2016年6月14日ボタンには様々な種類の素材があります。水牛、ナット、ポリエステル、そして貝です。貝ボタンはその名の通り、貝をくり抜いて研磨し出来上がる、天然素材のボタンです。
貝ボタンにも、様々な種類があります。
黒蝶貝、高瀬貝、茶蝶貝、白蝶貝など、
貝の種類によってボタンの風合いが変わります。
なかでも高価なのが白蝶貝です。
白蝶貝はボタンの原料となる貝のなかでは最も希少です。
巻き貝である高瀬貝も白く、一見すると良く似ているのですが、
二枚貝の白蝶貝は、1つの貝から取れるボタンの数も白蝶貝の方が少なく、
そしてボタンになったときには美しい輝きを放ち、
ジャケットを引き立てます。
こうした貝ボタンは、特にジャケットなどと相性が良く、
なかでも麻素材のジャケットに合わせると映えます。
麻素材のジャケットは大変通気性が良く、
また着用したときのクタッとした風合いからカジュアルなジャケットに最適ですが、
このカジュアルな雰囲気と貝ボタンとの相性が抜群に良いのです。
水牛のボタンやヴェジタブルアイボリーのボタンは、
ダークトーンのボタンであれば非常に重厚な印象となりますが、
白蝶貝のボタンはこれとは対極に、軽やかな印象となります。
ジャケットのみならず、
比較的高価なシャツにも貝ボタンが付いていることが少なくありませんが、
ポリエステルの人工的に作ったボタンに比べて、天然の味わいがあり、
光の反射が美しく、高級感を感じさせます。
貝ボタンには通常の薄さのボタンから、
非常に分厚いボタンがあります。
これは分厚く切削するわけで、非常に贅沢なボタンといえます。
ジャケットのボタンとしても分厚いボタンはさり気ないアイコンとしても素敵で、
シャツのボタンとしてもユニークです。
ただし特にシャツのボタンが貝の場合は、
クリーニング時のプレスなどで割れやすく、
ポリエステルのボタンと比較すれば圧倒的に弱いというデメリットもあります。
これは天然素材のボタンである、
水牛やヴェジタブルアイボリーのボタンと比較しても同様で、
貝という素材であるが故に耐久性は低く、
扱いには注意が必要です。
ジャケットの場合も同様で、
特に袖口のボタンなどはパソコン作業の際に、
テーブルに強くぶつかった場合に淵が欠けてしまうこともあります。
こうなってしまうとボタン自体の修復はできないので、
新しいボタンに交換する必要があります。
また分厚い貝ボタンは、
実際にボタンを留める際に留めにくいという点も考慮した方が良いでしょう。
貝ボタンは、ジャケットやシャツのみならず、
例えばスーツのボタンとして貝ボタンを採用するというのも悪くありません。
そもそもボタンというのは、紳士服において唯一のアクセサリで、
唯一の突起物です。
もちろん実用面から、前身頃と後身頃を繋ぐ役割はあるわけですが、
実用とアクセサリを兼ね備えた、紳士服で唯一遊べるところといっても過言ではありません。
そういった意味では、
スーツのボタンとして貝ボタンを採用するというのは、
式典や公式な場所で着用するスーツでないのならば、
さり気ない遊びの効いたスーツとしてユニークです。
スーツに貝ボタンを付ける場合は、
生地の色とのバランスを考えて、慎重に選択することをお勧めします。
ネイビーのトーンが濃い場合に、
白蝶貝などの白身が強いボタンを採用すると浮いてしまい、
茶蝶貝など方が調和がとれます。
もちろん明るいボタンを付け、
軽やかな印象にすることが狙いであれば、白蝶貝も候補にして問題ありません。
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