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初めてのオーダーはネイビーで決まり!

2024年7月27日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

経営者のN様は普段から身だしなみには気を遣っており、これまでも既製のスーツではなく他社のオーダースーツを着用されておりました。

価値観の変化から新たなステージを求め、幸いにもボットーネをお選びいただき、記念すべき1着目となるスーツをオーダーいただいております。

N様はしっかりとご自身のスーツにおいてテーマを持っていらっしゃり、

1着目はベーシックなネイビースーツ、そして必ず仮縫いを入れ、時間をかけて仕上げていくというコンセプトを持ちでした。

賛同できるお考えでしたので、私は主に素材選びの部分でアドバイスさせていただきました。

N様のご希望としては、

 ・色はネイビー

 ・できるだけ長い期間着用したい(どちらかといえば春夏メイン)

 ・クールビズも視野に入れて(ノーネクタイでも品があるように)

このようになっています。

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これらを前提に色々とヒヤリングを行い、最終的にはベーシックなウール素材に、ほんの少しモヘアという素材をブレンドした生地をご提案させていただきました。

モヘアとは、主に夏向けのシャリ感・清涼感がある素材です。

オールシーズンを基準としつつも、メインで着用する時期を春夏・秋冬と分ける場合、「ウール+○○」という組み合わせの素材がおすすめです。

春夏メインに着用する場合は、清涼感があるような素材が良いと思います。

例えば、今回N様にご提案させていただいたような「ウール+モヘア」、もう少しカジュアルでも大丈夫であれば「ウール+リネン」などの素材は、季節感がありつつも70%程度がウールであるため、極端な季節感のあるスーツではなく程よく中和してくれるスーツとなります。

その他、機能性を重視する場合は「ウール+ストレッチ」などの化学繊維を用いた素材も良いでしょう。

洋服屋としては天然繊維に拘りたいところではありますが、ご職業やご年齢によってはメリットも大きいかと思います。

室内だけでなく外に持ち出し自然光のもとでもしっかりと確認しました。

特にネイビーのような色味は、昼と夜、室内と外などによって見え方の変化も大きく、「夜みたらいい感じの色だったけど、昼間見たら明るすぎた、、、」ということも考えられますので注意が必要です。

これはオーダースーツでよくある失敗なのです。

そして、仮縫いを挟みお仕立てさせていただく運びとなりました。

約1ヶ月後に仮縫いを行いましたが、補正自体はウエストや股下の微調整で済みそうです。

仮縫いは上の写真のような状態で仕上がってきますが、まだ余分な縫い代も残してあり、サイズ調整がある場合でも服にダメージを与えることなく調整できます。

サイズ調整そのものは正式に仕立て上がった後でも対応可能ですが、きちんと縫われ、プレスもされた状態だと、お直し後に少し跡が残ってしまう可能性があるんです。

お客様にとってももちろん多くのメリットがあり、まずは実際の生地で仕上がりのイメージができること。

「ああ、この感じならもう少し細いシルエットもありかな?」とかお客様目線での気付きもあることでしょう。

オーダーならではの工程でもありますので、お時間だけは多くいただいてしまいますが、技術的な面のメリットだけでなく、仮縫いというフェーズそのものをお楽しみいただければと思います。

仮縫いを終えましたら、次は最終のフィッティングとなります。

更に1ヶ月半後、最終フィッティングです。

ご覧ください、非常に綺麗な仕上がりではないでしょうか。

余計な皺もございません。

シルエットは極めてベーシックでありますが、N様はウエストが非常に細くいらっしゃいますので、バストのボリューム、そこからのウエストの絞りが強調されたメリハリのあるラインになっています。

実際のお色味は↑この写真の方が近いですね。

ダークネイビーというよりは、少し青みがかった色味です。

とはいえ、他の写真のように室内で見ると非常に落ち着いて見えるため、ビジネスシーンでも全く問題ないでしょう。

N 様ご自身も仕上がりには大変ご満足いただけました。

「これに慣れちゃうと、他のスーツが着れなくなっちゃうね。」

というお話になり、当日ご来店の際にお召しのスーツのお直しをさせていただくことになりました。

出来る限り今回お仕立てさせていただいたスーツに近い仕上がりになるようにします。

当然、元々が当店のパターンとは違うため、全く同じようにという訳にはいきませんが、出来る限り対応させていただきます。

そして、スーツときたら次はシャツ!ということで、新たにシャツもオーダーいただいております。

シャツ襟の立ち具合、ボタンの位置など随所にこだわったオーダーシャツです。

夏はこのシャツも主役になることが多いでしょうから、ジャケットを脱いだ時でも上品に見えるようなシャツをお仕立てさせて頂きます。

N様、この度は素敵なオーダーを本当にありがとうございました。

シャツの完成までもうしばらくお待ちくださいませ。

【フレスコ】夏の最強スーツ生地|丈夫でヘビロテ間違いなし

2024年6月14日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様

さて本日は、少し前にオーダーいただきました夏用のビジネススーツが仕上がってきましたのでご紹介させていただきます。

今回のスーツのポイントは、

 ◉夏スーツで最強!?のフレスコ生地

 ◉ビジネスでも許される涼し気なカラー

の2点で、これらは夏でもスーツ着ることの多い営業や外資系企業の方、もしくはジャケットまでは着なくとも、きちんとしたスラックスを履きたいという大人の男性にはぴったりの内容になっております。

是非最後までご覧ください。

フレスコ生地ってどんな特徴がある?

フレスコは正確には素材の種類ではなく、織り方の名称として認識されています。

素材は普通のスーツ生地と同じで、ウールが使われているのです。

フレスコという呼び名は、雑誌などでもよく見かけるワードなのでもしかしたらご存知の方もいるかもしれませんが、実はフレスコというのは英国Martin&Son(マーチンソン)が出した生地の商標名なんです。

商品名がいつのまにか通称になっているパターンですね。

スマホ=iPhoneみたいなノリでしょうか。

日本では、昔からポーラと言われていたりもします。

フレスコやポーラとは、2本の強撚糸を撚り合わせて1本の糸にした「2PLY(プライ)」という糸や、2PLYからさらに1本加えた「3PLY」という糸で織られた生地のことを指します。

こんな風に、一本一本を解くと良く分かりますね。

これにより他の生地にはない圧倒的な強度を保つことができます。

薄くペラペラではないので、実際のところ秋口まで着用していてもなんら違和感がありません。

個人的には4月から10月くらいまで着れると思いますので、夏向けとは言え、実質半年間は着れるようなスーツに仕上がります。

フレスコ生地のメリット・デメリットは…?

フレスコ生地の特徴を見たところで、次はより実用面に目を向けたメリットとデメリットを挙げていきましょう。

【フレスコ生地のメリット】

  ◉通気性、耐久性に優れ、シワにも強い

  ◉ハリコシがあり綺麗なシルエットを構築できる

【フレスコ生地のデメリット】

  ▲比較的重みがあり、着心地は軽やかではない

  ▲表面はザラザラした独特なドライタッチ

簡単にまとめると上記のようになります。

フレスコは一本一本の糸が太いので、生地にして織り上げた時に隙間が生まれやすく、網戸のように通気性があるのですが、糸が太い分いかんせん重い・・・

着用時の重さは『仕立ての具合』によってある程度はカバーできるのですが、それでも一般的な夏用の軽量ジャケットに比べるとズシっと重みを感じます。

でも結局夏は何を着ても暑いですから(もともこもない)、通気性重視の方がいいと思うんです。

フレスコは抜群に通気性が良いので、電車の中などでも涼しさをより感じることができます。

フレスコという名称は、フレスコ画や「新鮮」という意味のイタリア語が語源ののように感じられるが、歴史的にはイギリス(ロンドン)のガニア商会が、アフリカのコートジボワールにあるギニア湾に面した”Fresco”という都市名を冠して、夏服地を売り出した時につけられた名称である。

生地の内容は、撚りを強くかけた単糸を2本ないし3本に撚り合わせた糸で、平織にすることによって気孔を多く持った織物となる。トロピカルに比べてより通気性が高いといえる。

日本ではポーラーという呼称の方が一般的であるが、同じものである。ポーラーもロンドンのエリソン商会が同様の生地を販売するときにつけた名称で、こちらはポーラス(多孔性の)という言葉にちなんでいる。以前は3本撚りして平織りにする、いわゆる三つ杢ポーラーが普通だったが、現在は2本撚りの強撚の平織もポーラーあるいはフレスコと呼んでいる。

メンズウエア素材の基礎知識(毛織物編) 大西基之著

夏におすすめのビジネススーツの色

夏スーツにおける重要な要素として、素材(生地)の次に『色』が挙げられます。

今回お客様からオーダーいただいた色味は、今シーズン特におすすめの『ブルーグレー』という色味。

文字通りブルーとグレーの中間色なのですが、 少しくすんだ色味がフレスコのようなサラサラとした生地の表面に良く馴染んでいます。

極端な明るい色ではないのですが、視覚的に非常に涼し気なんです。

普段はきっちりとダークネイビーのスーツを着ていたとしても、夏くらいはこのくらいリラックスした色味でも良いのではないでしょうか?

ブルーグレーに限らず、少しだけ明るめの色味がやはりこれからの季節には合うと思います。

グレーなら、暗めのチャコールグレーよりかは、ミディアムグレー、ライトグレーの方がいいですし、

ネイビー系も少しブルーの要素が入っていたり、今回のようなブルーグレーだったり。

極端な色味はNGですが、あくまでも少しだけ、色に変化を加えてみることをお勧めします。

お客様のご着用姿

お仕事終わりにお立ち寄りいただいたK様。

シャツは以前からご愛用いただいている、ボットーネ一番お勧めのオーダーシャツです。

初めてのフレスコ素材となるK様でしたが、

「私はこのしっかりした感じが結構好きですね」と一安心のひとこと。

いつもサイズ感で、K様に合わせたクラシックなビジネススーツです。

そして今回はモックネックのニットを合わせてご納品させていただきました。

ボットーネの定番となりつつある、何度洗ってもへこたれないタフなニットTシャツ。

K様は優しいお色味がお似合いになられますので、ブラックやホワイトの定番色ではなく、淡いグレーをご提案させていただきました。

まさにフレスコのようなスーツをカジュアルダウンさせる時にも最適ですし、他のジャケットとも合わせやすく、使い勝手も抜群です。

ジャケットの襟が汚れないように、ギリギリでカバーできる高さになっています。

これ以上高くなるとタートルネックのようになってしまいますから、春夏の半袖ニットならこのくらいの高さがベストですね。

網戸のように透けて見えるのがフレスコの通気性の良さを証明しています。

これからの暑い季節に、是非ご愛用くださいね。

最近のお仕立て品|サックスブルーシャツ・ブレザー・グレースラックス

2024年5月14日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様

爽やかなブルーシャツ

これから暑くなる季節になるぴったりの、爽やかなブルーのシャツが仕上がりました。

ブルーをベースに、グレーとホワイトのストライプが入ったデザインと、

こちらはシンプルなサックスブルーです。

キメ細かいツイル生地が、快適な着心地を約束してくれます。

お客様にお話を伺っていると、意外にもブルー系のシャツをお持ちの方は少なく、白無地いがいだと、白系の織柄などをお持ちの方が多いようです。

そういう方には是非ブルーにも挑戦してほしいと思います。

ホワイトとブルーのシャツを使い分けるだけで、同じスーツでも全く違った印象になります。

袖口はダブルカフス

スーツをしっかりお召になるお客様ですので、袖口はダブルカフス仕様にしております。

フォーマル用とのシャツに用いることも多いですが、非常にエレガントで、カフリンクスをおしゃれのアクセントとして楽しむこともできます。

お客様のカフリンクスが素敵だったので以前撮影させていただいたのですが、こんなカフリンクスがチラッと袖から覗いていたら素敵ですよね。

さりげない「大人のおしゃれな着こなし」だと思います。

セミワイドが一番使い勝手が良い

襟型は使い勝手抜群のセミワイド・カラーを採用しました。

襟型には時代感・トレンドが感じられますが、セミワイドはいつの時代もスタンダードな襟型として認識されています。

少し前まではカッタウェイ・カラー(大きく開いた形状)をタイトフィットなスーツに合わせていましたが、その反動からか、ゆとりあるシルエットにシフトしていきましたね。

クラシック回帰と言われていましたが、そういったスタイルにはカッタウェイ・カラーは相性が悪く、逆に開きが狭い形状のレギュラー・カラーが増えてきました。

このように時代と共に襟型のトレンドも移り変わってきたのですが、セミワイドはいつの時代の、どんなスーツと合わせても決して違和感のないデザインです。

私も所持しているシャツのほとんどはセミワイドで、これからも変わらないと思っています。

ボットーネでお仕立てするスーツとも相性が良いので、多くのお客様におすすめしてきた襟型です。

大人のブレザーが完成

これまでに何着ものスーツをお仕立てさせていただいたお客様から、初のブレザーをご注文いただきました。

数年前から「ブレザーが気になっていて…」とご相談いただいておりましたが、なんだかんだスーツを優先することが多くなり、完璧にスーツのラインナップが揃ったこのタイミングで初挑戦となりました。

いつも英国生地をお選びいただきますので、今回も英国の名門:ハリソンズの生地からセレクトしています。

平織で適度な厚みのある、フロンティアのコレクション。

スーツにもおすすめですし、ブレザー・ジャケットにも使えて、スラックス単体でもいけちゃう、丈夫で万能な生地です。

ボタンはゴールドやシルバーのメタルボタンではなく、控えめなものを選びました。

「いかにも」なブレザーよりも、このくらいの方が自然と手に取れると思います。

奇をてらわず、いつものデザイン、いつものシルエットで。

お客様らしい、オーダーならではのブレザーとなりました。

春夏用、秋冬用と分けてお仕立てさせていただきましたので、シーズン毎で分けて色々とコーディネートも楽しんでくださいね。

定番のミディアムグレーのスーツ

同時にグレーのスーツもご納品です。

普段はネイビー系が多いお客様ですが、ラインナップとしてグレーもないとバランスが悪いということで、これまでで一番明るいグレーをお選びいただきました。

20代・30代よりも、40代・50代と年を重ねた方がグレーはしっくりきます。

今このタイミングだからこそ、お客様のワードローブに加わったグレー。

これまでは少し抵抗があったそうですが、そろそろ「グレーの方がいい!」と思ってくるころかもしれません笑。

また感想お聞かせください。

美しいスラックス

過去何度もお仕立てさせていただいたお客様に、初となるスラックス単品でのご納品でした。

適度にゆとりがありながらも、ストンときれいに落ちるスマートなシルエット。

上品なグレージュが美しく、シルエットもとても綺麗です。

もう一本は定番のグレー・スラックス。

ネイビー系のジャケットに合わせると、これ以上ない完璧なコーディネートになりますね。

いつものデザイン、いつものシルエットであっても、用途に合わせて生地選定することで、唯一無二のアイテムが生まれてきます。

昨年お仕立てさせていただいたジャケットも、新品感がなくなり更に良い雰囲気になっておりました。

この日はちょっと暑かったので、ポロシャツコーディネートされてました。

上品で、M様らしい装いです。

少し掠れたようなコットンらしい風合いのジャケットと、クリーンなグレーが好相性ですね。

これからの季節にぴったりだと思いますので、ガシガシご愛用いただけましたら幸いです。

夏スーツにZegna(ゼニア)のBIELMONTE

2024年4月23日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様

爽やかなブルーグレーの夏スーツ

今シーズン特に支持を得ているブルーグレーですが、M様からオーダーいただいたこちらの生地のように、ドライなタッチの夏用スーツが特に相性が良いと感じています。

少しくすんだ色味が、サラサラとした生地の表面に良く馴染んでいて、極端な明るい色ではないのですが、視覚的に非常に涼し気でかつ実際に通気性にも優れています。

通気性が良い夏素材の代表格として【フレスコ】という生地がありますが、こちらの生地はフレスコ程ザクザクとハードな質感は無く、普段着ているスーツよりも少しドライな肌触りに感じる程度です。

フレスコとは、2本の強撚糸を撚り合わせて1本の糸にした「2PLY(プライ)」という糸や、2PLYからさらに1本加えた「3PLY」という糸で織られた生地のことを指します。

簡単にメリットをまとめますと、

・ざっくりとした独特の風合い

・通気性、耐久性に優れ、シワにも強い

・圧倒的なハリコシがある

このようになります。

とにかく、抜群の通気性とハリコシ感が魅力の生地であり、実際に生地に触れてみると良く分かるのですが、ザクザクとした触り心地で、シワに強いということもすぐに理解できます。

フレスコという名称は、フレスコ画や「新鮮」という意味のイタリア語が語源ののように感じられるが、歴史的にはイギリス(ロンドン)のガニア商会が、アフリカのコートジボワールにあるギニア湾に面した”Fresco”という都市名を冠して、夏服地を売り出した時につけられた名称である。

生地の内容は、撚りを強くかけた単糸を2本ないし3本に撚り合わせた糸で、平織にすることによって気孔を多く持った織物となる。トロピカルに比べてより通気性が高いといえる。

日本ではポーラーという呼称の方が一般的であるが、同じものである。ポーラーもロンドンのエリソン商会が同様の生地を販売するときにつけた名称で、こちらはポーラス(多孔性の)という言葉にちなんでいる。以前は3本撚りして平織りにする、いわゆる三つ杢ポーラーが普通だったが、現在は2本撚りの強撚の平織もポーラーあるいはフレスコと呼んでいる。

メンズウエア素材の基礎知識(毛織物編) 大西基之著

そんなフレスコ程ハードになりすぎることもなく、夏スーツ初挑戦の方にもおすすめしやすい生地感。

裏地を省いた軽量な仕立てとも相性が良く、写真を見ていただくと風通しが良さそうなのが伝わるかと思います。

トロフェオ、エレクタ、トラベラーなど、比較的トロみの強いラグジュアリーな生地を得意としているゼニアですが、こういった機能的にも優れた生地も打ち出してくれるのは嬉しいところ。

<Ermenegildo Zegna> ”BIELMONTE”

ウール100%かと思いきや、実はシルクも一部ブレンドされており、無骨になりがちな生地感であってもかすかにエレガントさを残したゼニアらしい仕上がりです。

メランジのような絶妙な塩梅の色味も含め、生地だけで見た時よりも、完成品のスーツは想像を超える良い仕上がりとなりました。

お客様からのリクエストもございましたが、生地の特性を活かす上でも『軽量な仕立て』はベストな選択です。

ただし、副資材を極力省くということは、それだけ縫製の技術が必要になってきます。

形だけのアンコンジャケットではなく、しっかりと身体を包み込むような立体的な仕上げをイメージしてお仕立てさせていただきました。

仕立てのクオリティが低ければ、ペラペラした安っぽい仕上がりになってしまいます。

襟がついていて、前には2つか3つのボタンが付いていて、袖が2つ、更に袖に0~4つのボタンが付いていれば、いとも簡単に「ジャケット」と名乗ることが許される中で、素材が省かれれば省かれるほど、残るのは職人の技術の高さ。

「軽いのに、立体的でいい着心地だね!」と多くのお客様がこの仕立ての虜になっています。

黒蝶貝の貝ボタン、爽やかさを加速させてくれますね。

貝ボタンはホワイト、ブラック、ブラウンなどがございますが、ブラックが個人的には最もスーツに適していると思います。

ブラックとはいっても貝の特性上若干グレーっぽくもなりますので、優しい印象になりますね。

アウトポケットという選択肢も思い浮かびましたが、あくまでもビジネスメインで着用するスーツということもあってフラップポケットを採用。

お立場のあるお客様ですので、過度なカジュアル要素は省きましたが、生地の清涼感(軽やかさ)とデザインの誠実さがとても良いバランスになりましたね。

ブルーのトーン・オン・トーンの配色でコーディネートしてみました。

もちろんホワイトのシャツもいいですし、ブルーグレーという色味は意外といろんな色と合わせやすいのでお手持ちのネクタイやシャツで合わせて問題ありません。

ドライなタッチに最初はもしかしたら違和感があるかもしれませんが、慣れてくると夏には欠かせないスーツになることと思います。

末永くご愛用いただけますと幸いです。

“夏ジャケット”は見た目が重要

2024年4月16日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

夏のジャケットは、素材はもちろんのこと、色味や全体の雰囲気など色々気にしないといけません。

ホワイトやブルー、ベージュなど、爽やかな色を使いこなしてこそ、夏を制することができる。

ただでさえ軽装な世の中、ジャケットを着ていて「あの人、暑そうだな…」と思わせてしまってはいけませんから。

表参道・青山近辺を歩いていると、まだまだジャケットを着ている30代~40代の男性は以外にもたくさん見かけます。

いくら時代の流れ、トレンドがあり、スーツを着ない時代と言われていても、品のある服装にはジャケットが欠かせないアイテムであり続けています。

この季節はリネンなどの素材が望ましいですが、生地の厚さによって多少の差はあれど、やはりシワが気になってしまうところ。

私個人的には大歓迎ですが、ビジネスシーンなどではシワは少ないに越したことはありません。

そこで「リネンに防シワ加工を施す」とはならないでほしい。

それは台無し、潔くリネンはあきらめてください。

じゃあ、どうするか。

正解は複数の素材が混合されたジャケット生地を用いること。

リネン100%ではなく、『リネン40%-コットン30%-シルク30%』といった具合に。

こうした生地であれば、それぞれの素材が欠点を補うことになり、それこそ『リネンのシワ』も程よく軽減されます。

この程よくの塩梅が重要なんですよね。

ちなみに、以前「やっぱり夏はコットンですよね?」とお客様に質問をいただいたのですが、正直言って微妙。

どちらかというと、春や秋の方がいいですコットンは。

まず第一にほとんど通気性がありませんので、実際の着心地として涼しさは感じません。

リネンは通気性に加え速乾性もあり、ヒヤッとする触り心地も含め非常に心地よいのですが、コットンはその特性はほとんどありませんからジャケパンのスラックスとして着用するのがいいと思います。

ジャケットは、暑すぎる、、、。

↓この時はまだ分かっていなかった。笑

というわけで、やっぱり、リネン。

リネン100%も最高ですが、実用性を考えれば3者混、4者混のジャケット生地の方がメンテナンスなどの含めメリットが多い。

色はというと、ベージュや淡いブルー、明るめのブルーを選べば外れはありません。

海、ビーチの色。

あまり極端すぎるとリゾート感が溢れてしまいますから、程よく街中に溶け込むくらいがいいですよね。

こちらのアクアブルーのジャケットは、結婚式用のタキシードをきっかけにご縁をいただいたH様。

リネン混のジャケット素材で、ダブルブレストのジャケットをお仕立てさせていただきました。

カジュアル用途の為、腰にはパッチポケット、ホワイトの貝ボタンをあしらいました。

一緒にオーダーいただいたライト・グレーのスラックスも合わせてご納品です。

とても涼し気なジャケットに仕上がりました。

芯地はできるだけ省き、軽く空気を纏うような着心地を実現。

ダブルはフィッティングが難しい。

シングルのジャケットはボタンを点で留めますが、ダブルは包み込むような着ます。

ごまかしがきかず、既製品ではジャストサイズに出会うこと自体相当難しいはずです。

理想的なフィット感となっています。

スラックスは『ライト』グレーであることがポイント。

グレーもトーンが濃いと合わせやすいのは間違いありませんが、どうしても見た目が暑そうに見えてしまいます。

この生地はウール100%ですが、ナチュラルストレッチが効いていてスラックス単品として重宝します。

ジャケットも色柄をあまり選ばず着れるのも嬉しいところです。

この日は意図せずお召しだった黒のTシャツの上からジャケットを羽織りましたが、これだけでも様になる、決まってしまうのがジャケットのいいところ。

「おしゃれ頑張ってます感」がないのも大人には嬉しいですよね笑。

H様、素敵なご注文をありがとうございました!

是非これからの季節にしかできない装いを楽しまれてください!

スーツの基本色を揃えよう|細部まできちんと『整える』

2024年3月17日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

スーツの基本色はグレーとネイビー

まず最初にスーツを揃えるなら「ネイビー」。

次いで落ち着いたトーンの『グレー』。

服飾業界では『ミディアムグレー』を推す声が強いですが、ミディアムグレーのスーツを着こなすのはかなり難易度が高く、一歩間違えれば非常にだらしない印象になってしまいます。

濃いめのグレーのことを「チャコールグレー」といいますが、断然こちらの方がおすすめ。

実際にボットーネのお客様でも、多くの方から支持を得ています。

遠目からみて僅かに認識できる程度の控えめなウィンドウ・ペーン。

ウィンドウ・ペーンは柄自体が大きいので「仕上がりが派手にならないかな・・・?」と心配される方が多いですが、柄の色がベースの色に馴染んでいる場合は決して派手になることはありません。

↑こういう感じだとちょっと主張が強くなりますので、初心者の方にはおすすめできませんね。

こちらのスーツも同じようにブルーの差し色が入っているのですが、ベースのグレーと程よく馴染んでいますので悪目立ちすることはありませんね。

このくらいのバランスが丁度よく、柄モノスーツに挑戦したいというお客様にもよくおすすめしています。

ネイビースーツは少しの個性をプラスして

もう一着は、誰しもが必ず持っておかなければならない必須アイテムのネイビースーツ。

こちらのお客様は最初の一着目が少し明るめのネイビーでしたので、今回はドンと重厚なトーンのネイビーをお選びいただきました。

目指すべきステージへと自分を高めてくれるような、男の戦闘服ともいうべきスーツ。

光沢は控えめながら、適度に厚みのある生地で立体的にお仕立てしておりますので、全体を包み込むオーラが他とは全く異なります。

鎧・・・というほど堅いものではありませんが、まさに質実剛健な服ですね。

今回は少し遊び心を、ということでチェンジポケットのデザインを採用しました。

チェンジポケット、決して真新しいデザインではなく古くから存在しているデザインです。

一時期は『クラシック回帰』というブームの中で取り入れる方が増えていましたが、それも落ち着いた今、流行りすたりのない基本的なデザインとして認知されるようになりました。

プレーンの落ち着いたスーツに、ちょっとしたアクセントしていいですね。

ベルトレスのサイドアジャスター仕様は、デザイン性だけでなく実用性も抜群で、 一度この仕様になれると「ベルト式には戻れない」という方がたくさんいらっしゃいます。

「ベルトをしないで、マナー違反じゃないの?」という方がおりますが、むしろこっちの方がエレガント。

ベルトはカジュアルアイテムなので「マストアイテム」ではないのです。

シャツもスーツと同じくらい重要

時折「スーツはオーダーだけど、シャツは消耗品だから手頃なやつで…」という方がいらっしゃいます。

おっしゃることはよく分かりますし、実際1年〜2年で買い替えるという方がほとんどかと思います。

でも私は思うのです、あまりにももったいないと。

スーツをオーダーするという選択されるような、感度が高く、服装に気を使っている方であれば、絶対にシャツもきちんとした物にすべきだと思っています。

特にネックサイズは重要で、適正なサイズ感よりも1.0~1.5cmも大きい人がほとんどです。

そのようなネックサイズは確かに着心地は楽かもしれませんが、ジャストサイズのスーツとバランスがとれるはずがありません。

ネクタイをしたときにも変なヨレや隙間が出てしまってどうも締まりのない印象になってしまいます。

今回お客様にご納品させていただいたシャツには実は一工夫加えてあります。

それは、ネクタイを外した時に襟がクシャっとヨレてしまわないように補強していることです。

もちろん写真は新品状態なのでピンと綺麗なフォルムを保っていますが、何も施されていないと、何回か洗いを掛けると確実に変なところで折れてしまってだらしない印象になってしまいます。

もちろんネクタイを締めても大丈夫。

ノータイ専用の襟型ではありませんので、一年を通して着用することができます。

靴も当然重要

みなさんは靴もちゃんといいものを履いていますか?

良い靴=高価な靴、ということではありません。

もちろん高価な靴は相応の良さがありますが、最も重要なことは『しっかり手入れがされている』ということ。

  • 脱ぎ履きするときは靴紐をきちんと解く
  • 毎日続けて履いたりしない
  • 履いてない時はシューキーパーをしっかり入れる
  • 時折オイルを足して磨いてあげる
  • 踵がすり減ってきたら修理に出す

並べるととても大変そうに見えますが、ひとつひとつは意識すればいいだけですので難しいことではありません。

でもほとんどの人はやっていない。

だからこそ、きちんとしている人はすぐに分かります。

おしゃれは足元から、良い靴はいいところへ連れて行ってくれるなど、靴については色々と語られてきましたが、それだけ大事だよってことですね。

新生活にスーツを新調いかがですか?

ということで本日はお客様のオーダー事例をご紹介させていただきました。

4月は環境が変わったり、立場が変わったりする方も多いのではないでしょうか?

「どこに行っても恥ずかしくない」そんな服が一着あるだけで、内側から自信がみなぎってくることでしょう。

外見だけでなく、内面を変える力が服にはあります。

新生活に向けて、渾身のスーツを仕立ててみませんか?

▼3月はキャンペーンも開催中です!

▼こんな生地がたくさん入荷しています。

オーダースーツの柄を深堀|ストライプの種類は?

2024年1月20日 オーダースーツ | オーダースーツの柄

ストライプの種類

無地のスーツが一通り揃ったら次は是非柄物スーツにも挑戦してほしい。

柄物の中で定番と言えば、ストライプが思い浮かぶと思います。

その種類は多岐にわたり、線の太さ、線と線の感覚、実線の種類によってそれぞれ呼び名も異なり、スーツとして仕上がった時の印象も随分と違ってきます。

ビジネスシーンにおいて、もっとも需要があるのは、ストライプの中では主張が控え目な、「ピン・ストライプ」「シャドウ・ストライプ」の2つだと思っています。

ストライプが派手過ぎると印象が強すぎてしまうので着用シーンを選ぶ一方、ピンストライプとシャドウスットライプの二つは多くの場面で違和感なく着用できると思います。

それぞれ、このような特徴をもっています。

 
ピン・ストライプ(Pin Stripe)
 
 いわゆる点で構成されたストライプ(縦縞)の呼び名である。とはいえ、ニューヨーク・ヤンキースのユニフォームをピン・ストライプと称するところをみると、必ずしも点でできているものに限らず使用されているのが現実である。
 従って、狭く定義すれば”点々縞”ということであるが、現在の一般的解釈はミニ・ストライプからペンシル・ストライプ、そしてピン・ストライプからボールドストライプへと向かう大きさ、太さのイメージに対しての呼称となっている。少し古い資料には、ピン・ポインテッド・ストライプ、さらに大きい点々縞をドッテッド・ストライプというように分けている表現も存在する。
メンズ・ウェア素材の基礎知識[毛織物編](大西基之先生 著)より抜粋
 
 
 
シャドー・ストライプ(Shadow Stripe)
 
 織り組織または糸使いの変化により、同一色でストライプを表現したものを言う。織り組織によるものとしては、綾と朱子及び綾同士の差の組み合わせが一般的であり、糸使いの代表は、夏物の生地で多く使われる順・逆が挙げられる。一方、現実的にはオンブレー・ストライプと呼ばれる、カラーによるグラデーション表現までをシャドー・ストライプと呼称していることも少なくない。

 
メンズ・ウェア素材の基礎知識[毛織物編](大西基之先生 著)より抜粋
 
 
もしくは、ピン・ストライプよりも少しだけはっきりとした実践が特徴の「ペンシル・ストライプ」も実用的な柄です。
 
ストライプの主張がやや強くなり職場によっては厳しい方もいるかと思いますが、個人的には好みのストライプ柄です。
きりっとした表情はビジネス向きだとも思います。
 
ペンシル・ストライプ(Pencil Stripe)
 
 ペンシル・ストライプには鉛筆で引いた線のような太さという説と、鉛筆1本くらいの幅という説がある。とはいえ、線の太さが同様であっても幅が狭いものはミニ・ストライプあるいはマイクロ・ストライプなどと呼ぶのが一般的である。従って、ペンシル・ストライプとは、鉛筆1本程度の幅の、鉛筆で引いたような線であると言うことができる。

メンズ・ウェア素材の基礎知識[毛織物編](大西基之先生 著)より抜粋
 

ストライプスーツのお仕立て

このようなストライプの種類の中から、M様にオーダーいただきましたのが「ペンシル・ストライプ」のスーツです。
 
ご結婚式という人生の節目を記念して、初めてオーダーいただくこととなりました。

今回のスーツの一番の特徴は、ダブル・ブレステッドのショールカラーベストです。

太めのショールカラーがインパクト抜群で、シングルベストと違いフロントが水平にカットされている為に下半身がよりすっきりとして見えるという視覚的なメリットもあります。

つまり、脚長効果があるということです!

ジャケットを脱いだ時も抜群にかっこよく、クラシックでありながらもこだわりを感じるベストですよね。

ダブルブレストのベストは、ネクタイが立体的になるところも大きな利点だと思います。

コスパ抜群の2パンツオーダー

2パンツでオーダーいただいております。

スーツにおいて一番ダメージを受けるのはパンツです。

着用しているうちに、あたりが出でテカテカになってしまったり、ポケットが擦り切れてしまうという方も意外と多かったりします。

最悪の場合、しゃがんだときにお尻がビリッ、、、なんてことも。

パンツがダメになってしまうと、せっかくジャケットがダメージのない状態でも使えなくなってしまいますよね。

オーダーの場合、同じ生地が残っていればパンツだけ作り直すということも出来ますが、生地がなくなっていることも多く、なくなくジャケットも手放してしまうというケースが本当に多いんです。

一番の対策は、2パンツにしてローテーションさせるということ。

1つを着用し続けて、ダメになったらスペアパンツを、、、ということではありません、あくまでローテーションです。

(片方を使い倒してしまうと、もう片方が新品同様になり、ジャケットの使用感に比べて違和感が出てしまいます。)

そうすれば、すべてのアイテムを長持ちさせることができ、結果的にコストパフォーマンスもよくなります。

シルエットや細かな仕様を変えて楽しむことも出来ます。

ベーシックな太さ、スリム、股下の長さや裾の仕上げ、少し変わるだけでも気分は高揚するものです。

汗を多くかいてしまう春夏専用のパンツと、秋冬用のパンツという風に分けても良いと思います。

最後に全体のバランスを見てみましょう。

本当にカッコイイですね。

M様のお身体に合わせてお仕立てしておりますので、一番の輝きを放つのはもちろんM様がご着用された時です。

このフィッティングの瞬間は私達もドキドキします。

それだけに、ピタッとフィットした時の喜びは、何度味わっても大きいものです。

M様、この度は素敵なスーツのオーダーを本当にありがとうございました。

魅力を引き出すグレースーツ(トム・フォード風)

2023年10月20日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

健康的で、魅力を引き出してくれる服?

ある服飾業界の重鎮の方が『スーツは健康に良い服である』とおっしゃっていました。

ジャージやTシャツに比べると明らかに窮屈ですし、背筋を伸ばさないときれいにも見えない、勢いよくしゃがんだりするとお尻が破れることもある。

実に不便な服ですが、それが『だらしない』とは対極にあり、結果として健康に良いというお話でした。

極端かもしれませんが、一理あると私も思っています。

そしてスーツとはその人の素直な姿、ありのままが現れる服なのです。

同じようなスーツを着ていても、同じ印象にはならない。

人は皆それぞれ個性があり、唯一無二の魅力を秘めていますから、それを最大限に引き出してくれるようなスーツが求められていると思うのです。

40代・50代の方に着てほしいグレースーツ

無彩色であるグレーは、味付けのされていない食材のようなもので、素材の良さをどう活かすかは作り手次第。

作り手は私達でもあり、お客様もその一部を担っていただきます。

こだわりはあるけれども決してこれ見よがしなものではなく、スーツは素材の良さやシルエットの美しさなどを追求し、着ている人自身の魅力が内側から出てくるような、そんな服を一緒に作り上げていきたいのです。

グレーのスーツはまさにその象徴だと思います。

ネイビーのように定番色ですが、見え方って全然違うんですよね。

生地について

今回ご紹介させていただくスーツ、生地はLoroPiana(ロロ・ピアーナ)の『365』というデイリーユース向けにリリースされている新しい生地の中から、ミディアムグレーを選択されました。

M様には春夏向けのライトグレーのスーツを以前ご納品させていただいており、今度は秋・冬・春と3シーズン着用するスーツということで、見た目からも季節感漂うライトグレーから一段階濃いイメージで。

様々な生地をご覧いただきましたが、ロロ・ピアーナの生地には唯一無二の光沢があり、M様の今回のイメージにぴったりということでした。

ネイビーに比べると、どこか着こなしの難しいイメージのあるグレーですから、生地自体の存在感が少しくらいあった方がいいかもしれませんね。

グレーとブラックの2色の糸が交互に織られており、階段のようなギザギザの模様が浮かび上がります。

その見た目から『シャーク・スキン』と呼ばれている柄(というか織り?)なのですが、これによりグレーののっぺりした雰囲気をなくり、キリっと凛々しい表情をつくってくれます。

40代・50代の方にかっこよく着こなしてほしい、そんな生地ですね。

デザインについて

昨年初めてオーダーをいただき、そこから数着お仕立てさせていただいており、大まかなデザインやパターンというのは徐々に確率して着ています。

その中で、少しずつアップデートを重ねながらも、ひとつテーマを持たせて一着のスーツをつくっています。

今回のテーマは『ラペルのベリード』でした。

ベリードとは、紳士服の世界では『弓なりにカーブした襟』のことを挿すのですが、代表的なブランドで言えばトム・フォードが挙げられますね。

※ボットーネでは、過去何度もトム・フォードからデザインや雰囲気を取り入れたスーツやコートをお仕立てしてきました(まさに、今現在もトム・フォード風のスーツを製作中)。

ジャケットの顔と言える襟の雰囲気は、スーツそのものの印象を決定付けるといっても過言ではなく、ある程度の限度はあるものの、できる限りお客様のイメージ合うように調整しているポイントでもあります。

今回はどんな設計をしたかというと、『ラペルの終点から〇mmのところを〇mm広く』のようなイメージ。

かなりいい感じに仕上がりました。

M様にもご満足いただけまして何よりです。

先の尖っているピークドラペルは一般的にはビジネス向けとはされていませんが、ここ数年で市民権を得つつあると思っています。

派手なステッチとか極端なシルエットなどなければ、ピークドラペルだからと言って何か違和感があるかというと、実際そんなことは無いんです。

ケース・バイ・ケースではあると思いますが、ある程度年齢を重ね、レギュラーとして着用しているスーツも何着かお持ちであれば、ピークドラペルもありだと思います。

単純に、めちゃくちゃかっこいいですしね。

仕上がりの全体像

それでは、ご納品の際にお写真を撮らせていただきましたのでご覧ください。

全体的に細めのフィッティングながらも、出せ所はしっかり出して(ゆとりをとって)いますので窮屈感はございません。

この辺りはお店の価値観やフィッターの好み・センスにより様々なフィッティングがあると思いますが、私共はベーシック・スタンダードといった言葉がしっくりくるような仕上がりを目指しています。

その方が、その人のお人柄を表すような、本来スーツとしてあるべき姿に近づくと思っているからです。

スーツの主張・個性が強すぎると『あのブランドのスーツを着ている人』と見られてしまいます。

若い頃はそういう風に見られてもOKだと思いますが(むしろ見られたい?)、30代以降はちょっと痛いですよね…。

ですのでトムフォードのようなデザインと取り入れるとしても、あくまでスタンダードの範疇を外れないような塩梅で調整させていただきます。

そうすることで、紛れもないボットーネのスーツでありながら、お客様の個性が反映された特別な一着となるのです。

何を着るかは自分で選択する時代

2023年9月16日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

あなたが憧れる理想の上司は、普段どんなスタイル・着こなしでしょうか?

今やビジネスカジュアルが、いわゆる”お堅い”企業にまで浸透し、当たり前のようにスーツを着ていた時代から、ビジネスでの服装は「自分で選ぶ」という新たな価値観に変化しました。

機能性を重視し、楽な服装で仕事をしても誰にも文句は言われない、そんな時代です。

でもそんな時代だからこそ、改めていま『ちゃんとしたスーツ・スタイル』が注目され、ただ適当な服で仕事をしている人との違いが明確となり、クライアントや同僚からの信頼度が増すこともあると思います。

ボットーネにいらっしゃるお客様の多くが、「もう会社ではスーツ必須ではなくなりました」とおっしゃいます。

ではなぜまだスーツをつくりにきてくださるのか?

「僕はほら、お客様のところに行ったりする時はスーツ着るべきだと思っているから。若い人はそんな気にしていないけど、僕はね。」

と、自分の軸で判断し『あえてスーツを着る』という選択をされています。

その他にも、

「zoomとの時と、実際に会った時でギャップがありすぎると良く言われます」
「会社ではちょっと浮いているかもしれませんね笑」
「でも結局上の立場の人はスーツ着ている人が多いですよ」
「たまに着ると、気が引き締まるんだよね」

色々なお客様からこういったお話をお聞きします。

ほとんどの人は『ちゃんとしていない』

スーツはそもそもがちゃんとして見える魔法の服です。

ネイビーのスリーピースをビシッと着ていて「この人はだらしないなあ」と思うことはまずありませんよね?(逆に怪しいというのはあるかもしれませんが笑)

なのに、今はほとんどの人は「楽」であることを重視します。

だから逆に、ちゃんとスーツを着こなしている人が輝いて見えるのです。

スーツを着た時にどんな人に合うのか。

そして自分はその時にどんな印象を与えたいのか。

そういったことを少しでも考えるだけ、きっとあなたの服装は見違えるほど良くなると思います。

こだわりのネイビースーツ

イタリア・ゼニアの定番生地である『トラベラー』の生地でお仕立てさせていただいたネイビースーツ。

オーダーいただいたT様は30代前半の方ですが、お付き合いはもう5年以上にもなります。

過去何着も大切なスーツをお任せいただいており、ご結婚された際には光栄にも新郎タキシードの製作も承りました。

その都度明確なテーマを持ち、ご自身でしっかりイメージを固めてからご来店されるT様ですが、いつも生地選びやデザインの話し合いは2時間では足らず、2回、3回と何度もすり合わせてスーツをオーダーいただきます。

今回はネイビーの深み、光沢感には特に拘り、ボタンやラペルの位置を少し高めに設計しております。

先日ご納品させていただきましたのでご紹介させてください。

ビジネスマンにとって心強い生地

生地はゼニアのTRABELLER(トラベラー)。

いわゆるダークネイビー、黒に近いような濃いネイビーを探して見つけた生地でした。

写真では光が当たっていますので少し明るく見えていますが、肉眼ではもう一段階暗く見えます。

そのコレクション名の通りビジネスパーソンにとっての旅行、つまり出張旅行で着用することを想定して開発され、分厚すぎず、使いやすい厚み、ゼニアらしく美しい光沢感に加え、耐久性とシワへの強さを兼ね備えた名品です。

ジャケットの隠れたこだわり

ボタン位置が少し高めに設計されていることがお分かりいただけますでしょうか?

通常であれば、およそ着丈の半分くらいの位置にくることが多いですが、このジャケットの場合はそれよりも数センチ上に。

これはもともとT様がイメージしていたお写真があり、それをT様のお身体のバランスに合わせてお仕立てさせていただいたのですが、、、T様も気に入ってくださり何よりでした。

ボットーネとしてもちょっとチャレンジしたデザインでしたが、実際に着用された姿をみると、T様の雰囲気にすごく合っているなと素直に感じます。

シンプルなネイビー無地だからこそ、こういった細部にまで目を向けることで満足感も高まりますね。

パンツの細部まで気を遣う

スラックスは数年間に比べるとかなり太くなりました。

幅で1.5cm違いますから、そうとうな変化です。

なぜ太くしたのか?というと、クッションの具合が関係しています。

写真では補正が綺麗に効いていてわかりにくいのですが、O脚のT様は普通のスラックスだと裾がもたついてしまいキレイなシルエットにならないことが悩みでした。

私もO脚(しかもかなりの)ですからお気持ちはよく分かります。

特に裾幅が細い、いわゆるテーパードシルエットだときれいにならないんですよね、、、。

ですのでテーパードからストレートシルエットに設計しなおすことで、足をまっすぐに見せるようにしました。

写真ではベルトをしていませんので少しだけ落ちていますが、ギリギリ靴に触れるか、、、という絶妙なバランスで仕上げています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

シンプルなネイビースーツですが、精鍛な顔つきでビジネスシーンでは多くのメリットをもたらすことでしょう。

ビジネスマンにとってネイビースーツは欠かすことのできない定番アイテムで、誰しもが1着は持っているかと思います。

働き方や服装の規定も変化し続ける時代だからこそ、「楽」であることよりも、このネイビースーツをちゃんと着こなすことには大きな意味があります。

これから秋になり、スーツを着る機会も増えてきますので今一度ご自身の服装と向き合うきっかけになりましたら幸いです。

【大人の嗜み】涼しいライトグレーのスーツ

2023年7月25日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

若い時にはしっくりこなかった色味も、年を重ねていくといつの間にかしっくりくるようになる。

スーツで言えばグレー系の色味はそれに該当するのではないかと思います。

ブラック、ネイビーが大半を占める中で20代30代のお客様がグレー系を選択されるケースはあまり多くないのではないでしょうか?

なかでも、ミディアムグレー・ライトグレーの明るいグレーのトーンは、頭の中でイメージする着用した姿と、実際に鏡の前で見た自身の姿とでかなりのギャップがあるように思います。

ましてやボットーネのようなオーダースーツの場合、基本的には生地見本だけで想像を膨らませなければならず、どう転ぶか分からないグレーよりも、着なれていて安定しているネイビーの方がより安心してオーダーいただけるはずです。

既製品のスーツであれば、試着してみてしっくりくればそのまま購入するという流れがありますが、ライトグレーの場合は基本的に膨張色であり、一歩間違えると野暮ったく見えてしまいますので、ネイビーに比べてもよりサイズ感にはシビアなにならざるを得ません。

オーダー、既製服、それぞれメリット・デメリットがある中で、何を選択するかも重要ですね。

さて、話が少しそれてしまいましたが、グレー系のスーツは40代50代の方がしっくりくるように思います。

もちろん一概ではありませんし、年代を問わず好みの問題でもありますからね。

グレーというのはどこか『渋み』を感じる色ですし、ネイビー畑で生きてきた人にとっては結構チャレンジな色なのだと思います。

今回オーダーいただいたライトグレーのスーツは、通算で2着目のご注文となりましたM様より。

一着目はネイビーのスーツ、今回のライトグレーはより夏向けの軽い生地でお仕立てさせていただきました。

一着目の改善点を踏まえまして、パンツのシルエット、履き心地を中心にさらに一段階アップデートをさせた渾身の出来栄えです。

細かく見ていきましょう。

これまで様々なブランドのスーツを着用されてきたM様。

スマートなお身体をキープされていて、おそらくセレクトショップ等で売られているイタリアブランドのスーツなども特段違和感なくお召しいただけると思います。

それでもオーダーという選択をし、数あるお店の中でもこのボットーネにお越しいただき、更には2着目のオーダーもいただき・・・こんなに光栄なことはありません。

「特にジャケットの着心地がいいね、この肩とか!」

と、こだわっている部分でもある肩周りのフィット感にもご満足いただいております。

「スーツは肩で着る」とはよく言いますが、実際に双肩に重さはのしかかる訳ですので、ここに違和感があると着心地の良くないスーツとなってしまいます。

写真では変わらない部分になりますが、股上部分は一着目のスーツから改善をしています。

ボットーネのスラックスは股上をやや深めに設計し、よりホールド感のあるフィットを目指していますが、M様はこれまで着てきたスーツなどの感覚を踏まえ少しだけ浅めにしました。

それにより影響の出る部分や全体のバランスを微調整し、より満足度の高いものとなりました。

それにしても本当にスタイルが良く、スーツ姿が美しいですね・・・。

グレーのスーツは黒の革靴でも茶の革靴でも両方合わせられるのもいいところですよね。

ネイビーも同じですが、やはり基本色となるグレーは汎用性が高いのも魅力、シャツもホワイトはもちろんのこと、サックスブルーも映えますし、薄いピンクやラベンダーもいやらしくなく合わせられます。

「いいね、やっぱり白はきれいだね、合うね。」

柔らかい衿の雰囲気が魅力的な麻(リネン)素材のシャツをお召しでしたので、そのままジャケットを羽織っていただきました。

この時期はリネンシャツはもう欠かせませんね。

リネンシャツは見た目が涼しいだけでなく、実際に体感温度も違います。

リネンシャツの魅力 夏の紳士の必需品 | BOTTONE

速乾性も高く、じめじめした日は半袖のTシャツよりも長袖のリネンシャツの方が逆に快適だったりするものです。

洗いざらしでホワホワとしていて、リネンの柔らかい風合いが感じられます。

これをごく自然に着こなせるのはさすがとしか・・・涼し気で、美しいコーディネーション。

この夏は是非この組み合わせで、ライトグレーのスーツを楽しんでくださいね!

ご納品は夏物がのスーツ屋ジャケットが続いておりますが、これからは秋冬物の生地たちが続々入荷してきます。

先日ご紹介させていただいたイタリア:CANONICO(カノニコ)の生地を皮切りに、生地の王様Loro Piana(ロロ・ピアーナ)のカシミアコート生地が入ってきています。

とろけるような極上のカシミアですが、数量限定となりますがかなり抑えたプライスでご提供できると思います。

カシミアのコートは一生モノといっても過言ではありません。

としておそらく8月中でなくなってしまうと思われます。

次のブログでご紹介したいと思いますので、お楽しみに。

カシミアとダブルスーツとグリーンと

2022年12月17日 クライアント | スーツを仕立てたお客様

さて本日は、最近ご納品させていただいたお客様の
素敵なスーツやコートをご紹介させていただきます。

お客様の体型はもちろんそれぞれ違いがあり、
痩せ型の人、筋肉質な人、小柄な人、大柄な人・・・
それぞれの個性を踏まえて、最適なお仕立てをすること。

これがとても重要なことです。

モデル体型の人は、どんな服でもフィットしますからね。
(手足の長さを除いて…)

ですから、ボットーネではお仕立てさせていただいた
お客様をできる限り撮影させていただくようにしています。

リアルな仕上がり具合がブログをみて下さっている方にも伝わり、
同じような体型の方、悩みがある方にとっては、
それがひとつの悩み解決の答えにもなると思うんです。

どんなイメージを持ってお仕立てさえていただいたのか、
生地やデザインだけじゃないコンセプトも含めて
どんどん発信していきたいと思います。

エレガントなカシミアコート

初めにご紹介させていただくのは、
淡いベージュ、エクリュとも言いましょうか、
ラグジュアリーなカシミア生地を使ってお仕立てさせていただいた
Y様のシングル・ポロコートです。

イタリアの有名生地ブランド”ゼニア”より選んでいただいたのですが、
カシミアらしい毛並みの美しさ、ぬめりのある光沢感、
そして驚くほど軽い着心地を体感できる、極上の生地です。

各社たくさんのカシミア・コート生地が打ち出されていますが、
この絶妙な色味はゼニアにしかありませんでした。

ホワイトに近いクリーム色をベースに、
ベージュがちりばめられたような表情がありますね。

普段はダッフルコートなどなカジュアルなコートが多いというY様。

今後数着コートを追加していく予定の中、
ビジネスでは出社回数がめっぽう減ってしまったそうで、
プライベートで着用するものから仕立てよう!となりました。

背面のデザインや、ポケットなどに特徴のあるポロ・コートですが、
あえてのシングル仕様にすることで、もっと気楽に着れるように。

カシミア素材ですので適度にゆとりを持たせた設計になっています。

歩くたびに揺らめいて・・・
このドレープ感がいいんですよね。

タイトフィッティングではこの優雅さは出せませんので、
何でもかんでも細ければいいというものではないのです。

普段ジャケットはタイトめにお仕立てさえていただいてますが、
今回は素材や着用シーンを踏まえ、
フィット感はお任せでオーダーいただいております。

丁度よい、ゆとり具合です!

これから寒くなってきますが、
軽くてもしっかり暖かいのがカシミアですので、
休日服として長くご愛用いただけますと幸いです。

ダブルのネイビースーツ

続いては、2着目のダブル・スーツとなるO様のご注文です。

生地はイタリアの生地ブランドであるSTYLBIELLA(スタイルビエッラ)から、
少し幅が広めのヘリンボーン柄を選んでいただきました。

前回のオーダーが濃紺無地のスーツでしたので、
今回は少し攻めた形になりますね。

いつものバランスで、いつものサイズ感で、
そしていつものデザインで。

通算5着以上オーダーいただいてきましたので、
打ち合わせの際は生地と裏地などを決めるだけですから、
比較的短時間で終わります。

と、言いたいとことですが、裏地でめちゃくちゃ悩みました笑

スーツ生地を決めるよりも、裏地の方がだいぶ時間がかかっています。

ネクタイにも使われていそうな、グリーンの小紋柄の裏地。

ちょっと派手かもしませんが、ほぼ見えることはありません。

イギリスから取り寄せたもので、実物はもっと上品な雰囲気。

私も個人的にヒットした裏地でした。

体型変化に合わせて数回アップデートをしており、
今回もベストなバランスです。

(厚手のニットの上なので写真はタイト気味ですが)

ここ1年は、過去にないくらいダブルのスーツを
お仕立てさせていただいたのですが、
思えばO様が一番最初だったと思います。

デザインなどは控えめで、
サイズ感が正しく、身体にフィットしていれば、
ダブルでも変な威圧感はありませんよね。

これかもスーツスタイルを楽しんでくださいね!
いつも本当にありがとうございます。

初オーダーはグリーンスーツ

初めてオーダーいただいたY様。

初めてながら、グリーンが大好きだということで、
ダークグリーンを3ピースでオーダーいただきました。

最初から攻めのオーダー、好きです!笑

柔らかい雰囲気がお好きだということで、
肩回りはパットを抜いて、丸みを帯びたラインに。

全体的なシルエットは、適度にゆとりを持たせて。

マニカ・カミーチャの袖付けもいい感じです。

肩回りはスーツにとって一番印象の変化がありますから、
皆さんのこだわりを伺いながら、
あるべき姿に持っていきます。

タイトなシルエットはお好みでないそうで、
ジャケット、スラックスともにその辺りを考慮して
設計を行いました。

「サイズが大きい」ということと、
「適切なゆとりがある」というのは訳が違います。

サイズが大きい=全くあっていない。
肩も落ちていて、袖も長くて、着丈も長いなど、
重要なポイントも含めてズレていると、
ただ単に大きいスーツを着ているだけの人になってしまいます。

一方で、適度にゆとりがあるというのは
大事な部分は適切なサイズ感になっています。

もちろん袖丈はあっていますし、
肩が多少大き目だとしても、適切な範囲内で、
着丈も大きくずれることはありません。

当たり前ですが、要所があっていると
穴化周りやアームホールに多少ゆとりがあっても
外から見ればまったくそういう風には見えません。

ゆとりがあるサイズ感に見えますでしょうか?

きっとほとんどの方が普通くらい、
むしろ細めに見えるのではないかと思います。

文章にしてみると当たり前すぎるくらい
当たり前なのですが、、、。

生地はイタリア製のもので、
オイリーな光沢がありますね。

光沢のある生地は袖のシワが美しい。

素敵なオーダーをありがとうございました。

スーツの季節

2022年11月27日 スーツを仕立てたお客様 | オーダースーツのお客様

ネイビーのスーツ

 
まずは、遠く葉山よりお越しいただいたK様。
 
普段スーツを着ることはあまりないそうですが、
特別な時に着るようにと、
まとめて2着オーダーいただきました。
 
過去のブログを色々ご覧いただいていたので、
お打ち合わせの時点でK様のイメージは
割と固まっておりましたので、
非常にスムーズにフィッティングまで
移行することができました。
 
弊社代表の松が良く着ているスーツがあり、
ベルギー:スキャバル社の
厚みのある生地を使って仕立てたスーツ。
 
※松のスーツ
 
こちらは細かなへリンボーン柄が特徴的で、
遠目には無地に見えますが、
近い距離でみてみると生地の表情が出てきます。
 
色味も一見落ち着いたネイビーなのですが、
ブルーの要素も多く含んでおり、
光が当たるところではとてもきれいな色に。
 
目付が360gあり、薄手のスーツになれている方に
とってはだいぶヘビーな生地なのですが、
打ち込みがしっかりしていて非常に丈夫ですし、
秋冬に着ると暖かさもあります。
 
 
この手の生地は最近注目が高まっているようです。
 
たしかに、数年前までは重くても300gくらいまで
の生地が多かったのですが、
今は360gの生地もどんどん増えています。
 
ボットーネのお客様においてはもっと前から
おすすめの生地としてご提案しておりましたが、
今でも時折お客様から
「あの丈夫な冬用スーツ、最高なんですよ!」
とおっしゃっていただけます。
 
うんちくは色々ありますが、
着てみれば分かるんです。
 
 
ということで、松のスーツと同じ生地で
ダブルのベストも含め、
同じ仕様でオーダーいただきました。
 
ダブルのショールカラーベストは、
ボットーネでも隠れた人気アイテムです。
 
裾がフラットなので、適切な丈で着ることで
抜群の脚長効果があります。
 
ジャケットを脱いだ時も華がありますよね。
 
 
実はシャツもオーダーいただいております。
 
こちらは、もう何着お仕立てさせていただいたか
分からないほどの人気生地のシャツです。
 
シワに強くて、光沢感もあって、
アイロンも軽くで大丈夫。
(もはやアイロンはしなくてもいい)
 
それでいてコットン100%で質感も良いのですから、
ビジネス用としてはこれ以上ないほどです。
 
ネクタイは国産(山梨)のものを。
 
K様にとっては少し冒険した色味だと思いますが、
ピンときたものを選んでいただきました。
 
 
たまたまですが、裏地とも近い色。
 
些細なところにも統一感を持たせると
コーディネートの深みが増しますよね。
 
 
 
 
 

ブラウンベージュのスーツ

 
K様の2着目はベージュとブラウンの中間色。
 
1着目と同様、
松が着ているスーツがイメージです。
 
オーダースーツ コンシェルジュ 表参道ボットーネの松はじめ
 
これも同じ生地が現役だとよかったのですが、
仕立てたのはもう8年くらい前だったこともあり、
メーカー在庫も全く残っていませんでした。
 
そこで、近い雰囲気の生地を探してみたところ、
イタリアの定番生地であるCANONICOの中に
見つけることができました!
 
 
結構近い雰囲気ですよね。
 
たまたまですが、
これも360gの比較的しっかりした生地で、
アイロン操作によりきれいに立体的に、
仕立てることができます。
(いわゆる、仕立て映えする生地です)
 
この淡い色味の生地が
K様の雰囲気にも良くお似合いでした。
 
 
こちらのシャツも1着目の色違いです。
 
このシャツ生地でホワイト、
サックスブルーを揃えておけば、
どんなスーツにも合わせることができます。
 
本当に万能で、
まとめ買いされるお客様がほとんどです。
 
ホワイトのシャツに、
ネクタイは濃いめのブラウンで合わせました。
 
ここは是非とも茶靴で合わせたいところですね。
 
 
 
チーフは1着目、2着目ともに同じものですが、
ブラウンとブルーが両方入っているので、
チーフの入れ方によって使い分けが可能です。
 
是非色々な入れ方を試してみてくださいね。
 
小柄なK様ですが、日常的に運動をされており、
肩回りなどはがっちりされておりました。
 
肩幅などはしっかりとって、
ウエストはグッと絞りを強調させる。
 
 
 
スラックスの股上と、ベストの丈のバランスを
しっかり合わせることで腰の位置を高く見せてくれます。
 
初めてのオーダーでありながら、
2着もお任せいただきまして本当にありがとうございました。
 
丈夫な生地ですので、
末永くご愛用いただけますと幸いです。
 
 
 
 
 
 

ブラウンのスーツ

 
続いては、お若いI様からのご注文です。
 
ブラウンのグレンチェックの生地は、
オーダーする前は勇気がいる柄かもしれませんが、
実際に着てみると驚くほどしっくりきます。
 
細身のお身体に合わせて、全体的にすっきりと。
 
少し明るいブラウンのナットボタンが
アクセントになっていていい雰囲気です。
 
 
余計な味付けはせず、
シンプルに素材の良さを活かしながら、
サイズ感にはとことん拘る。
 
これが何年も着用できるスーツの
大事な要素だと思っています。
 
これからたくさん着ていただいて
育てていただけると嬉しいです。
(ウエストを少しだけ広げて、最終ご納品の予定)
 
 
ハリソンズ社のリージェンシーという生地は、
本当に使い勝手が良く、
ビジネススーツとしてはボットーネで最も多く
ご提案させていただいている生地だと思います。
 
 
 
たまたま着ていらしたシャツ&ネクタイですが、
こうした紺色とも相性がいいので、
様々な着こなしを楽しんでほしいと思います。
 
I様、数あるお店の中からボットーネを選んでいただき
本当にありがとございます。
 
「じっくり相談できる、かかりつけのような店がいい」
 
初回ご来店時にそうおっしゃっていたことを
鮮明に覚えております。
 
ボットーネが大切にしたコンセプトのひとつに
お客様が共感していただき、
実際にこうして足を運んでいただけることに
本当に、心より感謝申し上げます。
 
今後ともよろしくお願い致します。