授賞式や表彰式など各種式典のタキシード
ゴールデングローブ賞受賞式典でおなじみのタキシード
何らかの賞を受賞することになった場合や、ビジネスで表彰を受けることになった場合にも、タキシードを着ることがあります。
TVなどでもゴールデングローブ賞受賞式典などをはじめとする映画祭などでもタキシード・スタイルの俳優を見ることがあります。
こうした受賞式典などの式典、レセモニーであればタキシードを着用して良いのかといえば、まず時間帯がキーとなります。
タキシードは基本的には18時以降、夕暮れから着用する礼装。
ゴールデングローブ賞の式典は日本では午前から生中継されていますが、実際のアメリカ時間では夜に行われているイベントなので、タキシードを着用しているわけです。
夜のタキシードの着こなしは
タキシードを着用する際にはベルトをせず、サスペンダーで吊る、というようなルールも多く存在します。
まずはサスペンダーボタンという、パンツ内側のボタンがあるかどうかを確認しておき、これがある場合はボタンにサスペンダーを引っ掛けるタイプを選びます。このボタンがない場合はパチッと挟み込むサスペンダーを使用すれば、同じように吊ることができますが、サスペンダーボタンで留めた方がエレガントといえます。
タキシードに合わせる靴は、黒のエナメル、オペラパンプスが基本となるのですが、黒い革靴(プレーントゥ)でも可能です。
エナメルの靴を履くことになった由来として、ダンスをしている際に、ドレスの裾に靴墨をつけないように、という紳士の配慮から誕生しているという説もあり、まさに紳士的な一足といえるのではないでしょうか。
エナメル靴はお手入れも難しくなく、タキシードスタイル以外にコーディネートしてファッションを楽しむのも悪くありませんので、一足あって損はないかと思います。
タキシードにお花は挿す?
タキシードスタイルで花を挿しているのは、ブートニエールといい、ホスト側(主催者など)である証となります。
ですから、その式典に招かれたという立ち位置であれば、お花はつけるべきではありません。
例えば結婚式で新婦がブーケを持ち、お揃いのお花を新郎がブートニエールとして挿す文化もありますが、列席者も主役もタキシードスタイルのパーティのなかで、このお花が唯一の主役か否かを見分けるポイントなのです。
さて、夜の各種授賞式、パーティに参加する場合にはタキシードスタイルがおすすめとなりますが、色はどこまで遊んで良いのでしょう?
当然ながら国際ルール上のタキシードは黒です。その他小物類も、黒いボウタイ、黒オニキスカフリンクス、黒のスタッドボタンと決まっています。
ここ数年では全員真っ黒という風潮も少し薄れ、特にゴールデングローブ賞の授賞式などではハリウッド俳優たちがミッドナイトブルーやネイビーに、黒い拝絹(衿のシルク)で登場しています。
ただし、ミッドナイトブルーやネイビーのタキシードを着るということは、最低でも1着黒いタキシードを所持していて、外しとして着用しているケースが多いです。王道のタキシードの着こなしは当然ながら染み付いていて、それでいて色で遊ぶと非常に素敵です。
王道はピークドラペルのタキシードです。ピークドラペルとは衿先が尖ったタイプ。
もともと燕尾服から派生したタキシードといわれますが、燕尾服はピークドラペルです。
このピークドラペルの幅については、例えばオーダーの場合は顔や体格とのバランスなど、最適な幅をコンシェルジュと相談しながら打ち合わせると良いと思います。
室内着を彷彿とさせるのは、ガウンのような優美なこちらの衿の影響でしょう。
こちらはショールカラータキシード。
日本の場合、ショールカラーかピークドラペルか、によってのドレスコードはありませんが、欧州のパーティやセレモニーで、例えばおもてなし側はショールを着用する、といった暗黙のドレスコードがある可能性もあるため、事前に情報収集しておくと良いと思います。
この他に、ダブルブレストのタキシードがあり、この場合はピークドラペルが基本となりますが、過去一度だけ、映画祭用にダブルブレストながらショールカラーというタキシードを製作させていただいた事例があります。