ベージュタキシードとデニムシャツと
GWも終盤、最後の土日を迎えています。
ここ数日は天気も良く気持ちのいい日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
表参道は連日たくさんの人で賑わっており、「カフェでひと息つこう」なんてことは相当な運に恵まれないとできないほど。
ボットーネにもたくさんの人がお越しいただき、連日タキシードやスーツの打ち合わせ、完成したオーダー品のご納品が続いています。
山梨県からお越しいただいたO様。
挙式は軽井沢の「石の教会」にて予定されており、オンライン→サロンにご来店と打ち合わせを重ね、ベージュのタキシードをオーダーいただきました。
ベージュと言ってもたくさんトーンがありますので一概ではありません。
今回はややブラウンに近づいたような色味ですね。
こちらはシワにも強く、ピンとしたきれいな状態を保ち続けてくれるイタリア産の生地でお仕立てさせていただきました。
『タキシード』というと、通常は蝶ネクタイや衿、ボタンなどの要所に『ブラック・シルク』を用いるのが一般的ですが、ややカジュアルな雰囲気のある今回の生地にブラック・シルクを当てはめるのはさすがにセンスがありません笑。
あくまで基本ルールがあるのがタキシードですが、『結婚式』と『厳粛な式典』はちょっと方向性が違います。
マナー違反にならない程度に、皆さんの個性やウエディングのイメージに合わせてチューニングを行ってくのがベストでしょう。
今回はベージュからさらにワントーン暗くした『ダークブラウン』を用いることで、ベージュの柔和な印象は残しながらも、顔周りはキュッと引き締めることで全体的にメリハリのある良いバランスに仕上がりました。
包みボタンや、ポケットにも同じようにダークブラウンを使用。
大人が着るタキシードですから、あまり色を追加しすぎてはいけません。
ベージュとダークブラウンの2色だけでタキシードを構成することにより、洗練された装いが可能となるのです。
『タキシードの靴はブラックだよ!』『そしてエナメルがいいよね!』
なんて思っている方もいますでしょうか?
でもこれも先程と同じで、いくら何でもアンバランスです笑
間違いなくダークブラウンの靴が大正解でしょう。
時折、全体のバランスを考慮せずに、ある一点だけみて「ここはこうですよね?」とルールに乗っ取った基準でアイテムを選ぼうとする方がいますが、『木を見て、森を見ず』の状態になってしまいます。
ルールを知っているうえで外すなら、それは立派なファッションです。
あまり固く考えすぎないように、私たちがしっかりとアシストさせていただきます。
さあ、ここでお色直しです。
ボットーネでもお色直しの定番となりつつあるデニムシャツですが、いつもご提案するデニムシャツよりもワントーンだけ濃いめのインディゴカラーにてお仕立てさせていただきました。
ベージュなどの淡いトーンの場合、ホワイト・シャツからの変化を際立たせるにはこのくらいのパキッとした色味の方がいいですし、何よりファッション的にも合いますね。
このデニムシャツは、挙式後にはプライベートでご着用いただけますよう、レギュラーカラーにてお仕立てさせていただきました。
ホワイトシャツに比べて、襟やカフスに用いる芯地を柔らかくしていますので、洗いを重ねていくことでもっともっと着心地が軽やかになっていきます。
その辺りは特別お客様にはお伝えしていないのですが、レンタルと違って一生残り続けるものですから、挙式後のこともしっかり考え、一点一点心を込めてお仕立てさせていただきます。
これは初回フィッティングの時の写真です。
ここからお客様の着用感、私たちフィッターから見た修正ポイントを踏まえて一度アップデートをさせていただきます。
もちろん一発OK!が理想なのですが、ゼロから作り上げるタキシードですし、修正が発生するのも仕立て屋目線では当たり前と言えば当たり前。
とはいっても微調整ですので、期間は2週間ほどしかいただきません。
お客様と私たちフィッターが両方とも100点を出して、初めてご納品させていただきます。
もしかしたら、ここまで丁寧に1着1着を仕立てるお店は少なくなっているのかもしれません。
お打ち合わせの際に『スーツやシャツをオーダーされた経験はありますか?』とお聞きすると、何割かのお客様は「あります!」とお答えいただきますが、採寸やフィッティング、そして完成後のフィッティングの際にひとつひとつ確認していると、
『こんなに丁寧に確認するんですね・・・。』
と驚かれることがたくさんあります。
私たちにとってはそれが当たり前ですが、お店によっては技術不足なのかなんなのか、お話を聞いていて「えっ、そんな感じなの!?」とびっくりすることもしばしば。
他店のことはどうでもいいですが、私たちは私たちが信じる道を、進んでいくだけ。
『普通の人が輝ける服を、普通よりも楽しく、普通よりも丁寧に。』
結婚式のタキシードも、レンタル店で適当に借りるよりは、専門家と一緒に作り上げて、そのストーリーをも結婚式の一部として楽しんでいただきたい。
そういう思いで、これからも心を込めてお仕立てさせていただきます。
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O様、この度は素敵なベージュタキシードのオーダーを本当にありがとうございました。
挙式当日も自然に、そしてかっこよく着こなしていただけますと幸いです。
良い一日となりますことを、ボットーネ一同心よりお祈り申し上げます。
ライター:松 甫 詳しいプロフィールはこちら>>
表参道の看板のないオーダーサロン 株式会社ボットーネ CEO。
自身もヘッド・スーツコンシェルジュとしてフィッティングやコーディネートを実施。
クライアントは上場企業経営者、政治家、プロスポーツ選手の方をはじめ、述べ2,000人以上。
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