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背抜き?総裏?スーツの裏地の選び方

背抜き?総裏?スーツの裏地の選び方

スーツやジャケットの裏地の仕立てについてです。 裏地といいますと、全て裏地が貼られている【総裏】という仕様と、背中の下部分が抜かれている【背抜き】という仕様とが一般的に販売されているものとなっています。 この他にも、半裏、アンコンといった仕様も存在します。



さて、数ある裏地の仕様の中でも多い総裏と背抜きなのですが、総裏?背抜き?どのような基準で選べばよいのでしょうか?

まずは総裏、背抜き、を考えるに当たって、スーツ発祥のイギリスではどうなのでしょう?

実際にイギリスにて修行した方からは、イギリスのテーラーでは背抜きは存在しなかった、というお話しも聞いたことがあります。

しかしまったく逆に、ブランド服から縫製まで手掛ける別の方からは、イギリスに背抜きは存在し、だからこそ日本にその仕立てが入ってきた、するというお話しも聞いたことがあります。

よって、イギリスでの状況は定かではありません。
それではイタリアではどうでしょう?
イタリアでは北と南でその様子が異なるといいます。 例えば北部ミラノでは、割とカッチリとした仕立てをするテーラーが多いことから、夏でも総裏が多いといわれます。

また、イタリアの既成服スーツで総裏が多い理由として、作り方が背抜きに比べて簡単である、ということも考えられるといいます。

表地と裏地を縫い合わせた後にグルリとひっくり返す、どんでんという仕立て方などがそうです。

しかし、まったく逆に南部ミラノでは、背抜きや半裏、シャツ袖などを自由に用いることで、耐久性ではなくソフト感、軽やかな雰囲気、そして色気などといった部分を大切にしているのが伺えます。

では次に、裏地の仕様の選び方を考えた時に、そもそもの裏地の役割について考えてみます。

まず、裏地は表地を傷めないために存在しています。 以前スーツのたたみ方でご紹介しているとおり、スーツの上着を脱いだ際は、必ず裏地を表にしてたたみます。

これも表地を傷めないような配慮からなるものですが、こうして表地を守るために裏地が存在しています。

そして総裏で裏地を貼ることによって、スーツ表地の型崩れを防ぐ働きがあります。

当然着用もしやすく、耐久性にも差が出てくるわけです。

このような裏地の役割から考えると、スーツは総裏が丈夫で良い、となるのです。

これらから考えてまとめますと、スーツに関しては、夏であったとしても総裏が基本といえば基本 という考えも生まれます。

とはいえ…
多湿の日本で総裏に固執するのはどうでしょうか? イギリスやイタリアとは具合が違い、あまりに暑い夏に総裏スーツというのも辛いものがあります。
このような理由からも、日本でのスタンダードとして、既成服スーツの売り場を除けば、背抜きのスーツが売られているものです。
耐久度は落ちるものの、日本の夏スーツは背抜きもスタンダードである。と言って過言ではないと思います。
しかし白いシャツが透けてしまう背抜きのスーツよりは、総裏で仕立てたい、というお客様には、モヘアやトロピカルウールなどの通気性を考慮した素材をお勧めしています。
もちろんそれでも暑いのですが、純粋なウールに比べれば随分と違います。
ジャケットは軽さ、ソフト感を出すために背抜きや半裏、アンコンなどで仕立てる場合が多くあります。
パッドやフロントカット、着丈の違いなど細部の雰囲気を変えて軽やかにしていることもありますが、背抜きにすればより軽い雰囲気が演出できます。


総裏か?背抜きか?
着用のシーン、ビジネスのスタイル、魅せ方などライフスタイルによって考慮する必要が大きく、それによって選ぶのが一番ではないでしょうか?

⇒前の記事は『お店で靴のサイズを選ぶときのポイント』です。

⇒次の記事は『イタリア生地とイギリス生地との違いとは?』です。



着こなしブログ「スーツ着こなしの知識」もご覧ください。


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