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ウイングカラーはどうして生まれたのか?立ち襟が折れ曲がったまさかの理由

フォーマルのシャツというと、このウイングカラーという衿ですが、なかなか着たことがありませんよね?

衿が立っていて先端だけ折れ曲がった独特のこの衿ですが、どうして折れ曲がっているか、ご存知でしたか?

その昔、シャツはバリバリに硬いのが当たり前でした。

それはもう、プラスチックのようにバリバリです。

どうしてそんなにバリバリか?というと、実は当時の洗濯事情が関わっています。

現代のようにクリーニングというものがなかった時代、生地にできる限り汚れをつけまいと、ノリでガチガチに固めて、そのノリに汚れを吸着させました。

こうしてノリのついたシャツは洗うのですが、ちょっとやそっとでは落ちません。

そこで、釜にお水を入れて、火を炊いて釜茹でにしました。

そのくらいしないとノリが落ちなかったのです。

あまりに窮屈だったスタンドカラー

そのくらいに固いのですが、基本的に衿は立っています。

スタンドカラーという、ご紹介しているウイングカラーのように先端が折れ曲がることのない衿です。

そして首を囲う高い衿越し。

衿が高いため、あまりに窮屈なのです。

あまりに窮屈だから先端を折った、というだけの話です。

それが現代では正装のシャツに定着しているのですから不思議な話ですが、当時の貴族の服装とはとても窮屈なものでした。

ラウンドカラーが丸い理由

ところでラウンドカラーという衿はご存知でしょうか?

先端が丸い、一見するとかわいい衿にも見えます。

このラウンドカラーも同じように理由があって丸くなっています。

ガチガチに固い衿。

そんな固さの衿で、ウイングカラーのように折れ曲がっていない時に首を曲げ、肌に触れたと考えてみてください。

痛い・・・

先端が角だと痛い、そのくらいの固さなのです。

そこで丸くしました、これがラウンドカラーの起源だったのです。

シャツの衿は取り外し式だった

こうした衿は、その昔は取り外し式でした。

衿だけ買って、身頃に取り付けるのです。

どうしてこんなことをしたのかというと、これはある奥様のお話です。

1820年、アメリカのニューヨークのはずれに、オーランド・ハーラ・モンタンギューという婦人がいました。

ご主人が鍛冶屋で馬の蹄を作る人などだったのでしょう。

ご主人は大変な綺麗好きで、必ず毎日シャツも綺麗なのがいい、と言いました。

当時は毎日シャツは洗わなかったのです、大変ですから。

奥さまは毎日洗うわけですが、この当時はノリをガチガチにつけていたわけです。

ご婦人は、もうやっていられない、洗濯娘じゃないんだから!と、衿を切り離したのです。

「衿だけ洗えばいいじゃない!」

こうして自宅で、旦那のためにやったことを見たメーカーが、うちもやろうとなりました。

1824年ごろに、工業化が始まりました。今も婦人のいたトロイはシャツ屋が多い街です。

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松 甫ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>> Twitter Facebook 表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。

2018年9月29日
フォーマルアイテム | 新郎タキシードの小物

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