にシルクを使い、そのシルクが光沢のある素材を使いますので、生地そのものはマットな質感でも問題ありません。
このあたりも皆様おひとりおひとりのプランに合わせて、最適なご提案をさせていただきます。
ちなみのこの生地は、通常タキシードに使うような生地よりも少しだけウエイトの重いものを使っております。
そのため、シルエットをきれいに作り上げることができ、痩せ型・大柄な方でも柔軟に対応できてしまいます。
スーツなどは柔らかい生地も人気ですが、タキシードにおいてはある程度しっかりした方が出来栄えもかっこいい感じになりますよ。
オーダーいただきましたK様、
当初はリメイク予定でオーダーいただいたタキシードでしたが、非常に気に入っていただき、今では「タキシードのままでもいいかな…」と思っているそうです笑。
リメイクももちろん嬉しいですが、こうしてタキシードそのものとして残していただけることも、私達にとっては大きな喜びです。
ご遠方より、何度も足をお運びいただきまして誠にありがとうございました。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2023年4月14日
結婚式の新郎衣装を制作したお客様事例 | タキシード
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