《秋ジャケットをコーディネート》色と素材でこんなに変わる
2017年9月27日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日は午前から長い打ち合わせ。
その後ランチをとって出社すると、秋に向かってオーダーしていたジャケットが仕上がっているではないか。
9月といっても秋と呼ぶには暑い日中だったが、ジャケットを見るや手が勝手に伸び、早速試着タイム。
2プリーツのイタリア・コットンのパンツも2017年作。
そんな、軽やかな色だけど、実は秋のダブルブレストのジャケットを羽織った。
そしてオープンテラスのカフェへと向かう。
今日は中之丸と、月に2回開催される《IDOBATA》という社内イベントの日なのだ。
IDOBATAとは、もともと定期面談と呼んでいた月一ミーティング。
面談ってなんだか堅苦しいい、、と思っていたところ、Googleなどの企業に習って1対1、もっと気軽な会議、むしろイベント化してしまおうと試みたものだ。
本田が大人数で集まって行う会議は、ワイワイガヤガヤ行おうということで、ワイガヤ会議とネーミングされているのも有名だ。
ということで、IDOBATAへ。個人的にはダレスバッグ大好きなのだが、ちょっとそこまでのクラッチバッグはマリネッラのソットブラッチョの登板が多くなり、ちょっと外出する時に写真に映るのでこのバッグが多くなる。
今日のクラッチはネイビーで、春はブルーをよく合わせていた。
同じバッグでも少し色を変えるだけで随分と表情が変わるもの。
ジャケットも、素材感を変えるだけで随分と雰囲気が変わる。
春
素材:コットン
秋
素材:ウール&カシミア&シルク
この、素材から伝わってくるものは少なくない。実際の暖かさはもちろん違うけれど、そうではなくて
印象としての違いがある。
また、色のトーンは、季節感を表すときにはやはり大きな印象の違いを生む。
サロンでは、アルバイトクルーHがついにメジャーを握って、文字通り中之丸の胸を貸してもらう日々。
一歩一歩、直向きに、良い洋服を追求しよう。
というわけで、秋冬らしい素材のジャケットも装いの準備をしておこうか。
さて、明日は何着よう?
なくてはならない!スーツに効く小物
2017年9月15日 スーツの着こなし術 | コーディネート
トランプの ネクタイがちと 長すぎる。
オーダーサロン ボットーネの松 甫(まつ はじめ)です。
どうしても気になることの1つは、ドナルド・トランプ氏のネクタイの長さであり、同じ感想を持っている方は少なくないのではないだろうか。
ところで、ネクタイの長さについて考えるときに、フォアインハンドクラブはご存知だろうか?
ロンドンにあった紳士の集まりである。
そして、結んだときにちょうど握りこぶし4つの長さになることから、ネクタイのことをフォアインハンドと呼ぶこともあるのだ。
悲しきかな、クールビズを押し付けられてしまっている紳士たち。
仕舞われてしまったネクタイ。
やはり、スーツを装う場合にネクタイはなくてはならない小物。
ネクタイはスーツを着る上ではなくてはならないと思う。
ネクタイはVゾーンに彩りを添えてくれる。
ドアが空いて、入ってくる取引先のマネジャー。
「ネクタイはそれを締めている人よりも一歩先に部屋に入ってくる。」とは、サー・ハーディー・エイミスの言葉だが、パッとまず目に入ってくるのは、顔より先にネクタイだ。
なくてはならない、スーツ小物については、ネクタイはメンズウエア素材の基礎知識の著者、大西基之先生の幻の著書、セビロが消えた日でも述べられている。なんと私は、このセビロの消えた日の原稿を入手したので、少しご紹介してみよう。
セビロあるいはスーツという様式を構成する上で最も重要なアクセサリーの一つにネクタイがある。
現代ではクールビズという夏のエネルギー不足に対する一助ということもありネクタイを着用しなくても失礼に当たらないということが一般的になりつつある。
とはいえ着装という点からいけば明らかに必要な部品を欠いていることに変わりはないのであるから、間が抜けずにノーネクタイでスーツを着装するには服装のキャリアを積んだイタリア男ほどの技術が必要だと思うのである。
大西基之先生の幻の著書 セビロが消えた日より抜粋
まず、かえってノータイは難しいということがわかる。
よほどルックスとスタイルがズバ抜けている場合は、ネクタイの力を借りずとも良いかもしれない。
または卓越しファッションに精通した方がノータイ姿で装っていたら、それは素敵かもしれない。
けれど、そうでない場合はやはりネクタイの力を借りるに越したことはないと思う。
必要な部品を欠いている、とある。
この数年で慣れてしまったのだろう、ノータイ姿に。
だからそんなにおかしい姿でないように見えるのかもしれない。
ちなみに、私はネクタイをしないスーツスタイルは未だに奇異に映る。
例えるなら、こうなる。
・エンブレムがとれたメルセデスベンツ
なくても車としては成立するし、エンジンや乗り心地などの機能面は問題ないが、なんだか外観のバランスが整わないと思う。というか、それがないとベンツじゃないとい意見も。
ノータイとはそんなアンバランスのような。
・緑のラインがない山手線
色以外に他の列車との区別がつかない。
最近の都心を走る電車は、JRも私鉄も、外側のラインの色以外に目立って大きな違いがない(細かな違いはあるけれど)あの山手線の緑のラインを黄色にしたら、総武線にしか見えないし、ブルーにすれば京浜東北線に見える。
ノータイとはそんな無味乾燥な電車。
・ドレッシングのないサラダ
食べられなくはないが味気ない。
モリモリ野菜を食べる時のサラダバイキングには、複数のドレッシングが用意されていて、それらを変えるだけで別物になる楽しさがある。そのドレッシングがないサラダバイキングはどのくらいの野菜が食べられるだろう?
ノータイとはそんな手抜きサラダ。
・上司がいない日のオフィス
どこか気が抜けた空気があるのはいうまでもない。良くも悪くも。
ノータイとはそんな、緩いオフィスのような・・・。
私が洋服屋だから?
ネクタイをしていない男性を見ると、上記のようになんだかあと一歩なのに完成されていない、勿体ない、だらしない、そういう風に見えてならないのだった。
私が洋服屋だから?
そうかもしれないが、ネクタイを締めている人間からすると例えるとそのくらいなんだか間の抜けた感じがしてしまうのだ。
まぁ、私のような洋服屋からどう見られるかはこの際どうでもいい。
でも、西洋では多くの人がきちんとネクタイをつけているわけであり、つまり西洋から見ると・・・。
大西基之先生は、本書の中で、(着れるわけはないが)帯をしない和服と例えていた。
やはりスーツにもジャケットにもネクタイを取り入れると綺麗だし楽しい。
ジャケットというとノータイというイメージもあるけれど、タイドアップするに越したことはない。
ネイビーのジャケットに、無地のタイでも表情があるタイで動きをつける。
ここぞという日はパワータイで、主張が伝わってくるもの。
ということで、クールビズ後のスーツの装いに向けて、早めにネクタイを取り入れてみようか。
さて、明日は何着よう?
男性から見て、女性のガウチョパンツは変?お洒落?
決して否定的なことをいうつもりではないのだけれど、男性から見て、女性のガウチョパンツというのはなんだか変!といつも考えてしまう。
裾は8部くらい、裾に向かって広がるガウチョパンツ。無地だけでなくストライプなどの柄もある。
レディースファッションのトレンドの移り変わりは激しい。
新しい服をリリースし続けることで古い服が生まれる、というと極論かもしれないけれど、初めて妻がガウチョパンツを買って、それを履いた後に私が思ったのは、
ニッカポッカ?だった。
表参道にいると、不思議なもので瞬く間に目が慣れてしまい、なんともファッショナブルなスタイルに映るから不思議なものだ。
そしてガウチョパンツが流行っているという文化は、ガラパゴス携帯のトレンドのように、割と日本独自といえる。
もちろん、悪くない、
トレンドのアイテムを取り入れることは。
ただし、それが似合っているのかどうかということが問題なのだ。
ネコも杓子も、とりあえず流行っているからガウチョパンツを履こう、となってしまっては、あれ!?一体このパンツのどこがよかったの去年の私?となってしまい、その時に気づくのである。
アパレル企業の匠な提案にまんまと引っかかってしまった、
モードという蜘蛛の巣に、私は取り込まれた、と。
(個人的には、私が女性なら割と艶やかなマキシスカートを着こなしてみたかった、と思う。エレガントな雰囲気なのにスニーカーで外す、というのも好き)
男性は保守的だ。
それに、タキシードを着る!とか、結婚式でスーツを!と服装が決まっている。
決まっているし、決まっている中で極端に【違う】ことをしたいのではなくて、
【同じ】であることで安心が得られるのだ。
女性はそうはいかない。
パーティーでドレスが【被った】なら、とても嫌な気持ちになる。
右の赤いパンツはガウチョパンツ。18世紀のプールポワンのボトムみたいだ。
これが洋服が持つ、男性と女性の根本的な違いのようで、
だから男性陣としては、とりわけ流行アイテムが出たからといって真っ先に取り入れるという方は非常にレアで、とりわけファッションに関しては王道で、毎年使用できる物が好きな傾向がある。
だから無頓着に走るととことん無頓着になるので、それはどれでどうかということにはなってしまうのだが、そんな保守的な男性陣から見た時の、突然ガウチョ?という振り幅が理解できないのだ。
もちろん私のようにアパレル業界にいるとまったく別の見方になるのだけど、普通の男性の感覚からすれば、ガウチョパンツはトレンドと言われてから数年経つ今でも理解不能といわれればそうかもしれない。
そもそも、シルエットがマイナスに働く要素もある。
・体のラインが出せない
・足が短く見える
・身長が低い場合には特にボトムに広がりが出てバランスが悪い
なぜかちょっとだけ肩を出す服が突然流行り、レースやチュールなどの透け感のある素材が流行り、エコバックのような鞄が流行った。
でも結局は男性が女性に対してキュンとくるのはワンピースだし、仕事ができそう!と思うのはジャケットスタイル。
王道だけどカーディガンをうまく合わせられればオフィスでは好印象だと思うし、テーパードのパンツはこれからも鉄板だ。
責める女性、守る男性、当面ファッションにおいては構図が変わることはないのではないだろうか。
男性から見て、女性のガウチョパンツというのはいかがなものなのだろうか?という議論に軸を戻すと、
実は個人的にはうまく着こなして自分のものにして取り入れているスタイルは好きである。
そして、テーパードシルエットにここまでか、という臨界点を超えたあたりで、一気に真逆にスイッチする、いわば反動のように捉えたので、男性も女性も、もちろん最先端のトレンドを常に纏うことが悪いことではない。
けれど、あれ?なんだか去年の服は今年着るには抵抗がある・・というような服ばかりではもったいない。
でもそれって5年前のデザイン?と肌で感じる服、他人に対してそのような印象を醸してもいけない。
そして何よりも1つ、重要なのは、
それが似合っていて、わたしらしいか?ということだ。
ただただ流行を取り入れるのならば、その辺のスタイリストの方にお願いをして、セレクトショップで買って合わせればダサくはならない。
でも、それで良いのだろうか?
本当に、形だけで?
大切なのは、例えば結婚式のパーティに呼ばれたとして、どのように装ってその場に行こうか、と考えるところなのではないだろうか。
それは目立ちたい!という自己顕示欲100%の自分目線ではなくて、もちろんそれも根底にはあるけど、その場やその方を引き立ててふさわしい、そんな服装は何だろうかと考えて実現するわけで、とにかくトレンドの服で身を固めました!という方とと
普遍的だけどトレンドが入っている、王道の和食だけれど一手間掛かっているな、というようなところを追求してみてはいかがだろう?
ジャケット オーダー
2017年5月15日 スーツの着こなし術 | コーディネート
ロンドンストライプ シャツの定義と着こなしは?
2017年4月15日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日はこれから仮縫いやブレザー、タキシードと納品が続く表参道サロン。
と、オーダーしていたシャツが届いていたので、思わず着替えてしまった。
新しい服を着ると気分が変わるもの。
ネイビーのモヘア混のジャケットに、クレリックのロンスト(ロンドンストライプ)のシャツを合わせて、ボルサリーノのパナマハットで季節感を出してみた。
カッタウェイという広い衿、クラシックなテーラードジャケットともうまく調和する。
ロンドンストライプとは等間隔で同じ太さで表現されるストライプ。
写真のようにブルーとホワイトの幅が同じ。
こちらもロンドンストライプ。
ロンドンストライプは決してクレリック仕様でなくとも素敵。
トラッドにボタンダウンも良い。
ロンドンストライプのそのロンドンというネーミングから当然のように英国を連想するが、英国ではロンドンストライプとは呼ばず、ブロックスストライプが正式名称でロンドンストライプはどうも和製英語のようだ。
つまり札幌に行って札幌ラーメンはどこで食べられますか?と聞くようなもので、札幌にあるラーメン店で食べられますよ、となるはず。
英国に行ってロンドンストライプのシャツを下さい、と言わないように気をつけなきゃ。
【すぐ使える】チーフとタイの色の合わせ方 基本編
2017年1月29日 スーツの着こなし術 | コーディネート
スーツスタイルでも、ジャケットスタイルでも、胸元にポケットチーフを挿すだけでこなれ感が出る。
ポケットチーフは決して結婚式の時につけるものというわけではない、普段からオススメしたいアイテムだ。
人と会った時に、
視線は顔以外に、タイ、としてポケットチーフのあたりにいきやすい。
そして、胸元のポケットの位置がはっきりするため、何もないより長身に見えるもの。
今日はそんなポケットチーフとタイの色とのバランスについて解説する。
まず、結婚式の服装としてイメージされるのが、白のポケットチーフだ。
式典では白のポケットチーフをスリーピークス、TVフォールドなどの挿し方がおすすめとなるわけだ。
このように普段でも白でも良いのだが、少し硬すぎる。
色や柄のポケットチーフをオススメしたい。
基本はタイと合わせることだ。
ブラウンならブラウンのポケットチーフを合わせれば統一感が出る。
色だけでなく、柄も統一させた例。
クレリックシャツにブラウンのタイ、ブラウンのポケットチーフを合わせている例。
シャツで遊んでもまとまってみえる。
シャツを含め、タイ、チーフもブルーで統一した例。
清涼感を出すなら、全体的にブルー。
グリーンで。
パープル。
厳密に同じ色でなくとも、色のトーンが合っていれば統一感は出る。
そのタイの、主になっている色を1色選び、合わせるとエレガント。
逆の狙いで、ファッショナブルに振れるのが、タイとチーフの色を変える例だ。
この場合は、どこかに入っている色をポケットチーフに反映させるとまとまりがよくなる。
この着こなしではジャケットと、シャツに入っている色を拾っている。
白のタイに、水色の花柄チーフ。
タイはリネンのベージュ、ポケットチーフはパープルで、シャツと合わせた例。
シャツの色とチーフの色を合わせる、というのは色々なコーディネートで活かしやすい。
タイはグレーだが、チーフはベージュ。柄は似ているので喧嘩しない。
ベスト、タイ、チーフの色はそれぞれ違うが色のトーンが同じであれば、バランスは崩れない。
オレンジ。
タイはネイビーだが、ゴールドのチーフ。
ブラウンにゴールドのチーフ。
パープルとグリーンは、補色の関係にある。
これをポケットチーフの色に応用すると良い。
このように、ポケットチーフがあるだけでも随分のコーディネートの幅が広がる。
また、シルク素材以外にも、リネンやカシミアなど、季節によって素材を変えれば一層着こなしに厚みが出る。
全てをカバーするチーフはないが、数種類揃えておけば色々なタイやシャツと合わせられるので、オススメだ。
ボットーネでもコーディネート提案・指南も可能だ。
どのブランドを、どこで買えば良いか?も含めてコンシェルジュに相談してみてはいかがだろう。
ザネラートのポスティーナ(メンズバッグ)をジャケットにコーディネートしてみた
2016年10月15日 スーツの着こなし術 | コーディネート
本日ご紹介するのは、ザネラートというブランドのポスティーナというバッグ。
こちらはメンズサイズとレディースサイズとがあり、メンズはLかM+が候補に入り、レディースならM+かMが候補になると思う。
私が持っているポスティーナはL・ブラックで、M+はもう少しこぶりになる。
このようにジャケット+デニムスタイルともなかなか相性の良いザネラート・ポスティーナ。
今日は実際にジャケットやジレ、スーツにも色々とポスティーナLサイズを合わせて相性を見てみようと思う。
ネイビージャケットにナンタケッドレッドのパンツという、アイビースタイルにザネラートのポスティーナをコーディネート。自然な形で溶け込み、良い意味で外しとなった。
この日は、ザネラートのポスティーナに、
カチョッポリのカシミア&シルク&ウールのジャケットに、
ネップのジレ、
チャッカブーツで。
ダブル・ブレストのシャツジャケットは、エルボーパッチ付き。
コーデュロイのパンツに、黒のダービー。
こちらはシャツ・ジャケットという、芯も肩パッドもないストレッチの効いたジャケット。
着丈短めのダブルブレストだから、ややカジュアルな印象になる。
こういったジャケットながらも着崩したような、ビジネスカジュアルやカジュアルなレストランに行くスタイルなら、ザネラート ポスティーナが合う。
手持ちのハンドルは長めで、ポスティーナ本体の重心が下に来るのだが、なかなか絶妙な位置だ。
ちなみに別のバッグで見てみるが、バッグ本体の重心が高くなると、このように印象が変わる。
バッグの重心で随分と印象が変わるから、実際に手にとって確認してみると良い。
ハウンドトゥースのスーツは英国フランネル、
朱赤のタートルに、チャッカブーツで。
スーツスタイルにポスティーナを合わせたコーディネートはどうかというと、相性は良い。
この場合あまり構築的な、かっちりとしたスーツスタイルに合わせるのではなく、少しくつろいだ、柔らかい雰囲気のスーツで、靴もチャッカブーツなどのカジュアル要素のあるものとの方が合わせやすい。
ちなみに、こちらはショルダーで肩掛けもできるのだが、ジャケットの表地が傷ついてしまうので、ジャケット着用時は肩掛けはおすすめしない。
トーンを揃えたジャケットとジレに、
ロンドンストライプのシャツで。
時期早々だが、ポロコートを合わせてみる。
番外編 (カジュアル)休日、息子と。
実は一緒にスタジャンで合わせていて、彼もそれが結構嬉しそうだった。
ショルダーは子供を抱えるのにも良い。
リネンのジャケットの着こなしは
2016年6月20日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日はアリストンのリネンのジャケットに、
ポロシャツとくるぶしパンツを合わせてみる。
足元はタッセルローファー。
移動が多くても、リネンジャケットだと気持ち良く過ごせる。
リネン(麻素材)は、人類が繊維を得るために最初に栽培したものの一つと言われ、
世界文明発祥のチグリス・ユーフラテス川で生まれた、
まさに最古の繊維と言われている。
古代エジプトでは、リネンを ”Woven Moonlight” (月光で織られた生地)と呼ばれ、
神事にも使用されていたという。
そんなリネンのタイを求め、
営業TYPEというウェブマガジンの連載の、
今月の一本、というネクタイの選定に伊勢丹メンズ新宿へ。
考えてみれば、ボットーネが新宿にあった頃、よく行ったものだが、
ここのところはすっかり足が遠のいていた。
色々なものが揃っているというのは、買い物がスムーズで良い。
伊勢丹ネクタイ売り場で色々質問したが、きちんと的確な回答だった。
それにしても、ネクタイの大剣の幅の細さといったら、驚きだ。
・え?この太さですか?
と言ったら、太いですか?と。
違う、細いのだ!
最近、店舗で販売されているタイが、
とにかく細い。
私が手に取ったネクタイは8センチということで、
これは標準的ですよ、という回答だったのだが、
本来ネクタイの大剣というのは、トレンドを反映するものではなく、
スーツのラペルと合わせると美しい、という黄金比がある。
ここ最近のスーツやジャケットといえば、
ラペル巾が細くなった。
それも手伝って7センチや8センチというタイが市場に多くなっているのだ。
先日ビームスエフにいった時も、やはり同じであった。
細い・・・。
私が好んでつけるクラシックなタイは、9センチ以上はある。
マリネッラとか、フランコミヌッチ、ステファノビジなどは
9センチ台を維持してくれているものが多い。
好みでも良いが、
自分の良く映してくれる、良い幅のタイを身に着けると、
とてもバランス良く見えるものだ。
今朝、自宅でBBCを観ていたら、
中国 習近平主席のポーランド到着の映像があり、
意外と細いタイなのだなと思った。
ふと、中国出張していたころを思い出して、懐かしくなった。
私のクライアントの一人で、プライベートジェットに乗っている方がいて、
車はトヨタ、化粧品は資生堂ととても日本好きな方で、
中国出張していたころは可愛がってもらっていた。
あの方はタイは付けない主義だった。
時々御馳走になったが、
飲まされ続けて記憶を失い、
朝起きたら血だらけだったことがあるが・・・
実は今でも中国の方からの注文があり、
日本製の価値と信頼を感じることがある。
こうして中国の方にスーツやシャツやタイを提案していたとき、
シャツについてはクレリックを着る文化がないことに気づいた。
まだ中国でクレリックを着る方に会ったことがないような気がする。
私もここのところクレリックシャツを良く着るが、
クレリックといえば、こちら、モーニングにクレリックシャツを合わせているのだ。
このセンスの良さは、受け継がれたものもあるに違いない。
結び目にも品がある。
明日はクレリックシャツで、
気持ちの良い火曜を過ごそうと思う。
ニットタイの着こなしは
ボタンダウンシャツに、黄なりのコットンパンツ、
ウールシルクのジャケットには、ニットタイを。
そう、この季節にカジュアル感を出すのなら、ニットタイがおすすめである。
このニットタイはブルックスブラザーズのタイ。
ニットタイとは、御覧のように編み込まれたタイ。
基本的には細く、剣先はスクエアになっている。
いわゆるジャケパンスタイルの場合、
ノーネクタイはちょっとゆるい感じがし過ぎる、とはいえ普通のネクタイは、、
というような時にはピッタリではないだろうか。
敢えて週末に出社するときはニットタイとジャケットを着こなす、
といった演出も良いと思う。
このタイを巻く時の注意としては、
あくまでもジャケットスタイルで着こなす前提ということだ。
スーツに合わせるのはなかなか高等テクニックだ。
逆にコンバースのスニーカーにスーツを合わせる、
くらいの外しができるのならば、ニットタイで合わせるのが良いだろう、
でもこれはアパレルに属する人間のなせる業だろう。
伊勢志摩サミット 首相のスーツスタイル
2016年5月28日 スーツの着こなし術 | コーディネート
伊勢志摩サミットが開催され、
そして昨日は現職のアメリカ大統領のオバマさんが広島の平和公園で献花とスピーチをし日本中が注目した件、
賛否両論あるだろうが、オバマ大統領の広島でのスピーチについては歴史的な出来事だった。
悲劇的な出来事があっても、人は許し合い、未来へ歩んで行く。
オバマ氏のスーツスタイルについては、
安倍首相より一段濃いダークネイビースーツにピンドットのタイと、王道で厳かな服装。
スーツはもう少しフィット感があって欲しいと思うのだが。
安倍首相のみグレー。
年齢もあってかイタリアのレンツィ首相(右から2番目)は精悍なスタイル。
やや細いラペルに、合わせてナローなシルバータイ。
各国首相よりも着丈も短く、ボタン位置も深くフィット感の強いスーツ。
シャツはタブカラー!?
カナダのトルドー首相、この方は反則(笑)
ネイビースーツにブルーのシャツとネイビーブルータイが爽やか。
ラペルも袖巾も細いが、フロントカットはトラディショナルな雰囲気で、
決して軽くないが、40代ということで若手感が出ている。
服装、特にスーツスタイルにはお国柄や人柄、立ち位置が出るから、面白い。
松 甫
グレンチェックスーツの着こなしは
2016年5月22日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日はグレンチェックのスーツ。
このグレンチェックのスーツには、ブルーのオーバーペーンが入っているため、
正確にはグレンチェックではなく、プリンスオブウェールズとなる。
グレンチェックのブルーのオーバーペーンに合わせ、
タイをブルーで合わせて、
シャツはチェック。
グレンチェックスーツやジャケットの着こなしの際は、
小物の柄をどう合わせるかが非常に重要な着こなしポイントで、
一歩間違えると柄のインパクトに負けてしまうため、
さじ加減が難しい。
今日は25度を超えるというから、
ホーランドシェリー社の素材のグレンチェックスーツには
サドルのシューズとボルサリーノのパナマハットで、
夏っぽく着こなした。
オレンジのタイやチーフで。
シャツもチェックに。
ピンドットの淡いタイ。
レジメンタルのタイでトラッドに合わせるのも良い。
関連記事
グレンチェックスーツの着こなし ネクタイの合わせ方
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昨日はある企画のために、
フィッティングの合間にビームスFへ。
いつ以来かわからないが、とても懐かしい感じがした。
それでその企画のためのネクタイを探していた。
企画には予算がある。
ちょうど企画のために、オススメのネクタイの価格マップを作ったところ、
このようになった。
10,000~
フェアファックス、クリケット
15,000~
フランコミヌッチ、ホリデイ・アンド・ブラウン、ブリューワー、
20,000~
ルイジボレッリ
25,000~
アンジェロフスコ、マリネッラ、タイユアタイ、シャルベ、
30,000~100,000
ドミニック・フランス
昨年くらいに値上げがあったらしく、
確かに全体的に金額が上がっている印象がある。
ネクタイはスーツなどメンズの着こなしには欠かせないアイテムだが、
企業によっては半年以上ネクタイをしない(しなくて良いORしない方が良い)
企業も増えているようで、寂しい話である。
そもそも1着のスーツであっても、
ネクタイを変えるだけで着こなしの印象は大きく変わるため、
じゃあネクタイを変えない(そもそもネクタイをしない)場合には
どこに着こなしポイントを置くのだろうか。
スーツを何着も所持できれば良いかもしれないが、
着こなし、着回しができないとなると、これはこれで大変だと思う。
ネクタイを締めるか締めないかで、
体感温度はどのくらい違うのか?
という部分について、クルーで意見し合ったことがあるが、
確かにジャケットを脱ぐ・脱がないでの体感温度の差は小さくないと思う。
それでも私はジャケットは脱ぎませんが。
移動式の弁当を買いに行くと、
決まって暑いですね~と言われるのだが、
体感としてそこまで暑いと思わない。
これは夏でもジャケットを脱がない習慣から
体が暑さを感じにくく進化したのか?と思っていた。
しかし昨日も同じ弁当を買いに行くと、
一つ前に並んでいた女性に、
暑いですね~と言っていた。
女性は、
そうですね、でも今日は風が冷たいですよ?
中は暑いですよね~と言った。
鉄板と鍋を前にワゴン内にいるのだ、
そりゃ暑い。
私の体感が進化したわけではなかったのか。
松 甫
クレリックシャツの着こなしは
2016年5月21日 スーツの着こなし術 | コーディネート
今日はソフトな芯地で誂えたクレリックシャツ。
抜群の着心地でウキウキの週末である。
クレリックはもともとは聖職者着用の制服の白衿、
クレリカルカラーが由来になっており、
決して大人女子に大人気なシャツといえば、クレリック!ではない笑
このシャツは1920年代に流行したといわれるが、
非常にトラッドなシャツだ。
<上記の紳士は2名ともクレリック・シャツを着用している。1名はウイングカラーのクレリックシャツ。>
それから、この衿の白いシャツ=クレリックと呼ぶのは日本のみ、つまり和製英語である。
正式にはカラーセパレーテッドシャツ、ホワイトカラードシャツ、カラーディファレントシャツなどという。
和製英語といえば、
オーダーメイドも和製英語である。
サラリーマンがタレントに憧れて、クレリックシャツをオーダーメイドで作った、という文の中に、
英語は一つもないということになる。
考えてみれば、オーダーメイドのメイドは作るだから、
オーダーメイドで作るというのはどうなのだろうか。
とはいえ和製英語は実に響きも良く、聞きなれているし、
ここでは終始クレリックシャツと呼ばせてもらうことにする。
クレリックの身頃には主にストライプなどの柄の生地を使う。
ソリッドでカラフルな生地のクレリックシャツも1900年代を再現している映画でも見かける。
たいがいは衿とカフスに白の無地を用いる。
今年はロイヤル・ブルーの無地素材でクレリックシャツを仕立てようと計画していたが、
計画が長引いているうちに品切れしてしまった。
クライアントにも良く言われるが、品切れと言われると余計に気になるから人間不思議なものだ。
そして、何事も早めの準備が吉である。
私はカフスは白無地にしないで、
衿と台衿を白くしたクレリック。
今日はクレリックに合わせパンツも白。
ストライプのシャツなので、ピンドットのタイ、
明るいネイビーのジャケットを。
タッセルローファーは時計と合わせてブラウン。
クレリックシャツの着こなしのポイントとしては、
例えば柄シャツ+柄タイなら無地ジャケット、
柄シャツ+柄ジャケットなら無地のタイ、など、
全て柄にせずうまく無地と柄を合わせると良い。
慣れてきたら柄+柄+柄にもチャレンジしたいところ。
ちなみにクレリック着用ドレスコードについて、
FRAY社のオーナーが、クレリックシャツは午前に着るべき!
との発言があったとネット上で見かけるが、
推測だが欧州の方の発信する午前は、朝という意味ではなく、
18時までのことだと思う。
日が暮れると服装を変える。
18時からタキシードを着るが、
モーニング・コートは朝を含む日中に着る。
私は、
夜のパーティでクレリックは違うんじゃない?
といった発言から午前との言葉が独り歩きしているのではないかと思う。
そもそも仕事でクレリックシャツを着ていて、
夜にパーティーがあったならば、
シャツとタイ、できればジャケットも着替えることができればベストだ。
私も18時きっかりに着替えるわけではないが、
今夜ディナーに行くのならそもそも着替える。
さて、クレリックシャツも着たことだ、
悩める子羊のために祈りをささげ、
自身の内面磨きの修行に今日も励むとしようか。