ネイビーグリーンのタキシード|奥深い生地の世界にも触れてみます
BOTTONE 新郎タキシード デジタルパンフレットを配布中!
タキシードのことをギュッとまとめたパンフレットになっております。
新郎タキシード選びの参考になると思いますので、こちらから是非ご覧ください!
この記事の目次
ネイビーグリーンのタキシード
ネイビーとグリーンの中間色『ネイビーグリーン』のタキシードが完成し先日無事にご納品を終えました。
あまり紳士服やタキシードでは使われない色味なのですが、最近はこのようなきれいな色が様々なブランドから打ち出されていますね。
本当にきれいなお色味です。
実はこのタキシード、ちょっとした裏技を使ってお仕立てさせていただきました。
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この生地の秘密
仕上がり品を見て全く違和感がなかったので私もすっかり忘れてしまっていたのですが、、、笑
本来は裏側にくる面を、あえて表に持ってきています。
裏表が逆ってことですね。
生地にはちゃんと表裏がありますので、どんな生地でもこの裏技が使えるわけではないのですが、お客様のイメージしていた色に比べると表面はちょっと色が明るすぎたのです。
一方で裏面は絶妙に良い色、求めていた色そのものでした。
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生地の仕組みをちょっとだけ教えます
こうした複雑な色の生地である場合、『縦糸の色はめっちゃ明るいネイビーグリーン』『緯(よこ)糸の色はダークカラー』みたいな感じで2色の糸を使って構成されているのですが、どっちの糸が多く見えているかという違いによって表裏で雰囲気が違うんです。
分かりやすい例で言えば、デニムもそうです。
デニムは「青の糸」と「白の糸」で構成されていて、表は青(デニム)ですが、裏側は白ですよね?
それと同じです。
色の染め方にも色々あって、
①羊の毛がほわほわの状態で染めるのか
②糸になった段階で染めるのか
③布になった状態で染めるのか
④商品になった状態で染めるのか
みたいな感じで分かれていて、①の方が手間がかかって高級になるケースが多いのですが、その分色が複雑に絡み合い奥深い表情になります。
④はファストファッションのTシャツとかです(たぶん)。
1000枚の白のTシャツを、ドボンとブルーの染料に付け込んで、1000枚のブルーのTシャツが完成する、ってイメージですね。
そりゃ安いですよね。
で、今回のような生地の場合、少なくとも①か②のどちらかの時点で色が染められている為、タキシードになったときにシンプルに高級感としてみる人に届けてくれます。
※③の時点で染めてたら、のぺ~っとした単色になりますから。
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ベストはV字型で
ちょっとマニアックすぎるかもしれませんが、『色の深み』というのはこういうところでも差が出てきます。
ボットーネでタキシードの生地をご提案していても、「なんかこれすご良い雰囲気だね!」とか「なんか全然違う気がするよ!」と感覚的な言葉で表現されますが、それを紐解いていくとこういうことだよ、ってことです。
スーツにリメイクした後にもスリーピースとして着用できるように、V字型のスタンダードなベストを選んでいただきました。
タキシード専用のデザインと言えば、この胸元が大きく空いたデザインのU字型ベスト。
どちらかのパターンをご提案していますが、今後のことを考えらたVベストの方が汎用性は高そうですね。
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パンツは細みストレート
パンツの丈はノークッションで軽やかに。
ここはお客様のお好みもありますので、何か一つの正解がある訳ではありません。
色々な見方があり、さすがにお客様のお好みが極端すぎるときは反対の意をお伝えさせていただきますが笑、基本的にはお客様のお好みにできるだけ合わせたいと思っています。
とはいえ、ボットーネのお客様の場合「いい感じで、お任せします!」とおっしゃっていただけることが多いので、その際はハーフクッションくらいに仕上げるケースが多いですね。
横から見てもいい感じですね。
パンツのシルエットに関しては、細すぎず、太過ぎずのイメージです。
パンツも細けりゃいいってもんじゃありませんし、タキシードのようなフォーマル服の場合は特に全体のバランスを見て判断しなければなりません。
タキシードの色やデザイン、お客様の雰囲気や骨格、筋肉の付き方などなど、複数の要素を総合的に見て判断します。
完成品を試着する際はパンツから履いていただきますが、試着室を出た瞬間に「完璧ですねこれ!」と言っていただけることも多く、当たり前ですが既製品やレンタルとは違う感動を味わっていただけますよ。
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最後に・・・
どこも無理をしていない『ごく普通の』サイズ感ですが、これで十分ですし、むしろこれこそ至高のタキシード。
シンプルですが、色味には特徴があり、生地もこだわって選んでいただきました。
シンプルな比翼(フライフロント)というボタンが全部隠れているフォーマルな仕様で、素材の良さを活かすようなイメージで設計しております。
あれこれ味付けを工夫してごまかすのではなく、素材の良さを十分に引き出し、最低限の調味料だけで完成させた和食のようなイメージがボットーネの理想です。
「なんだかんだ濃い味が好き」な人も多いと思いますが、この写真をみれば何より説得力があると思います。
オーダーいただいたH様は、全体的なイメージだけお伝えいただいて、細かな部分は基本的に私たちの感覚に任せていただきました。
『今日がほんと楽しみで!!』
『修正点、無いんじゃないですかね・・・素敵です!』
と満面の笑みでおっしゃっていただけたことが本当に嬉しいです。
挙式まであと2週間程度、どうか天候にも恵まれ、思い出に残る良き一日となりますよう一同心よりお祈り申し上げます。
この度は素敵なオーダーをいただき、誠にありがとうございました。
ライター:nakanomaru一度は大手IT企業へと入社。その後、心の声に従い上京しボットーネに。
人生で情熱を注げることは2つ、1つはサッカー、もう1つはスーツ。
何事もコツコツ、地道に基礎を固め着実に行う動作の安心感の高さはクライアントからの評価も高い。
2023年7月17日
結婚式の新郎衣装を制作したお客様事例 | タキシード
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